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2018/03/14

平成30年北海道議会第一回定例会 予算特別委員会 「高齢者講習と認知機能検査について」

昨日、第一回定例会予算特別委員会で「高齢者講習と認知機能検査について」を質問させていただきました。

この質問は、地域の皆さんに留まらず、普段から私に多く寄せられていた「道見君、運転免許更新時のなんとか検査、待ちが長くて堪らんわ!」という「皆さんの声」から議会質問に至ったものです。

 

高齢者の皆さんに、地域で元気にお暮しいただくために、行政が出来ることとして、より質の向上を実現させることが出来るように努めてまいります。

 

この課題に対しては、今後も北の元気玉のテーマとして取り上げて参ります。

 


 

A,高齢者講習と認知機能検査について

 

 では、高齢者講習と認知機能検査について、質問させていただきます。

 この問題については、これまで時々様々に議会議論が為されていると承知しているところです。

 534万人とされる北海道の人口のうち、63%にあたる337万人程度が自動車運転免許を保有しているという実体から、更に、今なお、これからより超高齢化が進んでしまう北海道において、今回質問させていただく課題は避けることが出来ない事態であります。

 

 

    高齢者講習と認知機能検査の現況について

最初に、昨今の状況を確認しておきたいと思います。

 70歳以上のドライバーが自動車運転免許更新までに受講しなくてはいけない「高齢者講習」と、75歳以上のドライバーが自動車運転免許更新までに受検しなくてはいけない「認知機能検査」、そして特定された18の違反を犯すと受検しなければいけない「臨時認知機能検査」の状況について、ここ数年の実数と傾向を教えて下さい。

 

<答弁>

 高齢者講習の受講者等の推移についてでありますが、

 

 高齢者講習または、これと同等の講習を受講された方は、

 平成27年は115,332人、28年は113,200人、29年は106,429人であり、

 ここ3年については、70歳以上のドライバーの増加に反して

 減少しております。

 なお、減少の要因としては、運転免許証の有効期間は、

 個人によって3年、4年、または5年と異なるところ、

 年によっては5年更新が多い年とそうでない年があるため、

 27年、28年は、その割合が高い年に該当したのではないかと

 考えております。

  一方、認知機能検査を受検された方は、

 平成27年は69,358人、28年は70,895人、29年は74,528人で、

 増加傾向にあります。

 

 また、昨年の改正道路交通法の施行により導入された

 臨時認知機能検査を受検された方は、

 平成29年は3,525人となっております。

 

    受入体制の状況について

次に、講習及び検査を実施する受入体制となる自動車学校並びに指導員数の状況と経過を教えて下さい。

また、それらは講習及検査の対象となる者の増加に対して、また、地域事情に合ったものとなっているのか、見解を教えて下さい。

 

 

<答弁>

高齢者講習の受入体制の状況等についてでありますが、

 

 高齢者講習は、現在、自動車教習所など82の実施機関に、

 認知機能検査は、83の実施機関に委託しております。

   また、平成29年末時点における高齢者講習の指導員の数は、

 全道で760人で、5年前と比較して約100人増加しました。

                                               

○  しかしながら、指導員の増加の程度は、

 地域によって異なります。

 加えて、元々実施機関の少ない地域、例えば、道東地域は、

 他の地域と比較して受講待ち日数が長くなっています。

 なお、全道を通じた一般的な傾向としましては、

 実施機関の繁忙期では、

 受講待ち日数が長くなるものと認識しております。

 

    受講や受検対象者並びに受入体制の推移について

次に、受入体制の推移についてお聞きします。

団塊の世代が75歳以上となる、いわゆる2025年問題などにみられるように、今後も受講や受検者数は増えてくるのです。

道警は、いつまで、どれくらい増え続けると把握されているのか、将来に渡る受入体制の計画をどのように把握されているのか、見解をお聞きします。

 

 

<答弁>

今後の受講・受検者数の推移等についてでありますが、

 

 高齢者講習の受講対象となる70歳以上の免許人口は、

 年々増加しており、7年後の2025年には約61万人、

 17年後のピーク時には現在の1.4倍に相当する約63万人

 になるものと予測しております。

  このうち、実際に高齢者講習を受講される方は、

 最大で、7年後の2025年には約17万人、

 17年後のピーク時には約18万人になるものと予測しております。

 

