最新情報

2017/10/5

平成29年北海道議会第三回定例会 予算特別委員会 水産林務部 「林業大学校など人材育成機関の設立について」

E,林業大学校など人材育成機関の設立について

 

本道では、森林づくりを担う人材の育成・確保が喫緊の課題となっており、道議会においても第一回定例会以降、様々な角度から林業大学校などの設立に向けた議論を展開してきたところであります。

こうした中、本定例会の我が会派の代表質問に対し、知事から、「総合的な知識や技術を有し、即戦力となる人材の育成に向けて、年内を目途に基本的な考え方を取りまとめる」との答弁がありました。

今求められているのは、豊富な知識と技術を身につけ、自ら考え行動できる即戦力となり得る人材であるとの認識は一致しているところですが、今後の検討に向けて、以下何点か伺ってまいります。

 

 

   地域ニーズの把握について

道では、他府県の取組状況の調査と平行して、地域のニーズを把握することを目的に、素材生産や造林の林業事業体などを対象とした調査を実施しているものと承知しておりますが、調査結果はどのようなものであったのか、伺います。

 

<答弁>

調査結果についてでありますが

 

 道では、素材生産や造林、種苗生産、木材加工など

 全道1,184の企業や事業体を対象として、

  ・人材確保の状況

  ・今後の雇用の予定や雇用したい人材

  ・就業者の知識や技術習得の必要性

 などを把握するためのアンケート調査を7月に実施し、

 これまでに、521の企業等から回答があったところ。

 

 調査結果では、新たに雇用を予定していると回答した

 企業等の割合が70%となっている一方で、

 必要とする人材が確保できていないとの回答が49%を占めている。

 

○  また、現場や工場で即戦力となる人材や、作業を統括できる

 人材を雇用したいとの回答が60%となっているほか、

  就業前に知識や技術を習得できる機関が必要との回答が

 88%となっている。

 

 

   育成すべき人材像について

先の代表質問では、「育成すべき人材像やカリキュラム、運営体制や地域との連携のあり方について検討を進める」との答弁がありましたが、新しい人材育成機関を設立するに当たり、大変重要な視点であると考えております。

それぞれの視点について、もう少し具体的に伺いたいと思いますが、初めに、育成すべき人材像について、現時点では、どのような人材像をイメージしているのか、伺います。

 

<答弁>

育成すべき人材像についてでありますが

 

 アンケート調査の結果、企業等から、

 現場での作業を行う労働者の確保に加え、作業を統括し、

 現場を管理することのできる人材を求める声が多かったことなどを踏まえ、

 道としては、総合的な知識や技術の習得により、

 林業・木材産業の現場における様々な作業の実施はもとより、

 将来、企業経営などの中核を担うことができる

 人材を育成することを基本として、

 今後、有識者会議などにおける議論を重ねながら

 検討を進めてまいる考え。

 

 

 

   実践的な教育について

次に、即戦力として現場で活躍できる人材を育成するためには、基礎教育に加え、実践的な教育が不可欠と考えておりますが、その点についてはどのように考えているのか、伺います。

 

<答弁>

実践的な教育についてでありますが

 

 即戦力となる人材を育成するためには、

 人材育成機関において、基礎的な知識や技術を

 現場で活用することができる実践的な教育を実施し、

 企業等のニーズに応えていくことが必要である。

 

 このため、道としては、森林の整備や木材の加工などに関する

 一般的な知識のほか、森林計画の作成に向けた調査手法、

 伐採・植林などを安全かつ効率的に進める知識や技術、

 これらの作業に必要な機械操作の習得などの基礎的な教育とともに、

 こうした知識や技術を実践の場で身に付け、

 様々な場面で応用することができるよう、

 伐採作業の現場における研修の実施などが必要と考えている。

 

 

   教育体制について

次に、教育体制についてですが、基礎教育に加え、実践的な教育を行っていくためには、専門分野に精通した講師を確保していかなければなりません。講師の確保についてはどのように考えているのか、伺います。

 

<答弁>

教育体制についてでありますが

 

 人材育成機関において、林業・木材産業の基礎的な教育に加え、

 現場での実践的な教育を行うためには、

 高性能林業機械や最先端の木材加工施設などを導入し、

 安全性の確保に努め、伐採や造林、木材加工など

 それぞれの業務に精通している企業等の

 技術的な指導などの協力が不可欠と考えており、

 道としては、今後、他府県での取組状況などを参考としながら、

 基礎教育、実践教育を行うためのカリキュラムと併せ、

 企業等の協力による教育体制のあり方について

 検討を進めてまいる考え。

 

 

   施設・フィールドについて

次に、施設やフィールドについてですが、広大な本道では、地域により樹種や供給する木材、さらには、木材加工の状況が異なるなど、地域によって様々な状況があります。

人材育成機関では、こうした地域の特色を十分に踏まえた取組も必要であると考えますが、市町村や地域などとの連携も含め、道の考えを伺います。

 

 

<答弁>

施設・フィールドについてでありますが

 

 本道では、全道に分布するトドマツをはじめ、

 主に道東地域に広く分布するカラマツ、

 道南地域に分布するスギ、さらには、上川管内の広葉樹など

 地域の資源を活用した林業生産活動が各地で展開されている。

 

 こうした中、道としては、人材育成機関において、即戦力となり、

 企業等の中核となる人材を育成するためには、

 本道の林業・木材産業を幅広く体験し、

 実践を積み重ねることができる体制づくりが必要と考えており、

  今後、市町村や企業等との連携による施設のあり方や、

 道有林、市町村有林など、地域の特色ある森林の活用などについて

 検討を進める考え。

 

 

   今後の取組について

新たな人材育成機関の設立に関しては、市町村や関係業界から大きな期待が寄せられております。最後に、基本的な考え方の取りまとめなど、今後、どのように取り組んでいく考えなのか、部長に伺います。

 

<答弁>

今後の取り組みについてでありますが

 

 本道では、今後、トドマツなどを主体として

 森林資源の一層の充実が見込まれることから、

 林業・木材産業を支える人材の育成と確保を図り、

 市町村や企業等のニーズにしっかりと応えていくことが必要と認識。

 

 このため、道としては、森林面積、木材生産量とも

 全国一を誇る本道にふさわしい林業大学校など

 人材育成機関の設立に向けて、

  即戦力となり、企業等の中核を担う人材育成を基本として、

 地域の特色ある森林を活用した実践的な教育や、

 市町村等との連携と協力のあり方などと併せ、

 道内外に魅力ある発信ができる機関となるよう検討を進め、

 教育課程、運営体制や施設のあり方など

 基本的な考え方を年内を目途に取りまとめてまいる考え。