
この質問は、8年続く支援事業をよりパワーアップさせるために、取り組み方について質問させていただいたものです。
広い広い北海道で、地域の宝を活かして「稼ぐ」ことができるようにするためには、一律にルール付けした支援事業だけでは、効果に限りがあると考えたからなのです。
道内には、優れたリーダーの存在によって成功を収めている推進事業がある一方で、宝はあっても活かし方を見出し切れないコンテンツが山積みであることも事実です。
それこそ道が、寄り添って支援していく「地方創生」を実現させていく役割があるのだと考えた次第です。
まだまだ道半ばではありますが、それでも精一杯を汗かきながら働いて参ります。
北の元気玉 道見やすのり拝
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B,着地型観光魅力づくり推進事業等について
次に、着地型観光魅力づくり推進事業等について質問します。
本事業については、平成21年度に開始され変遷させながら、予算規模も拡大させて取り組まれており、多くの観光客やビジネス客、更には北海道民自身に、北海道各地を訪ねていただく上で、大変重要な取り組みであると捉えています。
また、本事業に対する応募件数についても順調に伸びをみせていて、地域にもっと取り組んでほしい事業として、道も周知を図っているものと承知しています。
これまでの本事業に応募され、採用された数々の取組みについて、その報告書を検証しながら見えてきたものがありました。ここでは、それらについて議論を深めたいと思います。
① 着地型観光魅力づくり推進事業について
既に本事業は、変遷させながらも8年が経過する事業となっておりますが、、応募案件自体が、「ひがし北海道観光事業開発協議会」が取り組むような、内容も充実し精査され、効果が期待できる案件と、他の取組みをこの推進事業にあてはめてきたような、狙う効果を推し量るには更なる検討が必要であろうとされる案件とに大別することができると感じたところです。
優れた案件には、より規模を大きくし、更なる成長が見込める推進力となる支援が必要となるでしょうし、費用を掛けるならば掛けた以上の効果を、いわば「稼ぎ」を生み出すことができる案件へと成長させていくキッカケになる推進事業であるべきなのだと考えています。
検討が必要な案件には、総じて費用対効果に疑問が残り、事業の組み立て方次第では、より効果の見込める案件も見受けられたところです。
よって、十分に効果が期待できるチャレンジコースと、あえてゼロベースで試行が可能となるトライアルコースなどの区別を設けて、更にそれぞれの補助金の上限額をフレキシブルにすることによって、より大きな、そしてより挑戦しやすい環境を整えることができるようになります。
道では、今後の事業の骨格を検討するタイミングで、どのような評価と成果を得られたと考えているのか、またより高い効果を得るためにどのような今後の展開を想定されているのか伺います。
<答弁>
魅力ある観光地づくりに向けた取組についてでありますが
○ 道では、これまで、北海道観光振興機構と連携して、
特色ある資源を生かした観光地づくりや、
満足度の高い受入体制の整備、
さらには新たな旅行商品の造成について、支援してきたところ。
〇 こうした取組が、多彩な食と観光の連携や
広域観光に資する二次交通の確保・充実といった
地域観光の魅力向上につながっているところであり、
地域の酒蔵を巡る「パ酒ポート」事業や
道東の「ミシュラン3つ星街道」などが旅行商品化されているほか、
本年度、新たに、商品化の可能性の高い観光ルートについて、
旅行会社がコンサルティングを行うといった取組も始めているところ。
〇 道としては、こうした成果を踏まえ、今後、
取組熟度に対応した支援メニューなどを検討し、
地域の受け皿づくりや国内外から地域への誘客に努め、
地域の特性に応じた魅力ある観光地づくりに取り組んでまいる。
② 応募件数の増加を目指して
本事業のプロジェクトレポート「北の挑戦者たち」を読ませていただきました。
本事業に対する自治体や団体の受け取り方は様々でありますが、総じて「地域の宝」の認識は出来ているものの、それを活かす手法に渇望している状態であると読み解くことができます。
一方で、自治体における人材不足は深刻です。本事業を活用して魅力ある観光地を作りたいと思っていても、それらを活かす人材や手法を渇望していることが容易に想定できます。
応募されることを前提とするだけではなく、応募する前段にあっての活用検討勉強会のようなサポート体制を整えることはできないでしょうか、見解を伺います。
<答弁>
地域の観光振興に向けたサポートについてでありますが
○ 地域らしさを生かした魅力的な観光地づくりを促進するためには、
観光客のニーズに対応した企画力や
地域の資源を旅行商品化につなげるマーケティングなどの
専門的知識が、それぞれの地域において必要となることから、
自治体や団体などへのきめ細やかなサポートが
重要となっているところ。
〇 このため、道では、本年度より、観光地づくりの立ち上げ段階から、
ターゲットに合わせた商品づくりのノウハウの提供や
改善点などの助言・指導を行う専門的アドバイザーを
現地に派遣する取組を始めているところ。
〇 道としては、新たに取り組もうとする地域に対して、
事業の成果発表会などを通じて、参考となる先行事例や、
事業構築のノウハウを周知するなどして、
地域が取り組む観光地づくりを加速してまいる。
③ リーダーの育成について
次に、事業の推進に不可欠なリーダーの育成について伺います。
本事業についても多分に漏れず、その地域のリーダー次第で大きく内容も質も変わるものだと言えると思います。優れたリーダーが地域にいるところは更なる成長が可能であり、いないところはコンサルタントに依頼することになる中で、同じような手法で、どこかの焼き直しのような魅力に欠ける事業でしかなくなってしまうのが現実です。
本事業にあたっては、優れたリーダーが、優れた事業であることが前提であり、むしろ期待に応えることが出来るリーダーの発掘や育成、その地域の優れた宝を発掘することに着目した支援事業が同時に必要なのではないかと考えたところです。
これらの点に着目した、長い目で見た新分野の事業展開が必要になると考えます。
実際に、経済部で取り組む食クラスター「フード塾」事業では、大きな成功例を生み出していることも事実です。
リーダーを如何にして育成するのかに着目した展開も可能ではないでしょうか、見解を伺います。
<答弁>
地域観光のリーダーの育成についてでありますが
○ 魅力ある観光地づくりを推進し、地域経済の活性化を
図っていくためには、マネジメント能力や、
マーケティングなどの知識を有する人材の育成が
重要であることから、
道では、これまで、観光地域づくりを主導的に推進していく
「北の観光まちづくりリーダー養成セミナー」を実施し、
観光協会や自治体の観光部門で活躍する職員を輩出しているほか、
着地型観光の担い手を創出する研修会を開催するなどして、
地域の観光リーダーを育成し、
そうした人材のネットワークも生まれてきたところ。
〇 本年度からは、地域の「稼ぐ力」を引き出すDMOの形成に向け、
商工業や農林水産業など多岐にわたる関係者を巻き込み、
地域の魅力を生かしたブランディングや
観光地経営の能力を備える研修を行うなど、
より多くの、質の高い観光人材の育成・確保に努めてまいる。
北海道に住む私たちが、その優位性を明確に自覚しつつ地方創生を実現し、旅行客に多様で質の高い観光地を提供することが必要です。
本事業の更なる発展を願いながら、本質問を終わります。