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2017/10/6

平成29年北海道議会第三回定例会 予算特別委員会 教育委員会 「新しい教育計画について」

K,新しい教育計画について

始めに、教育計画についてですが、新しい教育計画の素案が示され、現在パブリックコメントが実施されておりますが、本道教育の現状と認識では、「人口減少と少子高齢化の進展」や「グローバル化と高度情報化の進展」、「子どもの貧困など社会経済的課題」、「学習指導要領の改訂や高大接続改革など教育改革の大きな流れ」といった社会状況などが挙げられており、このような中で本道教育のこれからの5年間の方向性を示す教育計画は重要なものであります。

計画では、「社会で活きる力」や「豊かな人間性」、「学びを支える家庭・地域」など5つの目標が掲げられ、それぞれに個別・具体的な政策が設定されておりますので、その中から、何点か伺ってまいります。

 

   国際理解教育の充実について

最初に国際理解教育の充実についてですが、本道でもグローバル化が急速に進展する中、子どもたちが国際社会において主体的に行動できる資質・能力を育成するためには国際理解教育の充実が重要です。

そのためには、授業等で身につけた語学力を、子どもたちが授業以外の場で実際に試すことのできる機会が必要と考えておりますが、道教委は、子どもたちと外国の方々とのコミュニケーションを図る機会の充実に、どのように取り組んでいく考えなのか、伺います。

 

 

<答弁>

外国人とのコミュニケーションを図る機会の拡充についてでありますが、

 

〇 道教委としては、グローバル化が進展する社会において、

 本道の未来を担う子どもたちに、豊かな国際感覚や

 積極的にコミュニケーションを図る態度などを身に付けさせるためにも、

 外国の方々とのコミュニケーションを図る機会を充実させることが

 大切であると考えている。

 

〇 このため、道教委では、中学生が、

 日常生活で使用する英語を用いて、

 身近な地域で英会話に挑戦する「Englishトライアル」を実施するほか、

 英語の活用場面を想定した学習プログラムを開発する

 「高校生英語力向上事業」を実施し、指定校では、

 外国人旅行者への案内や外国企業への道産商品の紹介、

 海外の大学と連携した語学研修などの取組が行われているところ。

 さらに、ICTを活用して海外の高校生と英語で直接交流する事業や

 イングリッシュキャンプなども行ってきている。

 

〇 今後においては、ALTを活用するなどして、こうした取組を一層充実させ、

  その成果を普及するとともに、知事部局とも連携を図りながら、

  児童生徒が外国の方々と直接英語で交流する機会を拡充し、

  国際理解教育の充実に努めてまいる考え。

 

 

   情報教育の充実について

急速に情報化が進展する中で、ICTは社会インフラともいわれる時代になっており、子どもたちに、発達段階に応じて情報や情報技術を活用し、問題の発見・解決や、自分の考えを形成していくための必要な資質・能力を身につけさせることが重要です。

また、教員が分かりやすい授業づくりを進める上で、ICTを効果的に活用し、子どもたちが学習への興味・関心を高め、主体的に対話に加わるなど、深い学びに繋げることが求められております。

このような情報教育の充実に、道教委は、どう取り組む考えなのか、伺います。

 

<答弁>

情報教育の充実についてでありますが、

 

 ICTの活用は、子どもたちの学習への興味や関心を高めるなど、

  教育の質の向上や「分かる授業づくり」を実現する上で

  極めて有効であるとともに、広域分散型の本道においては、

  遠隔授業や遠隔研修など、より効果が期待できるものと考えている。

 

 このため、道教委では、年内を目途に、

  本道における教育の情報化の目指す姿として、

  新たに「北海道における教育の情報化推進指針」を策定するほか、

  子どもたちにICTを身近な道具として体験させたり、技能を深めさせるための

  先進的な取組をまとめた実践事例集を作成するとともに、

  道立教育研究所における研修等を通じ、

  教員のICT活用指導力の向上を図るなど、

  本道における情報教育の充実に取り組んでまいる考え。

 

 

 

   産業教育の充実について

道が策定を進めている総合教育大綱の素案では、本道の現状と展望の中に「2025年から2035年の間に、日本の労働人口の約49%の人が就いている仕事が、AIとロボットによって代替可能と予想され、仕事や働き方なども含め、社会システム自体が大きく変わることが予想される」と記載されているように、これからの子どもたちが社会に出て働く時には、今とは状況が大きく変化しております。

