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2022/03/24

環境生活委員会 第一回定例会 終日委員会 「北海道百年記念塔について」

3月23日に北海道百年記念塔の解体についての質問をさせていただきました。

この記事を投稿している3月24日、第一回定例会閉会日には、議場にて解体関連予算が「賛成多数」で議決されてしまいます。

しかし、解体中止に向けて活動は継続させて頂きますし、長期戦になる見込みの本活動については、それぞれに活動されている国民・道民の皆さんの熱量を束にしていく必要がある段階へと入っていくことになります。

今の私たちが北海道と共にあることをご先祖の皆さんに感謝・慰霊し、その感謝を未来の子孫たちに期待と共に繋いでいく「象徴」としての北海道百年記念塔対して、責任を果たして参りたいと思います。

 

解体については、下記の質問にあるように北海道と北海道教育委員会が提訴されたところですし、聞き及ぶところによれば、この動きは後を追うように続くものと承知しております。

 

引き続きご支持頂けますようにお願い申し上げます。

 

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北海道百年記念塔について

(一)説明会の議事録について

北海道百年記念広場の整備等に関する説明会の議事録について、道は、説明会開催時点で、一週間程度で全ての質問に対して公開することを明言されておりました。

第一回目が2月9日に開催されて、議事録の公開が2月22日、第二回目が2月10日に開催されて議事録は3月16日、第三回目は2月14日に開催されて議事録はまだ未公開となっています。開催日には未回答であった分も含めた議事録の公開を約束している道にとって、本日現在でも公開されていない状態は「丁寧な対応」とは言い難いと断言できます。

第三回目の公開スケジュールをお示しください。

 

<答弁>

(文化振興課長)

 質疑への対応についてでございますが、道では、これまで、記念塔解体の判断に至った考え方や解体後の広場整備の方向性をお示しした「交流空間構想」につきまして、様々な機会を通じて説明し、広くご意見を伺ってきたところでございますが、改めて、2月9日から3回に渡り、オンラインによる説明会を開催し、合計109名の方々に、ご参加いただいたところでございます。

 参加された皆様からは、記念塔に関しまして、これまでの道の維持管理や道民の皆様への周知のあり方、新たなモニュメントに係る費用や今後の進め方など多岐にわたり、ご質問、ご意見をいただいたところでございます。

 時間の関係上、その場でお答えできなかったご質問に対しましては、後日回答を作成し、参加された方々にメールでお知らせした上で、ホームページに掲載することとしておりまして、これまで第2回目までの72件を公開し、現時点で回答をお示しできていない第3回目の質疑応答314件につきましては、3月29日を目途にお示しできるよう鋭意作業に取り組んでいるところでございます。 

 

(指摘)

議事録の公開にあたっては、説明会参加者はもとより、報道や一部の道民が高い関心を持って待ち望んでおります。それは議事録公開という事実だけに留まらず、道として答えにくいであろう質問に対して、どのような回答を寄せてくるのかについて、ただならぬ関心をお持ちであるからと承知しております。

まずは、回答漏れのないように、そして1日も早い回答をお願いしておきます。故意に回答を避けることは、不作為として残りますので、ご留意をいただきたいと思います。

(二)説明会の開催について

前回の質問でもお聞きしましたが、2月に開催された説明会がWEB開催であったことや、その説明会の告知が十分でなかったことから、仕切り直した説明会の開催を多くの道民から要望されております。これは、道もWEB開催での説明会時に触れている点でもあります。リアルでの説明会開催の日程や規模感などについて、見通しの見解を伺います。

 

(文化振興課長)

 道民の皆様などへの説明についてでございますが、先月開催した説明会につきましては、当初、会場にお集まりいただく方式での開催を予定しておりましたが、新型コロナウイルスの感染状況に鑑みまして、オンラインでの開催としたところでございます。

 道といたしましては、まずは、説明会の資料や会議録、質疑に対する回答につきまして、道のホームページで公開するなど、道の考え方をご理解いただくよう努めるとともに、今回、参加できなかった方々をはじめとする道民の皆様から寄せられる問い合わせの状況や新型コロナウイルスの感染状況などを踏まえ、必要に応じて対応を検討してまいる考えでございます。

 

(指摘)

リアル開催での説明会については、開催の検討に留まることなく、開催する前提で準備に入っていただきたいと強く要望しておきます。今月21日には、新型コロナウイルス感染症によるまん延防止重点措置も解除されております。一日も早い開催告知を始めていただくよう、そして、今度こそ広く多くの道民が開催を知ることができる方法で、告知していただけるよう、併せて要請しておきます。

