
昨日、平成30年度の決算特別委員会が開会しました。
北の元気玉が三年半前に当選させて頂いて以来、初めての配属となりました。
第一分科会の委員長を拝命しております。その模様は別途ご報告させていただきます。
分科会の開会に先立ち、本委員会で企業局に質問をさせて頂く機会を得ましたので、
先輩諸氏のご指導を頂きながら「電気事業会計」と「工業用水事業会計」について質問せて頂きました。
特に、この電気事業会計では、道が取り組む水力発電を中心とした「新エネルギー事業」の在り様を明らかにし、会計的にも検証することで、未来に北海道が「新エネルギー大国」として元気であることを議論しています。
是非、ご覧ください!
一 電気事業会計について
(一)平成29年度の収支について
まず、平成29年度企業会計決算のうち電気事業について伺います。電気事業の収支などの状況はどのようになっているのか伺います。
<答弁>
平成29年度決算についてでありますが
○ まず、収入については、発電量が平年に比べ3割程度伸びたことから、
経常収益が約46億8千万円となったものの、
記録的な大雨により過去最高の発電量となった前年度に比べ
約4億円の減少となっているところ。
○ 一方、支出である経常費用などについては、
前年度に比べ、修繕費などで約4億4千万円増加し、
約26億1千万円となったことから、純利益については約20億7千万円と、
前年度に比べ約8億4千万円の減少となったところ。
(二)純利益について
平成29年度は約20億7千万円の純利益が生じているものの、昨年度の純利益約29億1千万円と比較すると、約8億4千万円の減少となっています。率にすると約30%の減少であり決して小さくない額ですが、なぜこうした純利益の減少となったのか伺います。
<答弁>
純利益についてでありますが
○ 平成29年度は順調に発電を行うことができたものの、
清水沢発電所が改修工事のため平成28年12月から運転を停止したことや、
前年度と比較すると7月、8月の降雨量が少なかったことにより、
販売電力量が前年度対比約88%となり、
経常収益が約4億円の減少となったところ。
○ また、川端発電所においてオーバーホールにより約3億円を要したことや、
夕張市に対する市町村交付金に
シューパロ発電所分が新たに約9千万円加わったことなどから、
経常費用などが約4億4千万円の増加となり、この結果、平成29年度の純利益は、
前年度と比べ約8億4千万円の減少となったところ。
(三)経営状況について
電気事業を安定的に経営していくためには、しっかりとした経営基盤を確立する必要がありますが、電気事業の経営状況をどのように分析しているのか、固定価格買取制度、いわゆるFITによる収益なども含め伺います。
<答弁>
道営電気事業の経営状況についてでありますが
○ 平成27年4月に運転を開始した企業局最大規模のシューパロ及び
28年10月に運転開始した滝の上両発電所が、
FITの適用を受けたことにより、
平成29年度の両発電所の電力料収入は約27億2千万円と、
全電力料収入約44億8千万円の約6割を占めるなど、
安定した収入を確保していることから費用に対する収入の割合を示す
経常収支比率が180パーセントとなり、総務省が直近で公表している
平成28年度の全国平均を40ポイント以上上回るなど
FIT適用前と比べ大幅に向上している。
○ 一方、経営リスクの面ではこれまで建設費用や改修費用を
概ね企業債の借入で賄ってきたことから、料金収入に対する企業債残高の比率が、
154パーセントと、全国平均の83パーセントを大きく上回り、
依然として高い比率となっているものの、
企業債残高については、計画的な償還と今後の借入抑制により
改善を見込んでいるところ。
○ こうした指標を踏まえると、道営電気事業は、
全国と比較しても経営上支障となる問題は見当たらず、
現在のところ経営状態は安定していると考えているところ。
<指摘>
いま頂いた答弁に「全国と比較しても」という表現がありました。
確かに、他の都府県で類する先からデータを引用すること自体には違和感がありません。
しかし、一方で、新エネルギー源の宝庫と自負する私たちが、平均並みの実績を残していることに満足することは、「その先の道」を模索する北海道にとって低めの目標設定であることは否めません。
是非、企業局の皆さんには、より積極的な目標設定と役割を果たしていただけるようにお願いをしておきます。
(四)電力システム改革について
国では平成25年度から、電力の安定供給の確保と電力料金の最大限の抑制等を目的に電力システム改革を進めています。この改革に伴い、電力市場は、水力発電や太陽光など再生可能エネルギーを対象とした新たな取引市場の創設など様々な検討が進められています。こうした一連の改革は、今後、企業局の電気事業にどのような影響を及ぼすと受け止めているのか伺います。