本道の将来の産業を担う人材が、このような高度化した時代に対応できる資質・能力を身に付けるため、産業教育の一層の充実が求められますが、道教委は、時代の変化を踏まえた産業教育の充実にどのように取り組んでいく考えなのか、伺います。

 

<答弁>

産業教育の充実についてでありますが、

 

 道教委としては、経済社会の変化やグローバル化の急速な進展、

  本格的な人口減少社会の到来の中で、

  本道産業の将来を担う人材の育成に向け、

  専門的な知識や技術の習得はもとより、産業技術の高度化や

  多様な課題に対応できる能力などを育むことが重要と考えている。

 

 道教委では、これまで、職業に関する教科において、

  産業や科学技術などの変化に対応した学習内容を

  充実させることはもとより、

  地域の大学や企業等と連携して先進的な実践研究を行う

  「専門高校プログレッシブプロジェクト推進事業」や、

  技術革新に対応した教員の指導力の向上を図る

  「高等学校産業教育長期実技研修」等を実施するなどして、

  産業教育の充実に取り組んできている。

 

 今後は、こうした取組の成果を踏まえ、専門高校において、

  学んでいる専門的な知識・技術と地域の課題解決とを

  関連付けた「課題研究」の実践や、企業で用いられている

  最先端技術等に触れる体験的な学習機会の確保、

  農業生産工程管理などの国際基準に対応する取組などを

  推進するとともに、産業界や知事部局等とも一層連携して、

  社会の変化に対応した産業教育の充実を図ってまいる考え。

 

 

   読書活動の推進について

読書は、言葉を学ぶとともに、感性を磨き、表現力を高め、創造力を豊かなものにするなど、人生をより深く生きる力を身に付ける上で大切なものです。

道教委では現在、読書活動の推進に向けて、子どもの読書活動推進計画の改定を進めているということですが、どのような方針で計画づくりを進めているのか、伺います。

 

<答弁>

子どもの読書活動推進計画の改定についてでありますが、

 

 読書活動は、子どもの豊かな感性や表現力、創造力を育成するなど、

  健やかな成長に不可欠なものであり、

  社会全体でその推進を図ることが重要であると認識。

 

 このため、道教委では、

  平成15年度に「北海道子どもの読書活動推進計画」を策定し、

  その後5年ごとに必要な改定を行ってきており、

  現在は、平成29年度までを計画期間とする第三次計画により、

  様々な施策を推進しているところ。

 

 現在、策定中の第四次計画については、

  現計画における成果や課題はもとより、

  学校図書館の整備・充実などに係る国の動向なども踏まえながら、

  乳幼児期からの発達段階に応じた読書活動の推進や、

  学校図書館をはじめとする読書環境の整備など、

  北海道のすべての子どもが望ましい読書習慣を身に付け、

  様々な機会を活用して自主的に読書活動を行うことを、

  学校・家庭・地域が、より一層連携し積極的に推進される

  計画となるよう取組んでまいる考え。

 

 

   学校と地域の連携・協働の推進について

平成27年に策定された道の総合教育大綱では、コミュニティー・スクールを全道に広めるなど、地域全体で子どもたちの学びを支援する取組として重点的に取り組むこととしており、国においても導入を推進していることから、道教委と知事部局が連携して市町村に働きかけた結果、コミュニティー・スクールの導入が進んできております。

道教委は、学校と地域の連携・協働を一層推進するため、これまでの成果を踏まえ、コミュニティー・スクールの導入促進に、どのように取り組んでいく考えなのか、伺います。

 

<答弁>

コミュニティ・スクールについてでありますが、

 

〇 地域住民が学校運営に参画し、

  学校と地域が力を合わせて子どもの成長を支える仕組みである

  コミュニティ・スクールを、道内の全ての地域で推進するため、

  道教委では、これまで、制度を周知するための研修会や

  全国的なフォーラムを開催するなどしながら、

  導入の促進に努めてきており、

  本道においては、コミュニティ・スクールを導入する学校が

  着実に増えてきている。

 

〇 既に導入した地域においては、

  学校に対する保護者や地域住民の理解が深まったことをはじめ、

  学校と家庭・地域の役割分担が明確になり

  教職員の子どもと向き合う時間が確保された、

  などの成果が見られているところであり、

  今後、こうした成果を道内の各地域や学校に普及・啓発するとともに、

  各地域の取組について交流する場を充実させるなど、

  本道のすべての地域において、学校と家庭、地域が連携・協働する

  コミュニティ・スクールの導入促進や充実に向けた取組を

  強化してまいる。