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2016/07/13

平成28年第二回定例会 予特質問⑦ ~札幌丘珠空港の利活用について~

この質問は、予算特別委員会の分科会配属の都合で同僚議員に質問していただいた内容となっています。

札幌丘珠空港の利活用は、札幌の元気を、北海道の元気を左右するほどの『鍵』であることは、もはや言うまでもありません。

一日も早く『形』に出来るように働いて参ります(‘◇’)ゞ

 

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札幌丘珠空港の利活用について

 

これまで、札幌丘珠空港の利活用について議論を続けてまいりました。29日の同僚議員の一般質問でも述べさせていただいた通り、秋元札幌市長が公式の場でも滑走路延長に言及されるようになりました。しかし、札幌市役所内部で方向性の一致を見ているのかとまで踏み込めば、未だ時間のかかる事であることが見通すことが出来ます。

 

改めて整理すると、この件はあくまでも「札幌市丘珠地区におけるまちづくり」の一環なのであり、その核として「札幌丘珠空港」の利活用を高めて、このまちづくりの強力な牽引役として期待されているのです。

 

札幌市のまちづくりの主体は、秋元札幌市長が率いる札幌市役所であり、195万の札幌市民なのであります。しかし、私たちが北海道における様々な政策課題に取り組む時に、札幌丘珠空港が持つ誰もが認める潜在力の大きさから、避けて通ったり、一歩引いて語ることは得策ではありません。もはや札幌市と共に積極的に検討を進めていく段階に入っていることが明白なのです。それほど私たちは人口減少問題の真っ只中に置かれていて、需要を刺激して、交流人口を増やしていかなければならないのだと考えています。

 

更に、国は既に札幌丘珠空港の滑走路延長のみに留まらず、大幅な機能拡充に積極的であるとのサインを折々で感じ取ることが出来ますし、道においても、知事を筆頭にして北海道の航空行政の活性化による地方創生に、期待を寄せているのであります。

 

①    知事は、同僚議員の一般質問に対し、6月13日に開催された北海道・札幌市行政懇談会において合意された札幌丘珠空港の利活用の協議の場を、近く設置されると答弁されましたが、いつ設置される見通しですか。見解を伺います。

 

【答弁】

協議の場の設置時期についてでありますが

 

 〇丘珠空港の更なる利活用に向けた

  検討・協議の場の設置については、

  7月中を目途に設置、開催をする方向で

  現在、札幌市と調整を進めている。

 

 

道内に限らず、国内においての資金ニーズの視点から、経済界と金融界では、丘珠地区のまちづくりにおける資金需要見通しの大きさから、非常に興味をもって注視されていると伺っています。

 

②    道と市が、説得力のあるグランドデザインを示すことによって民間が動くのです。

市には、まちづくりの形を示す義務があるのです。

道も決して他人事ではありません。全道航空ネットワークの拠点を初めとした、道が期待する役割を担う丘珠空港及び周辺になってもらわなければなりません。見解を伺います。

 

【答弁】

丘珠空港の役割などについてでありますが

 

 〇先月開催した「北海道・札幌市行政懇談会」における

  意見交換では、観光やビジネスの振興、医療体制の確保、

  さらには防災拠点としての観点から、

  丘珠空港の重要性について議論があったところ。

 

  〇道としては、このような論点を基本としつつ、

  初のジェット機による定期便の就航など新たな動きも踏まえ、

  札幌市の進める丘珠空港を核としたまちづくりともリンクさせながら、

  丘珠空港を拠点とした航空ネットワークの維持・拡充に向けて

  検討し、協議、調整を進めてまいる考え。

 

 

③    協議の場では、丘珠地区におけるまちづくりを北海道と札幌市が共に考え、期待するまちづくりの形をまとめあげる覚悟が必要です。見解を伺います。

 

【答弁】

丘珠地区のまちづくりなどについてでありますが

 

 〇まちづくりに当たっては、地域の現状や課題、

  市民のニーズなどを踏まえ、

  地域住民や市議会の理解を得ながら進められるものであることから、

  まずは札幌市が主体となって取り組むべきものと認識。

 

 〇道としては、今後、設置する札幌市との協議の場において、

  全道的視点から、丘珠空港を拠点とした

  航空ネットワークの維持・拡充について検討するとともに、

  丘珠地区のまちづくりに関する札幌市の考えを踏まえ、

  空港の周辺地域を含めた丘珠空港の一層の活性化策を

  検討していく考え。

 

 

道内空港におけるグランドハンドリング機能について伺います。

この件については新千歳空港とその他12空港を分けて議論する必要があります。

 

