
F,企業連携・農業法人化に向けた取組について
道では、本道の農業を支える多様な担い手の育成・確保を推進するため、農業参入を希望する道内外の企業へのPRや参入相談、企業との連携を希望する地域とのマッチングなどを行うための相談窓口、「企業連携・農業法人化サポートデスク」を昨年4月に開設し、農業法人化などの取組を進めておりますが、開設後既に1年半が経過することから、これまでの取組状況などについて、伺ってまいります。
① 相談件数などについて
まず、これまでの相談件数はどのようになっているのか。相談内容と併せて伺います。
<答弁>
企業連携・農業法人化サポートデスクへの相談件数などに
ついてでありますが、
〇サポートデスクの設置から本年9月20日までの相談件数は211件で、
そのうち、企業からは、75社から118件、農業者からは28件、
その他、農業関係機関・団体等からは65件となっているところ。
○また、主な内容としては、企業からは、法人設立要件の照会や、
検討している事業に対する意見照会、地域との連携を図るための
方策についての相談多く、
農業者からは、新規作物の導入や6次産業化を契機とした法人の設立、
補助事業・資金に関する相談など、
関係機関・団体等からは、サポートデスクの取組内容の照会などが
あったところ。
② サポートデスクの取組について
これまで、サポートデスクへの相談を通して、企業との連携や農業法人化に向けて、どのような取組が具体的に進められてきたのか。また、これから進めようとしているのか、伺います。
<答弁>
サポートデスクの取組についてでありますが、
○サポートデスクでは、企業や地域からの相談に対応するとともに、
その内容に応じて、関連部局と情報共有を図りながら、
合同で意向確認のための企業訪問などを行ってきた。
○また、こうした情報を市町村やJA等に提供するとともに、
地域の意向を踏まえた上で、企業による現地調査の実施や
意見交換の場の設定など、双方のマッチングを図ってきたところ。
○このような中、昨年度、サポートデスクが調整した
企業と地域とのマッチング件数は、6社13件となっており、
具体例としては、トヨタ自動車(株)が有する改善ノウハウの農業への
導入支援をきっかけとした、同社との連携協定の締結や、
フランスの老舗ワイナリー、モンティーユ社の意向を踏まえて、
関係機関との協議・調整を経て実現した、同社の函館市への参入などがある。
○今後とも、企業や地域の抱える課題にきめ細かく対応しながら、
相互理解の促進や、機運の醸成などを通じ、双方のマッチングを
進めてまいる考え。
③ 評価について
約1年半が経過するわけですが、改めて、道は、サポートデスクの役割をどのように認識し、これまでの取組をどう評価しているのか、伺います。
<答弁>
サポートデスクの役割と評価についてでありますが、
○農家戸数の減少や高齢化が進行する中、
サポートデスクは、農業経営の法人化や企業と地域農業との
連携支援などを通じ、地域農業・農村の活性化に寄与するなど、
重要な役割を担っているものと認識。
○このような中、サポートデスクに対するこれまでの相談件数が
200件を超えるなど、企業や地域からの期待は大変大きく、
トヨタとの連携協定締結や、モンティーユ社の
函館市への参入の実現など、着実に成果が上がっているものと
考えているところ。
〇道としては、今後も地域と企業双方からの期待に応えられるよう、
サポートデスクによる取組を着実に進めてまいる考え。
④ 今後の対応について
家族経営が主体の農業では、経営規模の拡大や高齢化への対応に課題があり、若者が参画しやすい環境づくりなども含め、農業法人化などの取組が益々重要になってくると考えます。本道農業を支える多様な担い手の育成・確保を推進するため、道は、今後、どのように取組を進める考えなのか、伺います。
<答弁>
多様な担い手の育成・確保についてでありますが、
○本道の農業・農村が持続的に発展していくためには、
家族経営の後継者や農外からの就農促進に加え、
農業経営の法人化や企業との連携などにより、
多様な担い手を育成・確保していくことが重要と認識。
○このため、道としては、農業大学校における実践的な研修教育や
農業改良普及センターによる技術・経営指導はもとより、
民間企業の有するノウハウや資金・人材等が地域農業の活性化に
効果的に活用されるよう、サポートデスクを設置し、
企業と地域とのマッチングを進めてきたところ。
○今後は、こうした取組とともに、高校生や大学生など
若者の就農意欲の喚起や、経営の法人化等にチャレンジする
若手農業者を対象とした研修を実施するほか、
企業連携に係る地域段階の推進体制の整備などに積極的に取り組み、
本道農業を支える担い手の育成・確保に一層努めてまいる考え。