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2024/01/10

令和六年 環境生活委員会 一斉委員会 「環境影響評価制度について」 釧路市

この質問は、委員外質問として、同僚議員に行っていただいたものとなります。

第四回定例会時の質問(宗谷猿払村 風力発電)と同様に、釧路市音別町周辺で計画されている大型太陽光発電についての「環境影響評価」についての質問となります。

新年早々の質問であることから、今回と併せて二月の委員会質問で深堀する予定としています。

 

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A,環境影響評価制度について

 

環境影響評価制度については、先の第四回定例会で、同僚議員が一般質問したところですが、道内各地で取り組まれようとしている一定規模以上の新エネルギー事業の計画については、個別に環境影響評価制度に基づいて審査が行われていると承知しています。

 

今回、緊急で取り上げるのは、釧路市音別町と白糠町の境界にある馬主来沼(パシクルトウ)西側の民有地で計画されている大規模な太陽光発電計画です。

この馬主来沼(パシクルトウ)は、環境省が選ぶ「重要湿地」の一つでもあります。

この計画においては、環境影響評価制度に基づき、昨年11月27日に計画段階環境配慮書が公告され、12月31日まで縦覧、そして同日まで意見募集が行われていました。

その計画段階環境配慮書によると、最小で53ha~最大84haの山林に、規模は約50メガワットの計画となっています。

この環境影響評価では、本年6月から約2年を掛けて環境影響評価が行われる見込みだそうです。

 

①事業候補用地について

最初に、本計画の事業候補用地について伺います。

今回、新年早々ではありますが、緊急で取り上げた理由は、委員の皆さんもご存知のように、昨年11月28日の報道では、可視範囲に馬主来自然公園が含まれているために、地域の要望や生活環境の計画変化に影響がある可能性を示しながら、その影響は少ないとする考えも併記されていました。

更に、予定地に、釧路市が施行した「太陽光発電施設の設置に関するガイドライン」に基づく「設置するのに適当ではないエリア」や「防霧保安林」が含まれていることを無視することは出来ません。

今回の無断伐採が行われた場所は、事業者が計画している敷地内なのか、敷地外なのかについても教えてください。

また、釧路市及び道は、この計画に「設置するのに適当ではないエリア」や「防霧保安林」が含まれていることを認識されているのか伺います。

 

<答弁>

 ・ 釧路市音別町で計画されている事業は、法に基づき、昨年11月24日付けで、

   事業者から道及び釧路市に対し、配慮書の送付があった。

  ・ この配慮書では、事業の内容として、

   事業の実施が想定される区域が図示されているほか、

   当該区域及びその周辺の概況として、防霧保安林の位置や、

   太陽光発電施設の設置に関するガイドラインに基づく

   施設を設置するのに適切でないエリアの対象についても記載。

   道及び釧路市では、これらの区域が

   事業実施想定区域内に含まれていること把握。

  ・ 今回、事業者により水路の掘削が行われた場所は、

   現地調査を実施した際に、

   事業実施想定区域内であること確認している。 

 

②無断伐採について

次に、無断伐採について伺います。

前の質問に続いて、昨年12月21日の報道では、環境影響評価の最中(さなか)、もっと言うなら、その第一段階である計画段階環境配慮書の縦覧中であるにも関わらず、馬主来沼(パシクルトウ)北西側の「防霧保安林」の一部が、幅5m程度、約500mの長さに渡り、無断で伐採されているのが判明したとありました。

広葉樹を中心に重機で押し倒されていて、現場までのアクセスを確保するための整備であると見られているそうです。

残念ながら、私は現地を確認するに至っておりませんが、報道の画像等を確認する限りでは、直線ではなく、相当量の面で伐採開墾されていることは確かなようです。

経緯が漏れ伝わっておりますが、釧路市には、昨年11月に事業者から「予定地内でボーリング調査を行いたい」と相談があり、12月11日に始まった試掘では、土質の調査や水路を掘って川とつなげる計画外の作業が確認された為に、13日に事業者に連絡、14日から作業を中断しているとされています。

経産省としても状況は把握している様子で、「アセスメントが終わらなければ基本的に工事は出来ないことになっていて、環境影響評価上、疑義がありそう」と指摘しているとのことです。

