
この質問は、9月18日に本議場で一般質問した質問答弁の全文です。
今回の質問については、近日トピックスや解説入りのものを広報紙等でお配りする予定です。
北の元気玉にとりましても、三期目の集大成の質問となります。
よろしくお願いいたします。
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一 人口減少を直視した北海道の再設計について
今回の質問では、人口減少を直視した北海道の再設計について伺います。私は、2019年の第4回定例会で、人口ビジョンが掲げた2040年の人口見通しと、より厳しい推計との差異が、道政の諸計画に及ぼす影響を問いました。
道は、国の推計も計画策定の基礎資料としているため影響はないとしつつも、人口動向を注視しながら策定すると答弁されました。
また、2024年の第3回定例会では、人口ビジョンの改訂を通じて、人口の将来展望や地域への影響を道民に分かりやすく示し、実効性のある総合戦略を策定すると答弁されています。
しかし、2025年に行われた国勢調査では、北海道の人口は約499万人となり、70年ぶりに500万人を下回りました。結果が示すとおり、子育て政策や女性が働きやすい環境づくりの施策を重ねても、もはや人口減少そのものを止めることは容易ではありません。そこには、50年以上続いてきた人口減少という現実を前提に北海道を経営していく覚悟が求められていると考えます。
今こそ、従来の施策を並べるだけでは足りません。人口減少を前提として北海道の経営資源をどう配分するのか、行政サービスをどう維持するのか、そして、これからの地域の姿をどう描くのか、北海道そのものをどのように再設計していくのか。知事の覚悟と実行方針を伺っていきたいと思います。

(一)過去答弁と現行戦略の検証について
最初に、過去答弁と現行戦略の検証について伺います。道は、2019年の人口ビジョンにおいて、2040年の北海道の人口を450万人から460万人程度と展望しました。しかしその前提が、すでに現実と大きく乖離していることが明らかになっています。人口減少は突然起きた出来事ではありません。40年以上前から予測され、その対応の必要性が指摘され続けてきたのです。国も地方も、さまざまな政策を講じてきました。それでも、2025年国勢調査では、北海道の人口は約499万人となり、70年ぶりに500万人を下回りました。
この現実は重く受け止めなければなりません。私はこれまでも「目の前の痛みを避けて、必要な改革を先送りしてきた結果が、今日の姿ではないか」と申し上げてまいりました。
人口減少を止めることだけを前提とした議論は、もはや現実的ではないのです。今、問われているのは、この現実を直視し、人口減少を前提とした北海道の姿をどのように描き直すのかということになります。そこで伺います。
1 これまでの取組について
知事は、2019年に「人口動向を注視しながら戦略を推進する」と答弁され、24年には「人口ビジョンを改訂し、実効性のある戦略を策定する」と答弁されました。これらの答弁を踏まえ、今日までの取組をどのように評価し、どのような成果と課題があったと総括しているのか、知事に伺います。
(知 事)
人口減少への対応についてでありますが、道では、これまで、累次にわたり総合戦略を策定し、安心してこどもを産み育てられる環境の整備や、移住定住の促進など様々な取組を進めてきたところでありますが、昨年の国勢調査では、総人口が500万人を下回り、長期的な出生率の低下や、若者や女性の方々の転出超過が続いていることから、今後も長期的に減少が継続することが見込まれており、地域の皆様の暮らしや経済は、なお多くの課題に直面しているものと認識しています。
私としては、人口減少対策は、こうした厳しい現状を直視し、長期的な展望に立った息の長い取組が必要と考えており、引き続き、社会経済情勢の変化に的確に対応するとともに、国や市町村、関係団体の皆様との連携を一層強化しながら、自然減対策、社会減対策の両面で粘り強く取り組んでまいります。
2 総合戦略の狙いについて
第3期北海道創生総合戦略改訂版は、従来の戦略と比較して、人口減少が想定した以上に進んでいるという厳しい現実をどのように受け止め、何を見直し、何を新たに実行しようとしているのでしょうか。道の見解を伺います。
(総合政策部長兼地域振興監)
