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2024/11/7

令和六年 北海道議会 第三回定例会 予算特別委員会「人口減少について」【経済部】

この質問は、第三回定例会の予算特別委員会で行ったものです。

一般質問で扱った「人口減少」を知事部局毎に深堀するものです。

これは「終わりなき課題」であり、容易に結論が出るものでもありません。

常に、前へ前へと推し進めなければならないし、何か一つの取組みで解決するものではなく、国民や道民一人ひとりが汗を流さなければならない課題であると考えています。

いつか誰かが解決してくれる課題ではないのであります。

全ては、私たちの大切な子どもたちに対する責務なのであります。

北の元気玉、このお役を与えられている限りにおいて、全力で取り組む覚悟であります。

 

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③ 人口減少について

 

(一)現行政策について

今回の一般質問での経済部の答弁では、現在執行されている政策施策について述べられたものでしかないと私は受け止めています。

私は、想定以上の人口減少を覚悟するとき、どんな政策施策をとっていくのか、また、それを如何に収れんさせていくのかを問うているのであります。

最初に、現行の政策等の結果について伺います。

すると、道は、現在執行されている政策施策を遂行すると、人口減少は止まり、出生数が増加に転じると確信しているのでしょうか。

見解を伺います。

 

<答弁>(経済企画課長)

人口増減の見通しについてでありますが、道においては、これまで、経済部も含めた関係部局のほか市町村、民間の方々とも相互に連携し、地域創生に向けた様々な取組を進めてきたところであり、人口の増加や減少の緩和が見られる市町村も見受けられる一方、本道においては、全国を上回るスピードで人口減少が続いており、女性や若年層の道外への転出超過や合計特殊出生率の低下に歯止めがかかっていないなど、依然として、大変厳しい状況にあると認識しております。

 

 

<指摘>

今の答弁からは、経済部は今の政策施策等によって人口減少を止めて、出生数は増加するとは確信していないし、

転じるとは認識していないと受け止めたところであります。これは難儀なことであります。

 

(二)経済政策の展開について

次に、経済政策の展開についても伺っておきます。

人口の拡大期と縮小期における経済政策では、何が違うと捉えているのでしょうか。

見解を伺います。

 

<答弁>(経済企画課長)

人口の増減に対応した経済政策についてでありますが、

一般的に、人口拡大期においては、労働力が増加し、生産・消費が拡大するため、インフラの整備や雇用機会の創出などが必要となることから、こうした需要に対応するための公共投資や、労働力を吸収できる製造業などの産業の育成・振興のほか、技術革新を通じた生産力の向上などの取組が重要と考えられます。

一方、人口縮小期においては、労働力不足や需要減退に伴う消費の減少が課題となるため、デジタル技術や自動化設備の導入などによる省力化や、女性や若者、高齢者などの多様な就業の促進、外国人労働者の受け入れのほか、GXやDXなど新たな需要を取り込んだ産業振興による雇用の受け皿づくり、さらには、需要の創出に向けた付加価値の向上や販路拡大などの取組が重要と考えられます。

 

<指摘>

今の答弁では、私は理解しがたいところがあり、要するに、現状維持を重要としている道の真意がくみ取れないです。

拡大期と縮小期が同じであるはずはありませんし、困難さは比較にならないほどに縮小期には傷を負い、血を流すものとなるに違いありません。今後の答弁と併せて議論が深まればと思うところであります。

 

(三)道の見通しについて

次に、一般質問の答弁における道の見通しについて伺います。

道は、地域経済の縮小が懸念されると答弁されております。

では、道は、現行の政策施策を展開された後には、地域経済の縮小は止まると信じているのでしょうか。私には俄かに信じることは出来ません。

見解を伺います。

 

 

<答弁>(次長兼経済企画局長)

地域経済の縮小についてでございますが、全国を上回るペースで人口減少が進む本道におきまして、さらなる人口減少の加速化は、就業者の減少に伴う生産力の低下や後継者不足による廃業の増加などに加え、需要減退に伴う消費の落ち込みなど、地域経済の縮小につながることが懸念されるところでございます。

一方で、グリーントランスフォーメーションやデジタルトランスフォーメーションの進展など社会経済情勢の変化、また、広大な土地や水資源、豊富な再生可能エネルギー、さらには、多様な魅力のある住環境など、本道の優れたポテンシャルを新たなチャンスと捉え、産業の集積につなげていくことが必要です。

道といたしましては、こうした施策について、関係機関と連携を図りながら、足下の地域の経済を守るための支援に加えまして、社会経済の変化に伴い生じる新たな需要を取り込み、産業を集積する取組を総合的に展開し進めていくことが、地域経済の持続的な発展につながるものと考えております。

 

<指摘>

今の答弁にあった地域経済の持続的な発展とは何を指すのでしょうか。

地域経済の縮小は避けられないから産業を集積して、地域経済の持続的な発展ということなのでしょうか。

それは、縮小期なのか拡大期なのか、私にはこれまでの政策の延長でしかないと読み取ることができます。拡大政策の延長で縮小が止まるはずはないのであります。

これも今後の議論のポイントとしておきます。

 

(四)人口減少を直視する必要につい

次に、人口減少を直視する必要について伺います。

道は、道内各地に雇用の受け皿づくりを進め、地域経済の持続的発展につなげると答弁されました。

どうあろうと人は減るのです。経済の縮小も避けられない未来です。生産性を上げて補えるほど小さな影響ではないことが予想されています。

地域経済の着地点を示すことが必要です。現状維持など綺麗ごとでしかありません。

しかし、それを過去の否定できない道だけで模索することには無理があります。では誰と検討すればよいのでしょうか。

見解を伺います。

 

 

<答弁>(経済企画課長)

