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2015/06/18

奨学金問題に一言 ~ 北海道新聞の記事より

我が家には、三人の愛娘が居ります。

四月と五月生まれの彼女たちですから、上から23歳(大学四年)21歳(大学二年)18歳(高校三年)です。

今から六年前の夏に家族会議が開かれ、親の責任による教育については高校卒業までとすることを彼女たちに伝えることとなりました。

これについては其々のご家庭によってお考えがあることとは思われますが、我が家においてはそうせざるを得ない事情により、彼女たちには苦労を掛けることになりました(^^;)
よって大学進学については、自分の意志で進学を望むならば、入学金・授業料・生活費の全てを自己調達し、存分に苦学生を恥じることなく選択せざるを得ないことになるのです。

上の二人の娘は貸与型奨学金をフルに活用させていただき、バイトに明け暮れる日々の中で、其々の夢に向けて勉学に勤しみ、親元を離れて社会経験を積んでいると思われます(^.^)/~~~

下の娘は、当時まだ高校一年生であったこともあり、札幌市や高校が設けて下さる給付型奨学金を活用しながら、高校生活を楽しんでいる様子です。

しかし大学進学を目指し進路を決めなければいけないこの夏にあっては、当然のように貸与型給付金の申請を準備させていただいております。

これらの貸与型奨学金は無論返還義務のあるものであり、自らの夢の実現のためにお借りした資金である以上は、卒業し社会人となったのなら自己責任の中で返済を続けていくことは当然の義務なのだと考えています。

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これは六月十七日北海道新聞夕刊に掲載されていた記事です。

「返還義務のない奨学金を」~卒業後に請求訴訟続々~

要約すると、雇用情勢の厳しさから奨学金が返せない人が増えていて、「給付型奨学金」の創設を求める声が高まっているとの内容です。

大学進学者の53%が利用していて、そのうち91%が「貸与型奨学金」なのだそうです。

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普段から高校卒業までは、家庭事情によっては何らかのサポートが必要だと考えている私ではありますが、大学進学については一言意見申し上げさせていただきたく思う次第です。

そもそも大学進学とは、誰にしもに与えられている権利ではありません。正確にいうと、高校進学も同じなのであります。

自ら志高く「知る意欲」を追求する為に、幾多の困難に打ち克ちながら存分に研究に没頭する為に必要とされる学び舎なのであります。

決して行き場のない若者の修身の場ではありませんし、無意欲の国民を増産するための遊園地でもありません。

自らの意志の下と、自らの責任で、先人の「知」に触れることで、日本の、未来への道を拓かんとする可能性豊かな人財を育成する機関なのです。

「皆が行くから、私も・・・」的なノリで進学を志す若者や、「就職のために大学くらいは・・・」的な思い込みで進学を促す親のエゴで、大学進学を目指されるのは甚だ迷惑なのだと考えています。

高校卒業時で、十二分に「大人」として見做される昨今です。

タイミングよく来夏参院選からは、18歳以上に選挙権が与えられる法案が通過したと報道もありました。そう遠くないうちに少年法など関連法制も整えられていくこととなるでしょう。

「大人」としての責任、特にここで話題としている「自己責任」で大学進学を希望され、その資金として「貸与型奨学金」を活用されるところまでは口を挟むことではありませんが、「貧困の連鎖を断つ」として「給付型奨学金」の創設を安易に助長することは間違いなのだと考えます。

創設を唱える方々は、その理由として「貧困の連鎖を断つ」と銘打ち「借金しなければ教育を受けられない社会はおかしい」とされますが、社会人であるのならば「自己責任」で進学を志す以上、背負わなくてはいけない「責任」を軽んじること自体は理論破綻でしかありません。

よって、奨学金の在り方について誤解を恐れず明言するならば、万人に学問を奨励するためのものなのではなく、より高みを目指す明確な意志のある「自己責任」の果たせる可能性豊かな人財に投資するものであるべきなのだと考えています。

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さらに、申し添えたい事実があります。
この記事の中には事実混同があると考えています。

①「給付型奨学金」が「貧困の連鎖を断つ」とされていますが、大学進学にかかる総費用に対して余りに少額なそれは「焼け石に水」であることも書き添えなければなりません。

②「貸与型奨学金」を受けた方が、返済を滞り返済を求める訴訟を起こされたと記事に書いてあります。貸与した側にも事情があることを知らなくてはいけません。そもそも返済を滞る債務者にいつまでも猶予を与えること自体が問題なのであり、貸与された側を擁護するタッチの記載は偏向報道を否めません。

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最後に・・・、

私たち国民は、いま直面している危機に一丸となって取り組む必要に迫られています。

それは外交上や人口減少など国家の根幹を揺るがしかねない問題です。

戦後70年、自由主義や個人主義が過剰に跋扈する現代において、憲法の下で守られなければならないことがあることも十二分に承知しているつもりです。

しかし、その中にも優先順位があること、収入なくして支出は成し得ないのだということを、そろそろ理解していただかなければならない「その時」が到来していることを知って頂きたいと思うこの頃です。

北の元気玉 道見やすのり拝