創生総合戦略についてでございますが、道では、第3期北海道創生総合戦略の策定にあたり、今後も長期的に人口減少が見込まれる中、人口減少のスピードを「緩和」する観点に加え、今後も人口が減少することを前提とし、そうした社会に「適応」する観点を設定し、取組の推進を図る旨を加えたところでございます。
また、総合戦略の施策の柱に「若者や女性にも選ばれる地域づくり」や、「自治体間の広域連携の促進」を掲げるとともに、GXとAI-DX関連政策の一体的展開により、暮らしや経済の発展をめざす新たな重点戦略プロジェクトを位置付けたところでございます。

3 政策展開の考え方について
私は、道が想定を上回る人口減少に直面した以上、従来の政策や施策を前提としたままでは、行政運営に無理や無駄が生じることは避けられないと考えております。
さらに言えばその発想自体が、過去の成功体験や制度、あるいは様々なしがらみに無意識のうちに縛られてしまっているのではないでしょうか。人口が増え続ける時代と、人口減少を前提とする時代とでは、政策も行政運営も、さらには議会における議論のあり方も、本来大きく変わらなければなりません。
例えば、30年後の道庁や議会には、知事を含め現在の幹部職員や議員は誰一人として残っていないと考えるのが妥当です。だからこそ、今を担う私たちには、未来世代のためにこれまでの延長線上にはない北海道を設計する責任があるのです。そのためには、知事の大きく重い決断が必要です。
このような問題意識についてどのように受け止めるのか、知事の見解を伺います。
(知 事)
人口減少下における政策のあり方についてでありますが、全国を上回るスピードで人口減少が進行する本道において、将来世代に責任を持って北海道を引き継いでいくため、豊かなポテンシャルを活かした成長と持続可能な地域づくりを進めることが重要であり、これまでの制度や仕組みを課題に応じて不断に見直し、新たな発想を取り入れていくことが不可欠と認識しています。
このため、道としては、将来の北海道の姿を見据え、本道の成長につながる未来への投資を加速させるとともに、地域における多様なニーズに応じた持続的な行政サービスの確保など、変化する時代を十分に踏まえた政策展開を進めてまいります。
(二)人口の「目標」と人口減少社会への「適応」の整理について
次に、人口の「目標」と人口減少社会への「適応」の整理について伺います。道は第3期北海道創生総合戦略において、「緩和」と「適応」の二つを柱に掲げています。
私は、この考え方自体は現実を踏まえたものとして理解しています。合計特殊出生率の向上や子育て政策、女性が働きやすい環境づくりなど、人口減少のスピードを少しでも緩やかにする取組はこれからも粘り強く続けていかなければなりません。
しかし一方で、今後数十年にわたる人口減少と年齢構成の変化は、もはや避けることができない現実です。だからこそ「緩和」と同じ重みで、「適応」の議論を深めなければならないと考えています。人口減少社会に「適応」するとは、人口減少を受け入れることではありません。人口構造の変化を正面から受け止め、その中でも地域社会を持続させ、道民の暮らしを守るために、行政の仕組みや政策を組み替えていくことだと私は考えています。
その観点から、以下数点伺います。

1 人口の将来見通しについて
子育て政策や女性が働きやすい環境づくりなどは、将来に向けて着実に継続すべき政策であり、この点について異論はありません。
一方で、総人口だけではなく、年少人口、生産年齢人口、高齢者人口の構成も、今後大きく変化していきます。道は、それぞれの人口について、いつ頃までに、どの程度の水準を、政策運営上の目標、あるいは目安としているのでしょうか。道の見解を伺います。
加えて、今後の議論の継続を担保するために、2025年を境とした過去と未来の双方30年分について、三つの人口区分の実績と政策目標を10年刻みで示してください。
(総合政策部長兼地域振興監)
人口の将来見通しなどについてでありますが、道では、令和7年3月、北海道人口ビジョンの改訂の際、本道の人口減少の現状を直視し、強い危機感を持って対策を進めていくため、出生率の上昇などは見込まず、国の機関である社人研の推計に準拠し、人口の将来推計を行ったところでございます。
この推計は、政策目標として設定したものではなく、政策立案の基礎として活用しているものであり、年齢三区分の人口につきましては、年少人口は、1995年の約90万人に対し2055年には約29万人に減少し、同じく生産年齢人口は、約394万人から約174万人に減少、また、高齢者人口は、約84万人から約154万人に増加すると推計しております。
