令和4年2月24日の環境生活委員会で「北海道百年記念塔の説明会について」の質問を行いました。
北海道百年記念塔の解体については、現在の私は「解体反対」の立場を取らせて頂いています。
北海道の開拓に関わられた全ての先人への感謝と、北海道の未来を担う子供たちへの期待を込めた開拓記念塔を解体することは避けなければなりません。
特に、先日、道によって開催された説明会を通して、道による瑕疵や不作為を整理していくことによって、最悪の事態への収拾を図りたいと考えています。
残念ながら北海道議会自民党会派では、北海道百年記念塔解体に賛成している議員が多く孤軍奮闘中ではありますが、会派内有志と共に活動中でございます。
更には、ほとんどの道民が北海道百年記念塔の解体を知らないという惨憺たる状態であることも判明しております。
北海道議会議員の一人として、その責務を果たしてまいります。
よろしくお願いいたします。
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(一)説明会について
早速ですが、幾つか質問をしてまいります。先日開催された北海道百年記念広場の整備等に関する説明会について伺います。
私はこの説明会の2月9日に参加させていただきました。ZOOMでのWEB開催となりましたが、他の開催日も含めた参加人数や、寄せていただいた意見等の傾向について教えてください。
(文化振興課長)
説明会の開催結果についてでございますが、道では、記念塔解体の判断に至った考え方や解体後の跡地を含みます今後の広場整備の方向性をお示しした「交流空間構想」につきまして、これまで様々な機会を通じて説明を行い、広くご意見を伺ってきたところでございますが、改めて、道の考え方を説明する場として、2月9日から3回に渡り、オンラインによる説明会を開催したところでございます。
説明会への参加人数につきましては、それぞれ定員100名に対しまして、1回目が32名、2回目が26名、3回目が51名となっており、合計109名の皆様に貴重な時間を割いていただき、ご参加をいただいたところでございます。
参加された皆様からは、塔の解体に関しまして、これまでの道の維持管理や道民の皆様などへの周知のあり方、また、新たなモニュメントに係る費用や今後の進め方などについてのご質問のほか、塔の存続を求めるご意見などをいただいたところでございます。
(二)説明会の開催方法について
次にですが、この説明会の内容についてでございます。この説明会に参加した私の率直な感想は、道としては、北海道百年記念広場の整備等について説明し、道の考え方を通したかったのでしょうが、寄せられた質問のほとんどが、百年記念塔の維持管理や解体についての質問であって、道が目論んだものとは相違していたと受け止めております。
以前の私からの質問で、何度も丁寧に説明すると答弁し、約束していただいたところではありますが、開催したアリバイが残っただけであり、とても丁寧に対応したとは受け止めておりません。それは寄せられた質問の主旨と異なる回答が目立ち、さらに都合が悪いと目される質問に回答しないといった有様です。これが丁寧な対応と言えるはずがありません。
道も想定していなかったと思われる量の質問が寄せられて、終了時間が迫る頃には、私から「回答しきれない質問に対しての対応について」質問をするといった事態になった程であります。その質問に対する道の回答として、後日全ての質問に対して、回答をホームページで公開する約束をすることになったと承知をしております。
今回の説明会は、コロナ禍の影響を理由にして、ZOOMによるテレビ会議方式で開催されています。参加者からの質問はチャット形式によって寄せられ、道からの回答は映像と音声によって返されました。しかし、音声が正常に聞き取れない事による苦情も多く寄せられたところです。それは私には滑稽にさえ映っていましたし、これでは開催の意義は満足させられないと受け取っておりました。
道による以前の説明によりますと、この説明会は、当初予定ではリアル開催の設定になっていたと承知しております。しかし、今後の感染症流行の状況を踏まえながら、Web開催になったと説明をされております。今後、具体的にはどのように丁寧に対応していくことを想定されているのか、寄せられている意見や質問に対して丁寧に対応することを、改めて確約していただきたいと思います。見解を伺います。
(文化振興課長)
道民の皆様などへの説明についてでございますが、この度の説明会につきましては、当初、札幌市など3カ所で会場にお集まりをいただく方式での開催を予定をしておりましたが、新型コロナウイルスの感染状況に鑑みまして、オンラインでの開催とさせていただいたところでございます。
