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2021/03/10

令和3年北海道議会第一回定例会 一般質問 「道の海外事務所等について」

この質問は、コロナとの闘いに見通しがつかない中であっても、将来の北海道の成長を担保していく為に、道の海外事務所等の戦略・戦術を整えていかなければなせないとの想いから、鈴木直道知事に質したものです。

海外事務所に赴任している道職員や現地スタッフの仕事は、普段から道民の皆さんの目に届かぬ活動ではありますが、日々懸命に汗して働いていることを承知しています。

益々活躍して頂く為にも、今後とも最大限に応援してまいりたいと考えています。

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【 道の海外事務所等について 】

次に、道の海外事務所等について伺います。

道は現在、海外事務所4か所を開設しているほか、職員を派遣している在外公館やジェトロ、道内金融機関の海外拠点が5か所あり、これらに9名の道職員と2名の民間派遣者、7名の現地事業スタッフを配置していると承知しています。

これらの海外事務所と駐在所を最前線として、道内経済や地域社会の活性化を図るため、「世界の中の北海道」として道が中長期的に進むべき将来の方向性を「めざす姿」として明らかにし、道内の行政、企業・団体、道民の皆様と協力・共有しながら、世界の活力を取り込んでいかなければなりません。

特に、昨年から新型コロナウィルス感染症と闘いに苦しむ私たちは、インバウンドを取り込んだ観光産業の展開の見直しを強いられ、改めて国内や道内の観光客の重要さを思い知ることになったと承知しています。

しかし、引き続き海外からの観光客の取り込みなど観光業のみならず道内産品の輸出を目論む私たちが、人口減少に伴う経済規模の縮小が避けられない北海道にとって、海外、特に人口急増に伴い経済発展を続けるアジア各国の消費力に期待を寄せることは避けることが出来ない流れであると考えています。

その最前線として活躍が期待される海外事務所と駐在所については、これまでさまざまに議論されてきたことを承知しています。

それらを踏まえた上で、以下に伺って参ります。

①道の海外事務所等の現状について

最初に、海外事務所と駐在所の現状について伺います。

世界が、新型コロナウィルス感染症と闘う今日現在、海外事務所と駐在所については、道職員や駐在所スタッフがどのように配置され、ているのか、どのような活動を行っているのか、現在の活動内容と共に予算執行状況を伺います。

<答弁>

海外事務所等の活動状況についてでありますが、海外事務所等の職員は、これまで、派遣先の国や地域の感染状況等を踏まえ、昨年2月から4月にかけて帰国し、現地の事業スタッフと連携しながら道内で活動を続け、外国人の入国禁止措置の解除後、6月から順次、駐在地に渡航し、現地での活動を再開してきたところ。

現在、海外事務所等では、感染症の拡大により、現地での移動やイベント等の開催に制約がある中、道内観光地からのライブ配信や、小売店・飲食店と連携したフェアの開催など、北海道への関心を高める事業を実施しているほか、現地バイヤーと道内企業の仲介や、渡航できない企業に代わって商談会で商品説明を行うなど、本道の魅力発信や道産品の販路開拓に取り組んでおり、事務所運営費予算は、旅費を除き概ね執行予定となっているところ。

②コロナ禍における役割について

次に、コロナ禍における役割について伺います。

昨年来、世界が闘ってきた新型コロナウィルス感染症ですが、最中にあっても、道内経済や地域社会の活性化を図るため、「世界の中の北海道」として海外事務所と駐在所が担う役割は変わっていません。むしろ、ピンチはチャンスと唱える知事にとって、このタイミングから立て直しを目論み、コロナ収束後に備えてコロナ禍における戦略を整えておく必要があると考えています。

最近の報道によると、世界ではワクチン接種が進んでいて、ウィズコロナの状況にある私たちにとってのコロナ克服は、もう目の前のことなのかもしれません。そうであってほしいとさえ願っています。

だとすると、「世界の中の北海道」として海外戦略の立て直しを、この段階で打ち出す必要に迫られていて、その最前線である道の海外事務所等の役割について、知事の見解と展望を伺います。

<答弁>

 海外事務所等の役割についてでありますが、海外との経済交流の促進に向け、道では、重点とする地域に職員が駐在し、行政機関や企業との人脈形成、現地情報の収集、事業活動へのサポートといった駐在ならではの役割を果たしており、海外との往来が困難な状況にある中、その必要性は一層高まっていると認識。

現在、情報通信技術を用いたコミュニケーションが急速に普及しているといった変化も踏まえ、道としては、こうした技術を積極的に活用し、これまでは対面を前提に困難だった案件についても、人脈を提供し、言語や商慣習の違いをサポートしているところであり、これまで以上に海外事務所等が、海外と道内各地の中継点となり、新たな経済交流の促進につながるよう、取組を進めてまいる。

③コロナ収束後の施策展開について

次に、コロナ収束後の施策展開について伺います。

コロナ後といっても、新型コロナウィルス感染症の根絶は出来ないものと承知していますし、感染症との闘いが人類の歴史であるといっても過言でないことを知った私たちにとっては、海外戦略をどのように描いていくかが問われているのだと考えています。

先ほど申し上げたように、感染症の流行如何に関わらず、世界の活力を取り込まなければならない北海道にとって、海外事務所と駐在所の役割については、臨機応変に戦術を組み直さなければならない施策であると考えられます。

私は、そろそろコロナ後の海外戦略について準備を整えなければならない時期であると考えますし、その検討にあっては、コロナ以前の体制に戻すことが大切なのではなく、より積極的な展開が必要であると考えている一人であります。

世界が委縮したこの災禍に、共に縮むのではなく、世界をリードする北海道である為の政策や施策を展開することによって、世界の消費を取り込むことの出来る体制を、その最前線である海外事務所と駐在所に担っていただくことの出来る体制を敷いて頂きたいと考えています。人員のみならず予算面に至るまで強化させる必要があります。

知事には、海外事務所について、新たな目標設定と共に人員配置や予算設定を充実するなど積極的な施策展開を求めます。知事の見解を伺います。

<答弁>

海外事務所等の今後の取組についてでありますが、本道経済の発展に向けては、感染症の収束後も見据え、道産品の海外販路拡大や外国人観光客の誘致、海外からの投資受入れなどを促進し、海外の成長力を取り込むことが求められており、その最前線で活動する道の海外事務所等の役割は大変重要と考えている。

このため、道としては、輸出拡大やインバウンドの再獲得に向け、本道の食や観光などの魅力発信に加え、道産品を扱う海外ECサイトの紹介のほか、北海道に関心がある現地企業の発掘と、貿易や投資の商談の仲介など、海外事務所等の独自の施策を積極的に展開するとともに、多くの海外拠点を持つジェトロや金融機関との連携を一層強化し、現地でのノウハウやネットワークを互いに活用しながら、成長が見込まれるアジアや欧米などの国や地域において、新たな市場や需要の開拓に取り組んでまいる。