(指摘)
示された推計によりますと、95年と2055年を比較した場合、年少人口は32%へ、生産年齢人口は44%へ、高齢者人口は183%へと推移します。合計では62%まで減ることとなります。この数字が示す将来像は決して明るいものではありません。特に、未来を作る年少人口の激減は、北海道の将来に大きな影響を残すこととなります。
しかし、人口減少を「悪」とはせず、道が答弁したように「適応」できるとするならば、そこにはこれまでと異なる新たな価値観や、それぞれの世代・各層の役割が必要になるに違いありません。特に、教育に期待される役割は並々ならぬ大きなものになると考えます。それを今から探り出し、広く共有していかなければなりません。
知事や道が北海道の優位性を唱えるのであれば、30年後の北海道がどのような姿になっているのかを、道民一人ひとりと共有し、その実現に向けて努力をしなければならないのです。
だからこそ、今を託された知事と道庁、そして議員一人ひとりに課された責任は、大きく重いものだと表しています。私に言わせれば、人口減少に適応するために必要とされる政策運営上の目標、あるいは目安を設定することからすべてが始まります。まずは、その検討から始めていただくことを提言します。
2 人口政策上の「ボトム」について
私は、人口には政策上の「ボトム」、すなわち持続可能な地域社会を維持するために最低限必要な水準を設定するという考え方も必要ではないかと考えています。もちろん、未来の人口を正確に予測することはできません。
しかし、行政として一定の目標を持たなければ、必要な政策や財政運営を組み立てることは困難になります。その意味で、政策的な人口目標を設定し、それに向けて施策を積み重ねていく考えはあるのか、道の見解を伺います。
(総合政策部長兼地域振興監)
人口維持の水準についてでございますが、道では、令和2年3月策定の「北海道人口ビジョン」において、合計特殊出生率の上昇や、社会増減数の均衡などを見込み、2040年に450万人から460万人の人口を維持することを、人口の将来展望としてお示ししてきたところでございます。
昨年3月に改訂した人口ビジョンでは、2050年には本道人口が382万人まで減少するという将来推計を行っており、こうした厳しい見通しを踏まえ、道といたしましては、人口減少社会に適応するための取組を進めるとともに、人口減少のスピードを少しでも緩和できるよう取り組んでまいります。
なお、今後の人口の将来推計につきましては、変化する時代に適切に対応した推計となるよう、引き続き、社人研推計も含め、人口動態等を踏まえて検討を進めてまいります。
(指摘)
道は人口推計について、国の推計に準拠していることを理由とし、その妥当性を説明します。
しかし現実には、その推計を超える減少スピードに対応できていないのであります。確かに「ボトム」を設定することは、国や市町村から反発を受けることにつながるのかもしれません。
では、その反発を避けることと未来の北海道に必要な手立てを講じることと、どちらが優先させるべきなのか、論じるまでもないと考えます。道自身による検討が難しいのであれば、外部に委託してもよいでしょう。国が社人研に委託しているようにであります。
現実を厳しく直視し、今を生きる私たちに多少の苦労があったとしても必要な手立てを打つことは、未来の北海道にとって代えがたいものになるに違いありません。目標や目安を設定すると今すぐ言い切ることが難しいのであれば、まずは検討する、少なくとも検討すること自体が悪手になるとは思いません。
そして私は、総合戦略と双璧となる計画の策定を提言しておきます。
3 「適応」の考え方について
私は、現在の政策は人口減少の現実をなお楽観的に捉えているのではないかと感じています。人口構造が変われば、必要となる行政サービスも当然変わります。
人口構造の変化を前提として、雇用、交通、医療、介護、教育、防災、そして行政組織そのものまで、人口減少を前提として再設計していかなければなりません。
道は、「人口減少に適応する」ということをどのように定義しているのでしょうか。また、それぞれの分野についてどのような考え方で政策を組み替えていこうとしているのか、伺います。

(総合政策部長兼地域振興監)