 一方、道警察では、高齢者講習の実施機関につきましては、

 直ちには、増加が見込まれないものと認識しておりますので、

 今後は、地域の実情や高齢者の免許人口の推移を勘案しながら、

 受入れ体制の充実を図っていく必要があると考えております。

 

<指摘>

 いま、受入体制の充実を図っていく必要があると答弁していただいたところではありますが、充実を実現させることは担保されたものと受け止めていますが、この質問では、受入体制の計画をお聞きしているのであって、道警におかれましては、具体的な数値に裏打ちされた計画を策定されますようにお願いしておきます。

 この点に関しては、しばらくの後に再び質問させていただくことを申し添えておきます。

 

    受入体制の改善成果について

次に、受入体制の改善成果について、伺います。

受講又は受検の為の待ち日数が長くなっていることは、以前から指摘されていて、道警も過去の答弁で認めているところです。それらを改善していくために、関係先と協議や連携すると答弁されていて、それから2年が経過しようとしています。

どのような協議・連携を実現させて、どのような成果を挙げてきたのか、具体例を以って教えて下さい。

 

 

<答弁>

受講待ちの改善措置についてでありますが、

 

 道警察では、高齢者講習の受講待ちなどに対処するため、

  委託先の自動車教習所に講習指導員の拡充を求める一方、

  平成29年度からは、新たに5箇所の実施機関に委託し、

  受講待ちの著しい地域の運転免許試験場において高齢者講習を実施するなど、

受入体制の強化を図ったところであります。

 

○  このような取り組みによって、2年前の平成27年末との比較では、

 講習指導員は67人増えたところでありますが、

 引き続き、改善措置を図っていく必要があると考えております。

 

<指摘>

 この点においては、二年前の答弁にかかる成果としては、なかなか不十分なものであると言わざるを得ないことを認識して頂きたいと思います。

受講者や受検者とは勿論のこと、自動車学校などの受入体制側の皆さんとの定期的な意見交換の実施と、受入体制の充実にあたっては、(ここ大切なんですが…)くれぐれも徹底した民間活用の実現を推進していただけますように強く要望しておきます。

 

    講習及び検査のお知らせ方法について

次に、講習及び検査のお知らせ方法について、伺います。

先日、対象となる高齢者に送られてくる葉書を見せて戴きました。確かに、必要な情報が詰まっていました。しかし、私でも読み解くのには時間がかかりましたし、葉書の中には、混雑する場合があることや、すみやかに予約しなさいとの明記があるところです。

このように限られた書面の中で、最低限お伝えしなければいけないことを表現しきることは困難です。この点においては、未だ改善の余地は大きいものと考えています。

よって、現代にあっては、インターネットやスマートフォンの普及による必要情報の二次展開、例えばQRコードの活用やネット予約の実現等のデジタル的な活用が可能であることは明らかで、今後高齢者となられる方々にも、この点に対する慣れから検討の余地は大きいものと考えられます。

また、一方で町内会や老人クラブ等の地域コミュニティー内での口コミ等のアナログ的な活用も必要であると考えられます。

 普段からの交通安全啓発活動と共に、この点の周知によって行政サービスの質の向上を果たすことは可能であると考えます。見解をお聞きします。

 

 

<答弁>

高齢者講習等の案内についてでありますが、

 

 道警察では現在、

 免許証の有効期間満了日の約6箇月前に受講対象者全員に対して、

 お知らせの通知書を発送しております。

 

 また、道警ホームページにおいて、

 高齢者講習などの最短予約日を実施機関別に掲載し、

 早期の予約をお願いしているほか、

 警察署単位では、高齢者を対象とした交通安全講話等の機会において、

 管内における予約状況等について広報しているところであります。

 

 道警察では、引き続き、

 受講対象者の利便性の向上にも配意しながら、

 必要な情報の二次展開をも視野に入れ、 

 あらゆる媒体、機会を通じて高齢者講習等の早期の予約と

 受講について積極的に広報して参りたいと考えております。

 

<指摘>

 受講者及び受検者の長い待ち時間に対する不満は、非常に大きいものとなっているとこを、私たちはもっと自覚すべきなのです。先ほども対象者に6ヵ月前にはお知らせ葉書が届いていると教えて頂きましたが、そもそも6ヵ月前にお知らせしなければならないほどに混み合っている、6カ月近くお待ちいただかなければならないという現実がそこにあることを私たちは見過ごしてしまっているのかもしれません。