道は、環境影響評価手続きの最中に事業者が一部作業を進めることについて、どのように捉えているのか伺います。そして、道内の環境影響評価制度を取り仕切る立場としてこの開発行為についてどう受け止めているのかも伺います。

 

<答弁>

 ・ 環境影響評価法では、

   手続中における事業着手を制限する規定があるが

   事前調査の一環として調査に必要な範囲で行われる行為は

   差し支えないものとして運用。

  ・ 今回の行為が、法の規定に抵触するか、現在、法を所管する国において検討中。

   道としては、その検討結果を踏まえ、適切に対応してまいる。

 

<指摘>

いずれにしても、今回の事案については看過することの出来ない内容となっています。

添付する知事意見には、本件の無断開発行為について明記されることを、そして北海道における「新エネルギー」と「自然」の両立について明確な立場を主張していただくように要請しておきます。

本来は再質問として、同内容を答弁して頂くことも考えましたが、それは二月以降の質問に託すことと致します。

 

③再発防止について

次に、再発防止について伺います。

この記事の12月28日の続報では、幅3~5m、深さ1mの水路が約250m掘られていて、河川に接続していたことが確認されたとしています。周辺が湿地帯で軟弱地盤の為に、重機が入っての工事が可能か確認する目的であったとみられています。

いずれにしても、森林法では、保安林内での「立木の伐採」や「土地の形質の変更」を行う場合は、事前に知事の許可が必要とされていて、事業者によると「保安林内という認識が無かった」と話しているそうです。

これらは森林法違反を疑いようもなく、釧路総合振興局は、工事の中止と復旧計画書の提出を指示されたそうです。同局は、「今後申請があったとしても保安林内での開発行為を許可するのは難しい」とコメントしてもいるようです。

道は、無自覚で不適格な事業者に対して厳に指導すると共に、今後このような事前着手が繰り返されぬように、今後の申請者に対して明確に通知することが必要です。見解を伺います。

 

<答弁>

 ・ 本事業に関し、環境影響評価法の手続中における

   着手の制限規定に抵触するか、国において、検討中。

      今後の法対象案件について、配慮書の事前相談があった際、

   事業者が事前調査を予定している場合は、

      その行為が、事業着手制限の規定に抵触しないか、

   国に確認するよう求めるなど、注意喚起してまいる。

 

<指摘>

今の答弁で「国に確認するよう求めてまいる」とありましたが、事足りていません。

北海道の立場を明確に主張するべきは道自身です。

制度上で、国の役割とされているからと言って諦めることは出来ないのです。

国で事足りないのであれば、国に求めるのではなく、道が口を出せるように制度の改定を求めることが必要なのです。

この質問も再質問として、同内容を答弁して頂くことも考えましたが、それは二月以降の質問に託すことと致します。

 

④不明点について

次に、不明点について伺います。

この辺りから雲行きが怪しくなってきます。

実は、12月28日の記事の最後には、「現地調査によって樹木の伐採や作業道の新設はなかったと判断した」と書いてありました。

記事のこの部分に主語がなかったので、釧路総合振興局と釧路市と想定しておきます。

また、道が「倒れている立木は風害によるものであり、作業道については開設されておらず、既設の道を重機が走行したのみであるため、森林法違反行為にはあたらない」と連絡通知されているのは不自然です。

そもそも報道されている画像等から伐採が無かったとは考えられません。仮に、だとしても、水路開墾等の無断の開発行為、しかも事業者が無自覚であったとの弁明からも悪質性が明確なケースと判断することが出来ます。

道は、その上で「森林法違反行為」ではないと判断されたのは何故なのでしょう。見解を伺います。

 

<答弁>

・ 12月15日に、事業者から釧路総合振興局に

  水路を設置したとの報告があり、図面で確認したところ、

  保安林内である可能性が高いことから、

  道では、12月22日に現地調査を実施

   ・  現地調査は、事業者などの立会のもと実施し、

  倒れていた立木には、チェ-ンソーによる切断面や

  重機で押された形跡もないことから、風害によるものと考えられ、

  作業道は、土砂の掘削や盛土がなく、

  既設の道を重機が走行したのみであるため、許可は不要であったが、

  掘削して水路を設置したことは、

  森林法違反であるため、

  釧路総合振興局では、文書により厳重注意するとともに、

  工事の中止と復旧計画書の提出を指示したところ。

 