人口減少社会への適応についてでございますが、道では、長期的な人口減少を前提とし、デジタル技術や多様な連携手法を活用することなどにより、暮らし、産業、地域などが持続可能となるよう不断に見直すことが人口減少社会への「適応」と捉えています。
こうした考え方のもと、例えば、医療分野におきましては、人口構造やニーズが変化し、医療資源が限られる中においても、地域に必要な医療を確保するための検討を進めており、道といたしましては、人口減少問題対策本部におきまして、各部の連携を一層密にし、様々な施策に「適応」の観点を取り入れながら、人口減少対策を部局横断的に進めてまいります。
4 道民との共有について
「緩和」と「適応」を掲げるだけでは、道民にとって将来像は見えてきません。重要なのはそれぞれについて、いつまでに、何を目指し、どのような状態を実現しようとしているのかを道民に分かりやすく示すことではないでしょうか。
人口減少時代の北海道の姿について、具体的な工程や目標を道民と共有していく考えがあるのか、知事の見解を伺います。
(知 事)
将来像の道民の皆様との共有についてでありますが、道では、総合戦略に掲げる施策の推進に当たり、「基本認識の共有と全員参加」として、2050年には人口が現在より約130万人減少する現実を直視し、危機感をもって人口減少問題に対応する必要性などを道民の皆様が共有するとともに、産官学金労言の連携・協働によるオール北海道で推進し、「一人ひとりが豊かで安心して住み続けられる地域を創る」ことをめざすこととしています。
私としては、人口減少の現状や戦略のめざす姿などについて、より道民の皆様に理解いただけるような手法を工夫し、道民の皆様とともに、人口減少社会に適応した持続可能な地域づくりに向けて取り組んでまいります。
(三)179市町村と行政サービスの持続可能性について
次に、179市町村と行政サービスの持続可能性について伺います。
広大な北海道における急速な人口減少は、単なる人口規模の変化にとどまりません。自治体のあり方そのものにも影響を及ぼしています。また、すべての地域でこれまでと同じ行政サービスを維持することは、人口・担い手・財源の面から困難となる局面が想定されています。
これは一部の自治体だけの問題ではありません。179市町村すべてが向き合わなければならない共通の課題です。それは先送りすればするほど、地域住民と行政にとっても大きな負担を伴うことになると考えます。
だからこそ今、将来を見据えた地域の姿を議論し始める必要があると考えます。そこで伺います。
1 市町村の機能について
道は市町村の人口規模や人口減少率、地理的条件などを踏まえながら、「地域で維持すべき機能」と「広域連携や集約化・あるいはデジタル技術を活用して支える機能」とをどのような考え方で整理しようとしているのでしょうか、その判断基準について伺います。
(総合政策部長兼地域振興監)
市町村の行政体制についてでございますが、人口減少が進む中、市町村においては職員数の確保が困難となっている一方、行政需要の多様化・複雑化により事務が増大しており、持続的な行政サービスの維持・確保が課題になっております。
このため、道では今年度実施したアンケートで、積極的に業務負担の軽減・効率化を進めたいと回答いただいた団体を中心に50市町村から個別にヒアリングを行い、共通する課題を整理した上で、共同調達や共同アウトソーシング等による事務の効率化や省人化などについて、検討を進めているところでございます。
広域分散型で多様な地域特性を有する本道におきましては、地域課題も様々であることから、市町村はもとより、企業・団体等の方々との意見交換を重ねる中で、地域の多様なニーズを踏まえた適切な役割分担と連携により、持続可能な行政サービスの提供が可能となるよう取り組んでまいります。
2 市町村の将来像について
人口減少が進む中では、市町村に対して広域連携を促すだけでは十分ではありません。
北海道全体として「将来どのような地域構造を目指すのか」という将来像を道が主体的に示し、その実現に向けた支援策を合わせて示していくことが必要ではないでしょうか、知事の見解を伺います。
(知 事)
地域の取組への支援についてでありますが、本道の持続的発展のためには、地域にこそ存在しているエネルギーや食といったポテンシャルを顕在化し、北海道の成長につなげる必要があり、こうした強みを支える市町村の行政機能の確保が重要です。
