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2015/08/4

「生物多様性保全計画」について報告質疑させていただきました。

本日午後1時過ぎより環境生活委員会が開催されました。
その中で「北海道生物多様性保全計画」(見直し案)に関する報告聴取がなされ、質疑させていただきましたので、その全文を公開させていただきます。
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「北海道生物多様性保全計画」の見直し案について報告があったところでありますが、生物多様性の保全と利用について質疑させていただきます。

北海道では、世界自然遺産に登録されている知床や、ラムサール条約に登録されている釧路湿原など豊かな自然環境に恵まれており、そこには多種多様な野生動植物が生息・生育しています。

この北海道の貴重な自然を適切に保全して、次の世代に継承していくことは、私たちに課せられた使命であるとも断言できます。

しかしながら私たちが生活していくためには経済活動が必要となり、すべての自然を原始のままに保全していくことは出来ないのが現実であります。

そのため、生物多様性を保全することは勿論でありますが、一方では適正に利用していくことも必要となり、その方向性を誤らぬような方針を立てて、バランスを保つことが重要だと考えています。

1,まずは、北海道生物多様性保全計画においては、その保全と利用についてどのような方針を掲げているのかを伺います。

2,自然環境や経済など地域には様々な特性が共生しています。生物多様性の保全と利用の目標を達成するには、このような地域の様々な状況に応じた、きめ細かい施策を展開していく必要があると考えています。生物多様性保全計画は、まさに、その道しるべとなるものでありますが、地域などの特性に応じた生物多様性の保全と利用について、どのように取り組んでいくこととしているのかを伺います。

3,生物多様性の保全や利用のあり方には、経済的な側面からの考慮など、様々な形態があることを無視することは出来ません。計画の基本方針や施策別の実施方針に基づいて施策を推進していくわけですが、たとえば、園芸種など様々な形で利用されている外来生物であったり、産業にも大きな影響を及ぼしているエゾシカやヒグマなど、具体的にはどのように取り組んでいくべきか、その判断が難しいケースも多く出てくると考えられます。このような、難しい判断が迫られるような個々のケースにどのように対応していくのかを伺います。

4,環境保全に関する技術は飛躍的に進歩を遂げてきていると伺っております。先日、NHKが「環境DNA」について報道されていたところでありますが、生物生息状況調査では、これまで実際に魚などを捕獲して調査しなければならなかったものが、川や海などからバケツ一杯の水を採取することで、その中に混じっているフンや体細胞などのDNAなどを調べることにより、はるかに効率的かつ正確に生物分布状況などが把握できるということであります。ついては道においても、道総研の環境科学研究センターや大学と連携し、このようなに先進技術を積極的に取り組んでいくべきだと思われます。道の見解を伺います。

5,生物多様性の保全に関する取り組みは、私たち道民が理解し、連携して推進していかなければなりません。住んでいる地域や自然環境、生活様式や経済の状況、文化の違いなどにより、生物多様性に関する認識も人によって異なってしまうと考えられます。生物多様性保全計画に基づいて、様々な機関や団体、道民の方々が連携しながら施策を推進していくためには、一定程度の共通認識が必要であり、計画に記載されている生物多様性の考え方や計画の趣旨、生物多様性をめぐる情勢、現状や課題など多くの道民が正しく理解していくことも重要だと考えます。道民の理解を深めていくためには、普及啓発など効果的に取り組んでいく必要があると考えますが、どのように対応していくのか伺います。

 

私たちの北海道における自然環境はかけがえのないものであり、北海道の宝であり、唯一無二の強みなのであると考えています。道民みんなが正しい認識を持って、生物多様性に取り組んでいくことは大変に重要なことであります。この度、見直すこととした計画に基づいて取組みが加速されていくことを期待しています。

 

今回は、総論について質問させていただいたところでありますが、明日8月5日には北海道環境審議会の自然環境部会が開催されて、生物多様性保全条例に基づく指定外来種の指定について諮問されることとなっていると聞いております。

今後、道では審議会からいただいた答申を基にして、指定案をまとめることになると思いますが、指定外来種の指定など、生物多様性の保全に関する各論については、今後さらに本委員会などで議論させていただくことを付け加えて質問を終えたいと思います。ありがとうございました。

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