参加された皆様からは、記念塔の解体に関するご質問やご意見に加えまして、説明会の開催方法についてもご意見をいただいたところでございます。道といたしましては、まずは今回の説明会におけるご意見に対する資料や会議録を道のホームページで公開するなど、道の考え方について丁寧にご説明をし、ご理解をいただけるよう努めてまいりたいと考えております。
(再質問)
質問を重ねます。私はですね、今の答弁では不十分であると受け止めております。この3回の説明会で果たし切れていない道の役割を、改めてリアル開催の説明会によって丁寧に対応することが必要だと考えております。また、道は、道の考え方を丁寧に説明すると繰り返しますが、先程の答弁の中にありましたけれども、道の考え方を説明する場と道は位置づけていてですね、事の本質がそこにないということはですね。道民から寄せられている意見や質問に丁寧に対応することが必要なんです。道民から寄せられている意見や質問によって、道の案を検証し、公表することが必要となります。リアル開催の確約と、丁寧に対応する内容についての見解を求めます。
(文化局長)
重ねてのお尋ねでございますが、道民の皆様への説明についてでございますけれども、会場にお集まりいただく方式での開催につきましては、今回の説明会でのご意見や、道民の皆様から寄せられる問い合わせの状況、それから新型コロナウイルスの感染状況等を踏まえまして、必要に応じて検討してまいりたいと考えております。
(指摘)
私はリアル開催の確約を求めた訳でありますが、必要に応じて検討ということが何にあたるのか。これは日本語の解釈上の話でもあるし、道庁内の不文律というか、解釈によっても異なるところだとは思いますが、今後、質問を進めるにあたって、いかにこのリアル開催のですね、必要性が高まってくるのかということを、道にはしっかりと受け止めていただいて、開催を調整し、実行していただきたいと要請をしておきます。
(三)会議録等の公表について
次に道が約束した議事録の話です。3回の説明会で数多く寄せられた質問に対して、時間制限によって回答できなかった分も含めて、1週間程度の後に議事録を公開されると説明会の中で道は約束をされました。
実は、参加者による議事録は、3回目に開催された14日夕方の2日後にはウェブ上で公開されておりました。今週の月曜日には道が作成した一部が手元に届いたところではありますが、いまだ半分以上の質問に回答出来ていない状態でありました。これはウェブ開催、覆面開催の弊害と解釈するしかありません。
質問の中には、道にとって回答し難い内容のものも見受けられると考えております。また、説明会内で約束していただいている全ての質問に回答し公開するには、今しばらく時間を要するものと感じているところでもあります。
道は、道の考え方を知らしめる場としてしか今回の説明会を位置付けていないのではないでしょうか。要するに、寄せられる意見を受け止める考えなど最初から無かったのではないでしょうか。いわばガス抜きです。実は、あえて具体的な指摘はしませんが、その意図を道の発言の端々から感じることが出来ていると私は捉えています。
この度に寄せられた質問に対して、道はどのように対応していくお考えですか。また、遅れている議事録の公開について、期限や公開場所を明示いただきたいと思います。見解を伺います。
(文化振興課長)
説明会におけるご質問等への対応についてでございますが、今回の説明会の資料及び会議録につきましては、道のホームページで公開するとともに、時間の関係で、その場でお答えできなかったご質問に対しましても、回答を作成の上、公開してまいる考えでございます。
今日現在、各回の会議録及び第1回目の質疑応答につきましては、説明会に参加された方々にメールでお知らせした上で、ホームページに掲載しているところでございまして、第2回目及び第3回目の質疑応答につきましても、できる限り早急に回答を作成の上、同様に順次、公開してまいる考えでございます。
塔の存続を願う方々の思いや主張に対しましては真摯に受け止めながら、今後とも道の考え方について、ご理解いただけるよう、道民の皆様からの問い合わせなどに対して、丁寧に対応してまいりたいと考えております。
(指摘)
今、答弁の中にあったメールでお知らせいただいたというのは、私も第1回目に参加したわけでありますので、そのメールを受け取ったわけでありますが、道のホームページ上で公開されるといっても、巨大な道のホームページマップというかエリアではありますので、探しきれないことが考えられますので、メールでお知らせいただいたというのは、非常にありがたかったと感じております。2回目、3回目の質疑応答分に関してもですね、同様に対応願いたいと思います。
