最新情報

2023/12/11

令和五年 北海道議会第四回定例会 一般質問 「口腔の健康について」

この質問は、「就労世代」の歯科検診の受診を充実させることが、引いては老後の健康に直結することが判明していることから、道民の歯科検診を推し進める政策について質問したものとなります。

 

 皆さん! 普段から歯医者さんへ行きませんか!

 虫歯が無くとも、半年に一度程度は歯医者さんに行きましょう!

 それが必ずあなたの老後の健康に直結するに違いありません。

 

一方で、広い北海道でその環境を整えることは容易ではありません。避けることが出来ない人口減少を主因として、その環境を整え難くしてくることが判っています。

ならば、道には、今から先んじて手立てを施す必要があると考え、保健福祉部に質問させていただいたところです。

幾ら政策を整えたところで、結局は私たち一人ひとりの意識が受診に直接的に結びつくことは明白です。

北の元気玉、まずは自身が元気で過ごすことが出来るように「歯医者さん」に通う習慣を身に着けます!

————————————————————————

B,口腔の健康について

次に、口腔の健康について伺います。

昨今、口腔の健康については、虫歯などの口腔内に留まることなく、全身の健康に密接に関係していることが科学的根拠の集積によって判明していて、生涯を通じた歯科検診に向けた取組みが推進されようとしています。

口腔健康管理の充実は、オーラルフレイル対策と共に疾病の重症化予防につながるだけではなく、口腔機能の向上が高齢期における快適な暮らしに欠かせないものであることは言うまでもありません。

「経済財政運営と改革の基本方針」いわゆる「骨太の改革」の中でも、年々口腔の健康に関する記述が増加し、単に歯科検診の充実に留まることなく、様々な取組みによって国民の健康を維持し、引いては止まることを知らない医療費の増大に歯止めを掛けようとされているところであります。

これまでに、少し振り返っただけでも、平成28年、31年及び令和2年に同僚議員から歯科保健医療や口腔ケア等について質問があったことを承知しています。

それらを踏まえて、以下伺います。

 

 

①歯科医師等の人材の実態について

最初に、人材の確保について伺います。

口腔機能の向上の為には、歯科医師に限らず、歯科衛生士等の役割が重要であるのに、その充足率が充分ではないことが同僚議員からの質問によって問われ、都度、道は、実態の把握と人材育成に対する支援等について答弁されていますが、それら施策の効果が表れているとは思えません。

直近の質問から3年経過していますが、歯科医師、歯科衛生士、歯科技工士、それぞれの人材の実態について伺います。

 

<答弁>

 口腔の健康に関し、はじめに歯科専門職の届出状況についてでございますが、令和2年12月末現在、本道の歯科医師は4,418名、歯科衛生士は6,531名、歯科技工師は1,940名と平成28年時に比べ、歯科医師、歯科技工士は横ばい、歯科衛生士は増加の傾向にございます。

 また、人口10万人当たりの歯科医師は、全国85.2に対し84.6と全国を若干下回っているものの、歯科衛生士は全国113.2に対し、125.0、歯科技工士は全国 27.6に対し、37.1と全国を上回っております。

 

②歯科医師等の人材の偏在について

次に、人材の偏在について伺います。

先ほど紹介した同僚議員らの質問に対して、人材が札幌圏などの都市部に集中している実態についての答弁がありました。

道内における人材の不足は、何も医師だけに限らず、歯科医師、歯科衛生士、歯科技工士など医療を支える関係人材についても同じことが言えるのだと捉えています。

前の質問で歯科関連の人材の実態について伺いましたが、それらの地域偏在の実態についても伺います。

更に、それらの解消へ向けてのこれまでの施策の効果が表れているとは、私には思えないのです。

人材そのものと地域偏在について、全国平均を目指すのではなく、これから迎える決して避けられない極端な人口減少の場面においては、広域な地域圏事情に合わせ且つ道民ニーズに合わせた目標設定が必要な段階に入っていると考えています。

道の見解を伺います。

 

<答弁>

 次に、歯科専門職の状況についてでございますが、歯科衛生士、歯科技工士につきましては、配置基準がなく地域の充足度合いを数値で示すことが困難でございますが、令和2年12月末現在、二次医療圏単位では、平成28年時に比べ、歯科衛生士は16圏域で増加、歯科医師、歯科技工士は、半数以上の圏域で減少しており、特に、宗谷、根室、留萌では減少はしていないものの、全ての職種が人口10万人当たりで全国を著しく下回るなど、地域偏在が生じている状況でございます。

