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2016/03/17

平成28年第1回定例会 予算特別委員会 ~道内13空港の利活用に向けた取組について~ ※答弁付き

本日は総合政策部へ質問させていただきました。

札幌丘珠空港の利活用を高めることによって、新千歳空港や道内11空港の活性化を図る視点からの提言を交えて質問です。

この件については、しげのぶ先生から引き継いでいるライフワークであります。

第2回定例会でも取り上げて、更に議論を深めて参りたいと思っています。

新聞報道にもありましたが、昨日、高橋知事が菅官房長官と面談させていただき、空港民営化について申し入れを行い、意見の一致をみたとのことでありました。

いよいよ空港民営化が現実味を帯びてきています。

北海道が将来に渡って輝き続けるために、北の元気玉、ますます元気に働いて参ります。よろしくお願いいたします。

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【道内13空港の利活用に向けた取組みについて】

平成27年9月18日、民間経済人が集い、札幌丘珠空港の活性化を研究されてきた丘珠研究会は、「北海道創生の切り札」~札幌丘珠空港整備とこれからのまちづくり~を北海道へ提言されました。

その中では、イギリスのロンドンシティ空港やブラジルのサントス・ドゥモン空港にみられる大都市近郊に位置するセカンダリー空港としての実態を分析し、札幌丘珠空港の可能性を言及するとともに、FDAによるテストフライトや各チャーター便の就航を実現させ、5年間の研究成果について2度に渡ってセミナーを開催し、産官学金労言と各々に関心の高い提言が行われています。

この提言については、かなりの具体性と緊急性を持ったものとなっていて、北海道と札幌市や空港周辺自治体の航空行政上における喫緊の課題である道内13空港の利活用に直結した良策を示すものとなっています。

 

一方、国土交通省が昨年から策定を進めている「新たな北海道総合開発計画」には残念ながら「札幌丘珠空港」に関する記載が出てきません。

「新千歳空港を初めとする道内空港」としての記載はありますが、現在検討されている空港民営化等に頼っても、その効果は未知数なものでしかなく、それを以ってすべてが解決されるものではありません。

今後のアジアの成長を取り込んでいかなければならない北海道が、「札幌丘珠空港」の利活用次第で、必要十分な原動力となり得ることが自覚できているのならば、これまでに国への陳情等を積極的に積み重ねておかなければならず、結果として、その効果のインパクトから考えても「新たな北海道総合開発計画」にその位置付けが明記されていても決しておかしくはないものと言えるのです。

 

北海道と札幌市が、「北海道創生」の切り札として「札幌丘珠空港」の可能性を分析・理解・把握し、国にきちんと陳情を重ねていく必要があります。

ここは、北海道が果たすべき役割を見据えた施策展開を図ることが必要です。

 

ここでは北海道と札幌市が、新千歳空港の持ち得る機能を最大限に活かす為に、札幌丘珠空港をセカンダリー空港と位置付けた上で、これら道内13空港の利活用をどのように考えていくのかが問われていることを中心に質問させていただきたいと思います。

 

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まずは、名実ともに北海道の玄関口である新千歳空港でありますが、外国人観光客300万人と道産食品輸出1000億円、そしてその先の実現へ向けて、更なる利活用が求められています。

それは、新しい誘導路の設置や新しい国際線ターミナルビルの建設、新しい国際物流拠点の建設などの動きから感じ取ることは出来ますが、国内移動は基より海外からの、海外への移動、即ち「活動人口」を増加させていくことこそが、人口減少が避けられぬ最中にある北海道の元気の源になり得ることは間違いありません。

 

しかし、限りある発着枠、航空自衛隊千歳基地と隣接するが故の北の守りである航空防衛上の制限、CIQ体制やハンドリング等の受入環境の整備、利用環境の改善など直面する課題の「中長期的」な取り組みが施されていると判断は出来るものの、私たちが掲げた北海道創生重点戦略の達成、更にその先へ向けては、未だ不十分であることは否めません。

よって、基本的な戦略策定にあたり、間もなく報告されることになっている「道内空港機能強化調査研究事業」の内容を踏まえて、新千歳空港を初めとする道内13空港の航空政策を直ちに明らかにして見直す必要があります。

 