また、今回公開される議事録については、公開され次第、民間の手によって検証されることになると承知しております。検証された回答を基にして、改めて整理された意見と質問が寄せられることになるとお聞きしています。今後の委員会で、それらを基にした質問をさせていただくことになりますので、承知おきください。
(四)解体費の増額について
次に、道が計上しようとしている解体工事費等について伺います。
以前提出された資料やこの説明会によれば、解体工事費は7億2千万円程となっています。当初予算の4億4千万円と比較しても1.64倍です。更に前回の質問で、更なる増額が見込まれることも道は認めております。このままでは、この増額は認められるものではありません。この増額によって維持管理費との差は縮まるなど、道が解体の根拠としてきた根本が崩れているのだと理解しています。それらの具体的な指摘が、今回の説明会内で寄せられた意見等の中にも多く存在しています。その中には、目を疑うような内容のものもあったと捉えております。
前回の質問の際に別の委員からも指摘されましたとおり、承認されてしまった点については覆しようのない事なのかもしれません。しかし、私は、今回の説明会によって提示された質問内容が、議会に報告されていた内容と現実が大きく異なっている点や解体予算の大幅な増額と今後の更なる増額見込みなどについて、それらの状況は大きく変わっているものと理解しています。
この度の令和4年度予算として計上されようとしている解体工事費等についての道の見解を伺います。
(文化振興課長)
解体工事費についてでございますが、平成29年の調査につきましては、塔の内側に足場を設置し、解体を進めることといたしておりました。本年度に実施した実施設計の結果につきましては、塔の老朽化の状況に鑑みまして、工事に伴う落下物による被害を防止するため、作業工程を細分化し、塔の外側にも足場を設置して解体を進めることとしたことや、平成29年以降の労務・資材単価の上昇などによりまして、解体工事費が増加したところでございます。
(指摘)
実は、この質問を練り上げている最中に、本日の委員会に報告されている北海道百年記念塔解体費が、限度額を6億300万円とされていて、4千326万9千円のみを計上されていることを知ったところです。これはどういった意図なのかと考えておりますが、委員会内において報告のみということになっておりますので、指摘に留めますが、いずれにしても、私は、限度額増額についての承認を同意することは出来ません。明言をしておきます。
(五)寄せられた質問について
これまで、道は、一貫して「安全性の確保」と「将来世代の負担軽減」の観点で解体理由として議会に説明してきました。しかし、今回の説明会に寄せられた質問の中で、幾つも無視できない内容のものが存続しておりますので、その一部を検証してみたいと思います。
例えば…、
1 老朽化の原因について
第二回の説明会で寄せられた質問に対して、道は「塔の所有者として適切な維持管理に努めてきた」と繰り返し回答しております。この点は、そもそもおかしな回答となっていて、適切な維持管理に努めれば、腐食等の不具合は防げる又は進行を遅らすことができるものなのであり、道が提案している解体案は、この根本からずれていると断言できます。見解を伺います。
(文化振興課長)
塔の老朽化の原因についてでございますが、専門家の方々からは、塔の構造上、外板周辺部の錆の進行と剥落につきまして、その程度を軽減する処置はとれるにしても、完全に防止することは困難との指摘を受けており、道では、これまで、専門業者による調査結果に基づきまして、保守管理計画を策定し、錆の除去や防錆措置など計画的な維持管理に努めてきたものの、錆や腐食の進行など、老朽化の進行を完全に防ぐことは、難しいものと認識しております。
(指摘)
これは、禅門答ではないのですから、この度の道の答弁では承服しかねます。私は、形あるものは壊れることくらいは承知しております。しかし、それを計画的な維持管理によって長寿命化することが道の責務なのであって、不十分な維持管理を棚に上げておいて、それを理由に解体すると手続きを進める道には瑕疵があるものと考えております。この議論は、別の機会に取り上げてみたいと思います。
2 道民への周知について