 地域により状況が異なるため、今後の高齢化の進行や人口構造の変化、歯科医療の受療動向なども見据え、二次医療圏単位で歯科医療提供体制の検討が必要と考えております。

 

 

③歯科医師等への支援について

次に、人材の支援について伺います。

これまで論じてきたように、私たちは、国民の健康を維持し、引いては止まることを知らない医療費の増大に歯止めを掛ける為の施策について、手を緩めることは出来ないのです。

これまでの質問で問うたように、それらに関わる人材の支援については、益々の充実が必要となるに違いありません。

国による方針のみに基づいた支援に留まることなく、北海道の実態に則した幅広い支援メニューの充実が必要です。

道は、道内における歯科口腔ケアによる予防医療の現状をどのように捉えてきたのでしょうか。

そして、それらの取組みや人材のについてどのような支援を展開されてきたのでしょうか。

その結果と併せて道の見解を伺います。

 

<答弁>

 次に、人材確保の取組についてでございますが、歯科専門職は、歯科疾患の予防や口腔機能の維持向上に必要な役割を果たしており、高齢者が増加していく中、フレイルやオーラルフレイル予防の観点から、人材確保が重要と考えております。

 これまで道では、歯科医師会等関係団体が行う人材育成研修や歯科衛生士養成校の施設整備への支援、歯科保健事業に従事する歯科衛生士の登録・斡旋、歯科医療の確保が特に困難な離島への歯科医療 班の派遣のほか、地域医療振興財団の歯科医師バンクの周知など、地域状況に応じた人材確保支援に努めてきましたが、地域からは必要な歯科専門職が確保できないといった声も伺っているところでございます。

 このため、道といたしましては、引き続き、歯科医師会など関係団体と連携を図りながら、こうした取組を進め、歯科専門職の確保に努めてまいります。

 

④北海道歯・口腔の健康づくり8020推進条例について

次に、道の8020条例について伺います。

私は、これまでの質問でお聞した、歯科医師等の人材や偏在、そしてそれらの支援について、道の施策は初来目的の効果が上げられていないと評価されても致し方ないのだと捉えています。

大胆に申し上げるならば、それらの取組みについて根本から見直す必要があるのだと考えています。

道は、平成21年6月に北海道歯・口腔の健康づくり8020推進条例を施行しています。その規則を含めて実態に合わせた見直しが、効果を上げられるように整え直す責務があると考えています。

道の見解を伺います。

 

<答弁>

 最後に、北海道歯・口腔の健康づくり8020推進条例についてでございますが、道では、条例で定める歯科保健医療推進計画に基づき各施策を推進しており、今年度が計画の最終年に当たりますことから、目標の達成状況や施策の推進状況の評価を行ない、重点施策として掲げた11の数値指標のうち「80歳で20本以上の歯を有する者の割合」、「過去1年間に歯科健診を受診した者の割合」など10項目で目標を達成又は改善傾向にあるところでございます。

 こうした評価を踏まえつつ、更なる高齢化の進行や人口構造の変化、歯科医療に係るニーズなども見据え、条例の見直し時期である令和7年に向け、歯科専門職の確保を含めた地域の歯科医療提供体制について、口腔保健推進協議会で関係団体のご意見も伺いながら、条例改正の要否を含め、検討を進めてまいります。

 

⑤統合医療の推進について

次に、統合医療の推進について伺います。

道民の健康を維持していく為には、西洋医療を中心とした現在に並走させる検診などの予防医療や統合医療が欠かせないことに論を待ちません。普段からの食事や生活習慣などを見直すことで、病気になる前から私たちの暮らしぶりを整えていくことは、QOLを高め道民の幸せの実現に直結することに違いないからでもあります。

この質問は、口腔の健康について伺っているところではありますが、実は口腔の健康を保つためには、口に入れる食事や生活習慣から見直す必要があることを、私たちは親や社会から教わってきたはずなのであります。

道は、予防医療や統合医療について、どのように受け止めているのか、そして取り組んでいるのかお聞きすると共に、今後の8020条例においても、十二分に持ち込まれるべき考え方であると評価しています。