<指摘>

実に解りにくいのです。12月25日付けで水産林務部から発出されている「連絡事項」に書いてある内容によると、「森林法違反行為」が有ったり無かったりなのです。

ある点において「森林法違反行為」が無かったとしても、同件の別の点において「森林法違反行為」が有ったならば、それは当該事案において「森林法違反行為」は有ったことになるのです。

北海道は、当事者として申告に受け止める必要があります。国がどう解釈したかは二の次です。国が問題なしと判断したならば、道として追従しかできないなんてナンセンス過ぎやしませんか。

この質問も再質問として、同内容を答弁して頂くことも考えましたが、それは二月以降の質問に託すことと致します。

 

⑤知事答弁について

先の第4回定例会で、知事は、「地域の良好な環境が保全されるよう、環境への影響を回避又は十分に低減していく必要があると考えており、再生可能エネルギーの導入に当たっては、環境影響評価制度の適切な運用などを通じ、市町村や専門家の方々のご意見を伺い、事業者に対し適切な対応を促しながら、地域の皆様のご理解のもと、環境に十分配慮した事業が進められるよう、取り組んでまいります。」と答弁しています。

判然としない答弁に対する再質問に対しては、「再エネの導入促進とともに、本道の豊かな自然環境を将来に渡って引き継いでいくことが重要と考えております。道としては、再生可能エネルギーの導入と適切な環境配慮の両立などが図られるよう、取り組んでまいります。」と答弁しているのです。

私は、ここで言う「両立」とは、新エネルギーの導入を加速化するし、自然環境の保全も推進すると受け取っていて、どちらに犠牲があってもいけないと考えているのです。

その上で、今回の当該事業者の無自覚な行為は、正に不適格であると判断されても致し方ないとまで捉えています。

道の捉え方を伺うと共に、知事答弁が示す通りの執行を約束して頂きたいのです。

道の見解を伺います。

 

<答弁>

 ・ ゼロカーボン北海道の実現に向けて

   わが国随一の再生可能エネルギーの

   ポテンシャルを活かしていくことは重要であると同時に、

   本道の豊かな自然環境は

   いのちや暮らしを支える基盤で

   将来に渡って引き継いでいかなければならない。

  ・ 道としては、今回の事案を踏まえ、

   事業の着手制限に違反することがないよう、

   事業者に対し注意喚起。

   再エネの導入に当たっては、

   影響が回避又は十分低減されるよう、

   環境影響評価制度の適切な運用などを通じ、

   事業者に必要な対応を促し、

   地域の皆様のご理解のもと、

   環境に十分配慮した事業が進められるよう、

   鋭意、取り組んでまいる。

 

<指摘>

ちょっとだけ気になっている点を二つ指摘しておきます。

一つ目は、「事業者に対して注意喚起する」と答弁されていますが、道は、具体的にどのような手段で注意喚起する考えなのでしょう。それ次第によってはアリバイ作りにしかならないのです。実効性のある且つ国の好きにさせない、北海道のことは北海道で判断できるものとしていかなければなりません。

それが可能となるような手段確保を国に要請し、実現しなくてはいけないのです。具体的な検討を始めてください。

二つ目は、答弁の中に「影響が回避及び十分低減されるよう」という表現があります。これは知事答弁の際にもあったものです。

しかし「両立」の意味合いでは、「十分に低減される」ことは「両立」にあたりません。

国の判断や「十分に低減される」ことを逃げ道にされては困るのです。

この点についても、二月以降の質問に託すことと致します。

 

 

この質問に関しては、今回は入口論とでも言いましょうか、表面的に確認させていただいた主旨で受け取っていただきたいと思います。

次回の委員会もしくは今後の進捗に合わせて適宜質問して参ります。

私たちの北海道では、このような無法な開墾を徹底排除して参らなければならないと考えています。

なぜならば、新エネルギー導入の代償として、自然の保全を犠牲にしてはならないという認識が、私たちの結論だからです。

新エネルギーの導入で日本をリードしていくことと、誇るべき大自然を保全し、次世代に引き継いでいくこと、それらの両立は、大変な取組みなのだと承知しています。

知事は、これらを両立すると決断されたのですから、私たちは、お互いに汗をかき、知恵を絞らなければなりません。そして、それを阻むものを排除しなくてはいけないのです。

この点を肝に銘じて頂きますようにお願いして、この質問を終わります。ありがとうございました。