道は、百年記念塔の解体について、どの程度の道民が知っているものと捉えているでありましょうか。説明会の質問によると、ごく限られた方しか周知されていないと捉えることができます。当該地元の住民でさえ、学校関係者でさえ、解体そのものをご存じないケースが多すぎます。例えば、町内会長がご存じでも町内会員が知らない、学校長が知っていても教師や生徒が知らないといったような場合です。
記念塔の建立経緯や塔に込められた開拓の感謝と思いを顧みると、道民の理解が少ない中で計画を推進することには同意できず、道議会の同意を得たことがこれにあたると道が捉えているならば、道議会議員が多くの道民に知らせる義務を果たしきれていないことが原因となります。道は、今後どのように周知を進める考えなのでしょうか。どの程度まで周知が進めれば、道民の理解を得られたと判断するつもりなのでありましょうか。
道が、こうしてまで進めたい計画であることはこれまでの立ち振る舞いで理解しておりますから、周知が進まない原因は道にあると言わざるを得ません。見解を伺います。
(文化振興課長)
道民の皆様への周知についてでございますが、道では、記念塔を含む百年記念施設のあり方に係る検討を行うにあたりまして、その議論の経過も含め、多くの道民の皆様に幅広く周知の上、ご意見をいただくことが必要と考えておりまして、道のホームページへの掲載はもとより、「交流空間構想」の策定にあたりましては、検討会議の開催の都度、報道発表を行うなど、周知に努めた結果、新聞やテレビなどで取り上げていただいたところでございます。
また、道民ワークショップや出前講座の開催、アンケート調査の実施などを通じまして、道民の皆様のご意見を伺うとともに、「交流空間構想」を策定する際には、その内容につきまして、北海道商工会議所連合会などの経済団体や北海道市長会、町村会をはじめとする各自治体、地元の市役所や区役所に加えまして、地元町内会の方々や記念塔を校歌・校章に用いている学校に対しましては、それぞれのご都合を伺いながら、可能な限り直接、お会いし、記念塔の解体もやむを得ないとした方針につきまして、説明を行ってきたところでございます。
道といたしましては、今後におきましても、様々な機会を通じまして塔の解体の判断に至った道の考え方につきまして、ご理解いただくよう努めてまいる考えでございます。
(指摘)
道が行ってきた周知のための方策が十分なものであったとは言い難いと考えております。要するに目的と手段が入れ違ってしまっております。
今、道が答弁した方策を行ったから十分な周知ができたと答弁すること自体が詭弁です。答弁にもあったとおり「塔の解体の判断に至った道の考え方についてご理解いただくように努める」といった立場をとるうちは、この問題は解決する訳がありません。
塔の解体の判断に至った道の考え方についてご理解いただくよう努めるために、丁寧な対応をいくら繰り返しても、この問題は解決しないのであります。まずは、十分な周知を行うために、どんな方策をとらなければならないかを真剣に考えていただきたいと強く要請しておきます。
3 道民への効果的な周知方法について
道がこれまでに行った周知案について、どうして周知が進まないと考えているのでしょうか、伺います。その周知を満足させるために、具体的にどのような方策をとる考えなのかも伺っておきます。
(文化振興課長)
道民の方々への周知方法についてでございますが、道政を進める上では、様々な情報をタイムリーに発信をし、広く道民の皆様からのご理解とご協力を得ることが不可欠でありますことから、道といたしましては、ホームページや報道への情報提供などを通じまして、幅広く情報をお伝えできるよう取り組んでいるところでございます。
こうした中、平成30年12月に発表いたしました交流空間構想につきましては、道民ワークショップの開催や大学への出前講座のほか、全道各地から参加が見込まれる行事と連携をしたアンケート調査の実施、さらには、道のホームページを活用し、広く意見を募集するなど、道民の皆様にご理解いただけるよう取り組んできたところでございます。
また、構想策定後の一昨年の6月には、老朽化した記念塔の現状を認識していただくため、報道機関とともに、塔の存続を求める団体の方々からのご要望による視察を実施をし、この様子については、多くの新聞やテレビで大きく取り上げられたことから、報道を通じまして、道民の皆様に塔の現状を相当程度認識をいただけたものと考えているところでございます。
道といたしましては、今後、新たなモニュメントの設置や百年記念広場の整備に関する情報につきましても、道の広報媒体等を積極的に活用しながら、地元住民の方々はもとより、道民の皆様への効果的な周知について鋭意取り組んでまいる考えでございます。
(再質問)
