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2025/12/5

令和7年 第四回定例会 一般質問 「一元管理システムの開発について」

この質問は、昨今露呈してきている「違法開発等」について、事業者側の視点に加えて、行政側から未然に防ぐことが出来る「一元管理システム」の開発を、知事に対して行ったものです。

 

北の元気玉は、知事に対して提案するだけに留まらず、今後国に対して必要な相談と交渉を展開し、実現に向けて道と協力しながら進めてまいります。

 

本件については、進捗を適宜報告させていただきます。

 

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一 一元管理システムの開発について

一元管理システムの開発等について 振り返れば、倶知安町巽地区において幾つもの法令や条例等を無視した悪質な開発行為が露呈した違法開発等が社会問題化したことに端を発して、北海道内各所で同様の問題が複数存在していたことが明らかになりました。

これらは、突然降って湧いた問題なのではなく、実は、これまで繰り返されてきた違法開発行為等の一例に過ぎず、地方 分散型で広大な北海道においては、大きな課題であることがわかってきました。

それは、単に開発事業者側の責任に留まることなく、多岐に渡る許認可や申請などを受け付ける道や振興局そして自治体にとっても、各々の掌握する部署における未必の連携が起因していることも考えられます。

そして、これまでに明らかになった事例だけで終わるものならば未だしも、新たに発覚したり、発生し得る可能性 がある以上は、事業者側の性善説に頼るばかりなのではなく、行政側による相応の仕掛け作りが必要になっていることが容易に想定できます。

特に、新エネルギー導入の加速化を謳い、あらゆる政策を推進してきている北海道にとっては、想定してきた以上 の取り組みに対して「受け身」であるが故に、このような 違法開発行為等への対応について、どうしても後手に回ってしまっていることは否めません。

更に、外国資本による開発行為等については、日本や北海道・地元自治体が定めている多岐に渡る法令や条例・ガイドライン等の遵守は勿論のこと、地元住民等との軋轢に対して、文化や慣習の違いから齟齬が生まれやすい事例があることも判ってきています。

これらの開発行為等について道庁内では、総合政策部・経済部・建設部・環境生活部・農政部・水産林務部と複数 の部局が関わることになり、更に各振興局や地元自治体が窓口になることを考えれば、人員や予算の不足が深刻な現 実においては、量的対策で対応していくことは困難です。

各部の制度で整っていたとしても、事業者側の事情によって故意であろうと過失であろうと、私たちは同様の不法行為を見過ごすことは出来ません。 そのような中で、私は、今回の質問で、それらを未然に防ぐことが出来る「仕掛け作り」を提案したいと考えています。

全体のイメージとしては、事業者が行おうとする開発行為等について、必要とされる法令や条例・ガイドライン等に関する「申請や届け出」や「相談」等の必要な行政への対応について、「一元管理できるシステム開発」を提案いたします。 口頭で説明するのは難儀でありますが、事業者側がシス テムにアクセスをし、IDを取得した後で、着手しようとする内容を「チェックボックス」で入力していけば、関連する法令や条例、ガイドライン等で示されて、「どこ」に「何」を相談したり、許可や届け出を求める必要があるのか等を、WEB上で総合的に把握できるものを想定をしています。

行政側も事業者側からIDを提示されることで、そのシステムにアクセスが可能となり、事業が必要とする手続等の進捗を把握することが出来るのが利点であります。 当該事業者側からは、一つ一つ必要とされる手続きを進める中で、私たちが気軽に利用するネットショッピングなどで使われている技術である、必要とされた情報の未入力がある部分について「赤網掛け」で知らしめられることにより、未達で手続きをもれなく知ることが可能です。勿論、対処しなければシステム入力を完了させることは出来ません。 更に、必要とされる情報の入力が済んだ項目の最後には、担当する行政側のみが入力することができる「チェックボックス」が存在し、担当する手続きの完了を意味する 「チェック」が行われます。いつ、誰が「チェック」した かが明確になることで、行政責任の所在も明確になります。

