最新情報

2017/10/5

平成29年北海道議会第三回定例会 予算特別委員会 農政部 「地理的表示について」

H,地理的表示について

 

 GI、地理的表示は、ご存知のように、地域で育まれた伝統と特性を有する農林水産物食品のうち、品質等の特性が産地と結びついており、その結び付きを特定できるような名称、これを地理的表示と言いますが、これが付されたものを知的財産として保護し、生産業者の利益の増進と需要者の信頼の保護を図ることを目的として、平成26年6月に「特定農林水産物等の名称の保護に関する法律」に定められたものです。

 地理的表示は、国際的にも広く認知されておりますが、先般の日EU・EPA交渉でも対象となり、関心が高まっておりますことから、以下、何点か伺ってまいります。

 

 

   地理的表示制度の認識等について

  本道農業の特性や潜在力などから、ブランド力の高い地理的表示の活用は、本道農業の発展に欠かせない、極めて有用な制度であると考えております。

国内では9月15日までに42件が登録され、道内では、最初の登録の平成27年12月に「夕張メロン」が、その翌年の10月に「十勝川西長いも」が登録されておりますが、道としては、この制度をどのように認識し、道産品の登録状況をどう考えているのか、伺います。

 

<答弁>

地理的表示制度に関する認識などについてでありますが

 

地理的表示制度、いわゆるGI制度は、

地域で育まれた伝統と特性を有する農林水産物や

 食品などの産品のうち、品質等の特性が産地と結び付いており、

 その結び付きを特定できるような名称が付されているものについて、

 国に登録することができる制度である。

 

本道においては、現在、「夕張メロン」と「十勝川西長いも」の

 2品目が登録されているが、GIは、

 登録された産品にマークを付すことにより、

 国内外において知的財産として保護され、

 高い水準のブランドとして認められる制度であり、

 我が国最大の食料供給地域である本道としては、

   今後、さらに登録数を増加させていくことが必要と考えているところ。

 

 

   登録について

  地理的表示の登録を拡大していくためには、何よりも制度の周知が重要です。登録の要件はどのようになっているのか、登録までにどの程度の時間がかかるものなのか、伺います。

 

<答弁>

GI制度の登録要件などについてでありますが

 

この制度においては、

 地域と結び付いた名称の使用実績があり、

 生産者の所在する地域の範囲が特定されていること、

    生産方法が定められ、遵守されているとともに、

 概ね25年以上の生産実績があること、

 さらに、外観や食味、栄養価などに、

 類似の産品と比較して特徴があり、

 社会的に高い評価を受けているとともに、

 生産地の気候や風土などの自然的な特性や

 伝統的な製法などの人的な特性と結び付いていることなどが

 登録の要件となっている。  

 

〇また、申請から登録までの期間については、

「夕張メロン」で約6ヵ月、「十勝川西長いも」で

 約9ヵ月を要しているところ。

 

 

 

   登録上の課題について 

  道内の登録が2件にとどまっている現状を見ますと、登録のためのハードルは相当高いと感じますが、対象となる道産品はまだまだあると考えるのは、私だけではないと思います。登録に当たって、どのような課題があるのか、伺います。

 

<答弁>

登録に当たっての課題についてでありますが

 

GI制度は、概ね25年間という長期間にわたり、

 一定の基準に基づく生産実績が求められるなど、

 高い水準の要件が設定されている。

 

また、国内では、地域団体商標など

食に関する様々な表示制度があり、

 道内においても多くの地域で取り組まれてきているが、

 GI制度は、運用されて2年余りの新たな制度で、

 そのメリットや仕組みの理解が十分ではない状況にあり、

 道としては、制度の一層の周知が必要と認識。

 

 

   これまでの取組について

 登録に当たって、クリアすべき課題が相当あるということは、制度が目指している目的の性格上、当然のことではありますが、道はこれまで、課題解決のための取組をどのように進めてきたのか、伺います。

 

<答弁>

これまでの取組についてでありますが

 

道では、GI制度の普及を進めるため、国と連携し、

 各種会議において制度の周知に努めてきているほか、

 地域への普及状況などについて、

 国が委嘱したGIの登録申請に係る専門知識を有するアドバイザーと

 意見交換を行ってきたところ。

 

また、振興局や農業改良普及センターなどに対し、

 GI制度の周知を図り、新たな産品の掘り起こしや登録の拡大に向け、

 随時、相談に対応できる体制づくりを進めてきているところ。

 

 

   今後の対応について  

 地理的表示については、生産者の利益を守るだけでなく、道が進めている輸出拡大にとっても重要な制度であり、特に、巨大経済圏を形成するEUとの経済連携協定発効に向けて、積極的に登録を進める必要があると考えます。

道は今後、どのように取組を進める考えなのか、伺います。

 

<答弁>

今後の対応についてでありますが

 

GI制度は、登録された産品について、

 国内外での不正使用を国が取り締まることを通じて保護し、

 他の産品との差別化や品質の保証などを図るものであり、

 道産農畜産物のブランド力の強化や輸出など

 販路の拡大を推進する上で、重要な取組と考えている。

 

道としては、引き続き、国や関係団体などと連携し、

 今後、道内各地で開催されるGI制度に関する説明会等を通じ、

 制度の具体的なメリットや仕組みなどについて、

 生産者などへの一層の普及を進めるとともに、

 新たな産品の登録の可能性がある産地に対し、

 GIアドバイザーとも連携して、働きかけを強め、

 登録の拡大を図ってまいる考え。