この質問は、第三回定例会の予算特別委員会で行ったものです。
一般質問で扱った「人口減少」を知事部局毎に深堀するものです。
これは「終わりなき課題」であり、容易に結論が出るものでもありません。
常に、前へ前へと推し進めなければならないし、何か一つの取組みで解決するものではなく、国民や道民一人ひとりが汗を流さなければならない課題であると考えています。
いつか誰かが解決してくれる課題ではないのであります。
全ては、私たちの大切な子どもたちに対する責務なのであります。
北の元気玉、このお役を与えられている限りにおいて、全力で取り組む覚悟であります。
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④ 人口減少について
この質問はですね、本定例会一般質問の答弁をベースにさせていただきますので、ご承知おきください。
無論、現行の道の農業政策の人口減少の視点が足りないというふうに断じるつもりは全くありません。しかし、一般質問で主軸とした想定以上の人口減少が現実のものとなろうとしているからこそ、より人口減少が進むことを前提とした道の立ち位置を明らかにしておきたいことと、農業関係者や道民にこの視点を含み置いた着地点を示す必要が、道にはあると私は考えているからでもあります。
国内外に対して北海道が農業王国として胸を張って活躍することが出来るように、それを確実に子どもたちや次世代に確実に繋ぐことが出来るように、私たちが覚悟をもって整え始める必要があると考えています。残念ながら、これまでの延長でそれらが期待できるとは、私には思えません。少子高齢化をはじめとする人口減少に対して、これまでのようなマイナーチェンジを繰り返す政策ばかりでは、余りに受け身な結果にしかならないのではないでしょうか。
そこで、今後の議論のためにも幾つか明確にしておきたいことを質問させていただきます。
(一)就農人口の推移について
最初に、本道の就農人口の見込みについて伺います。
直近の就農人口を50歳未満とそれ以上に分けた数字を教えてください。
同様に、それについての未来の推移を教えていただきます。見解を伺います。
<答弁>(農業経営課長)
就農人口などについてでありますが、農林業センサスによりますと、道内における個人経営体の世帯員数は、2020年2月現在、約10万9千人となっており、うち50歳未満が約4万4千人、50歳以上が約6万5千人となっています。
将来見込みにつきましては、昨年11月に道総研農業研究本部が公表しました動向予測によりますと、2035年における世帯員数は、約5万7千人とほぼ半数まで減少することが予想されているところであり、全国的、また、全道的に人口減少や少子高齢化が進む中にあって、就農人口の減少を避けることは難しいものと認識してございます。
(二)就農人口の維持について
次に、就農人口の維持についても伺っておきます。
道は、北海道が農業王国として活躍し続けるためには、どの位の就農人口を維持する必要があると考えているのでしょうか。
そのためにとられてきた政策施策を教えてください。どの程度効果があったと評価しているのか、道が目論む人口を維持するために、それは必要十分なのでしょうか。見解を伺います。
<答弁>(農業経営局長)
就農人口の維持に向けた施策などについてでございますが、本道農業が、将来にわたり我が国の食料供給地域としての役割を果たしていくためには、生産基盤である農地を維持しながら、地域農業を支える担い手によって、安全・安心で良質な農産物を安定的に生産していくことが重要であると考えております。
このため、道では、新規就農者をはじめとする多様な担い手の確保とともに、限られた労働力を効果的に活用するため、農作業の効率化に必要な基盤整備の推進やスマート農業の導入加速化、担い手への農地の集積・集約化などに取り組んできたところでありまして、これらの取組により、この10年の間、道内の耕地面積は114万ヘクタールで維持されるなど、優良農地を確保しながら、農業の生産力の維持・強化が図られているところでございます。
道といたしましては、今後、人口減少や少子高齢化がさらに進む中で、引き続き、農業を取り巻く情勢や地域の実態などを十分に踏まえ、関係機関・団体と一体となり、こうした施策の充実・強化を図りながら、本道農業の持続的な発展に向けて取り組むことが重要であると認識しているところでございます。