また、広域分散型で多様な地域特性を有する本道においては、地域課題も様々であることから、道では、市町村の課題などを丁寧にお聞きしながら、業務の合理化や、多様な主体との連携・協働が図られるよう、取組を進めています。
道としては、隣り合う市町村間の従来の連携に加え、遠隔地であっても同じ課題を持つ市町村をデジタル技術の活用により結びつける取組など、新たなモデルの創出と、より多くの地域への展開を目指し、持続可能な行政サービスが可能となるよう取り組んでまいります。
3 市町村の行政サービスのあり方について
私は、市町村合併そのものを目的とすべきだとは考えていません。また、制度としては国全体の動向と歩調を合わせる必要があることも理解しています。
しかし一方で、北海道は全国より10年早い速度で人口減少と高齢化が進み、広大な面積に179市町村を抱えるという全国にはない地域特性があります。
さらに、札幌への人口集中が今後も一定程度続くことを考えれば、行政サービスのあり方についても全国より一歩早く検討を始める必要があるのではないでしょうか。
その検討には、地域にとって厳しい判断を伴う場面もあるのかもしれません。しかしそれは、地域同士が条件を競い合う議論ではないのです。50年後、子どもたちに持続可能で元気な北海道をつなぐためにそれぞれの地域が将来の姿を描き、その実現に向けて準備を進める前向きな取組であると私は考えます。
そのためには、知事をはじめとする道庁、市町村、そして議会がそれぞれの責任を果たしていかなければなりません。このような考え方についてどのように受け止めるのか、知事の見解を伺います。
(知 事)
市町村支援の取組についてでありますが、本道では全国を上回るスピードで人口減少が進行しており、今後、市町村の行財政運営の確保が一層困難になることが懸念されることから、必要な行政サービスを持続的に提供していくための取組を、将来を見据え市町村と危機感を共有しながら、計画的に進めていくことが重要であると認識しています。
このため、道では、プッシュ型で市町村を支援する体制を強化したところであり、積極的に市町村の声を伺いながら、地域の実情を踏まえ、市長会、町村会や経済団体の方々等、多様な主体と連携し、地域の価値を高めていくために必要な市町村の行財政体制の確保に向けた取組を迅速かつ着実に進めてまいります。

(四)政策資源の選択と集中、毎年度の見直しについて
次に、政策資源の選択と集中、毎年度の見直しについて伺います。
人口減少社会では、限られた人材、財源、行政能力をこれまでと同じように配分し続けることはできません。人口が増える時代に構築された事業や施設、組織をそのまま維持し続けることも現実的ではないのです。
だからこそ人口減少を前提として、何を守るのか、何を見直すのか、そしてどこへ重点的に資源を投入するのか、行政にはこれまで以上に明確な経営判断が求められていると考えています。その観点から伺います。
1 施策の見直しについて
道は第3期北海道創生総合戦略に基づく各種施策について、人口減少への対応という視点から、人口構造への効果、地域社会の維持への効果、財政負担などを毎年検証し、効果が限定的となった事業については見直しや再編を行う仕組みを構築する考えがないのか、道の見解を伺います。
(総合政策部長兼地域振興監)
総合戦略の推進についてでございますが、戦略の推進に当たりましては、長期的な展望を持ちながら、社会経済情勢の変化に応じて不断に施策の見直しを行うことが重要と考えてございます。
昨年度は人口減少の進行による市町村や地域の担い手不足といった課題に対応するため、市町村の広域連携の促進や、若者・女性に選ばれる地域づくりなどの観点から戦略の見直しを行ったところでございます。
今後も続く人口減少を踏まえ、施策の効果や課題をより的確に把握し、政策評価と連動させながら関連施策の見直しなどにつなげることにより、戦略の一層効果的な推進に努めてまいります。
(指摘)
答弁では毎年度、人口減少対策の観点から評価を行っているということでありました。しかし私が伺っているのは、評価を行うことだけではありません。その評価を踏まえ、効果が限定的な事業を見直し、再編する仕組みを構築する考えがあるのかを伺いました。
目標や目安を設定することなく、何を基準としてその到達度を評価するというのでしょうか。人口が増加していた時代の物差しを、そのまま人口減少局面に当てはめても適切な評価にはならないのではないでしょうか。
