
B,台湾からの観光客の拡大について
次に、台湾からの観光客増加に向けた取り組みについて質問します。
道が取り組む外国人観光客500万人プロジェクトについては、平成28年度に230万人を突破し、順調に伸びをみせていると言えます。2020年度の達成を目指して、更に必要とされる政策の追加が求められるところだと考えています。
その数を国別で見渡すと、平成26年度には、台湾から47万2千人、その他を合わせて154万1千人となっていて、平成28年度には、台湾から52万9千人、その他を合わせて230万1千人となっています。
今回の質問では、平成26年度まで来訪観光客数で第1位となっていた、台湾からの来訪観光客数について質問したいと思います。
台湾は、人口2355万人を有する親日国の一つと認識されていて、北海道をこよなく愛していただいている地域であって、先に述べた来訪観光客数52万9千人というデータからも、それを裏付け出来ることとなっています。
また、道内各地には22もの日台友好団体が存在し、台北駐日経済文化代表所札幌分所が設置されていることからも、政府間並びに民間交流の活発さを疑うところではありません。
現在では、台湾における販路拡大や情報発信等の地域の取組みを支援するために、台中市にマーケティングと情報の発信を総合的に展開することを目的に、北海道貿易物産振興会が主体となった「北海道チャレンジショップ」を10月16日から三か月程度の予定で開設されていると伺っています。
① 台湾からの観光客の拡大について
そこで、まずは、台湾からの観光客の拡大について伺います。
これまでの来訪観光客数からみても、既に台湾は成熟した地域と判断することが出来ます。私たちは、先ほど述べた台中市の「北海道チャレンジショップ」を試みとして、シンガポール等に設置している「どさんこプラザ」の台湾設置、そして様々なプロモーションの取り組みを通して、更なる来訪観光客の上積みを実現していかなければなりません。
道は、これまで、直行便の誘致等を含めて台湾に向けたどのような取り組みを展開してきたのか、今後、成熟した地域である台湾に向けてどのような取り組みを展開していくのか、また、それはどのくらいの上積みを目標としているのか、そして、それらの見込まれる取り組みはその目標に見合うものとなっているのか、それぞれに見解を伺います。
<答弁>
台湾からの誘客の取組などについてでありますが、
〇道では、これまで、台湾の航空会社などに対する道内地方空港への就航
も含めた増便の提案や、台湾で開催される旅行博への出展を通じた誘客に
努めるとともに、個人旅行客やリピーターの多様化するニーズに対応するため、
旅行会社やメディアの招聘による道内各地の魅力やイベントなどの情報発信、
台湾で人気があるサイクリングやマラソンといったスポーツツーリズムの
プロモーションなどに取り組んできたところ。
〇台湾からの来道観光客は平成28年度で約53万人となったものの、
来道外国人観光客500万人という目標に向けては、倍増させていく必要が
あると考えていることから、道としては、誘客促進の取組の拡充・加速化を図り、
台湾の皆様の旅行意欲を一層喚起するなど、目標の達成に向け、
積極的に取り組んでまいる考え。
<指摘>
そして、先ほど紹介した台中市の「北海道チャレンジショップ」については、更なる改善が必要であるとも現地でお聞きしているところであり、「チャレンジ」が示す通りに道内企業が安心して海外市場へ挑戦できる環境づくりが必要であることも承知はしていますが、北海道側による自己満足に留まることなく、そもそもの命題である観光客の増加に向けた要素も手落ちなく配していただけますように要望しておきます。
② 北海道からの往訪客の拡大について
次に、北海道からの往訪客の拡大について伺います。
北海道から台湾へ訪問している観光客数は、台湾から北海道に訪問して頂いている観光客数と比べて、かなりの差がついているのが現実とお聞きしています。
私は、先月、台湾の外交部を訪ね、張淑玲(ちょう しゅくれい)秘書長と面談することができました。更なる人的・経済的交流を振興する必要性と、その具体的な政策について議論することができました。中でも、日本から、北海道からの観光客数を伸ばすことについては強い要請があったところであり、その責任を痛感することとなりました。
道が、台湾からの観光客数を拡大させていこうとする時に、一方的なプロモーションの効果には自ずと限界があって、相互的な往来の増加を実現させていかなければならないと考えています。
例えば、台湾への教育旅行の促進の拡大や台湾でのちょっと暮らしの推進等も、特色ある政策の一つとなることでしょう。
そこで、台湾との交流人口の増加へ向けた協力は、どのような取り組みがあるのでしょうか。また、北海道からどのくらいの観光客が台湾を訪れることを想定して取り組んできているのか、伺います。
<答弁>
