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2022/11/4

令和4年 11月 環境生活委員会 「狩猟免許試験について」

この質問は、道民の方から寄せられたご意見を基にして、質問にまとめさせていただきました。

私たちが暮らす北海道は、大自然と共生することでその魅力を存分に発揮できる魅力的な地域だと言えます。

そこには、私たちの暮らしと同時に、野生動物の暮らしが営まれています。

その間の軋轢を上手く調整する現場の最前線にいらっしゃるのが、狩猟者の皆さんです。

その狩猟者の皆さんが、必ず取得される狩猟免許について寄せられたご意見が以下の質問骨子となっています。

その質問に対して、道も早速取り組むと明言されています。

私たちの暮らす北海道が、より魅力的な地域として発展出来るように、北の元気玉 道見やすのり は、働いて参ります。

 

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【狩猟免許試験について】

 

それでは、狩猟免許試験について伺います。

狩猟免許は、狩猟をしようとするものが受けなければならない免許です。それは、都道府県知事が狩猟免状を交付して免許を行うことになっています。

これは、免許制によって、狩猟行為における密猟の防止や野生動物の保護を目的としていることを承知しています。

この免許の交付、試験及び更新並びに申請窓口の免許に係る手続きは、都道府県の事務となっていて、免許の許可及び実施の主体は都道府県知事となっています。

因みに、免許の効力は日本全国に及び、狩猟の際は狩猟を行う場所に属する都道府県ごとに別途、狩猟者登録が必要であります。

調べてみると、2020年時点で狩猟免許取得者は約20万人とされていて、狩猟者登録をした者は約14万人であることから、「ペーパーハンター」状態の取得者が多数存在していることが判っています。

 

 

①狩猟免許受験状況について

最初に、狩猟免許受験状況について伺います。

北海道の狩猟免許試験については、コロナ禍前で、全道の振興局別に年に4回、会場ごとに最大100名程度が受験されていて、特に希望者の多い石狩地域内においては、2回実施するなど対応されていたとお聞きしています。

しかし、コロナ禍によって感染防止の観点から受験環境に配慮が求められるようになった令和2年度からは、受験環境が手探り状態となって、その回数や受験可能人数にも大きな制約が伴ったと承知しています。

コロナ禍前後で受験環境にどのような変化があったのかについて伺います。

 

<答弁>

 狩猟免許試験の状況についてでございますが、コロナ禍前の令和元年度は、各振興局での定員を各回最大100名として、全道で延べ26回、試験を実施し、757名が受験されました。

 一方、令和2年度は、感染拡大防止の観点から、会場定員を抑え、全道で延べ27回、試験を実施し、628名の定員に対し、対前年度比で約200名減の558名が受験されました。

 令和3年度は、感染状況も踏まえながら、延べ30回、定員については164名増の792名としたところ、令和元年度と同程度の762名が受験され、また、本年度は、延べ31回、定員を前年度よりも更に拡大し、868名としたところでございます。

 

 

②コロナ禍後の受験環境について

次に、コロナ禍後の受験環境について伺います。

いまの答弁にあったように、令和2年度以降の受験機会は非常に狭き門となってしまったようです。石狩地方を例にとると、コロナ禍前は年に2回で計200名程度の受験枠がありましたが、コロナ禍後は年に3回で計60名程度の受験枠へと縮小されています。本年度は年に5回で計200名程度の受験枠に戻っていますが、一回当たりの受験枠は40名程度であり、受験希望者のニーズに応えきれているのか不明なのです。

道は、コロナ禍後の受験環境の状況、並びに受験希望者のニーズに応えられているのか、どのような認識であるのかを伺います。

 

 

<答弁>

 受験環境などについてでございますが、コロナ禍にあった令和2年度においては、感染拡大防止対策として、密集、密接を回避するため、一つの会場での定員を抑えながら試験を実施したものの、令和3年度以降は、感染拡大防止を図りながら、コロナ禍前の試験状況に戻すことを念頭に、受験希望者の利便性も踏まえつつ、試験回数や定員の増加に取り組んできたところでございます。

 一方で、会場によっては、定員を超える申込みがあった場合、受験をお断りし、他の振興局又は、別の試験日での受験をお願いするといった場合もあり、結果として受験を希望される方にご不便をおかけすることもあったものと考えております。

 

 

③受験申込方法について

次に、狩猟免許試験申込方法について伺います。

実は、先日、私のところに石狩地方にお住いの方から連絡がありました。

その内容は、この狩猟免許試験の申込方法についての提案でした。

その方がおっしゃるには、受験の為に申込みをしているが、受付開始日の開始時刻に30分以上もリダイアルをさせて、少ない枠を奪い合うような状況が続いていることでした。

ご存知のように、北海道では熊・鹿など鳥獣の被害が多く、その迅速な駆除が期待されているところです。

一方で、その駆除を行う為に必要な狩猟免許の発行業務で著しい前時代的な方法がとられており、狩猟に関わりたい者にとって大きな障壁となっているとのご指摘でありました。

10月13日は、第4回狩猟試験申込石狩会場の受付期間初日となっていて、石狩振興局の担当部署で9時から受付開始とのことで、前述の方は9時に電話を始め、延々と話し中が続き、電話が通じたのは9時半過ぎ、その時点で定員の40名に達していて、申し込みは出来ないと伝えられたそうです。こんなことが毎回続くそうです。これは改善の余地がありそうですね。