改めて、見直しや再編の仕組みを早期に構築することを強く求めておきます。
2 政策の重点化について
今後は、GX、DX、食や観光など、北海道の成長を支える分野への投資と、医療、福祉、交通など道民生活を支える基礎的サービスの維持との両立が一層重要になります。人口減少社会において、すべてを同じように充実させることは困難です。
その中で道は、どの分野を北海道の将来への投資として重点化し、どの分野を暮らしの基盤として最優先で守っていくのか、道の基本的な考え方を伺います。
(総合政策部長兼地域振興監)
政策の重点化についてでございますが、本道は、AI・半導体、洋上風力、宇宙、食など、我が国の安全保障や成長戦略において重要な役割を担っております。
道としては、道民の皆様の命と暮らしを守ることを最優先としながら本道の担う役割やポテンシャルを最大限に生かし、その重要性がより一層高まるよう成長につながる分野への投資を促進するなど、将来の発展につながる取組を重点的に進めるとともに、地域の実情に応じ、人口減少社会に適応するための施策を市町村や関係者の皆様と協働して進める考えでございます。
3 将来像の共有について
私は、人口減少時代の北海道に必要なのは、将来人口の数字だけではなく「人口が減っても、元気で、持続可能で、選ばれる北海道」の具体的な姿を示すことだと考えています。人口減少そのものは決して避けられません。しかしその先に、どのような北海道を目指すのか、それが明確でなければ道民は将来への希望を持つことができません。
知事は、今後40、50年を見据えた北海道の将来像を、いつ、どのような形で道民と共有し、その実現に向けてどのように政策を展開していこうと考えているのか、知事の見解を伺います。
(知 事)
将来を見据えた政策の展開についてでありますが、本道は、我が国のエネルギーや経済、食料の安全保障に貢献し、成長をけん引する重要な役割を果たしており、また、AI・半導体、洋上風力、宇宙など、地域未来戦略を推進する上でも重要な位置づけがなされている一方、地域においては、人口減少に伴い、生活インフラや行政サービスの維持・確保といった様々な課題に直面しています。
こうした中、私としては、将来を見据え、本道が有するポテンシャルや優位性を活かし、東京一極集中に対する経済圏の核として、人口減少社会にあっても道民の皆様が住み続けたいと思い、多くの方々を惹きつけ、選ばれる本道の将来像を示し、市町村や関係団体の方々、道民の皆様と共有してまいります。
(指摘)
目指す姿の共有について再質問するつもりでしたが、指摘をさせていただきます。
この問いでは、分かりやすく、目指す姿を「いつ」、「どのような形で」道民と共有するのかを伺いました。私はこれまで十分に共有できていないことを指摘した上で、これから取り組まなければならないと提案したのです。
また、その手法についても十分に検討する必要があると申し上げています。この場で具体的に答弁することが難しいということであれば、少なくともこれから取り組んでいくという意思を早期に示していただくよう指摘します。
4 覚悟と決意について
最後に知事に一つだけ伺います。それは、人口減少は「悪」なのかということです。
1972年、昭和47年2月に開催された札幌オリンピックを契機として、稀に見る急成長を遂げた札幌を中心とする北海道は、戦後の先人たちのたゆまぬ労苦と努力の結果として、人口も経済も拡大を続けてきました。
それから54年。極端な人口減少と高齢化の局面を迎え、人口も経済も拡大を前提とした時代は終わりを迎えたのです。この流れを変えることはもはや容易ではありません。
だからこそ、私は改めて問いたいのであります。人口が減ること自体を、失敗と考えるべきなのでしょうか。人口が減るということは、単に人の数が減るだけではありません。消費力や生産力、地域経済の活力が損なわれ、北海道の元気そのものが失われることにつながると考えます。
しかし一方で、人口が減るという事実だけで北海道の価値が失われるわけではありません。本当に問われているのは、人口が減る中で私たちは何を守るのか、何を変えるのか、そして、子どもたちにどのような北海道を引き継ごうとしているのか、そのことではないでしょうか。
知事の言葉を借りるならば、「若者や女性に選ばれる地域づくり」、「一人ひとりが豊かで安心して住み続けられる地域づくり」ということなのだと思います。その方向性には私も共感します。