北海道から台湾への訪問客についてでありますが、
〇本道と台湾を結ぶ航空路線は、エバー航空、チャイナエアライン、
タイガーエア台湾、スクートの4社に加え、国内の航空会社では今年9月に
ピーチ・アビエーションが週3便の運航を始めたところ。
〇航空会社によると、本道から台湾への乗客数は、台湾からの乗客数に比べ
少ない状況で推移していると伺っており、安定的に航空路線を発展させて
いくためにも、アウトバウンドとインバウンドの双方向での交流が重要と認識。
〇道では、航空会社や旅行会社、経済界などと連携して、海外教育旅行支援事業
などのメニューを活用し、平成25年度から高校生や大学生を中心に台湾への
渡航に要する経費に対して支援を行ってきたところであり、
今後とも、関係者とともに、より多くの道民の皆様が台湾を訪れることが
できるよう、積極的に取り組んでまいる。
③ 台湾フェアの実施について
次に、台湾フェアの実施について伺います。
来年7月に台湾新聞主催による「台湾フェア」が、道庁赤れんが前の北3条広場で開催されることになっているとの情報を得ています。
この取り組みについて、その後の継続開催は、北海道からの観光客の拡大にとって大いに有益であるに違いありません。
道民に、台湾を知っていただくことや体験していただくことは大切な情報提供となり、単純に台湾に行って欲しいとアピールしても実現は難しく、体験を通して興味を持っていただく上で、この「台湾フェア」は期待されるところが大きいものと考えています。
道は、このフェアのことを承知しているのでしょうか。また、道として、この取り組みに支援や参加を検討することは出来ないのでしょうか、更に、今後の継続的な支援について、それぞれに見解を伺います。
<答弁>
台湾フェアについてでありますが、
〇このフェアは、台湾新聞社が台湾の食文化などの魅力を発信し、
北海道から台湾への誘客を促進することを目的として
来年7月に札幌で開催する「日本台湾祭りin Hokkaido」
というイベントと承知。
〇道としては、アウトバウンドの増加がインバウンドの拡大の促進にも
つながると考えることから、今後とも、観光振興機構や機構が友好提携を
締結している台湾観光協会など北海道と台湾の関係機関と連携するなどして、
こうしたイベントなどの活用も含め、
相互交流の深化に継続して努めてまいる考え。
④ 高橋知事の台湾訪問について
最後に、高橋知事の台湾訪問について伺います。
高橋知事は、平成23年10月に台湾を訪問されています。
今回、私が台湾を訪問した際にも、非公式ではありますが、高橋知事の台湾訪問を熱望されていることを台湾政府から伝えられたところであります。
高橋知事が、多くの台湾の皆さんへ向けて、北海道へお越しいただくことができるように
直接に要請することは、北海道を愛していただいている台湾の皆さんのこころに大きな影響を与えることができるものと確信しています。
高橋知事自身が、今任期中に台湾を訪れるお考えはあるのでしょうか。見解を伺います。
<答弁>
台湾訪問についてでありますが、
〇私は、平成23年10月、台北市立動物園主催のタンチョウ展示
オープニングセレモニーにお招きいただき、
ご挨拶の中で、その年の3月に発生した東日本大震災に際して、
台湾の皆さんから、いち早く、多くの温かいご支援をいただいたことに
感謝を申し上げたところ。
〇また、台湾からは毎年、「さっぽろ雪まつり」や「よさこいソーラン祭」
に参加いただき、北海道からは毎年、「ランタンフェスティバル」や
「タッチ・ザ・ジャパン」等の旅行博に参加しているほか、
道内各地において日台親善協会が設立されるなど、台湾との結びつきは、
広がりを見せているものと認識。
〇平成28年度の台湾からのお客様は約53万人に達し、来道された
外国人観光客230万人の4分の1を占めるなど、多くの皆様に北海道観光を
楽しんでいただいているが、私としては、本道と台湾の交流がますます
盛んになるよう、より一層の取組に努めてまいる考え。
私たちが、台湾からの観光客の更なる増加を見込む時に、これまで通りのアプローチで目標の上積みを実現していくことは、難しい取り組みであることを知らなければなりません。
私たちは、観光立国を実現していく為に「気候」「自然」「文化」「食事」という四条件を満たしながら、私たち自身を磨き上げていかなければならないことは勿論でありますが、過ぎる観光客数の偏った実態が、更なる成長を阻む要素となりえることを、真摯に受け止めなくてはならないのではないでしょうか。
人口減少と少子高齢化による人手不足の最中にあったとしても、外国人観光客500万人の実現へ向けて、更にその先を目指さなければならない私たちは、北海道と台湾の間における互恵関係の構築を急ぎ、共に繁栄を成し遂げなければならないのだと信じています。
高橋知事の台湾訪問をきっかけとして、相互理解と相互交流の促進が実現されるように要望して、この質問を終わります。