量的に必要な道民の周知を獲得し、仮に過半以上の賛同が得られるならば、道の考え方にも正当性は帯びてくると思います。しかし、実際には満足な周知も得られぬままに、道の考え方を周知したと都合良く解釈する姿は、褒められたものではありません。それを道民に見抜かれてしまっているのだと私は捉えております。
さらに、今の答弁の中で、最後に「道としては、新たなモニュメントの設置などの情報について周知を進めていく」これはですね、答弁として悪質だと思います。私が伺っているのは、その正当性、道がこれまでとってきた解体案についての根拠とされてきたことに対しての疑義を説明会等によってつきつけられているものに対し、どのように答弁、回答しながら、多くの道民の皆様に理解を求めるように周知をするということをしているのであって、論点がかわされていると思います。見解を伺います。
(文化局長)
道民の皆様への周知に関しての重ねてのお尋ねでございますけれども、道といたしましては、今後、記念塔の解体の判断に至った考え方も含めまして、新たなモニュメントの設置や百年記念広場の整備に関する情報につきまして、道の広報媒体等を積極的に活用し、道民の皆様への周知に鋭意取り組んで参ります。
(指摘)
まあ、同じ内容の答弁の繰り返しなんでしょうね。このまま、答えてください、道の考え方についての説明の周知、もう行ったり来たりでありますので、まとめに入りますけれども、いずれにしても、道が説明したくない解体に至る考え方を理路整然とまとめると、多くの質問や意見がそこに寄せられているわけですから。そこについての議論をかわし、道の考え方、交流空間構想をつくります、新しいモニュメントをつくります、という説明でつきとおすということに対し、非常に違和感を覚えるところでありますので、今後の委員会質問等で明確にしていきたいと考えるところであります。
4 アンケート結果について
第3回目の質問の中に、平成30年4月から6月の施設利用者に行われたアンケートによると、存続して欲しいとの回答が59%であったとのことです。これを以て道民の意思と断言することはもちろん出来ませんけれども、過半であることは事実です。道はこの道民の意思に「丁寧に対応した」とは言えません。見解を伺います。
(文化振興課長)
アンケート調査の結果についてでございますが、道では、「交流空間構想」の策定に当たりまして、百年記念施設の利用状況を把握するとともに、記念塔の存続などについて、道民の皆様から幅広くご意見を伺うため、アンケート調査を実施したところでございます。
百年記念施設を利用される方々におきましては、記念塔の存続を希望する意見が多く、一方で、全道の社会人及び大学生に対するアンケート調査では、解体もやむを得ないとする意見が多いなど、道民の皆様の間には様々な考え方があったところでございます。
このため、道といたしましては、塔の安全性につきまして、専門家の方々の知見も伺いながら、検討を行いましたが、最終的に、塔の構造上、老朽化の進行を完全に防ぐことは難しく、公園を利用される方々の安全確保などの観点から、解体もやむを得ないと判断したところでございます。
(指摘)
今の答弁で明確になったことは、道は道民の意思はさておいて、専門家による知見と安全確保の観点から判断したとおっしゃるのであります。この点については、この後に質問する項目など、後日の委員会等において反証をしていきたいと考えております。
5 維持管理について
第3回の質問によると少なくとも平成29年度から維持管理費を掛けなくなったと指摘されています。維持管理費が極端に少なくなったのは平成22年度からという質問もありました。これは施設管理者としての単純な瑕疵に違いありません。見解を伺います。
(文化振興課長)
記念塔の維持管理についてでございますが、道では、塔の完成から10年を経過した昭和55年以降、概ね10年ごとに専門家の方々によります老朽化の状況調査を実施するとともに、以後10年間の保守管理計画を策定した上で、老朽化した箇所の修繕や老朽化の状況に応じた大規模な修繕を行うなど、塔の所有者として必要な維持管理に努めてきたところでございます。
なお、ボルトの緩みや錆片落下が確認をされ、塔の立入禁止措置を講じた平成26年以降につきましては、専門業者による調査結果に基づきまして、緊急的に補修が必要な箇所の修繕を優先して行うとともに、塔の解体方針の決定後におきましても、必要な点検・補修を行ってきたところでございます。
(指摘)