関係機関との連携についてでありますが、本道においては、女性や若年層の道外への転出超過といった課題を抱え、依然として、大変厳しい状況が続いております。

 道が実施した道民意識調査等においても、人口減少の進行により不安を感じることとして、医療保険や年金などの社会保障、公共交通機関、医療・福祉サービスなどへの影響をあげる回答が多かったほか、医療・介護、運輸、建設といった業種で人材不足が懸念されるなど道民の皆様の中にも危機感が拡がっているところでございます。

道としては、こうした厳しい状況を踏まえ、人口減少問題は道政の最重要課題であるとの認識の下、経済団体や関係機関、企業の皆様などと広く認識を共有しながら検討を進めていく必要があります。

 

<指摘>

 どうやら、道は縮小の覚悟はできているようです。しかし、その姿を道庁内で模索してもその効果は薄いと思っています。できないと言っているわけではなく、無意識に過去、ここでは拡大期に縛られている習性が邪魔をするといっているのであります。

経済界をはじめとした誰と検討を重ねればいいのか、何を共有しておく必要があるのか。それが着地点だと思うのであります。現行の政策の延長や改訂の繰り返しの先に着地点があるはずはないと思います。

 

(五)道の覚悟について

次に、道の覚悟について伺っておきます。

これまでの質問の行きつく先とした行政の役割とは、一体何なのでしょうか。人口減少の切り口から目指す姿を明らかにしておく必要があります。

今後、考え方の一つとして、想定以上の人口減少を直視した政策施策の展開を取り入れる覚悟があるのかをお聞きします。

 

<答弁>(次長兼経済企画局長)

人口減少の想定と対策についてでございますが、道では、これまで、本道の地域創生に取り組んできたが、人口の増加や減少の緩和が見られる市町村が見受けられるものの、全国を上回るスピードで人口減少が続いており、女性や若年層の転出超過といった課題を抱え、依然として、大変厳しい状況にある中、自然減・社会減の両面から取り組む人口減少のスピードの「緩和」と、現在より少ない人口においても本道の活力ある社会を構築する、人口減少社会への「適応」の観点を新たに設定し、人口減少対策の指針となる、次期創生総合戦略の検討を進めているところでございます。

道といたしましては、「緩和」の観点に基づきまして、若者・女性など多様な人材の活躍支援やUIターンの促進のほか、「適応」の観点に基づき、企業の生産性向上やデジタル化の推進をはじめ、本道の強みを活かした食や観光、再生可能エネルギー、デジタル等の産業の創出を図るなど、実効性のある施策の検討を進めてまいります。

 

<指摘>

次期創生総合戦略は今の延長でしかないと思うのであります。人口減少は見込んでいても、想定以上のそれを見込めてはいません。しかし想定以上になることはすでに明確なのであります。

道のみなさんを呪縛している過去から抜け出た必要なものとはなりえないのであります。

人口減少の緩和と人口減少の適応という観点については秀逸だと思います。あとは、想定以上の人口減少の先にある姿、言い換えれば政策となりますが、それらを明らかにしておく必要があるのであります。

今が必要十分となってないと認める覚悟を求めています。

 

(六)人口減少局面の政策について

次に、人口減少局面の政策について伺っておきます。

実は、経済部所管の分野におけるそれには、実に多岐に渡り、今回のような一回の一般質問と一回の予特の質問で議論し尽くせるものではないと思います。

しかし、道が、経済部が、その理念や信念の中心に何を置くのかによって、その結果は大きく変わるに違いないのであります。

私は、これまでの政策の延長では余りに無責任だと主張しています。止まらぬ人口減少の最中でどのように成長戦略を打ち出していくのか、グランドデザインを示すことが必要です。人口は減るんです、増えないんです。どこまで減るのかを許容するのか、縮こまる姿を模索する必要があります。縮こまった後に子供たちの世代で反転して、元気な北海道としてより高みを目指すことが出来るように道程を示すことが今を担う行政の役割なのだと考えています。

人口減少局面のグランドデザインを打ち出すことは出来ませんか。

見解を伺います。

 

 

<答弁>(経済部長)

人口減少に対する経済政策についてでございますが、全国を上回るペースで人口減少が進む本道におきまして、さらなる人口減少の加速化は、就業者の減少に伴う生産力の低下や後継者不足による廃業の増加などに加え、需要減退に伴う消費の落ち込みなど、地域経済の縮小につながることが懸念されるところでありまして、本道のポテンシャルを最大限活かした経済の活性化は、これまで以上に重要となるものと認識をいたしております。

 このため、道では、関係機関と連携を図りながら、各般の施策を総合的に展開し、食や観光など北海道ブランドのさらなる磨き上げや中小・小規模事業者の経営基盤の強化、地域経済を支える人材の育成・確保など、本道経済の活性化に向けて取り組んできたところでございます。

 今後、更なる人口減少が見込まれる中、道としては、これらの取組に加え、次世代半導体を核とした拠点形成や関連産業の振興、再エネを活用したデータセンターの誘致など、DXやGXの取組の推進を図るとともに、生産年齢人口の減少など、今後の人口動態や本道経済を取り巻く様々な情勢変化等を踏まえ、適時適切に「北海道経済活性化基本方針」を見直しながら、人口減少下におきましても、本道のポテンシャルを最大限活かし、北海道の価値を押し上げることで、地域経済の持続的な発展を目指してまいります。

 

<指摘>

想定以上の人口減少の結果を着地させるグランドデザインが必要なのです。道庁内で作成するかどうかは別問題です。グランドデザインを基にして各政策をどうしていくのかはまさに知事判断であります。知事の役割です。責任を取れるのは時の知事なのであります。今後その意味において、鈴木知事に対してこれらの観点から議論を継続していきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

ありがとうございました。