
「スポーツで稼ぐ」
北海道こそが、スポーツを成長産業として捉えて、矢継ぎ早に政策を展開すべきだと提案しています。
この政策については、本年度中に形に出来るように働いて参ります。
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A,北海道スポーツコミッションの推進について
わたくしは、平成28年第四回定例会で「北海道スポーツコミッション事業の実現について」の一般質問をさせていただきました。
今回の質問は、その後にスポーツ庁をはじめとする関係先と議論を重ねてきた内容を取り入れながら、結果を出すための必要な推進力を得るために、改めて質問させていただきます。
平成28年6月にスポーツ庁と経済産業省が取り組んだ「スポーツ未来開拓会議」の中間報告の中では「スポーツ産業活性化」を掲げ、スポーツが常に人々に感動や共感、活力をもたらし、人類共通の文化であることを示し、世界では既にスポーツビジネスが巨大産業となっていると分析しています。
一方、我が国においては、スポーツ政策を主に教育政策の一環として捉えてきた影響があって、十分なスポーツ産業振興を行ってきたとは言いがたく、遅れを取っていると判断しています。
しかし、2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催決定等を契機に、スポーツを通じた地域・経済の活性化への期待が高まっていて、今はまさにスポーツを産業として振興する絶好の機会であると展望しています。
また平成29年3月に高橋知事も参加され、スポーツ審議会で報告・意見交換されたスポーツ庁が示した「第2期スポーツ基本計画」によると、スポーツを通じた地域・経済の活性化の中で、スポーツ市場規模を2015年の5.5兆円規模だったものから、2025年には15兆円規模まで拡大させると明言し、更にスポーツツーリズムの推進によって、スポーツ目的の訪日外国人数を138万人から250万人へ、スポーツツーリズム関連消費額を2204億円から3800億円へと、そして地域スポーツコミッションの設置を促進させて現在の57カ所から170カ所へと拡大していくことの数値を具体的に示しているのであります。
1, 道のスポーツの産業の活性化について
最初に、北海道のスポーツ産業の活性化について伺います。
私は、行政が各団体等に補助金を交付しながら負担していく「体育」から、官民協働で成長産業として振興させて収益を生み出していく「スポーツ」として、政策の方針転換を広く周知していく必要があると考えています。
国は、「スポーツ未来開拓会議」の中間報告の中で、「体育」という言葉に象徴されるような日本のスポーツの良さを再認識するとともに、競技性や健康の維持など教育だけに留まらない「スポーツの価値」を幅広く捉えて、スポーツ産業政策として展開することを意図し、スポーツに「産業」というエンジンを組み込み、スポーツで稼いだ収益をスポーツへ再投資することを促して、スポーツ界が自律的に成長を遂げるための資金循環のシステムを実現させることを目指すとしています。
これまでの公的資金中心の負担の対象(コストセンター)から、官民協働による収益を生み出す対象(プロフィットセンター)への転換を目指すこととなるのです。
昨今の話題から例えを引くならば、北海道日本ハムファイターズが新球場建設を計画し、ボールパーク構想を実現させようとしている取り組みは、スポーツを企業の広告塔としての役割に留めることなく、スポーツを成長産業として捉え、事業収益を増大させていく試みとして捉えることが出来るのではないでしょうか。
こうした動きを行政が真正面から捉えて、スポーツを成長産業として振興させるための政策を展開する必要があるのではないでしょうか。
高橋知事は、日本国内における「スポーツ」の位置付けが大きく変わっていることをどのように捉えて、本年度に取りまとめようとされている次期北海道スポーツ推進計画に反映させていくお考えなのか伺います。
<答弁>
新しい北海道スポーツ推進計画の策定についてでありますが
○ 国における「第2期スポーツ基本計画」においては、