この点に関しては意見交換時に示していただいた資料によって、維持管理費を掛けていない訳ではないことを確認をしております。しかし、何に費やしたのかまでは確認をしてはおりませんが、平成30年に488千円、令和元年に242千円 とんで令和3年度に420千円という実績は健全な維持管理に努めた証とは言えない金額だと受け止めています。
それまでの4,200千円から21,800千円に比べても明らかです。この点についても民間による検証を待つこととします。
6 建築家からの提案等について
第3回の質問によると、北海道百年記念塔の未来を考える会は建築士有志の皆さんで組織された会と承知をしております。いわば、専門家です。重ねるならばボランタリーベースの会です。
道はこの会から知事あてに3度の公開質問状を受け取っています。さらに、十数名の建築士さんによって塔内の視察も行われていて、「塔は健全」、「外皮は熟成」として、大修繕は不要であり、維持管理についての提案を受けております。
しかし、回答を避けております。避け続ける理由と回答を求めます。見解を伺います。
(文化振興課長)
建築家の方々からのご提案などについてでございますが、ご指摘の内容につきましては、一昨年の11月に道の方に提出をされました公開質問状の中で述べられております「塔は健全である、大規模改修の必要性はない」との記述を指しているものと考えているところでございます。
この主張に関します道の考え方につきましては、既に同年6月の公開質問状に対する道からの回答の中で、「平成29年度に民間事業者に委託して行った維持管理に関する調査におきまして、主体鉄骨部は、最低限必要な状態を維持継続している一方で、塔体については、常に過酷な環境下にあるため、経年とともに、二次部材の腐食、溶接の破断、錆片、錆粉等の不具合が進行すること、不測の落下事故を完全に防ぐことは不可能に近い」との調査結果をお示ししながら、回答させていただいたところでございます。
また、こうした状況から、記念塔存続をさせ、今後とも維持管理を行う場合には、定期的な保守管理の費用に加えまして、大規模改修に要する費用がかかる、との調査結果につきましても併せてお示しし、その必要性についてお答えをさせていただいたところでございます。
(再質問)
今の答弁の中で、指摘の内容は「一昨年の11月に道に出された」というふうにおっしゃった後、「同年6月の公開質問状に対する」というふうにお答えいただいていると思いますが、時系列的にちょっとおかしいような気がするのですが、これでよろしいのでしょうか。
(文化局長)
時系列的には答弁させていただいたとおりで、11月の公開質問状の前にいただいている公開質問状の中で、時期が6月になりますが、お答えをさせていただいているということです。
(再々質問)
3回質問されている中の、2回目3回目とか、1回目2回目ということで理解しました。
道はいずれにしても、この百年記念塔の未来を考える会の質問と要望に真摯に答えていかなければなりません。この春には、新たな専門家による塔内外の視察と診断を受ける必要があると思います。現状、隠す必要は全く考えられないので、場合によっては有効な案が提案されることもあるでしょう。当然ですが、私も含め、有志でご同行したいと考えております。この未来を考える会からは改めて10階以上の視察に含めても申出があったところでありますが、この開催を約束していただきたいと思いますが、見解を伺います。
(文化局長)
記念塔内部への視察などについてでございますが、先ほどもご答弁申し上げましたとおり、道では、塔の老朽化の現状や解体の判断に至った考え方をご理解いただけるよう、存続を求める2つの団体の方々からのご要望を受けまして、一昨年の令和2年6月に報道機関15社の方々とともに普段立入ができない記念塔内部の現状をご覧いただいたところでございます。
この視察の結果を受けまして、令和2年11月に北海道百年記念塔の未来を考える会の皆様方から提出のあった公開質問状に対しましては、先ほど答弁をさせていただいたとおり、平成29年度の調査結果をお示ししながら、道の考え方につきましてお答えをさせていただいたところでございます。
現在、記念塔はエレベーターが使用できないことに加えまして、錆や腐食の進行に伴う錆片などが視察者の歩行に支障をきたす可能性があるなど、安全性を十分に確保することが難しい状況にありますことから、再度の視察の実施につきましては、慎重な対応が必要と認識しているところでございます。
(再々々質問)
この件も「視察させてください」「危険です」の繰り返しでは、話が収まるところに収まりません。いずれにしても、私たち道議会議員の立場で視察の実行をすることは可能だと考えておりますので、その場合に、考える会の皆さん、要するに建築士・専門家の皆さん、同行いただくスタイルは、申し入れ、実現実行させていただこうと考えておりますので、そのつもりでいてください。