<答弁>
電力システム改革についてでありますが
○ 平成28年4月から始まった電力の小売り全面自由化により、
電力は自由な価格で取引されることとなったところ。
○ 道営電気事業についても、FITが適用されていない
発電所の電力の売却については、平成32年度以降、原則、一般競争入札となり、
売電価格が電力市場の動向などの影響を受けることから、
これまで以上に、収入の変動を見通すことが困難となることが懸念される。
○ また、現在、国が検討している再生可能エネルギーの
環境価値を取引する非化石価値取引市場などの新たな市場の創設は、
収入の増加に結びつくことが期待されるものの、
新たに送配電関連設備の維持・運営費用を発電事業者にも負担させる
議論が進められているなど、改革の内容によっては、
経営にさらなる影響を与えることも予想されるため、
企業局としては、引き続き、電力システム改革の動向に注視してまいりたい。
<指摘>
いま「電力システム改革の動向に注視してまいりたい」と答弁を頂きました。
しかし、買取価格の下落や送配電関連設備の取り扱い、さらに系統接続の空
き容量の見直し等と、それらの方向性は既に見通すことが可能です。
よって、待ちや受けの立場ではなく、攻めの姿勢で先行しておくことが必要
です。新エネルギーについての技術は、まさに日進月歩、特に欧州において
日に日に先進技術が開発されているのが現状です。
積極的な情報収集にあたりながら、北海道を新エネルギー大国に相応しい大
地と成長させることができるように、北海道庁並びに企業局の皆さんには、
日々汗していただけるように要請しておきます。
(五)FITの見直しについて
平成24年度から始まったFITについては、現在国において太陽光発電における買取価格の引き下げや、大規模な事業用発電について入札制度を導入するなど、国民負担の低減に向けた取組が進められているところです。
このようなFITの見直しは、太陽光や風力発電に限らず、今後は水力発電についても同様な検討が進められる可能性があると考えますが、現在どのような状況になっているのか伺います。
<答弁>
FITの見直しについてでありますが
○ FITについては、平成24年7月に施行された
「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する
特別措置法」の附則において、平成33年3月までの間に状況を勘案し、
抜本的見直しを行うこととされている。
〇 また、同法の規定に基づき国において、
毎年度、買取価格の見直しが行われ、国民負担の抑制に向け、
太陽光や風力発電などについては、順次、引下げが行われており、
水力についても平成29年4月から出力1千キロワット以上
5千キロワット未満については引き上げ、同年10月から
出力5千キロワット以上3万キロワット未満については
引き下げとなったところ。
○ こうした中、水力発電は開発期間が長期にわたることや
初期投資が巨額なこと、さらには、ダムなどでは減価償却期間が
50年以上と長いにもかかわらず、買取期間が他の電源と同様に
20年間と定められていることから、
期間終了後には大幅な減収が見込まれるなどの課題があると
考えているところ。
(六)地震による被害状況などについて
去る9月6日に北海道における観測史上過去最大の震度7を記録する北海道胆振東部地震が発生し、家屋を巻き込んだ大規模な山腹崩壊等により多くの尊い命が失われたばかりでなく、公共施設などにも甚大な被害が生じたと報じられています。今回の地震による道営発電施設にはどのような被害が生じ、道は、その後どう対応したのか伺います。
<答弁>
地震による被害状況などについてでありますが
○ 当時、企業局では、改修工事中の清水沢を除く7カ所で発電を行っており、
地震直後は発電を停止したものの、地震により水路に土砂等が流入し
運転を停止した滝の上を除く6カ所の発電所では、
北海道電力からの要請に応じて、地震発生当日のうちに順次運転を開始し、
地域への電力供給に寄与したところ。
○ 運転を停止した滝の上発電所については、
土砂撤去などの応急工事に直ちに着手し、
2週間で運転を再開したところであり、
今後、本格復旧に向け今年度中に調査設計を実施し、
早期に対策工事を行うことができるよう努めてまいる。
(七)今冬の発電の見通しについて