 昨日、私の知り合いが札幌市南区の自動車学校で受講及び受検されたと教えられました。実に5か月待ちであったそうです。不満を口にされていたことは言うまでもありません。自動車学校や指導員の数が足りていると思われている札幌でさえ、このような状況であるのですから、自動車学校や指導員の数がそもそも足りていない地域においては、不満に拍車が掛かっているものと捉えるのが自然です。

 ピーク時であると見込む17年後に、今の1.7倍の受講者を見込むのであれば、受入体制の拡大という視点のみに留まらず、民間知見の活用による根本的な体制の見直しも十分に検討されますように強く要望しておきます。

 

    在るべき姿について

これまでお聞きしたことから、受講や受検体制の在るべき姿や目指す姿を明らかにしたいと思います。

 自動運転技術の向上や安全運転サポート技術の充実には目を見張るものがありますが、それらを以って全ての不幸な事故を未然に防ぐことはできません。

 また、道民の皆さんからの声が議会に届いていることから、現在において何故混んでいるのか、何故待つことになってしまうのか、この矛盾の解決に取り組むことが行政サービスの質の向上に直結することは明らかです。

 道警は、スムースな受講や受検体制の確立を目指さなければなりません。在るべき姿を明らかにして、その為に必要な方策を示してください。見解をお聞きします。

 

<答弁>

今後の受講・受検体制の確立方策についてでありますが、

 

 道警察では、高齢者の免許人口が増加する中、

 高齢者講習や認知機能検査を、より円滑に実施するため、

 指導員の数など、それぞれの地域における実施機関の実情や、

 高齢者の免許人口の推移を勘案しながら、

 引き続き、受入体制の充実・強化を図る必要があると

 認識しております。

 

 道警察といたしましては、先ほど申し上げたとおり、

 平成29年度から新たに5箇所の実施機関に委託したほか、本年4月から、

 すべての離島において認知機能検査を実施することで、

 道内の離島に居住する高齢者の利便性を図ることとしております。

 

 

    目指す姿について

最後に、私は、高齢者講習や認知機能検査については、止まらぬ超高齢化や、車が生活に欠かせないという地域事情の中にあって、特異な事例の対策として相対するのではなく、高齢者に寄り添った生活環境の変化にスムースに対応していくために設けられた制度と受け止めています。

一方、内閣府の意識調査によると、身体能力が低下したと感じたら、運転免許証を返納しようと考える人が、免許保有者の76.7%となっているそうです。返納制度に対する理解が広まっていると考えられます。

運転を続けたい方々にも、返納を希望する方々にも、それぞれにその選択に至る平時からの啓発活動が必要となってきます。

道警として、これまで伺ってきた内容を踏まえて、今後どのように本来の目的を満足させた目指す姿を明らかにしつつ、総合的に運用されていこうとしているのか見解を伺います。

 

<答弁>

今後の方針についてでありますが、

 

 高齢者講習や認知機能検査は、

 高齢運転者に対して自己の認知機能の状況を自覚していただくほか、

 引き続き安全な運転を継続していただけるよう支援することで、

 高齢運転者による交通事故防止に寄与するものと認識しております。

 

 道警察といたしましては、

 運転免許証の自主返納をしやすい環境作りに向けて

 道をはじめとする関係機関・団体等に対し

 働きかけを行っていくとともに、高齢運転者の方々に、

 円滑な受講・受検を実感していただけるよう

 実施機関等と連携するなどして、

 講習体制の充実・強化を図ってまいる所存であります。

 

<指摘>

 私が普段から接している地域の高齢者の皆さんは非常に闊達あり元気です。むしろ、地域が高齢者の皆さんに期待していることが多くなっているのが現実なのだと捉えてさえいます。

 積極的に社会へ参画して頂く上で、短絡的に運転免許証の返納を勧めることは、それを阻害し、時に生き甲斐さえを奪うものとなってしまいます。

 その手段として運転免許証が役立つのであれば、今回質問させて頂いている講習と検査は、社会や地域にとって高齢者に安心して運転して頂くことができる「安心パスポート」のようなものでもあることが重要なのだと考えています。

 その役割を明確にして、広く道民の皆さんに理解を得ることができる行政サービスとして発展・機能させていただくことを要望しておきます。

 

ありがとうございました。