Ⅰ,道内13空港活用のための札幌丘珠空港活性化について

①    新千歳空港のキャパシティについて

まずは、新千歳空港のキャパシティについて伺います。フル活用した場合には、週に何便の離発着が可能となるのでしょうか、その際に運ぶことが出来る人の数の推定も教えて下さい。

また、国際線第二ターミナルビルが2020年に完成する見込みであると承知しておりますが、それを含めるとどこまで増やすことが可能となるのかを教えて下さい。

 

【答弁】

新千歳空港の受入能力についてでありますが

週当たりの離着陸便数については、日中には1時間当たり32便を上限とした運用が行われ、深夜22時から早朝7時までの間では、計30便までとされていることから、週当たり最大で3千5百70便となる。

この場合における最大旅客人数については、各航空会社の使用する機材の大きさや運航頻度により、大きく変動するため推定することは困難であるが、過去最高の旅客者数については、平成27年の速報値で、国際線で約210万人、国内線で約1千8百35万人であり、

合わせて約2千45万人となっているところ。

また、国際線旅客ターミナルビルの機能向上による離着陸便数の変更については、現在のところ予定されていないものと承知している。

 

 

②    新千歳空港の東北以北便について

それでは、新千歳空港を発着する東北以北便について伺います。

近年の新千歳空港における、年あたりの東北以北の近距離便の数と、輸送可能旅客数、旅客数実績を教えて下さい。

 

【答弁】

東北以北の近距離便についてでありますが、現在、新千歳空港と、5県、5空港との間で航空路線が結ばれており、1日当たりの運航便数は青森空港が5往復、花巻空港が3往復、秋田空港が4往復、仙台空港が14往復、福島空港が1往復となっている。

また、新千歳空港と東北各空港との間の提供座席数の合計は、国土交通省航空局が取りまとめた航空輸送統計によると平成26年度実績で212万4千690席であり、旅客実績は、113万5千520人となっている。

 

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丘珠研究会が提案する、新千歳空港を離発着する東北以北の近距離便を中心とした2800便余り、提供座席数212万席に対して、旅客数実績で113万5千人余りをまずは丘珠に移して、空いた枠に国際線を乗り入れさせる案は、新千歳空港と札幌丘珠空港の役割分担によって現施設のままでも、新千歳空港の能力を新たに生み出すことのできる効果は絶大なものとなり得るのです。

実現を目指す価値が、大きなものであることは理解していただいたと思います。

 

 

③    今後の㈱北海道エアシステムの展開ついて

では次に、今後のHACの展開について伺います。

まず、現状を明らかにする意味で伺いますが、

HACが提供している便数と提供座席数を教えて下さい。

HACが使用している機材はいつまで使用可能なのでしょうか?

メンテナンスはいつまで可能なのでしょうか? お答えください。

HACの次期機種選定はテーマとされているのでしょうか?

 

【答弁】

HACの現状等についてでありますが、現在、HACは、1日あたり最大12往復24便を運航しており、提供座席数は、1機36席であることから、1日最大864席となっている。

また、現在使用している機材については、HACからは、「法令に基づく部品交換などの整備を行っており、部品供給も継続していることから当面使用可能であり、使用期限については、特に定められたものはない」と聞いている。

なお、HACの次期機種選定については、「時期は明言できないが、今後の経営計画を策定する上で、検討すべきテーマであると認識している」と聞いている。

 

 

私の知る限りでは、サーブの現行機種は数年のうちに国内でのメンテナンスが終了してしまうとされていて、中古部品等での使用延長を踏まえると、その安定性に心配が生じます。

限りある機材環境下であったとしても、安心安全な航行は勿論のこと、先々の諸計画を見通しながら、経営安定を含めた対策が必要となります。札幌市と共にHACと健全な関係を構築しながら利用者の利便性向上を実現していただけるように要望します。

 

 

④    HACに対する道の取組みについて

次に、HACに対する道の取組みについて伺います。

札幌丘珠空港への積極的な航空会社の乗り入れは、路線の拡大や活動人口の増加に直結するものであり、道内空港における札幌丘珠空港の重要性が認識できているならば、現状には至っていないのであります。

私は、新千歳空港の機能強化は避けて通ることが出来ず、その上で札幌丘珠空港の機能強化が喫緊の課題となると考えています。この有効性を活かし切ることこそが様々な課題解決となるのです。