先日の報道で知ったところでありますが、この塔を設計された井口健さんがインタビューに答えていらっしゃって、「道民の意思が最終的に正常な情報を与えられた上で判断されたことについては、その決定について僕はそうですかわかりました、と素直に受け止める」とおっしゃっております。これは一昨日放送された部分です。
しかし、私は、道民はとても正常な情報を与えられたと思っておりません。井口健さんに、まさにこの台詞「最終的に正常な情報を与えられた上で判断されたことについて」と言わしめてしまう環境が、今あるのだと思っております。このことについて、道はどのように受け止めていらっしゃるのか伺います。
(文化振興課長)
記念塔に関する情報についてでございますが、道といたしましては、記念塔のあり方の検討にあたりましては、様々な分野の専門家・有識者のご意見や、道民の皆様から寄せられた様々なご意見を踏まえた上で、十分に時間をかけ、慎重に検討を重ねるとともに、議論の経過や、塔の解体もやむを得ないと判断した考え方、安全性に係る専門家の方々のご意見や今後の維持管理費などにつきまして、広く公開をするとともに、様々な機会を通じて説明に努めてきたところでございます。
なお、塔の設計者の井口様に対しましては、塔の現状や議論の経過をご説明するとともに、今後のあり方などに関してご意見を伺うことが必要であると考えまして、平成29年以降、5回にわって直接、お会いし、道の考え方をご説明し、ご意見を伺ってきたところでございます。
(指摘)
道民に対しても、井口健さんに対しても、道の考え方は変わっていないと今の答弁ではっきりわかりました。ただ、これまでの質問、さらには今回の3回の説明会等々によって、道が様々に検討されてきた専門家だとか、道民を含めて、様々な意見、質問の都合のいいとこだけ取り上げて、だから、安全確保と将来世代に対する負担軽減という観点で解体するに至ったとおっしゃっている。
一方、説明会を中心に寄せられていることは、全てを正確な情報を明らかにした上で、その判断に至れないということをおっしゃる道民の方々が多くいるいうことなのであって、これはもう道が態度を変えていただくしか解決がないのかもしれません。
一連の質問で申し上げているように、公平な専門家による判断と、必要十分な道民の意思によって、記念塔の今後のあり方を模索する必要があると私は申し上げているのであり、道がこれ以上面倒を見れないと言うのであれば、民間による存続を含めた検討を行う時間が必要だと考えております。
7 道の立場について
ここに挙げていた質問はごく一部でありまして、冒頭でお話を聞いたように300以上の質問が寄せられているものに対して、道がその説明の中で答えたものが6、70くらいしかありませんし、そういった状況の中ではですね、道から公開される説明会の議事録を精査することによって具体にそれぞれを理解していくことができるんだと考えております。その中で、道の過失や不作為が明確になっていく点が多いと私は受け止めていて、今後の北海道百年記念塔のあり方が議論される中で、道の解体推進の立場が揺らいでくると私は想定をするわけであります。見解を伺います。
(文化局長)
道の立場についてでございますが、記念塔につきましては、昭和45年の完成後、建設主体の「北海道百年記念塔建設期成会」から道に寄贈されたものでございまして、その後、道は所有者として、完成から10年を経過した昭和55年以降、概ね10年ごとに専門家の方々による老朽化の状況調査を実施し、以後、10年間で修繕など対応すべき事項と費用を示した保守管理計画を策定した上で、老朽化した箇所の修繕や改修工事を計画的に実施してきたところでございます。
こうした中、平成2年に実施いたしました老朽化の状況調査の結果に基づきまして、平成4年にエレベーターの更新など約2億300万円の内部改修を行いますとともに、平成9年の調査結果に基づきまして、平成11年には、外部パネル接合部に係る錆片の除去など約3億4,500万円の外部改修を行ったところでございます。
道といたしましては、こうした施設・設備の耐用年数や老朽化の状況に応じた大規模な修繕を行うなど、所有者として適切な維持管理に努めてきたところでございまして、ご指摘されるような道の不作為などはないものと考えております。
(指摘)
この説明会に寄せられた質問の回答は終わることを知りません。それほどまでに多くの質問が寄せられて、道からはごく一部の回答に留まり、残された回答が公開されることによって、その検証は今後深められることと考えています。
