最新情報

2022/12/13

令和4年 第四回定例会 一般質問 「知事の北海道観について」

1,知事の北海道観について

 

①知事の北海道観について

最初の質問は、知事の北海道観についてであります。

知事が一期目を満了されようとしているこの段階で、私からの視点ではありますが、率直に感じたことを質問にまとめてみました。

北海道庁のみならず、北海道民を率いた鈴木知事にとってのこの四年間は、これまで経験されてきた公務員や首長のそれとは比較にならない程に規模は広く職責は重く、想像を絶する圧力との闘いであったことは容易に想像ができます。

立候補に際して掲げられた公約を中心として、この四年の間、執行されてきた鈴木知事の胸中を察するに、その喜怒哀楽は筆舌に尽くし難いものであったことでありましょう。

特に、この三年もの間、私たちは新型コロナウィルス感染症との闘いを尽くしてきたのであり、その最前線で指揮を執られてきた知事にとっては、決して気の休まることのない戦いの連続であったと承知しており、本当に頭の下がる思いでしかありません。

しかし、四年前に、ご自身の意思で立候補を決意され、多くの道民の支持を得て北海道知事に就任されたのでありますから、それらの労苦は言わば運命であったとして、あなたと家族の今後の人生の糧としていただくしかないのであります。

今後益々、今と未来の北海道民の為に、皆さんが期待する以上に職責を果たして頂きたいと渇望する者の一人であります。

よって、私は、この質問で、鈴木知事を批判しようとするものではありません。

それは、四年経った今でも地域を廻ると多くの道民から「直道さんを応援してあげてよ」と声を掛けられることからも、道民の意思を重く受け止めることが出来ます。

一方で、私は、これまでの四年間が知事として満点であったのかというと決してそうではないと考えているのであり、それは私たちが指摘するまでもなく、知事ご自身が振り返り、虚心坦懐に思いを巡らせればいいと思うのであります。

全ては、今と未来の北海道民の為に、それら北海道の発展と北海道民の安寧や健康の為に全身全霊で尽くして頂くことを実行することでしか、その期待に応えることは出来ません。

だからこそ、私は、どうしても鈴木知事に加えていただかなければならない視点があるのだと考えているのです。

それは、北海道の今と未来を担う知事として、様々を判断される時に何を大切にされているのか、北海道の在り様を、言わば「北海道観」を共有していただかなければならないのだと考えています。

北海道は言うまでもなく開拓の歴史の上に今があるのです。それはこの150年の歴史に限ることではありません。先史以来、北の大地が在ることを真正面から受け止めて頂きたいのであります。

鈴木知事は、判っていると受け止められているのかもしれませんが、私はそうではないと考えています。

私たちの先人が積み重ねてきた汗や涙、その全ての労苦の上に、今を生きる私たちは住み暮らすことが出来ているのであります。

誰もが旅してみたい、旨いものを食べてみたいと思って頂ける北海道は、今を生きる私たちだけが創り上げたものではないのです。連綿と開拓の歴史を切り拓いてきた先人が一つ一つ積み重ねてきた結果であることが間違いないのであります。

私が、この質問で鈴木知事に問いたいことは、北海道の遺伝子を、DNAをご自身の内側へ、心身の奥の奥へ織り込んで頂くことが必要です。知事の北海道観をお示しください。

 

<答弁>

・今日の北海道は、額に汗し、道を拓き、暮らしを支えてきた先人の英知と努力、進取と挑戦の精神により、築き上げられたものであり、これまで先人が大切に守り、懸命に培ってきた本道の揺るぎない価値は、現在においても色あせるものではなく、一層輝きを増しているものと考える

 

・豊かなふるさと北海道を、次の世代に引き継いでいくためにも、雄大な自然環境や独自の文化、日本の食料自給などを支える農林水産業、さらには、再生可能エネルギーといった大切な財産を、しっかりと守り、磨き上げ、その価値を高めていくことが重要と考える

 

 

②道民に向ける北海道観の発信について

次に、そんな北海道観の発信について伺います。

私は、そんな視点を加えて、これからの職務執行に邁進して頂きたいと願っているのです。

どうしても抽象的な表現になってしまいますが、北海道の開拓の歴史に感謝し、期待する未来の北海道を元気にする為に、第二の北海道の開拓に果敢に挑戦する知事の姿と思いを明らかにしていただきたいのであります。

知事という職は、道産子でなければならないという決まりはありません。

むしろ、まちづくりで引用される言葉である「よそ者・若者・馬鹿者」でしか変えられない北海道があることにも期待をするところでもあるのです。

だからこそ、そのバトンを渡された鈴木知事が、次の知事へバトンを渡すその時まで、決して欠かすことの出来ない北海道の遺伝子を携えた知事であって欲しいのです。

 

北海道は、これから激動の時代を否応なしに迎えることになります。

驚くほどに人口が減り、伴って生産力や消費力、経済力が減衰していくことになります。

今を生きる私たちには、私たちがそうしていただいたように、より元気な北海道を子どもたちに繋いでいく責任があるのです。

避けることが出来ないと判っているからこそ、いまのうちに手を施す必要があるのであり、その不都合な現実から目を逸らすことなく未来の北海道の元気の種を蒔き、挑戦的に育てていく責務が私たちにはあるのだと信じています。

時に、既得権者との衝突も避けることは出来ないでしょう。トンネルからの正しい出口がこちらだと示したとしても、変化を望まず、腰が重く、付いてこない私たちを叱咤しなければいけない場面だってあることでしょう。

私は、鈴木知事にそんな荒療治をやってのける役割を果たしていく為には、今この時の北海道が在るのは、その開拓の歴史を正しく理解し、誇るべきその遺伝子を、北海道観を携えた知事としての熱い思いが必要になるのだと訴えているのです。

 

この機会にこの質問に対する答弁というよりかは、道民に広く呼び掛けて頂きたいのであります。

そして、それは赤レンガ文学で飾られた言葉なのではなく、鈴木知事ご自身の言葉で522万余の北海道民に、そしてこれから生まれてくる道産子に向けてメッセージを発信して欲しいのであります。よろしくお願い致します。

 

<答弁>

・私は、東京都職員であった26歳の時に、夕張市への派遣に手を挙げ、市職員、そして市長として計10年間、夕張の再生に取り組んできた

 

・そうした経験と持てる力の全てを注ぎ、先頭に立って、本道が直面する課題に果敢に挑戦していくという決意の下、知事選に出馬し、これまで、知事として、道民の皆様の思いを背負い、できるだけ地域に赴き、様々な声を受け止めながら、道政の推進に全身全霊を傾けてきた

 

・私としては、これまで幾多の困難を克服しながら、今日の北海道を築いてきた先人の思いを胸に抱き、そして、次の世代にしっかりと引き継いでいけるよう、道民の皆様とともに、強い意志と行動力によって、現下の難局を乗り越え、心豊かに暮らせる活力あふれる北海道の実現に向けて、残された任期、日々、全力で取り組んでまいる