狩猟の現場でも高齢化が課題となっていて、若手が求められる中にあっては、現役で仕事をされている方が、特定の朝の午前9時から離席して電話を掛け続けることが難しいことであることを、我々は知らなければなりません。

先ほども述べましたが、コロナ禍においては、道の担当部署の皆さんによって手探り状態が続いていることは承知しています。どうやら、これまでの状態を維持しなくてはいけない理由も無さそうですね。

 

 

前述の道民の方からの提案によれば、電話による申し込みの代わりに電子メールによって受け付けて、抽選によって受験者を絞れば、リダイアルを繰り返す必要は無くなります。

電子メールをお使いにならない方には、郵送等の道を当面は残しておけば良いでしょう。

結果発表は、後日、道のホームページで行えば済むことです。

また、手段を変えた副産物として、申し込みを電子メール等に変えることで、申し込み総数を把握できることになり、そのニーズや申込者の年齢傾向等を把握することが可能となります。多少の超過ならば人数枠を増やすことも可能でしょう。正に、これが親切な行政サービスと言えるのでしょう。

それだけではありません。振興局を含めた道庁職員の業務改善効率化も可能です。

メールの受信先を本庁一括で行い、全体調整を逐次行うことが可能となります。それらをデータ化していけば、翌年度以降に向けた受験の会場や人数の収縮に役立てることが可能です。

いま一度振り返れば、道庁にとって野生鳥獣の管理については、自然が相手なだけに苦慮するところだと思いますし、道庁職員だけで施策を実現できるはずはありません。多くの道民、今回の場合は狩猟者の皆さんに協力を仰ぎながら実施していかなければならないはずです。その狩猟に関わりたいと希望される皆さんを支援していくためにも、その入口となる狩猟免許試験の環境改善に努める必要があると断言しておきます。

道は、この度のご指摘を受けて、どのように、どの時期から改善されるお考えなのか伺います。

 

<答弁>

 狩猟免許試験についてでございますが、道では、これまで、より幅広い方々が試験を受験できますよう、実施回数の拡大に加え、農閑期や日曜日における実施など受験者の都合に可能な限り配慮いたしますとともに、コロナ禍におきましては、感染拡大防止のため、各会場の定員を抑える一方で、回数を増やすことで、定員数の確保などに取り組んできたところでございます。

 こうした中、都市部など一部の会場では、希望日などに受験できない状況も生じておりますことから、受験を希望される方の人数や世代などの傾向を把握をし、それらのデータを今後の施策に活かせるよう、申込み方法の見直しを含め、実施方法には改善の余地があるものと認識をしてございます。

 このため、他都府県の実施状況や道民の方からのご提案内容なども参考としながら、まずは、今年度、感染状況も踏まえながら定員数の拡大など対応可能な対策に着手いたしますとともに、来年度の試験に向けましては、申込み方法の見直しを速やかに検討するなど、受験環境の改善に取り組んでまいります。

 

 

④鳥獣保護と有害鳥獣駆除の未来について

最後に、北海道における鳥獣保護と有害鳥獣駆除の未来について伺っておきます。

私たちは、北海道において自然と共生すること、特に野生鳥獣との共生については大きな課題が山積されていることを承知しています。外来種駆除のみならず、人的被害や経済被害を伴う野生鳥獣との軋轢は、一筋縄ではいかないことを私たちは大きな予算を投じながら経験してきました。

それは、課題であると同時に、魅力でもあるからだと私は考えています。

駆除という視点では、狩猟者の皆さんの協力が欠かせません。

魅力という視点では、観光資源としての大自然の保護ということになるのでしょう。

北海道に暮らす私たちは、適正な数の野生鳥獣と共生していくことが必要です。

何れの場合も、この課題については、道職員だけで解決できるものではありません。

保護と駆除、このバランスを保ちながら、有効に利活用されていくことは欠かすことが出来ないのです。

道として、道民は基より国民参加を促した鳥獣保護と有害鳥獣駆除の未来について伺うと共に、今回質問させていただいた環境改善について、部長にも一言触れて頂きたいと思います。よろしくお願い致します。

 

<答弁>

 狩猟免許試験についてでございますが、道では、これまで、より幅広い方々が試験を受験できますよう、実施回数の拡大に加え、農閑期や日曜日における実施など受験者の都合に可能な限り配慮いたしますとともに、コロナ禍におきましては、感染拡大防止のため、各会場の定員を抑える一方で、回数を増やすことで、定員数の確保などに取り組んできたところでございます。

 こうした中、都市部など一部の会場では、希望日などに受験できない状況も生じておりますことから、受験を希望される方の人数や世代などの傾向を把握をし、それらのデータを今後の施策に活かせるよう、申込み方法の見直しを含め、実施方法には改善の余地があるものと認識をしてございます。

 このため、他都府県の実施状況や道民の方からのご提案内容なども参考としながら、まずは、今年度、感染状況も踏まえながら定員数の拡大など対応可能な対策に着手いたしますとともに、来年度の試験に向けましては、申込み方法の見直しを速やかに検討するなど、受験環境の改善に取り組んでまいります。

 

<指摘>

今回寄せられた提案は、実に有益なものであると捉えて質問させていただきました。

受験希望者の満足につながるのみならず、申込者と道職員ともに手続きの省力化、更にそのデータの積み重ねによって、今後の政策施策への反映によって適切な担い手育成への寄与が期待されます。まさにDX効果が期待できるのだと思います。

早速取り組んで頂けるとの事ですので、感謝すると共に今後より期待したいと思います。答弁に留まることなく、来年度から形にして頂くことを約束して質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。