また、寄せられた多くの質問主旨に噛み合わない紋切り型の回答を重ねる姿は、丁寧な対応と言えるはずがないのであります。
道が今後向き合わなければならない事態は困難の連続であることが想定されます。この点については、道と民間双方からの今後の報告を待ちたいと思います。
(六)解体工事費の報道について
令和4年度の予算の取り扱いについて伺います。この質問については予定していたものではなかったのですが、今月17日の報道を受けて避けられないものと考え、加えて質問をします。
私が、北海道百年記念塔の解体予算について説明を求めると、知事査定前であることを理由に断られ、今回の質問に引用しようと詳細を求めても、今回の委員会には報告であることを理由に委員会資料の数値を引用することを断られている始末であります。しかし、
17日の報道によるリークによって、それらの前提が踏みにじられたと受け止めております。どの部署がリークしたのかについては言及を避けますが、この所業は議会軽視でしかなく、道側と報道側に強く自制を求めるものであります。さらに、先程の報告によると、その一部の予算計上でしかなく、その意図を深読みせざるを得ないと不信感を抱いてしまっております。
環境生活部長に伺います。情報管理とルールの厳格化を庁内及び報道に徹底してください。必要に応じた厳格な対応を求めます。見解を伺います。
(環境生活部長)
記念塔に関する報道についてでございますが、この度の報道につきましては、道が報道機関に対しまして、令和4年度予算案の資料を配布する時点より前に掲載されたものでございまして、報道機関がどのような方法で情報を入手したかは承知していないところでございます。
いずれにいたしましても、道といたしましては、道民の皆様のご理解を得ながら道政を進めていくためには、必要な情報を適時適切にお伝えすることが重要であるとともに、政策形成過程における情報がされることにより、道民の皆様の誤解や混乱につながることは回避すべきであると考えておりまして、道議会における丁寧なご議論をいただくためにも、職員が、改めて、その重要性を十分認識するとともに、業務に関する厳格な情報管理の徹底に努めてまいる考えでございます。
(指摘)
環生部長のお立場でどこまでご答弁を頂けるものかと案じたわけでありますけれども、庁内はもちろんのこと、その良きパートナーとしてあるはずの報道との関係については、お互いの信頼がなければ成り立たないということを前提にすると、このルールが厳格に保たれるということが必要になる。先んじてというか、アクセルをふかして報道体制をとるというのも理解できないことではありませんけども、そこには道民に対する正確な情報の提供というのも同時に必要となりますので、その裏というか深い意味のところもきちんと理解した上での報道体制というものを要求していただきたいと要望しておきます。
(指摘)
最後に指摘を加えます。この度の3度にわたる説明会に対応された職員の皆さんには、勝手ながら慰労の意を表したいと考えております。津波のように寄せられる質問や罵詈雑言に対し、制限された問答の範囲の中で、職員の皆さんが精一杯に対応されたものと伺うことができるのであります。さらには諸計画の中から使える文言が限られる中で、それでも精一杯対応しようとしていた姿は、その説明会で、パソコンの反対側、私の方からも感じることができました。しかし、残念ながら道民の立場からは、それを「丁寧な対応」と受け取ることは出来ないのです。
北海道百年記念塔が持つ開拓精神溢れる先人への感謝と未来に向けた私たちの決意は、解体という一択の方針で邁進する道に対して、厳しい態度で向き合うだけのエネルギーをもたらしています。
道は、この件について、本当の意味での丁寧な対応を果たさなければなりません。議会に、道民に対して公開しきれなかった情報を含めて、示し直さなければならないと考えています。一事不再理というレベルではありません。都合の悪い情報を隠蔽して議会や道民にミスリードをしてきた現実を自戒する必要があります。しかし、これにはトップである鈴木知事の決断が必要となります。必要とあらばこの決断をした前知事に伺う必要もあるのかもしれません。その責務を職員の皆さんが背負う必要はないと考えております。
私は、今一度道民による事実の検証を行うことが欠かせず、それでも解体やむ無しと結論付けたならば、それを受け入れる覚悟であります。だからこそ、道には丁寧な対応を求めているのであります。本件が法廷の場に持ち込まれたり、不幸な住民運動に発展することを望んではいません。くれぐれもよろしくお願いいたします。