既に離発着枠が満杯状態である新千歳空港では、グランドハンドリング機能も満杯であると伺っています。17年春には、1時間当たりの離発着枠が32から42に拡大される方針が発表されました。

既に満杯状態であるグランドハンドリング機能が、更にひっ迫してくることは明らかです。

 

12空港においては、かろうじて維持できている程度のものでしかなく、今後、道内空港ネットワークの拡充を目指す上では、この脆弱さは致命傷になりかねません。

 

④    道が各航空会社に路線開拓の働き掛けを進めていく上で、これが大きなハードルとなることは避けられず、既にそれを理由に断られてしまった事例があることを承知しております。大変に残念なことです。

既存のグランドハンドリング会社との調整や新たな担い手の誘致などを、道がサポートしていく可能性について、見解を伺います。

 

【答弁】

グランドハンドリングへの支援などについてでありますが

 

 〇空港に着陸した航空機の誘導や、

  荷物の積み卸し、搭乗手続きなどのサービスを行う

  グランドハンドリングについては、航空ネットワークを構築する上で

  重要な業務であると認識しており、

  道としては、これまでも、新規就航や増便への

  必要な受け入れ体制を整えるとともに、

  中・長期的な見通しに立った体制整備を図るよう

  事業者等に強く要請してきているところ。

 

  〇また、道としても、今年度、応急的な支援策として、

 グランドハンドリングに従事する要員の増員が図れるよう

  人材教育や空港間での職員応援に必要な

  財政的支援を実施する考えであり、

  財源としている国の地方創生交付金の交付決定があり次第、

  実施できるよう準備を進めているところ。

 

 

道内の各空港を結んでいるHACの経営状態も決して安定的だとは言えません。

JALに経営権が移り、見掛け上では安定したと見る向きもありますが、過去にANAが札幌丘珠空港から撤退したように、丘珠空港からの路線の赤字が常態化すれば、直ぐにでも新千歳空港への集約を含めて撤退していくことでしょう。

国と道からの補助金対象となる函館-奥尻間や丘珠-利尻間で拠出されている、7800万円前後がなければ、持ち直してきている安定経営を圧迫することは明らかです。

 

⑤    離島政策のみならず、観光客の皆さんに道内各地へ出向いていただく有効な手段として維持しなければならない各空路であることから、HACの撤退を視野に入れたリスクヘッジが必要ではないでしょうか。見解を伺います。

 

【答弁】

道内航空路線の維持についてでありますが

 

 〇道内の航空路線を主体に運航するHACは、

  離島の交通や医療をはじめとする道民生活、

  道内におけるビジネスや観光といった経済活動などに

  必要不可欠な航空会社であると考えており、

  道としては、これまでも、HACに道職員を派遣するほか、

  離島路線に対する財政支援や、

  利用促進のためのプロモーション活動など、

  幅広い観点からの支援を行ってきているところ。

 

  〇道としては、今後とも、

  道内航空路線の維持確保が図られるよう、

  必要な支援を引き続き実施するとともに、

 

  来年4月からは、いわゆる「有人国境離島法」が施行されることから、

  国に対し、離島路線における航空運賃の低廉化や

  機材の更新に係る支援策の拡充などの要望を行ってまいる考え。

 

 

今月定期便化したFDAの札幌丘珠-富士山静岡間では、ピンク色の3号機には、ちびまる子ちゃんランドとタイアップが、更に某社によるスポンサードが実現しています。名古屋-花巻間他に使用されている金色の9号機には、岩手県との間でネーミングライツが実現し、「黄金の國、いわて。」と称されて、広告と利用促進に一役をかっています。

機内では座席のヘッドカバーに広告が、旅情溢れる機内アナウンスが流されており、とても感銘をうけたところです。

 

⑥    道においても、路線維持に向けた航空会社への支援を積極的に検討すべきと考えますが、見解を伺います。

 

【答弁】

路線維持に向けた航空会社への支援についてでありますが

 

 〇道としてはこれまでも、

  道内外の航空ネットワークの維持・確保を図るため、

 関係自治体や航空会社、経済界などで構成する

  北海道地域航空推進協議会や、

  道東5空港利用促進協議会により、

  航空路を使った観光PRなど、

  プロモーション活動に取り組むとともに、

  釧路市と紋別市が、国土交通省の選定を受けて実施している

  地方航空路線活性化プログラムにおいて、

  利用促進へのPR活動や機内誌の制作に係る協力などの

  支援に取り組んで来たところ。

 

 〇道としては、こうした取組を一層進め、

  航空会社のご意見も伺うとともに、様々な事例を参考にしながら、

  北海道地域航空推進協議会の場などで

  路線維持に向けた必要な支援策をさらに検討してまいる考え。