知事の見解を伺います。

 

 

<答弁>

 次に、口腔の健康に関し、統合医療等についてでありますが、統合医療は、近代西洋医学と伝統医学などを組み合わせて行う療法で、多種多様なものが存在しておりますことから、患者や医師などが、適切に選択することが重要と考えております。

 厚生労働省では、「統合医療の情報発信サイト」において安全性や有効性などを情報発信しており、道では、ホームページで統合医療に関する情報提供を行ってきたところであります。

 北海道歯・口腔の健康づくり8020推進条例では、予防を施策の柱として取組を進めており、小児期からのむし歯予防のためのフッ化物洗口や就労世代を含む青壮年期における歯周病予防のための定期的な歯科健診の促進、高齢期の低栄養や誤嚥性肺炎の予防など、引き続き、生涯にわたる口腔の健康の維持・向上に取り組んでまいります。

 

⑥今後の取組みについて

次に、今後の取組みについて伺います。

先日、ある会合で「歯科口腔保健の推進に関する法律」の改正を、二年以内に目指す取組みがあることを教えて頂きました。

これは、今回お聞きしている内容に留まることなく、歯科衛生全般に渡っての取組みであることを承知しています。

歯科衛生の取組みが生涯健康や全身健康に大きく影響することを知れば、現在の乳幼児期、学齢期、そして後期高齢者医療の被保険者に対する歯科検診の充足に限らず、就労世代の歯科口腔保健の推進が欠かせないことについて、私たちは真剣に対策を講じなければならないと考えています。

そこで、道は、この取組みについて積極的に情報を収集し、道の実態や課題に則したものとなるように、国や政府に働き掛けていかなければならないと考えます。

知事は、この取組みに対して、状況を見定めるのか、先んじるのか、はたまたその準備に充てるのか、その選択によって、今回お伺いしてきた北海道の実態に合わせた施策の結果は大きく変わるのだと想定しています。

知事には、今まで以上に歯科口腔保健の推進に取り組んでいただき、北海道民の件項の保持について大きな役割を果たして欲しいと願っております。

知事の見解を伺います。

 

<答弁>

 次に、歯科口腔保健の今後の取組についてでありますが、全てのライフステージにおいて、定期的に歯科健診を受診することは、道民の皆様が生涯にわたり健康を維持していくうえで、重要と認識しています。

 道では、多くの道民の皆様に毎年、歯科健診を受診していただけるよう新聞紙面やSNSなど様々な媒体を活用した普及啓発、市町村が実施する歯科健診に対する補助を行うとともに、昨年度から、企業等と連携して歯周病リスクを判定する自己検査キットを用いた受診につなげるモデル事業を実施し、歯科医師会とも連携の上、こうした事例を企業や市町村などで活用いただけるよう情報発信しているほか、今年度から、職員の歯科健診を実施しているところであります。

 今後も、就労世代の定期的な歯科健診の受診促進に向け、国に対し必要な制度の改正を要望するとともに、歯と口腔の健康づくりを総合的に推進し、道民の皆様が、いつまでも食べる楽しみを享受しながら、健康で質の高い生活を営むことができるよう取り組んでまいります。

 

<指摘>

口腔の健康について指摘します。

道は、人材や偏在そして支援について、自らの取組みについて肯定的な答弁に終始していましたが、私は、道が、これから取り組もうしている手段に異を唱えているものなのであります。

余りに大きな変化を強いられる私たちの暮らし振りの中で、今回の条例の見直しにあたっては、道民一人ひとりが地域毎の目指す姿を強く意識できるものであって欲しいと思うのです。

道が、政策施策に取組むことなのではなく、それを実現することが重要に違いないのです。

広い北海道で一律であることは、もはや困難であることが明らかなのです。

地域創生が地域間競争である以上は、全国平均を求めるのではなく、地域毎に目指す姿を明らかにして、そこに経済性を担保していかなければ、継続や維持をしていくことは出来ません。

理に適う、利に適うものでなければならないのです。

立ち遅れている就労世代の口腔の健康を保つことが重要です。よりシフトした政策施策が必要です。

北海道の地域毎の目指す姿を洗い出し、先んじて国に働き掛けて、結果として地域に提供できるようにしてください。

本件に関しては、経過に注目しながら取り上げて参りたいと考えていますので承知置き下さい。