道営発電施設においては、速やかに運転を再開したとのことですが、今回の地震に伴い発電停止した北海道電力の苫東厚真発電所については、先月10日に復旧したものの、道内ではこれから電力需要が高まる冬を迎え、不測のトラブルで電力需給がひっ迫する事態も想定せざるを得ません。こうした状況を踏まえると、企業局の電気事業は安定的な電力供給の担い手として一定の役割を果たすことが期待されますが、道営発電施設における今後の発電の見通しは、どのようになっているのか伺います。
<答弁>
今後の発電の見通しについてでありますが
○ 道営発電所においては、発電量がピークとなるかんがい期間の終了後である
秋口から冬までの間に、保安規程に基づく定期点検などのため発電を停止するほか、
冬期間には河川の水量が少なくなることから、発電量が低下するところ。
○ このため、当局としては、定期点検の実施にあたって、
北海道電力と十分な協議を行いながら、電力供給に支障を来さないよう
適切な時期や期間で行うとともに、冬期間においても、高い水位で運転するなど
ダムの貯留水を有効活用した効率の良い運転を行い、
発電量の確保に努めてまいる考え。
(八)発電施設の老朽化対策などについて
地震などの災害が発生した場合でも、安定的に電力を供給していくためには、発電施設の強靱化を図っていくことも大変重要であると考えます。
企業局では、道内に8カ所の水力発電所を保有していますが、建設後50年以上経過した発電所も複数あり、老朽化した発電所では耐震性に課題を抱えているところも少なくないと考えます。
発電用ダムや発電所建屋などの主要な発電施設が損壊した場合、周辺にも甚大な被害をもたらすばかりでなく、長期間にわたり発電を停止せざるを得なくなる事態も想定されます。
道営発電施設の老朽更新や耐震性の強化に今後どのように取り組んでいく考えか伺います。
<答弁>
発電施設の老朽化対策などについてでありますが
○ 改修工事中の清水沢を除いた7カ所の発電所のうち
鷹泊、川端、岩尾内の3発電所については、
運転開始以降、概ね50年以上経過し、
老朽化が進んでいるところ。
○ このため、これらの発電所については、
機器の故障などによる発電停止リスクや、耐用年数も勘案し、
計画的に改修を進めることとしているところ。
○ 一方、耐震化対策としては、2カ所ある道営の発電専用ダムのうち、
清水沢ダムについては、耐震診断により、安全性を確認したところであり、
ポンテシオダムについては、現在調査を行っているところ。
○ また、発電所建屋のうち、
現在の基準に照らして耐震性が低い鷹泊については、耐震補強設計を、
耐震性が明らかでない岩尾内、川端、ポンテシオについては、
耐震診断を、それぞれできるだけ早期に行うことができるよう努めてまいる。
(九)地すべり対策について
今回の地震では、震源地付近において広範囲にわたり山腹崩壊が発生したのは記憶に新しいところです。また、平成28年の熊本地震では、地すべりにより水力発電施設の一部が損壊し、大量の発電用水が流出する事故が発生しました。こうしたことを踏まえ、道営発電施設についても、施設の耐震性のみならず、地震に伴う地すべり発生の危険性について考慮すべきと考えますが、見解を伺います。
<答弁>
地すべり対策についてでありますが
○ 平成28年に発生した熊本地震では、地すべりにより山の斜面に設置されていた
発電用の貯水タンクが損壊し、タンクと水路内に貯まっていた
約1万立方メートルに及ぶ大量の水が土砂とともに下流域の集落に流出するという
被害が発生したところ。
○ 熊本地震での斜面崩壊や胆振東部地震で
大規模な山腹崩壊が多数発生したことを踏まえると、
地すべり等のリスクを適切に評価し、
対策を講じておくことが必要であると考えているところ。
○ このため、企業局としては今後、全発電所を対象とした調査を実施し、
必要な対策を検討してまいる考え。
(十)水力発電について
今回の地震では、地震発生直後、道内全域で電力供給が停止する、いわゆる「ブラックアウト」が発生しました。ブラックアウトからの復旧にあたっては、外部からの電源がなくても起動できる水力発電所がいち早く発電を再開し、単独で再起動できない火力発電所に電力を供給し、復電に寄与したと承知しています。
水力発電は、二酸化炭素の排出がほとんどなく地球温暖化防止対策に貢献するなど環境にやさしいエネルギーとしても導入の促進が期待されており、今回の地震で水力発電の重要性が改めて認識されたところです。
そこで、まず、道内の水力発電の現状と、企業局の水力発電所の規模や全道のシェアについて伺います。
<答弁>
水力発電の状況についてでありますが
○ 道内では、企業局の他に北海道電力や電源開発などの
民間事業者が水力発電を行っており、その発電電力量は
平成29年度で約49億キロワットアワーで、
道内の火力や水力などを合わせた全発電電力量
約360億キロワットアワーの約14パーセントを占めているところ。