では、道は、HACに対してどのような取組みや要望をしているのか伺います。

 

【答弁】

HACに対する道の要望などについてでありますが、HACは、離島の振興をはじめ、地域医療など道民生活や地域間交流、観光の振興に不可欠な道内航空ネットワークの中核を担う航空会社と考えており、道としては、離島路線の維持に向けHACに対して支援を行うとともに、離島路線の堅持をはじめとする道内航空ネットワークの維持・拡充を要望しているところ。 

 

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HACの位置付けは、今後の札幌丘珠空港の担う役割によって変わっていくのだと考えています。

HACに対しては、道として、未来を見据え目指す姿を航空行政方針で打ち出すことで、今以上の影響力を発揮していかなければなりません。

行政が示す政策方針によって航空関係者が振り回されるのではなく、緊密な情報交換と合意形成の過程で、道民の期待に資するHACであってほしいと願っています。今後も安定した経営環境の下でその役割を果たす存在であることを期待しています。

 

⑤    道内12空港の行政方針について

では、新千歳空港を除く道内12空港における、ぞれぞれの行政上の方針を伺います。

まずは、離島振興計画等の医療上見地から、そして道内に限らず首都圏との同時被災リスクの低さを活用する見地から防災上の、そしてプライベートジェットの基地として、また、いまや多様な選択肢が可能となっているLCCターミナルとして、道内主要都市を結ぶ航空路線の活用化や離島路線の維持等により航空ネットワークの強化が必要です。

これらの構想を進めていく上では、札幌丘珠空港を利活用することで新千歳空港の能力や利便性を大幅に向上させることが可能になると考えていますが、それぞれの構想の見解を伺います。

 

【答弁】

道内空港に関する道の構想などについてでありますが、平成21年度に道が策定した道内空港活性化ビジョンなどでは、他に代替交通機関の少ない離島をはじめ、稚内、紋別、女満別、中標津の各空港については、医療などの道民の安全・安心で快適な暮らしを支える道内航空ネットワークを担う空港と位置づけられており、札幌飛行場、いわゆる丘珠空港については、高度医療機能や医師派遣など地方のニーズに応える空港とされているところ。

また、LCCについては、道内地方空港への誘致に向けた取組を展開していくこととしている。

防災上の見地については、空港施設は災害時には、救援物資の輸送や救急搬送の役割を担う必要があることから、各空港とも耐震化など機能強化に努めているところ。

なお、公共交通機関ではないプライベートジェットについては道の各種計画では触れられていないものの、道内経済の活性化に一定の効果が期待されるものと考える。

いずれにしても、本道の活性化を図るためには、道内航空ネットワークの充実が重要であることから、道内13空港の機能強化、活用に努めてまいる考え。

 

 

⑥    実現へ向けての働きかけについて

これまで教えて頂いた新千歳空港の能力を、更に拡大するにも限度があり、道はその対策として道内空港の利活用に道を探っていこうとしていることは承知しています。

しかし、来道されるビジネス客を含めた観光客の期待に応える立場から、地方創生が急務である北海道にとって先延ばしにすることは許されません。その為にも札幌都心部に位置する札幌丘珠空港の利活用を最優先させることこそが、即効性の高い手立てだと考えていて、札幌丘珠空港の利活用によって、新千歳空港の能力の最大化、更には道内11空港への航空ネットワークを網羅させることが可能になると確信しています。

札幌丘珠空港が、陸上自衛隊、国土交通省、札幌市による共用空港であることから、道内13空港の中にあっての位置付けが微妙なものとなっていることは周知の事実ではありますが、だからと言って喫緊の課題である「新千歳空港の最大限の活用」を実現させるには、札幌丘珠空港の諸課題を先送りすることは許されないのであります。

 

札幌丘珠空港の最大の特徴は、道都札幌市の中心部から6㎞のところにあること、更には新千歳空港から48㎞と近距離に位置していることが挙げられます。

これは、丘珠地区に加えて石狩湾新港地区のまちづくり構想には欠かせぬ動機付けとなり得ますし、経済活性化や雇用創出、防災拠点整備等と、その効果は人口減少真っただ中にある北海道に必要なカンフル剤となるばかりか、その後の「活動人口」の基盤を支え得るものとなるのです。これらを企業誘致など経済界と一体になって進めていくことが必要なのです。