最後に、このシステムの肝心なところは、手続き等が進み、すべて完了した段階で「認証書」が発行出来るようになることです。この「認証書」が無ければ、その先の開発行為等の着手が出来ない厳格なルールを設けることで、手続き等の漏れが無くなり、違法開発行為等が防げることになると考えています。 当該事業の工事を受注される関係工事業者の皆さんとの契約時にも、この「認証書」を添付することで、受注しようとしている工事が適法なのか違法なのかを判断して頂くことが可能です。

違法を承知で受注・着手した後に摘発された場合には、事業者同様に厳罰に処されることとなります。これは、元請けも下請けも同様です。

如何でしょうか。人も予算でも限られる行政側が、DX 技術によって重複や漏れを防ぎながら、必要とされる法令や条例・ガイドライン等を適宜満足させていくことが出来るシステムを創設されることを提案致します。 何も最初から全ての領域について完璧なシステムを構築することを想定しているのではありません。それは、労力とコストの無駄と無理につながります。

可能な範囲から着手し、汎用性と共用性を担保しながら、複数年掛けて開発することをお勧めしておきます。繰り返しますが、「汎用性と共用性の担保」は欠かせません。

そして、場合によっては、このシステムは全国で活用して頂くことが可能だと思われます。スピード感を損なうことにつながるのかもしれませんが、国を巻き込みながら実 現していくことも在りなのかも知れません。

・これらについて、関係する部局の見解を求めたいところではありますが、代表して総合政策部の見解を伺います。

 

<答弁>(総合政策部長兼地域振興監)

 開発行為に関する手続きについてでございますが、違法 な事案の抑止に向けては、手続きの不備等を早期に把握することや悪質な事業者への対応の強化はもとより、関係法 令等を事前に広く周知し、理解いただくことにより事業者自らが、必要な手続きを行い、適切な対応がなされるよう促すことが重要でございます。

 このため、道といたしましては、違法な開発・建築等に 関する通報窓口を設置し、早期に是正指導を行うといった 事案覚知後の対応に加え、開発行為に関連する法令等をわかりやすく整理し、ホームページで提供するなど、事業者 が手続きの進捗状況を確認できる未然防止の仕組みづくりを進め、庁内におきましても関係部局が連携し、情報共有を図りながら対応することで、今後の抑止につなげてまいります。

 

・今後の対応について 知事による本提案の実現に向けた同意をしていただける答弁を求めます。

<答弁>(知事)

 違法な開発行為に関する対応についてでありますが、 道では、必要な手続きを行わない事業者に対して、法令等に 基づき、厳正に対処するとの考えのもと、規制等の事前周知や違法事案への指導はもとより、悪質性の高い事案について、迅速かつ的確に対応を行えるよう庁内関係部局の連 携強化や制度運用の見直しに取り組んでまいりました。

 開発行為については、各段階で、多岐にわたる関係法令等の手続きが求められることから、事業者の方々と行政の双方が、関連する手続を把握しながら、事業を進めることが重要と考えており、私といたしましても、今後、事業者の方々が適正に開発行為が行えるような仕組みづくりに 向けて工夫を重ねるとともに、国に対して必要な提案を行うなど、違法な事案の抑止に取り組んでまいります。

 

<指摘>

只今、知事並びに総合政策部長からは、提案に対して実現に向けて答弁を頂いたと捉えております。ありがとうございました。 私は、この取組みは、決して安易なものではないと想定をしております。

むしろ取組み始めた矢先から、出来ない理由が「雨後の 筍」のように出てくるものと考えられます。

それこそが、これまでの開発行為等において「違法」に分類されてしまうような事態を生み出してしまう一因でもあると考えているのであります。

理由はともあれ、法令や条例・ガイドライン等を作り出 してきたのは、行政側の作為であります。 事業者側の多岐に渡る「申請や届け出」、「相談」等の 必要な行政への対応について、明快に「立て板に水」のようなガイダンス機能が求められているに違いありません。

昨今では、AIを活用した様々なシステムが開発されていることは皆さんもご承知のことと思われます。ここは、知恵を持ち寄る局面です。 国の力を借りながらでも決して諦めることなく取り組んでいただけるよう強く要請をしておきます。