さらに、その説明会では、道の考え方を理解していただく説明会なのではなく、参加者から寄せられた質問に向き合う説明会であることを要求しておきます。

また、これも前回の質問で要請していた点ですが、記念塔の視察は必ず実現させますので、準備のほど、くれぐれもよろしくお願い申し上げます。

 

(三)「近代化遺産である百年記念塔の偉功遺産としての地位保全の確認宣言請求」について

私の手元に3月11日に届いた訴状によると、3月9日付けで、「近代化遺産である百年記念塔の偉功遺産としての地位保全の確認宣言請求」が札幌地方裁判所で受理されております。

まずは、この事実についての見解を伺います。

 

(文化振興課長)

 訴えの提起についてでございますが、ただ今ご質問のあった事項につきましては、本日現在、道では、裁判所からの訴状は受け取っておらず、受理の状況やその内容などについて、承知していないところでございます。

(四)北海道百年記念塔の登記について

次に、北海道百年記念塔の登記について伺います。先ほどお伺いした訴状の中で、百年記念塔の底地は道の所有地でありますが、記念塔そのものは未登記であることが記載されております。これは事実でしょうか。見解を伺います。

 

(文化振興課長)

 記念塔の登記についてでございますが、先ほどもお答え申し上げたとおり、裁判所からの訴状は受け取っていないことから、その内容は承知しておりませんが、記念塔は、「工作物」に該当することから、不動産登記は行っていないところでございます。

 

(再質問)

改めて伺います。今となってはそれが道の弱点にさえなっていると見ているところですが、当時は登記する必要がなかったと判断してのことなのでしょうか。それとも登記をし忘れたことが発覚してしまったので、先ほどの答弁に至ると受け止めてよろしいのでしょうか。当時登記を済ませる必要があったと考えているのか、見解を伺います。

 

(文化局長)

  記念塔の登記についてでございますが、記念塔は、「工作物」に該当いたしますことから、建設当時の不動産登記法に基づきまして、適切に取り扱ったものと考えております。

 

(五)北海道百年記念塔の所有者について

いま未登記であることが答弁されたところでもありますが、道は、記念塔の所有者たり得ないと理解することもできると思います。1970年に竣工した時点で、建設期成会が広く寄付を募り、道の事業から切り離して竣工されたものであることから、所有権不詳とされ、収去明渡しの債務名義でもなければ、道単独で撤去することは非合法であると、その訴状の中では明記されているところであります。この点について道の見解を伺います。

 

(文化振興課長)

 記念塔の所有権についてでございますが、記念塔は、当時、建設主体となりました「北海道百年記念塔建設期成会」から道の規則で定められた手続きに則りまして、寄附の申し込みを受けて、受納し、公有財産台帳に記載した上で、維持管理してきたものでございまして、道が所有権を保有しているものと認識しております。

 

(指摘)

先ほどの訴状の中では、この他にも様々に史実と並んで、道の瑕疵と不作為が指摘されているところとなっていて、明日にでも議決されようとしている解体予算案に、数多くの疑義が突きつけられていると捉えることができると思います。これらの事実の真偽は、公正な裁判で明らかになっていくものと承知しておりますが、実は前述の説明会で数多くの質問が寄せられた質問の中には、同様の趣旨のものが存在していることを、私達は知らなければならないと思います。この点については、今後の委員会質問の中で明らかにしていく考えでありますので、ご承知おきください。

ちなみに私は、所有者が道とは言い切れないと捉えているところであります。今答弁にあった公有財産台帳に記載されていたとはいえ、未登記であったことも事実だと思います。私は、公有財産台帳が登記に取って代わることを聞いたことがありません。言うなれば、自分の財産目録に書いてさえあれば、所有権を主張できることがまかり通るならば、権利関係をいかようにでも操れることになってしまいます。だからこそ、公的に認められた不動産登記という方法が存在している訳であります。これらの点がまさに争点となって裁判が行われると承知しております。成り行きを見守りたいと思います。

また、この訴状では、被告として北海道教育委員会も記名されているところです。同様に、今回の質問の中であげれば項目にキリがありません。この点については、後の議会議論の中で取り扱っていきたいと考えているところであります。

(六)北海道百年記念塔の新聞報道について

3月12日付の新聞報道によると、北海道百年記念塔の解体着手について某団体の会長が「当然の判断。塔建設の背景に何があるのかよく考えて欲しい」と発言されていることが明記してあります。