再(二)就農人口の維持について
この2問のやりとりを通して、道は就農人口の維持ではなく、生産手段の高機能化等による耕地面積の維持と生産量の確保を目論んでいるように聞こえております。
どんなに技術が進んでも、耕地を維持する最低限の就農人口は必要なんです。
道庁内や外部を含めて調査研究が必要です。いかがでしょうか。
<答弁>(農業経営局長)
必要とする就農人口についてでございますけれども、本道農業が、食料供給地域としての役割を果たしていくためには、生産基盤である農地を維持していくことが重要であると考えております。
農地の維持に向けましては、担い手の確保はもとより、基盤整備の推進やスマート農業の導入加速化など、様々な施策を一体的に推進していくことが重要であると考えているところでございますけれども、ただいまご指摘いただいた点も踏まえながら、トータルで考えていくことが必要だというふうに認識しているところでございます。
(三)農業政策の評価について
次に、現在とられている農業政策の評価について伺います。想定以上の人口減少が見込まれる視点で、これまでとられてきた農業政策を評価すると、それが必要十分であったかを精査する必要があると考えております。だからこそこの質問が必要だと考えております。総点検が必要です。
現在の道が描く農業のグランドデザインと、想定以上の人口減少が進んだ農業のグランドデザインに大差は無いとお考えなのでしょうか。これまでの農業政策の延長で問題ないと考えているのかの見解を伺います。
<答弁>(農政部長)
人口減少下における今後の農業政策についてでございますが、本道農業・農村が、我が国の食料供給地域として持続的に発展していくためには、生産基盤である農地をフルに活用し、安全・安心で良質な農畜産物を消費者や実需者ニーズを踏まえて安定的に生産・供給していくことが重要であると考えてございます。
こうした中、昨年11月には道総研農業研究本部において公表されています動向予測では、今後、農村人口の減少がさらに進行することが見込まれておりまして、このままで推移すると、将来にわたり食料を安定的に生産し、我が国の食料供給地域としての本道の役割を果たすことができるのか、危機感を持っているところでございます。
このため、道では、関係機関や団体と一体となって、新規就農者の確保をはじめ、農作業の効率化を図る基盤整備の推進やスマート農業の導入加速化、法人経営体の育成などに取り組み、担い手の減少や労働力不足に適切に対応してきたところでございます。
今後、更なる人口減少が見込まれる中、道としては、これらの取組に加えまして、地域コミュニティや農村インフラの維持・強化など農村振興施策の充実を図りますとともに、農業・農村を取り巻く情勢や地域の実態などを十分に踏まえまして、これを点検・検証をしながら、効果的な施策の実施に努め、魅力ある産業としての農業と、誰にとっても快適で住み続けられる農村の確立に取り組んでまいります。
<指摘>
この質問で私が訴えたいのは、そもそも目指す地点に照準が合っているのか。戦後80年、拡大期にあったこれまでと、これから少なくとも50年程度は縮小期にあるこれからの農業政策が一緒であるはずがないし、拡大期の政策と縮小期のそれでは計り知れないほどに、混乱差が桁違いであることを知らなければならないと思うのであります。だからこそ今から足下を見て、想定以上の人口減少を見込んだ政策と、今の政策を鍛練させていく必要があると一般質問でもこの予特質問でも申し上げているところであります。
農業は今変革期、価値観の変革期を迎えているのだと考えています。北海道農業に未来があるのかという問いに対して、私は胸を張ってあると答えたいのであります。そのために迎える未来に対して、適格な策を講じておかなければなりません。これまでの巨大で複雑な構造をよしとせずに農業人口が減ってもなお、元気に営む農業がそこになくてはならないと思うのであります。人口減少は突然やってくる災害ではありません。十二分に予測できる未来なのであります。今から農業の資源と資産を総動員させてシフトチェンジを実行させて未来の農業に夢と希望を持たせうる政策と施策を展開しなければならないのです。
私も農業の素人でありながらも経済性の観点でお役に立ちたいと考えておりますので、今後も議論を尽くしてまいりたいと思います。何卒、よろしくお願いします。