札幌丘珠空港の利活用は、新千歳空港の利活用に直結できるものばかりでありますし、出来るところから着手していかなければならないと考えますが、早速にでも道と札幌市が連携して国や航空関係者に、東北以北便の移行についての働き掛けを始めるべきです。見解を伺います。

 

【答弁】

東北以北便の丘珠空港への移行についてでありますが、現在、新千歳空港と東北の各空港との間の路線において使用されている機材は、ジェット機である、ボンバルディアCRJ200型機、エンブラエルERJ170型機、ボーイング737型機、プロペラ機であるDHC8-400型機となっており、いずれも離陸には原則1,500mを超える滑走路長が必要なことから、滑走路長が1,500mである丘珠空港では、現在、フジドリームエアラインズが、エンブラエル機により夏季にチャーター便を運航しているものの、滑走路長や各航空会社の運航実績から通年での安全・安定的な離発着はできないため、現状では、新千歳空港から丘珠空港への移行は難しいと考えている。

いずれにせよ、道としては、本道の活性化を図るためには札幌都心部に位置する丘珠空港の利活用が効果的と考えており、引き続き、札幌市と連携して取り組んでまいりたい。

 

 

Ⅱ,国と道、そして札幌市との連携について

それでは、国と道、そして札幌市との連携について伺います。

新千歳空港並びに札幌丘珠空港の利活用は、首長同士の共通政策課題であるに違いありません。今後、札幌市とどうやって連携していくかが問われているのです。

高橋知事と秋元市長と国が調整を続けながら、共有政策方針として認識し、早期の実現へ向けて行動を積み重ねなければならないのです。

 

ところが、聞き及ぶところによると、市は札幌丘珠空港に対して余り積極的な展開をしているとは思えないとのことでした。

札幌市においては、12年に渡る国とのルート連携不足が祟って、政策手順の喪失がネックとなっていることは周知の事実です。先日、新年度へ向けて主要幹部人事などが発表されていて、早速その効果が期待されるところではありますが、都市計画の専門家が不足していることが懸念されます。だからこそ、道による機能調整が必要な段階にあると判断することが出来ます。

 

①    道と札幌市の現状について

そこで、札幌丘珠空港の利活用についての主体が札幌市であることは承知していますが、札幌市からどのような都市計画の下で進められていくかを提示されているのか、行政懇談会などで秋元札幌市長とは、どんな話し合いを進めているのか伺います。

 

【答弁】

丘珠空港に関し、道と札幌市の連携についてでありますが、道と札幌市との行政懇談会は、今年度2回開催されており、人口減少問題への対応、冬季オリンピック・パラリンピックの札幌招致に向けた連携などについて意見交換が行われたところ。

なお、丘珠空港の利活用については、当該懇談会において、これまで具体的な検討課題とされておらず、また、札幌市の都市計画上の位置づけなどについては、道に対し、明確な提案はなされていない。

 

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この件については、是非議題として取り上げていただき、速やかな実現へ向けて意思形成を図るように強く要望しておきます。

 

 

②    道の立ち位置について

次に、道の立ち位置について伺います。

私が歯痒く思うことは、札幌市が主体とはいえ、北海道創生総合戦略などの基本的構想が、札幌市の取組み方次第によって、その成果に大きく影響を受けてしまうということなのです。

主体が札幌市である以上、道としてその推移を見守ることしかできないのか伺います。

 

【答弁】

丘珠空港に関する道の取組についてでありますが、丘珠空港は、札幌市と地方のビジネス需要や高度医療など地方のニーズに応える空港を目指すこととしていることから、道としては、平成26年度から、釧路市などと協力して、国の地方路線活性化プログラム事業を活用し、丘珠-釧路線の利用促進に取り組むほか、引き続き、地元札幌市と連携して、新たな航空路線の誘致活動を行うなど、丘珠空港の利活用に取り組んでまいる。

 

 

③    合同協議の必要性について

次に、合同会議の必要性について伺います。

昨年来、札幌市と協議できる行政懇談会が設けられていることは承知していますが、本件についての協議環境は整っているのか、伺います。

定期協議や専門的な協議の開催予定を教えて下さい。

 