スポーツを通じた共生社会を実現するため、
障がい者スポーツの振興や女性の活躍の推進などが
新たな項目として加えられたほか、
スポーツ市場の拡大などの視点も掲げられたところ。
○ 道においては、こうした動きを踏まえ、平成30年度から
34年度までを計画期間とする新たな「北海道スポーツ推進計画」を
スポーツ推進審議会のご意見を伺いながら策定することとしている。
○ 今後、2019年のラグビーワールドカップや、
2020年の東京オリンピックなどのビッグイベントが
本道において開催されるなど、
これまでになくスポーツに対する道民の機運が高まっており、
道としては、これを「スポーツ王国北海道」実現の好機と捉え、
国際競技力の向上や参加機会の拡大をはじめ、
スポーツの成長産業化と地域活性化など
新たなスポーツの価値を次期計画に反映させてまいる考え。
2, 必要とされるスポーツコミッション機能について
次に、必要とされるスポーツコミッション機能について伺います。
道は、本道経済の活性化と地域振興を加速するために「北海道オリパラの会」を立ち上げており、産学官の緊密な連携によってスポーツ施策の総合的な推進に取り組んでいると、先の第四回定例会の一般質問で答弁されています。
これは、平成27年8月に「新・北海道ビジョン推進計画」の中で知事公約として取りまとめられて、実現した政策と承知してます。
しかし、「北海道オリパラの会」は、親会議が130団体で構成され肥大化していて、常任幹事会も22団体で構成され、スポーツコミッションが本来必要とされる機動性に欠けていると考えています。それぞれが本来の役割を果たし切ることが出来ず、もはや応援組織化してしまっていると先の一般質問で議論させていただいたところです。
その後に、北海道スポーツ成長産業戦略ワーキングを設置して頂きましたが、規模こそ10団体程度となりましたが、国が掲げるスポーツコミッションが担う役割を発揮する布陣となってはいないと捉えています。
スポーツコミッションが実現させなければいけない北海道の未来図は、スポーツツーリズムの推進、持続性のあるスポーツイベントの開催や大会・合宿誘致等により、交流人口の拡大と地域コミュニティの形成・強化を目指すことであり、その中核を成す「スポーツコミッション北海道」は、将来的に補助金等に依存しない経営的に自立した事業体を実現させなければなりません。
そこで、その可能性や伸びしろが大きいと既に評価されている北海道で、「スポーツで稼ぐ」ことを目的としたスポーツ産業の振興を推進させていくために、地域スポーツコミッションとの連携を実現させる司令塔の役割を持たせた「スポーツコミッション北海道」の設置が必要となると確信しています。
それは、広い北海道にあっては、国の支援を受けながら、複数年計画で多段的に推進し、その設置過程を明らかにして「北海道モデル」の創出を全国に発信することが可能となります。
高橋知事が掲げられた北海道スポーツコミッション政策を、国が目指す自らが稼ぎ出すことができる「スポーツコミッション北海道」へと昇華させていくために、更に政策を発展させることについての高橋知事の見解を伺います。
<答弁>
スポーツコミッションについてでありますが
○ 道では、スポーツを通じて新たな観光・交流人口の拡大や
地域経済の活性化を図るため、
官民連携によるスポーツコミッションとして、
平成27年5月に「北海道オリパラの会」を立ち上げ、
これまで、東京オリンピック・パラリンピック開催を契機とした
食と観光や地域文化の魅力発信、
障がい者スポーツの普及などに取り組んできたところ。
○ 今後は、国際スポーツ大会や合宿の誘致促進に向け、
競技団体をはじめ、宿泊、交通、メディアなどの
関係事業者等の協力を得ながら、
大会実績が豊富な札幌市と、
スポーツ交流に意欲的な地域との連携を強め、
本道の魅力発信や大会の円滑な受入れ・運営を
サポートする体制の整備を積極的に図ってまいりたい。
なお、真のスポーツコミッションを実現させるマネジメント体制の確立については、後の委員会議論の中で行って参りたいと考えています。