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2025/12/5

令和7年 第四回定例会 一般質問 「ウポポイの誘客について」

過去に「アイヌの人たちを甘やかしているのは、国であり道であり…」とSNSで投稿し、炎上したことがあります。

その顛末は、「甘やかしている」を「過保護に」言い換えることで納めたものです。

 

今回の質問は、正に「そんなこと」を続けていたが故に起きてしまった惨状です(怒)

 

本来は、アイヌの人たちに自立を促すための一策として整った国立博物館ですが、どうやら裏で画策された何かが蠢いているのではないでしょうか…

今回の質問で、真の目的に沿った方向に整え直す必要がありそうです。

 

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三 ウポポイの誘客について

次に、ウポポイの誘客について伺います。

私は、ウポポイが開業される前から国によって掲げられた「年間100万人誘致」について、道の立場から、どのような手段によって実現していくかについて議会議論を重ねてきたところです。

しかし、その計画は、開業当初から主にコロナ禍の影響等によって甚大な影響を受けることとなり、これまで実現したことはないと承知をしています。

既に開設から5年以上が経過しましたので、その後の経緯を踏まえて質問をさせていただきます。

 

(一)入場者数について

まず、ウポポイの開業後の入場者数について伺っておきます。

ウポポイは、開業から5年以上が経過し、年度毎の入場者数について伺うとともに、修学旅行生や外国人などの属性や特徴についてどのような分析をしているのかを伺います。

 

<答弁>(アイヌ政策監)

ウポポイの誘客に関し、はじめに、ウポポイの入場

者数についてでございますが、開業初年の令和2年度は、コロナ禍で開業が遅れ、7月のオープンではありましたが、約22万人が来場し、令和3年度は約19万人、そして、コロナ禍後の令和4年度の約37万人をピークとして、それ以降は30万人台で推移しております。

また、教育旅行につきましては、入場者数と同様、令和4年度の約8万人をピークとして、その後は、全体の2割程度の約5万人から6万人台で推移しており、外国人につきましては、統計はとっておりませんが、参考値として、令和5年度では、約1万7千人となっております。

 

(二)宣伝広告費について

次に、その入場者数を実現させるために費やした費用について伺います。

年度毎に費やした費用の実績はどのようになっているのでしょうか。国と道と白老町のそれぞれの予算額を伺っておきます。

 

<答弁>(アイヌ政策監)

ウポポイの誘客についてでございますが、ウポポイの年間来場者目標100万人の達成に向けた誘客促進や、アイヌ文化のPR等につきましては、開業当初から、設置者である国はもとより、道や白老町におきましても、連携を図りながら様々な誘客プロモーションを実施してきており、その予算額は、令和3年度は、国が約20億円、道が約7千万円、白老町が約2千万円となっており、その後、国と道では、それぞれ予算額は縮小し、令和7年度では、国が約11億円、道が約3千万円、白老町が約4千万円となり、5年間の総額では、国は約62億6千万円、道は約2億5千万円、白老町は約1億3千万円となっております。

 

(三)誘客施策の実態について

次に、誘客施策の実態について伺います。

私が、開業前に行った質問でもポイントとしてきましたが、目標とする誘客数に基づくプロモーション展開が必要であり、100万人を目指す場合と、50万人や

30万人を目指す場合とでは、施策はもちろんのこと予算も変える必要があることに議論の余地はないのであります。

100万人を目指す為の手間や予算を費やしながら、30万人程度の実績なのであれば、そこには大きな責任が生じます。そこには大いなる「ムリとムラやムダ」が存在しているのです。呑気に放置していて良いはずがありません。

しかも、国が掲げた100万人という目標値に、道や白老町はコミットしているのです。それを承知で費用を費やしてきたことを恥じる必要があります。その費

用は税金なのであります。

道は、この5年間にとってきた施策が必要十分であったと捉えているのかについて伺います。

 

<答弁>(アイヌ政策監)

ウポポイへの誘客施策についてでございますが、ウポポイは、アイヌ文化の復興や発展の拠点でありますとともに、道内の観光や地域振興に幅広い効果が期待できる等、本道の発展に重要な役割を担うものと考えておりますことから、道ではこれまで、ウポポイを起点とし、道内のアイヌ関連施設や食・自然等の地域資源と連携した周遊コースを発信するなど、多くの皆様にご来訪いただけるよう、PRや誘客促進に取り組んでまいりました。

また、国におきましては、「ウポポイ誘客促進戦略」等に基づき、年間来場者数100万人に向け、施策を展開しているところでございますが、未だに、目標までは隔たりがある現状を踏まえまして、連携して取組を進めてきた道としては、来場者増加のため、新たな発想による対策が必要と考えております。

道といたしましては、今後とも、国や関係団体等と課題を共有し、それぞれの役割分担のもと、誘客促進の取組を実施することにより、アイヌ文化の振興はもとより、地域の活性化に努めてまいります。