【答弁】

道と札幌市の協議の必要性についてでありますが、道では、昨年3月に、丘珠空港を含め、道内の航空ネットワークや空港に関する様々な課題について、札幌市との間で、意見交換などを行うことを目的とする連絡調整会議を設置したところ。 

この会議は、必要に応じて開催することとしており、これまで、2回開催され、道、札幌市が行う利用促進策やフジドリームエアラインズの路線開設に向けた誘致活動などについて意見交換を行ってきており、今後は、外部の有識者の出席などを図りながら丘珠空港の利活用の促進に向けた協議の体制を充実させてまいる考え。

 

 

④    国との連携について

それでは、国との連携について伺います。

道内各地からの人口流入に歯止めがかからぬ昨今にあっては、地方が元気にならなければ、札幌市は元気になれないし、札幌市が元気にならなければ、地方が元気になれないのです。

その調整役として道が担う役割はますます大きいものとなってきます。

札幌市が主体となり、道が調整役となって推進させていかなければならない知事の覚悟が必要です。

むしろ道の役割は、国と札幌市、そして道内自治体と札幌市の調整役として、更には道が掲げる各計画実現へ向けた協議を積み重ねなければならないのです。

今朝の新聞報道にもありましたが、高橋知事が菅官房長官と面談させていただき、道の空港民営化に向けた取組方針について要請し、意見の一致をみたと報じています。

しかし、空港民営化一つとっても、現在進められている「新たな北海道総合開発計画」の検討案に札幌丘珠空港が含まれていないことは残念であります。

共用空港の実態からやむを得ないことなのかもしれませんが、それであっても札幌丘珠空港を含めた検討が、地方空港の活用をより高める好材料であることは明確なのです。

国土強靭化を強力に進めて、地方創生を加速させていく、国が札幌丘珠空港の利活用対策を受け止めやすい立場になっていることは間違いないのです。

そこで、国と道と札幌市の連携の在り方をどう考えているのか、伺います。

道と国、札幌市の間で丘珠を含めた検討事項はあるのか、確認させてください。

北海道が果たすべき役割を見据えた施策展開を図ることが必要です。見解を伺います。

 

【答弁】

丘珠空港に関し、国との連携についてでありますが、丘珠空港については、平成26年9月に

「札幌飛行場利用者利便向上協議会」が設立され、国土交通省丘珠空港事務所長を会長として、

北海道運輸局、開発局、札幌市、北海道及び空港関連の事業者・団体などが構成員となり、

情報共有を図るとともに、パンフレットの作成・配布やイベント開催などにより、利用促進のための課題の解決に向けて取り組んでいるところ。

 

 

この件は、現状での利便性向上のみなのではなく、道内13空港の利活用を図ることで、道が掲げる諸計画を実現させることが急がれます。その為に今回の提案を交えた質問なのであります。是非、協議会での論点整理を要望しておきますので、よろしくお願い申し上げます。

 

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⑤    道が果たすべき役割について

では、最後に道が果たすべき役割について伺います。

私は、道が置かれている立場が少しの暇もない状況からすると、見守ることだけでは不十分なのであり、札幌市と積極的な協議の下で、出来ることから具現化していかなければならないのだと考えています。

地方創生加速化や国土強靭化によって、国の機運は、今まさに高まっていると判断できます。

状況によっては、国にも参加を要請してまとめていかなければならない場面もあるに違いありません。

国の「新たな北海道総合開発計画」に札幌丘珠空港の利活用が入ってこないことが問題なのであり、北海道創生総合戦略の実現へ向けて、札幌市と連携した国交省と防衛省へのネゴが早急に必要です。

 

交通企画監は、丘珠研究会の提言書は熟読されていらっしゃいますでしょうか。

北海道が果たすべき役割を見据えた施策展開を図ることが必要ではないでしょうか。

これまで伺ってきた、それぞれの立場から総合的に果たす役割についての見解と、提言書の感想を伺います。

 