だからこそ、人口減少を単に「緩和」し「適応」する対象として捉えるだけではなく、人口が減少する時代においても、明るく、元気で、安心して暮らし続けられる北海道をどのように創り上げるのか、その道筋を道民に示していただきたいのです。示さなければいけないのです。
これからの北海道経営には、時に痛みを伴う決断も必要になるでしょう。すべてを守ることはできません。だからこそ守るべきものは守る、変えるべきものは勇気をもって変える、そして限られた経営資源を未来への投資へ振り向ける、その政治判断が今、求められています。
私は北海道の人口が減ること自体を失敗とは考えません。人口が減っても子どもたちが希望を持ち、地域が元気で安心して暮らし続けることのできる北海道を実現すること、それこそがこれからの北海道経営の「成功」なのではないでしょうか。
政策的に設定する「人口のボトム」に的を合わせ、最適解を議論し、広く道民に示すことは決して生易しいことではありません。時には批判や叱責も受けることもあるでしょう。しかしそれでも、未来の北海道のために必要な議論から逃げてはならないと考えています。北海道の行政や社会の仕組みを人口規模に応じて再設計することは、もはや避けることのできない課題です。
人口減少を「悪」と捉えず、時に痛みを伴う決断をしながら、それでもなお元気な北海道の姿を示し続ける、その覚悟が必要です。
そこで最後に伺います。人口減少を単に「緩和」し「適応」する対象として捉えるだけではなく、人口が減少する時代においても、子どもたちに何を残し、どのような北海道を引き継いでいくのか、そのために何を守り、何を変え、どこへ経営資源を重点的に配分していくのかが今、問われています。
そして、人口が減ったとしても豊かさと安心を維持できる北海道を実現することこそ、これからの北海道の経営の「成功」であるとの認識に立つのか、最後は知事ご自身の言葉で明確な覚悟と決意を発信してください。

(知 事)
政策の重点化についてでございますが、本道は、AI・半導体、洋上風力、宇宙、食など、我が国の安全保障や成長戦略において重要な役割を担っております。
道としては、道民の皆様の命と暮らしを守ることを最優先としながら、本道の担う役割やポテンシャルを最大限に生かし、その重要性がより一層高まるよう成長につながる分野への投資を促進するなど、将来の発展につながる取組を重点的に進めるとともに、地域の実情に応じ、人口減少社会に適応するための施策を市町村や関係者の皆様と協働して進める考えでございます。
(指摘)
今回の質問を通して私が知事に再認識していただきたいのは、今を生きる道民と未来の道民が、北海道に寄せている期待であります。知事と道はその期待に応え続けなければなりません。
では道民は、北海道に何を期待しているのでしょうか。私は知事と道が、今と未来の道民一人ひとりに対して、将来に向けて夢を描ける北海道、わくわくできる北海道、稼げる北海道、そして将来に期待できる北海道、そうした姿をわかりやすく示すことが必要だと考えているのです。
それは、これから北海道に仕事や移住、観光で訪れていただく方々に対しても同様です。今を生きる道民も未来の道民も、知事と道が示す未来の北海道の姿に憧れを抱くことができる、私はそれこそが必要なのだと考えています。
確かに、子育てしやすく、女性が働きやすく、安心で安全な北海道は必要です。しかしそれだけではありません。もっと大局に立って未来を見通し「今、汗を流すことに意味がある」、「今、歯を食いしばって努力することが、期待する未来につながる」、そう信じることができるからこそ、道民は「試される大地」に、そして「その先の、道へ」と標榜する北海道に期待を寄せていただくことができるのではないでしょうか。
道民は、人口が驚くほど減っていく北海道の未来に漠然とした不安を感じているのではないでしょうか。だからこそその不安を上回る、北海道が目指す未来の姿を示していただきたい。その未来を信じることができるからこそ、道民一人ひとりは踏ん張ることができるのではないでしょうか。
知事と道には、期待される北海道を率いる立場として、こうした道民の期待を裏切ることなく応えつづけていただきたいと心の底から願っています。
今回のテーマについては、今後も取り上げていきたいと考えております。引き続き、知事と道による前のめりの議論に期待して私の質問を終わります。