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2015/10/1

【27年3定予特】品質確保法に関する道有施設の維持管理について

9月29日、第三回定例会の予算特別委員会で質問させていただきました。

ビルメンテナンス業界の出身である私にとって、問題意識の高い分野であったことから、皆様のご協力を仰ぎながら準備を進めた案件です。

以下、その質問と答弁です。

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品質確保法に関する道有施設の維持管理について

 

先の建設委員会で示された「公共工事の品質確保に関する北海道の取組方針」見直し素案について伺います。

本取組みは建設部所管とされていますが、維持管理業務が総務部等所管であることから、今回は総務部案件として質問させていただきます。

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平成17年4月に施行された「公共工事の品質確保の促進に関する法律」以下、品確法としますが、それが平成26年6月に改正・施工されたところであります。

道にあっては、平成19年8月に取組方針を策定していたところです。

この度、品確法が改正され、平成26年9月に改正基本方針が閣議決定されたことにより、道における取組方針を見直している最中であると伺っています。

改正における新たなポイントは、担い手の中長期的な育成・確保や国及び市町村等を相互に連携・協力するものとしています。

道が発注者として取り組むべき事項を明確にするとともに、中長期的な技術的能力の確保、多様な入札契約方式の導入活用、労働環境の改善、発注者間の連携強化など新たに明示されています。

また同法第三条第六項により、新たな公共建築物における維持管理(建築物等の点検・保守・運転・監視・衛生管理(清掃・害虫駆除など))という分野が加わったと判断できます。

このことにより、平成27年6月10日、厚生労働省健康局長名で「ビルメンテナンス業務に係る発注関係事務の運用に関するガイドライン」が示され、公共建築物においては、新たな建設のみならず、建設後の維持管理の重要性が増しているところとしています。

これを確実に推進・実行していくためには、ダンピング受注の排除、担い手の中長期的な育成・確保の促進を通じて健全な育成を図っていくことが不可欠と明示しています。要するに改正品確法では、新たに公共建築物における維持管理という分野が加わったと、ここからも判断できます。

先日、業界団体の方々からご意見を伺ったところ、公共建築物における維持管理、ここでは清掃業務について、本法律主旨の下で、予算に見合うように仕様書を見直すことにより、誰もが読んで同様に判断でき、積算できる業務の仕様、その建物の形状や使われ方などの特性を把握した仕様へと見直すことで、ダンピングの防止につながるばかりか、作業内容の組立てを工夫・適正化させることによって、道としてもコストダウンの効果が期待できる可能性があるとのことでした。

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まず・・・、

道における維持管理業務の件数と契約金額の合計はどのようになっているのでしょうか、伺います。

 

道有施設の維持管理という点では、総務部管轄のみならず、保健所、病院、校舎を含む教育施設、北海道警察等もこれに含まれることとなるのです。これは各部に周知徹底を図る必要があることばかりか、今後の維持管理について道としての共通仕様は基より、施設毎にも見直す必要があると考えますが、各部の連携方法を含めた見解を伺います

 

これらの仕様書を見直すお考えがないかについて伺います。また、今回のガイドラインで再び示されている歩切禁止についても指導徹底していただく必要があります。これらは来年の入札から見直しが必要になると考えますが、一度にすべてを実施することは無理であっても、数年かけて計画的に見直すことが可能ではないか、伺います。

 

道が発注する維持管理業務については、仕様内容に見合うものとして予定価格や予算の設定がなされるものでなければなりません。

 

これらの見直しにあっては、業界団体や受注経験者等の協力を仰ぎながら、清掃技術の向上を含めて、経験豊富な民間の知恵を十二分に取り入れた上で進めるべきだと考えます。ここは「民の力」に期待すべきと考えますが、見解を伺います。

 

改正品確法の大きな目的には、担い手の中長期的な育成・確保の、また高品質サービスの提供を可能とする為にも、適正な利潤を、業務を実施する者が確保できるようにとすることが含まれています。

更には既存設備の適切な運用による建築物の省エネ促進等建築物の維持管理に係る新たな取り組みについても注目されるところなのです。

清掃技術を含めその進歩は大きく、長期にわたる建築物の維持管理が、その時々に応じた内容で見直されることなく進むことの方が不自然であることは言うまでもありません。

仕様書の見直しを通じて、道としてもコストダウンを期待し、受注者とその成果を分け合うことができるならば、win-winの関係となることもできて、結果として本目的に資することにつながると確信しています。

 

そしてこれらの取組は、速やかに結果検証されるべきだと考えます。指定された業務を確実に実行できる資格者や技術者、また労働環境を整えた適切な事業者によって、適切な仕様書のもと、維持管理業務が遂行され、快適な公共建築物としてあることが必要です。コストダウンばかりが先行することも、行き過ぎた見直しによって衛生管理上過不足が発生することも避けなければなりません。また今回の道の取組みの成果は、市町村への波及につながるものと期待できます。

これは検証を実施していただけることを前提として指摘に留めておきます。

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もう一点、道に限らず、総合管理業務として「有人施設警備」を含んで、これらの業務が発注されていたことも多く見受けられ、官公庁入札物件においては、過度なダンピング受注が依然として続いている影響から、深刻な警備員不足に陥っているにも関わらず、施設警備員の求人賃金は依然低く抑えられていて、不良・不適格業者の排除が進まずに、適切な警備業務の遂行に支障をきたすことが懸念されていると考えられます。

このタイミングで改正品確法の適用業務に含めることはできなくても、近い将来にあっては「有人施設警備業務」についても検討いただけるように指摘しておきます。

 

今回、かなり積極的な答弁をいただけたと捉えています。

しかし、今回の質問は、質問と答弁を以て成果が確約されるものではありません。

道及び業界団体・民間事業者の皆さんの努力によって実体に即した業務、見直しの継続、全体及び単体計画の策定、そして何より適正な業務の実施により、本法主旨が完結するものであります。

今後、引き続き、総務部に限らず、道全体における公共建築物の維持管理、その工程に注目して参りたいと考えておりますので、何卒よろしくお願い致します。

 

以上で、私の質問を終わらせていただきます。

ありがとうございました。