【答弁】

丘珠空港に関し、道が果たすべき役割についてでありますが、丘珠空港の利活用については、国が、空港の設置管理者として、安全で安定した運航の確保を図るとともに、 

協議会を主催し、空港の利便性向上など、官民一体となった利用促進に取り組んでいる。

また、札幌市は、空港ターミナルビル会社の筆頭株主として、路線の誘致や施設の整備、空の日のイベント開催などの利用促進に取り組んでいる。

道としては、昨年10月にも、札幌市とともに、航空会社本社に路線の誘致活動を行ったところであり、こうした様々な利活用の取組に協力していくとともに、国や市の意向を踏まえ、丘珠空港の活性化が一層図られるよう、連携して取り組んでまいる考え。

なお、丘珠研究会は、これまで現行の1500mの滑走路を活用したジェット機の試験運航の実現にご尽力され、その成果を踏まえて、一昨年夏からは、チャーター便が運航されるなど、丘珠空港の活用促進に向けて多大な貢献をされてきたものと認識。

研究会がまとめた、丘珠空港の活用に関する提案については、拝見をし、その内容について、十分承知をいたしており「地方創生と地方空港の活用は密接につながっている」という認識にも深く賛同しているところ。

提案の内容については札幌市や関係機関とともに研究させていただきながら、引き続き、丘珠空港の活性化に向けて取り組んでまいる考え。

 

 

 

 

【指摘】

それでは最後に提案を交えて申し上げておきます。

 

現時点においては、今ある道内空港活性化ビジョンや旧諸計画を基にして推進させるしかないとお聞きしています。

手順として、新しい総合計画を基として、諸計画が整ってくるものとは承知しています。

しかし、航空行政に関わる新ビジョンや新計画に着手できるようになるまでには、まだ時間が必要であるともお聞きしています。

ともすると、もはや私たちにとって、今の道内空港活性化ビジョンや旧諸計画が手枷足枷になってしまってはいないでしょうか?

 

議会においては、旧ビジョンや旧計画に基づいた施行方針を確認するために議論を行うのではないと考えています。

むしろ、時代の変化や環境の変化に基づいたニーズの予測を的確に行い、目指す姿に対して必要となる旧ビジョンや旧計画の変更を実現するために議論すべきだと捉えています。

 

こと航空行政にあっては、空港が、多くの方を北海道にお迎えし、多くの美味しい産物を道外の皆さんに味わっていただく「活動人口」や「物流」の最初の大きな窓口となるのですから、新たな航空行政方針を内外に示す優先順位は高いものであると判断できます。

 

航空行政には、国や地方自治体、国内外の航空会社、旅行代理店など実に多くの方が関わってくることになりますし、優れた都市計画の下で大型インフラ整備が伴います。中長期的な展望の下で多くの関係者が様々な活動を行うことになります。

 

北海道の目指す姿を実現させていくには、いち早く北海道が政策課題の解決へ向けて行政方針を打ち出して、関係者に多くの協力を求めていかなければならないことは明白です。

それらを全てまとめきった後に行動へ移せばいいのではないのです。

 

むしろ出来ることから先手を打って自ら行動に移すことによって、関係者を巻き込んで大きな動きや成果に仕立てていく責務が私たちにあるのだということを、皆さんに自覚していただきたいのです。

 

国がそうするから、道もそれにならう、札幌市が積極的ではないから、道は様子を見る、そんなことを繰り返していては、いつまで経っても目標は達成できません。

 

 

新しい総合計画や北海道創生総合戦略が策定され実行に移されていく中で、例えば過去5年を振り返っただけであっても、私たちを取り巻く環境は大きく変わってしまっています。

 

人口減少・少子高齢化が深刻に進行する北海道においては、私たちはアジアを中心とする成長を確実に取り込みながら、未来に向けて胸を張って繋ぐことが出来る北海道を遺していかなければなりません。

しかも3~4年後の目標達成とその先へ向けて、その為の行動を今まさに始めていなければならないのです。

 

私たちが目指す未来の北海道の姿は、既に明確にされています。

それに対して、常に世界は、驚くべきスピードで変化を遂げています。

 

まさしく、まった無しなのです。

 

私は、札幌丘珠空港の利活用を高めることで、新千歳空港を現有施設や見通せる新計画の中で余力を生み出し、その能力を最大化することこそが、引いては道内13空港に望まれる有効活用の姿への王道であると考えているのです。

 

この件につきましては、今後の定例会で引き続き議論を深めてまいりたいと考えておりますので、何卒よろしくお願い申し上げます。

 

これで質問を終わります。ありがとうございました。