 

(四)コンテンツ力について

次に、ウポポイが根本的に抱えるコンテンツ力の弱さについて伺います。

私は、先月、機会を得て福井県立恐竜博物館に伺うことができました。

世界三大恐竜博物館と称されるこの博物館は、2000年に開館、2023年にリニューアルオープンをしています。

ここは、ウポポイ同様に、決して交通の便に利した環境ではないものの、開館以来100万人程度の入場者数を誇り、新型コロナ禍においても100万人弱の実績を保っていたそうです。入場者数に対する修学旅行や外国人の比率は、10%程度とのことでした。

近年では、北陸新幹線の延伸開業や中部縦貫自動車道路の部分供用開始など人流拡大の好材料が整い、今後の入場者数拡大が期待されるとお聞きをしたところです。

実際に見学をさせていただくと、その迫力に圧倒されるばかりではなく、展示の方法や来館者の誘導、土産物の充実等と参考になるものばかりでありました。

さて、ウポポイはどうでしょう。開業以来、機会をみては立ち寄らせていただいていますが、「民族共生の象徴となる空間」を掲げることに異論はありません

が、その展示内容や博物館が持つ雰囲気は決して褒められたものではありません。そこには、作為を以て作られたものの限界が露呈してしまっています。

来訪者の感想などを見聞きしても、散々であることを真摯に受け止めなければなりません。

これら両博物館における「100万人」という切り口から俯瞰する時に、ウポポイ側には根本的な改革が必要であることに疑い様がないのではないでしょうか。

もちろん、「100万人」ありきの博物館である必要もありません。博物館の目的に合わせて、それなりの費用を投じた運営であるならば問題は無いのです。よって「100万人」向けの宣伝や管理費用が投じられる現実は、厳しいものでしかありません。

しかし、道としては、観光来客数の向上の一翼を担う多様なコンテンツの一つとして、白老町としても、まちの活性化の起爆剤として期待することでしょう。

この「大いなる矛盾」は開業当初から危ぶまれてきたことですし、いま以て変わらぬ施策がとられていることに問題を提起させていただくところです。

私は、国と十分な協議を重ねて、ウポポイについて大胆な再構築を提案しなければならないタイミングだと思っています。

知事は、この5年分の実績を踏まえた上で、これまでをどう捉えているのでしょうか。そして、これからをどう見込んでいるのでしょうか。また来年度以降の目標値にどのようなコミットをしようとしているのでしょうか。知事の見解を伺います。

 

<答弁>(知事)

ウポポイへの誘客についてでありますが、国では、「ウポポイ誘客促進戦略」に基づく誘客促進に加え、今年度は、無料開放デーの拡大や特別イベント実施といった集中的な誘客対策を講じるなど、更なる具体的な取組を進めております。

このような中、私としては、目標まで隔たりがある現状を踏まえ、実効性のある対策が必要と考えており、教育旅行のほか、来場者の方々のニーズや視点を誘客につなげる仕組づくりを、国に提案するとともに、魅力ある特別展の開催等、コンテンツの充実を要望してきたところでございます。

道としては、現在、冬期閑散期誘客対策も含めたウポポイの戦略的・効果的な誘客の取組について、関係省庁や自治体とともに、具体的な施策の検討を行っているところであり、来場者数の増加に向け、ウポポイをはじめアイヌ関連施設への誘客促進に取り組んでまいります。

 

(指摘)

ウポポイの誘客等について、指摘をいたします。

先ほど答弁して頂いた文脈からすると、相変わらず、過去に答弁して頂いた内容の延長でしかありません。

私なりに表現し直すと、道は、国にコミットしていながらも、目標未達を棚に上げ、予算は引き続き費やしながら「来場者数の増加」を探ろうとしている立場であるとして、責任を装っているに他なりません。

広告宣伝費だけでも5年で66.4億円を費やし、その結果に無関心でいる方が無理筋というものです。

私がこの質問で求めているのは、無理をして、更なる予算を投じて100万人の誘客を実現することなのではなく、ほぼ予算を投じることなく、博物館の本来の目的を表す施設として朽ちていくのを見守るのか、はたまたコンテンツ力の強化を図り、投じる予算に見合う誘客を実現させて、文化の振興や北海道観光の力強いコンテンツの一つとして活用していくのか、いずれかなのであります。

「100万人」は国が掲げた目標です。道は、それを都合よく追及をかわす材料に使ってはいけません。国が掲げたならば、北海道が責任をもって国に提案する必要があるのです。それが受益者たる北海道と白老町の責任だと考えます。

聞き及ぶところによると、国も現状を良しとはしてはおらず、早晩、何らかの改革に着手されることになるでしょう。北海道として、国に対して責任ある提案をされることを強く要請をしておきます。