道は、この「背景に何がある」と理解しているのか、見解を伺います。

 

(文化振興課長)

 記念塔に関する報道についてでございますが、ご指摘の新聞報道につきましては承知しておりますが、発言の趣旨については把握していないところでございます。

 

(指摘)

先述の訴状では、多様な北海道開拓先人のご尽力に対し慰霊のまことを捧げるは、末裔として当然の義務ですらあり、何も一部種族だけがメモリアル化される縁は史実上には全く無いのであると記載されております。

この北海道百年記念塔が、「開拓の先人に対し感謝と慰霊のまことを捧げ、将来に向かってたくましい北海道の建設を誓う道民の総意を込めた記念塔」として存してきた以上は、北海道独自の文化財として、維持管理されて当然のことなのであることを申し上げておきます。

またこの期に及んで知らぬふりを決め込む道は褒められたものではありません。偏向した政策に肩入れする様は、他の政策と比べても不自然であることは明らかであります。分かっていてあえて、僕も僕でありますが、答弁を避ける道も道であると思うのであります。そんなタブーを作り出してしまったというのは健全な北海道の元気に繋がりません。お互いに戒めていかなければいけないと考えるわけであります。

 

(七)北海道百年記念塔の解体予算について

明日の第一回定例会で、北海道百年記念塔の6億4千万円超の解体予算が議決されようとしています。情勢を鑑みると賛成多数で議決されるものと推察しています。これは、ただただ私の力の至らなさを悔いるばかりであります。

しかし、本日の質問で展開したように、今後の道民活動や開催される説明会、そして訴訟などを通じ、北海道百年記念塔の在り方については、議論が継続されるものと考えております。

道は、この状況をどのように捉えているのか、最後に見解を伺いいたします。

 

(文化局長)

 記念塔に関しまして、今後の対応についてでありますが、道では、塔のあり方について、平成28年度以降、様々な分野の専門家や有識者の方々のご意見を伺うとともに、道民ワークショップや出前講座、アンケート調査などを通じまして、道民の皆様から寄せられた様々な意見を踏まえながら、時間をかけ、慎重な検討を進めてきたところでございます。

 また、解体の判断に至った考え方や解体後の跡地を含む今後の広場整備の方向性をお示しした「交流空間構想」につきましても、先月開催しました説明会を含め、様々な機会を通じて説明し、広くご意見を伺ってきたところでございます。

 道といたしましては、記念塔に対する皆様の思いやご意見を真摯に受け止めながら、今後とも道の考え方について、ご理解いただけるよう努めてまいります。

(指摘)

またここでも、道の考え方について理解いただけるよう努めてまいるが出てまいりました。この点は違うということをはっきり断言しておきます。

道は、道民の考え方を理解しなければならない立場にあるのです。答弁が強すぎます。私はこれまでたくさんの課題を明示し、瑕疵や不作為を明らかにしていくことで、道がとってきた手続きの脆弱を示していく考えであります。

私にも、大きな流れの変化がすぐそこまで迫ってきていることを聞かされているところであります。道のみなさんも真の意味で慎重に誠実に事に当たっていただきたいと要望します。

もう一つ指摘を加えます。

前回質問時にも申し添えた点でありますが、本件を担当されてる道の職員の皆さんにおかれては、本当にご苦労ご心労を掛けてしまっているとお見舞い申し上げるところでもあります。

私は、北海道百年記念塔の取り扱いについては、過去の行政プロセスの中で手続きが進み、今日を迎えていることを十分に承知をしているところでもあります。

しかし、本日ここに「北海道開拓先人に対する感謝と慰霊のまことを捧げ、将来に向かってたくましい北海道の建設を誓う道民の総意を込めた記念塔」の未来を想う時に、胸が焼かれる思いであり、今を生きる者として、先人のみならず子孫に対して、すべきことの使命を思い知らされるところなのであります。

これまで質問の中で判明していることは、「交流空間構想」等の中で道から説明されてきた北海道百年記念塔の解体の経緯については齟齬があり、意図的に時系列を違わせることによって解体推進に都合良く書き換えさせられてしまっていたのではないかという疑義なのであります。

明日、解体予算は成立してしまうこととなるでしょう。しかし、今後明らかにされる史実と事実を基にして、各委員のみなさまをはじめ、それぞれの地区を代表する各派議員として、本件に向き合い、先人と子孫に対して恥ずかしくないご判断を賜るよう願って止まないところであります。