○ このうち、改修工事中の清水沢を除き、
現在、企業局が運営する7カ所の水力発電所における
発電電力量は、約3億キロワットアワーで道内の全発電電力量の約1パーセント、
水力発電による電力量の約6パーセントのシェアとなっているところ。
(十一)発電量の増加に向けた取組について
水力発電の分野では企業局の水力発電が一定の規模を有しているとのことですが、クリーンエネルギーの拡大やエネルギーの地産地消の観点から、企業局が率先して水力発電の発電量を増やすべきと考えます。
シューパロ発電所は、平成27年4月に夕張シューパロダムの完成に伴い廃止した二股発電所の代替え施設として運転を開始していますが、企業局において、新たな地点での大規模な電源開発は、平成4年4月に運転を開始した夕張市の滝下発電所以降、行なっていません。発電量の増加のためには、新たな電源開発を行うことも必要と考えますが、見解を伺います。
<答弁>
発電量の増加に向けた取組についてでありますが
○ 企業局では発電施設の老朽化に対応するため、
計画的に施設の改修を進めているところであり、その改修にあたっては、
既存設備の最大限の有効活用を図るため、発電所の設備更新に併せて
発電効率の高い機器への更新を行う、いわゆる「リパワリング」を進め
発電量の増加に取り組んでいるところ。
○ 一方で、水力での新たな電源開発は、開発可能性のある地点が奥地であることや、
十分な発電量が見込めないなど立地条件の厳しいところが多く、
高額な初期投資に対し、採算面での見通しがたたないことなどから、
滝下発電所以降、新たな開発は行って来なかったところ。
○ こうした中、企業局としては、今回の地震において、
外部電源なしに自力で発電を開始できる水力発電の優位性を再認識したことや、
東日本大震災を踏まえたFITの創設など社会情勢の変化も踏まえ、
これまでに、調査検討を行ってきた地点について、
改めて開発の可能性を検討するとともに、
未開発地点の情報収集にも努めてまいる考え。
<指摘>
この質問では水力発電について伺っていますので、分野を限っての質問になっていますが、新エネルギーには太陽光をはじめとする様々な種類があるのです。企業局として、北海道における新エネルギーという分野について広く可能性を切り拓き、且つ公的役割を果たしながら、同時に、それらに必要なコストを自身で積極的に稼き出さなければならないことを自覚していただきたいと考えています。
新たな電源開発はこれからの北海道の新エネルギー導入に向けた重要なテーマとなりますので、改めて関係部局とも議論してまいりたいと考えます。
(十二)財源の確保について
平成32年度以降は、電力市場の自由化の一環として競争入札で道営電気事業の売電単価が決定されるため、価格面での厳しい競争環境となります。
こうした中、発電施設の老朽化や耐震化対策などの取組を着実に進めていくため、財源の確保にどう取り組んでいく考えなのか伺います。
<答弁>
財源の確保についてでありますが
○ 平成27年4月から運転を開始している企業局最大規模のシューパロ発電所が、
FITの適用を受けていることから、当面の間、一定の収入は確保され、
安定した経営が維持できると考えているところ。
○ しかしながら、電力システム改革の影響に伴い
平成32年度以降、原則、一般競争入札が導入され
収入の動向を見通すことが困難となることや、
FIT期間の終了後には大幅な減収が見込まれ、
経営に大きな影響が生じる懸念があるところ。
○ こうしたことから、FIT終了後を見据え、安定した経営を行っていくため、
現在の利益を有効に活用して企業債の借入を抑制し、
償還元金や金利の負担を軽減するなど収支構造の見直しに取り組むとともに、
効率的な維持管理などによる支出のさらなる見直しや
経営リスクに備えた内部留保資金の確保にも取り組んでいく考え。
(十三)地域貢献について
企業局では、地域貢献の一環として、地域新エネルギー導入アドバイザー制度を設けるなど、市町村などの取組を支援してきたと承知していますが、これまでどのような取組を行ってきたか伺います。
<答弁>
地域貢献についてでありますが
○ 企業局では、エネルギーの地産地消の取組を支援するため、
一般会計が設置した「新エネルギー導入加速化基金」に
昨年度から5年間で60億円を繰り出すほか、
平成17年度に「地域新エネルギー導入アドバイザー制度」を設け、
市町村等を対象とした発電に関する説明会や勉強会の開催、
現地調査や技術の提供など、
地域における再生可能エネルギーの導入の取組を
支援してきており、本年は弟子屈町における
公園の維持管理に活用する小水力発電の導入が図られたところ。
○ また、市町村が行う小水力発電の導入モデルとして、
