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2022/12/15

令和四年 第四回定例会 終日委員会「ゼロカーボン北海道の実現について」(環境生活委員会分)

2,ゼロカーボン北海道の実現について

 

今回の質問は、本定例会一般質問のうち、本委員会に関わる設問を、委員会質問に回した分となります。よろしくお願いいたします。

私は、道が、11月16日に、ゼロカーボン北海道の実現に向けて、令和5年度国の施策及び予算に関する提案・要望を関係省庁に行われたことを承知しています。

この質問では、ゼロカーボン北海道の実現についての要望・提案の内容に基づいた質問をさせていただきます。

 

 

①地域が地域が地域が行う脱炭素の取組みへの支援の考え方について

まず、地域が行う脱炭素の取組みへの支援の考え方について伺います。

この提案・要望では、脱炭素の取組みを通じて、国内地域経済活動の活性化につなげることが重要だとされています。一方で、バイオマスなどの地域資源を活用した取組みなど、市町村が行う脱炭素に向けた取組について支援策を拡充することも併記されています。

支援については、補助金やその拡充も大切なことではありますが、地域経済活動の活性化につなげるのであれば、補助金によるそれよりも、民間の活力や資金の注入の方が規模も効果も高いことは明らかです。

だとすると、補助金やその拡充と同時に、否、むしろそれらよりも先行し手厚く、参入の障壁となる規制等を取り除く施策の実現に取組むことが必要です。

どうやって民間企業に取組んでもらうのか、そのインセンティブも含めた発信を明らかにする役割が、行政側にはあるのです。

果たして、現在の道の考え方に、これらについての具体的な施策があるのでしょうか。

残念ながら、それらの諸施策にまで話が及ぶと、この質問では時間が足りなくなってしまいます。それらについては、力強い民間活力の導入のために、行政には見えていないであろう取り除く必要がある「障壁」や「規制」については、今後の議会議論で引き続き取り上げて参ることをお伝えしておきます。

まずは、総論としてゼロカーボン推進監の考え方を伺っておきます。

 

<答弁>

 脱炭素の取組への支援についてでございますが、道では、再エネの最大限の活用、吸収源対策の取組推進などにつきまして、支援の拡充や規制緩和などを国に要望するとともに、省エネ・新エネ設備の導入に対する低利の融資制度や金融機関と連携した金利優遇などにより、事業者の取組を支援してきております。

 また、経済団体等からのアドバイスも受け、今年度、中小企業向けに費用対効果を含めた脱炭素取組事例集を作成・配布するなどの取組を行ってきております。

 今後とも経済・産業団体や事業者の声を丁寧にお聞きしながら、ゼロカーボン推進局が、庁内各部局、振興局や市町村、関係機関や意欲ある事業者の結節点としての役割を担い、必要な制度改善や新たな関係性の構築促進を図り、ゼロカーボン北海道の実現に向けて、官民が一体となって取組を進められるよう努めてまいります。

 

 

<再質問>

いま推進監から答弁して頂いたところですが、私がこの質問で問うているのは「何が障壁や規制となっていることを道側から知る必要がある」ということなのです。

また、知るという点についても待っていては話になりません。2030年や2050年と期限を切ったのは道側なのです。よって、道側から知りにいかなくてはいけないのです。

今回の答弁では、雰囲気を掴むことは出来ましたが、限られた時間の中で知りにいくには、部内で、具体的な対象者や団体、もしくはその施策が組み立てられていても良い位なのです。

この再質問で、その対象者や団体を答弁させるには性急過ぎる感がありますので、この趣旨に沿った形で、私たちと相手方を模索し、施策に組み上げては如何でしょうか。

推進監の見解を伺います。

 

<答弁>

 取組の支援についてでございますが、事業者の方々に脱炭素の取組を一層進めていただくためには、経済・産業団体や事業者の方々が抱える課題を的確に捉え、必要な施策を講じていくことが重要と認識してございます。

 関係部局はもとより、幅広い関係者とも連携しながら、事業者の方々等の声を能動的に収集し、施策づくりに努めてまいりたいと思います。

 

②地域が行う脱炭素の取組みへの支援の手法について

次に、前の質問で支援の考え方について伺ったところですが、この質問では支援の手法について伺っていきます。

この要望・提案では関連して「脱炭素先行地域」について触れられています。

既に5地域の選定が実現しているところですが、本道から多数の地域が選定されるように支援することとしています。

この点においては、既に、道は、全ての市町村にエントリーされるように促していますが、一方では、市町村毎に多くの課題を抱えエントリーしきれていない現実があるのだと推察しています。

それは、「地域の課題」や「地域内エネルギーの自立」と脱炭素が上手く結びつけられていないこと、言わばビジネスモデル化が出来ていないことや、そもそも市町村における資金をはじめ知見や人材の不足が大きく影響しているものと考えられます。

