
平成29年9月29日から始まりました予算特別委員会で質問させていただいた内容を、順次投稿させていただきます。
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今回の予算特別委員会では、知事部局並びに教育委員会に12問の質問を行いました。
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公共土木施設と聞かされても、一体何のこと?と感じられるのかもしれません。
高度成長期に急速に投資されてきた公共インフラが、安定的に更新または維持管理されてはじめて、私たちの暮らしを快適に維持できるのです。
この質問では、その現状と今後について議論させていただいたものです。
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A,公共土木施設の維持管理について
台風による大雨災害などを未然に防止し、道民の安全安心を確保するとともに経済活動の基盤となる農地や交通路網を保全するためには、堤防や道路などの公共土木施設を適切に維持管理していくことがますます重要になってくると考えます。
以下、公共土木施設の維持管理に関し、順次伺ってまいります。
① 公共土木施設の現状について
広大な本道における道民生活の維持向上などのため、これまで様々な公共土木施設が整備され、特に高度経済成長期に集中的な整備が進められた結果、社会資本としての蓄積が一定程度進んでいるものと考えますが、現在の公共土木施設の現状はどのようになっているのか伺います
<答弁>
道が管理する公共土木施設の現状についてでありますが、
○ 平成27年度末現在、道路延長が約1万1千700kmで、
橋梁が約5,300橋あり、河川延長が約1万2千300kmで、
樋門・樋管が約5,200基となっており、そのほかにも、ダムや砂防施設、
海岸など、多くの施設を有しているところ。
○ これらの施設の多くは、高度経済成長期に集中して整備され、
今後一斉に更新時期を迎えることから、
施設の老朽化が大きな課題となっているところ。
② 維持管理費の予算について
公共土木施設の整備に多額の予算を要することは当然ですが、整備された施設を適切に維持管理するためにも相応の予算が必要です。維持管理費はどのように確保されているのか伺います。
<答弁>
維持管理の予算についてでありますが、
○ 道が管理する橋梁やトンネル、樋門・樋管などの修繕については、
交付金事業や起債事業である特別対策事業により対応を行っている一方、
道路や河川などの草刈りや清掃などを行うために必要な維持管理費については、
道の単独費である公共関連単独事業により対応を行っているところ。
③ 維持管理費の推移について
道財政が厳しい中、道単独予算が削減されてきたところでありますが、維持管理費についてピーク時を含むこれまでの推移について伺います。
<答弁>
維持管理費の推移についてでありますが、
○ ピークとなった平成10年度の当初予算は約146億円で、その後減少し
平成25年度から平成27年度までの当初予算は約64億円
平成29年度の当初予算は約74億円であり、ここ2年間では約10億円
の増額となっているが、ピーク時の約半分となっているところ。
④ 維持管理の状況について
予算の確保が十分でなければ、適切な維持管理も困難になると考えます。近年予算は増加傾向にあると伺っていますが、道の管理する公共土木施設の管理の水準はどのようになっているのか伺います。
<答弁>
公共土木施設の管理の水準についてでありますが、
○ 道路や河川などの維持管理については、限られた予算の中、
施設の利用状況や地域の意向などを踏まえ、行ってきたところ。
○ 平成27年度以降、予算は増加傾向にありますが
近年、老朽化施設の増加に加え、労務単価や諸経費率の上昇などもあり、
地域からの要望に対し、年々十分な対応が困難な状況となってきているところ。
⑤ 維持管理に関する苦情等について
維持管理を要する公共土木施設が多く存在するにもかかわらず、厳しい予算制約がある現状では、適切な管理が行き届かない施設も出てきているのではないかと考えます。私の地元でも、冬季間に痛んだ路面の補修や道路わきの草刈りの遅れなどを指摘する声をしばしば耳にします。公共土木施設の維持管理に関して寄せられる苦情などの状況は、どのようになっているのか伺います。
<答弁>
維持管理に関する苦情等の状況についてでありますが、
○ 北海道が管理する公共土木施設の維持管理に関する苦情件数は、
集計を開始した平成21年度で約6,200件、
平成28年度で約9,300件となっており、
苦情の内訳としては、路面の修繕や草刈りなど道路に関するものが最も多く、
平成21年度で約4,400件、平成28年度で約7,000件となっているところ。
⑥ 老朽化対策について
道が管理する公共土木施設の多くが、高度経済成長期に整備されたものが多く、老朽化が進んでいるとのことです。老朽化対策を進めるためには、まず点検による現状の把握が重要であります。道路付属物の点検に関する我が会派同僚議員の質問に対し、道からは、昨年度に試行を行い、今後定期的な点検を実施する旨の答弁がありましたが、現在の取り組み状況について伺います。
<答弁>
道路付属物の点検についてでありますが、
○ 道が管理する、大型標識、道路照明施設、道路情報提供施設、防雪柵、
鋼製大型スノーポールは、約20万箇所あり、
これらの施設が老朽化し、点検、診断、修繕時期が集中すると、
十分な措置が出来なくなる恐れがあることから、
平成28年3月に策定した定期点検要領に基づき、
昨年度の一部区間での試行に引き続き、
今年度より、全区間において10年に一度の頻度での
近接目視による詳細な点検を実施しているところ。
⑦ 今後の対応について
道財政は引き続き厳しい状況が予想されますが、一方で、日常的な管理や老朽化対策が求められる公共土木施設も多く、どのように適切に維持管理していくかは、大きな課題であると考えます。今後、どのように取り組んでいく考えか伺います。
<答弁>
維持管理の今後の対応についてでありますが、
○ 道では、平成27年6月に「北海道インフラ長寿命化計画」を策定し
老朽化対策に取り組むとともに、昨年の台風被害等を受け、
本年3月に「公共土木施設の維持管理基本方針」の見直しを行い、
予防保全などの考え方を取り入れるなど内容の充実を図り、
効率的・効果的な維持管理に努めてきたところ。
○ 今後も、維持管理に必要な費用の増加が見込まれることから、
維持管理に活用できる交付金制度の創設を
国に要望するとともに、必要な予算の確保に努め、
道民の安全で安心な暮らしが守られるよう、
基本方針に基づき、適切な維持管理に取り組んでまいる。
<総括へ>
公共施設の維持管理に必要な財源の確保については、長期的な視点に立ってしっかり取り組む必要があると考えます。そうした点について知事のお考えを伺いたいので、委員長お取り計らいのほどを、よろしくお願いいたします。