昨年度、夕張川の沼の沢取水堰発電所の建設に着手し、
本年度中に運転を行うこととしており、これにより得られた知見を活かしながら、
今後とも、地域が行うエネルギーの地産地消の取組を
積極的に支援してまいる考え。
(十四)市町村への支援について
今回の地震を踏まえ、市町村においては、防災拠点となる公共施設などへの再生可能エネルギー導入の動きが加速する可能性もあると考えますが、市町村には電気に関する専門的な知識や経験を有する技術者が不足しているのが現状です。今回の地震を契機として、企業局には、発電事業に関する経営、技術、ノウハウを活かして、市町村が取り組む防災拠点などへの再生可能エネルギー導入を支援していく必要があると考えますが、企業局はどのように対応していく考えか伺います。
<答弁>
市町村への支援についてでありますが
○ 今回の地震を契機として、災害時の防災拠点における
電源確保の重要性が改めて認識されたところであり、
市町村自らが地域の特性に応じた
多様な再生可能エネルギーの導入を進めることは、
大変重要な取組であると考えているところ。
○ このため、企業局では、今後、市町村に対して、
小水力発電など地産地消が可能なエネルギーに関し、
当局が有する知識やノウハウを積極的に提供していくとともに
新たに、自家消費を目的とした太陽光発電などの
再生可能エネルギーと蓄電設備との組合せによる
電力供給について調査研究を進めることとしているところ。
○ 企業局としては、これらの取組を通じ
再生可能エネルギーが防災拠点などでも有効に活用できるよう
幅広く検討を行い、その成果を市町村に提供してまいる考え。
<指摘>
この点については、企業局のみならず知事部局全てに言えることであります
が、私は、道が市町村への支援についての政策を組み立てる際に、もっと民
間力を活用することを当たり前にしていかなければならないのだと考えてい
ます。
そもそも市町村自身については、新エネルギー分野への興味はあっても、自
らが着手する為の地域資源の活用や膨大な設備費投資、そして事業を主導す
る人材の不足などを理由として、そのハードルが決して低くはないものと承
知しています。
そこに必要となるものは、民間活力でしか補うことはできないのではないで
しょうか。
むしろ、私は、多くの市町村と意見交換を重ねた経験から、道は、市町村と
優秀な技術と経験を有する民間企業とを結びつける役割を果たしていくべき
なのだと確信しています。
国の支援策の延長にあるメニューから組み立てるのではなく、道内に潜在す
るニーズと私たち自身さえも気付いていない北海道の優位性を十分に活かす
ことのできる政策とその実行を期待したいと思います。
(十五)今後の電気事業の運営について
これまで発電施設の改修、耐震化や再生可能エネルギーの導入促進などについて伺ってまいりましたが、こうした取組を進めるに当たっては、道としては、今後、どのように電気事業運営に取り組んでいく考えか、見解を伺います。
<答弁>
今後の電気事業の運営についてでありますが
○ 道営電気事業は「経済性」と「公共性」という
公営企業の基本原則のもと、クリーンで安全な水力発電所を建設、運営することで、
道内の再生可能エネルギーの拡大の一翼を担ってきたが、
今回の北海道胆振東部地震を受け、
電気は道民生活に欠かせないライフラインであり、
災害が発生した場合であっても、安定的な電力の供給に最大限努めるという
電気事業の重要な役割について改めて思いを強くしたところ。
○ 一方、今後、道営電気事業は電力システム改革により、
電力市場の動向に直接影響を受ける厳しい経営環境の中に置かれますが、
災害時においても外部電源なしに発電を開始できる
水力発電の優位性を最大限に発揮する事業運営や、
地域の防災拠点における再生可能エネルギー導入に対する貢献といった
道営電気事業が果たすべき役割はさらに広がってきているものと考えている。
○ このようなことから、私といたしましては、様々な情勢変化を的確に見極め、
安定した持続的な事業運営を行っていくため、
企業債への依存体質の脱却やさらなる効率的な運営により、
老朽発電所の計画的な改修や耐震化はもとより、
地域における再生可能エネルギー普及への貢献、
さらには、企業局自らが、新たな電源開発を検討するなどして、
道営電気事業に求められる役割を職員と一丸となって果たしてまいる考え。
<指摘>
公営企業管理者から、今後の運営について積極的な答弁をいただけたと捉え
たところです。
大いに期待するものですし、そのために必要な情報の収集や、議会議論を通
して、私もより確実な事業の実施へ向けた一翼を担っていきたいと考えてい
ます。
全ては北海道の元気の為に、お互いに責任を果たして参りましょう。