やはりここでも民間活力や資金の導入が鍵となるに違いありません。

更に、市町村単独で取組むには限界がきており、飛び地を含めた広域自治体での取組みが、そして民間活力や資金の導入が力強い推進に結びつくことが容易に想定できます。

この「脱炭素」の取組みは、その地域の「稼ぐ力」に直結するのです。そして「稼ぐ力」こそが、その地域の元気となり得るのです。

道は、それらを実現することができるように、各地域の「地域の課題」や「地域のニーズ」のリスト化と「民間の技術や欲求」のマッチングをさせる役割を担うことが必要です。

私は、道には、このマッチング機能を整備することの決断が欠かせないと信じています。

道の見解を伺います。

 

 

<答弁>

 民間活力の活用への支援についてでございます。民間事業者との協働や地域間連携は、脱炭素を進める上で重要な要素と考えておりまして、環境省においても、第3回脱炭素先行地域の選定に向けては、こういった項目をより重視していくものと承知しております。

 道では、地域特性に応じた脱炭素の取組をサポートするために、市町村の課題やニーズを踏まえ、農業・観光などの分野別の将来イメージや具体の取組、事業実施に活用できる支援策などを提示しました支援ツールを作成し、各市町村に提供しているところでございます。

 また、北海道地方環境事務所と協力しまして、脱炭素の取組を進めたい市町村と技術やノウハウを持つ企業との「地域脱炭素マッチング会」を開催してきているところでございますが、今後、このような情報共有やビジネス参画につながる機会を増やしていくことで、先生ご指摘のような市町村と知見を有する民間事業者等をつなぐ役割を一層果たすことができるように取り組んでまいりたいと思います。

 

<指摘1>

 この質問についても、一問目の再質問と同様に雰囲気を掴むことは出来ましたが、道が知り集めた「市町村の課題やニーズ」と民間の技術と資金をマッチングさせる具体的手段について、その姿が答弁からは見えてきません。

 道が知り集めた「市町村の課題やニーズ」をどのように民間へ知らしめるのか、国内は基より世界にパートナーを求めていく必要があるのです。

 この点において、施策が必要です。今後この趣旨に則した素晴らしいプランが示されることを期待しておきます。

 

 

<指摘2>

 今回取り上げている「ゼロカーボン北海道」の実現については、既に各会派によって多くの議会議論が重ねられてきていることを承知しています。知事をはじめとした推進監や理事の皆さんが、国との連携を模索しながら苦労されていることを知っているからこそ、如何にして、北海道により馴染み、他の都府県よりも優位に立ち回ることが出来るのかを工夫しなければいけないのだと考えるところです。

 一般質問でも述べたところでありますが、「脱炭素化」は地域間競争そのものです。そのキーワードは、「分散」と「稼ぐ力」と「マッチング」なのです。

そして、その主役は、「市町村」と「民間」でなければならないのです。それらに同意して頂けた時に、道としての役割は自ずと明らかになってくるのです。

 それは、旧態依然とした国とのつなぎ役なのではありませんし、まして補助金等の配布役でもありません。

 私たちには、主役の理解者として立ち居振る舞うことが求められているに違いありません。

 私たちは、拡大期とは異なり、縮小期に突入している日本の広域自治体として、求められる役割を果たさなければならないのだと確信しています。

 道庁の皆さんが想像する以上に、民間の皆さんは「障壁」と「規制」に苦しんでいます。

 これまで公平公正を担保するために整えられてきたそれらは、ゲームチェンジの局面では、「障壁」と「規制」となって立ちはだかっているのです。

 そのままの環境で「ゼロカーボン北海道」を唱えても、背中を押しながら足を引っ張っているのも同然なのではないでしょうか。

 私は、何も全てを撤廃せよと要請している訳ではありません。

 「ゼロカーボン北海道」という国を挙げての新しいゲームが始まったのですから、それに見合うルールを加えるのではなく、整え直すことが必要不可欠であることを知ってほしいのであります。

 目的は「脱炭素化」なのです。

 道は、何が「障壁」と「規制」となっているのかを知る努力を怠らないでください。

 刻々と進化する技術に感性を張り巡らせながら、自らが築き上げきたルールと照らし合わせて、効率的に掲げた目標に到達できるように、「市町村」や「民間」の手先となって働いてください。

 「プレーヤー」は、「市町村」や「民間」です。

 子供たちの世代にも元気な北海道を実現させるために、今一層の努力を惜しむことなく滅私奉公していただきますように強く要請しておきます。

 今後も、このテーマにおいては議論を積み重ねていきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

これで質問を終わります。ありがとうございました。