
A,新エネルギー導入の加速化について
最初に、新エネルギー導入の加速化について伺います。
国は、2030年に向けた長期エネルギー需給見通し中で、エネルギーミックスについて再生可能エネルギーの比率を22~24%と位置付けています。いわば原子力発電と並び「主力電源化」するとしていて、省エネルギーと併せたさまざまな対策を打ち出してきています。
知事は、北海道が新エネルギーの宝庫であることを訴えてきていて、道も国策に呼応する流れで、道内における新エネルギー導入の加速化を掲げて、政策実現の為に取り組んできていることを承知しています。そこで、伺います。
① 民間活力の活性化について
広大な面積を有する私たちの北海道は、誰もが認める新エネルギー資源の宝庫であると言えます。
一概に新エネルギーと言っても様々ですが、地産地消モデルを確立させる小規模発熱電事業振興を拡大していくことが必要であり、まさに急務であると考えています。
自治体や農協や森林組合、地元企業等が力を合わせて新エネルギー導入の加速化を実現させることのできる環境を、言い換えれば、民間の力を最大限に活用した政策の実現が欠かせないのだと確信しています。
道は、この度、エネルギー地産地消スタートアップ支援事業委託業務について、事業者の審査を終え、契約締結の運びとなるとお聞きしています。新エネルギー導入の加速化へ向けて、何を期待し、その道程のどの位置付けで本事業に着手することとしたのか、見解を伺います。
<答弁>
地域における新エネルギーの導入についてでありますが
○ 新エネルギー導入を進めていくためには、先行する成功事例など参考とすべき情報や、
導入する設備、システムといった分野の専門人材が必要と認識。
〇 このため、道では、エネルギー関連の知見を有するコーディネーターを
道内各地に派遣し、資源に恵まれながら新エネ導入開始に至っていない市町村に
アドバイスを行うなど、事業の掘り起こしを行うとともに、新エネ導入に取り組もうとする
市町村等に対し、導入に関する計画の策定や、事業の推進に向けて、
総合的な助言を行うこととしている。
○ 道としては、これらを通じて、身近に賦存する新エネルギーを効果的に活用する
市町村や地域の事業者による取組が、道内各地で進むよう促してまいる考え。
② 民間活力を阻害している要因について
次に、民間活力を阻害している要因について伺います。
論ずるまでもなく、新エネルギー事業に系統制約や接続拒否を原因として着手できない自治体を含めた事業者が全道一円で続出しており、後に述べることになる電力システム改革の「発送電分離」等に向けて、その課題は明確になってきています。新エネルギー導入の加速化に向けての道の役割がそこにあると明言することができます。
道は、それらの要因をどのように捉えて、どんな対策をとってきたのか、また取っていこうとしているのか、見解を伺います。
<答弁>
電力系統への接続についてでありますが
○ 道内に豊富に賦存する新エネルギーの導入を拡大していく上で、
新エネルギーの供給の変動性に対応する調整力となる電力系統の規模が
小さいことや道内の風力発電等の適地と需要地を結ぶ地域間の送電網が
脆弱であることなどが課題と認識。
○ このため、道では、蓄電技術に関し、大型蓄電池実証事業の誘致をはじめ、
道総研による寒冷地における蓄電機能の研究開発を進めるほか、
エネルギー種別ごとの課題の把握に努めるとともに、北本連系設備を含む
送電網等の電力基盤の増強や既存送電線の有効活用といった制度改正の
推進について国等に対し働きかけを行うなど本道の新エネルギーの
ポテンシャルが最大限に発揮されるよう取組を進めてまいる。
次に、新エネルギー導入加速化基金について伺います。
私は、道内各地の新エネルギー事業所の視察やその準備段階の関係者と議論を重ねてきたところです。それは今後も積極的に続けていきたいと考えています。
その中で多く寄せられることの一つに、事業開始時のみではなく、メンテナンスや設備更新時のための資金需要が欠かせないとの要望をいただいております。
導入の加速化を緩めることはできませんが、今後20年間に限ることなく、道内における主要電源化を図っていく為にも、基金の継続や拡大と幅広い運用が求められております。見解を伺います。
<答弁>
新エネルギー導入加速化基金についてでありますが
○ 道では、新エネルギー導入の加速に向け、エネルギーの地産地消の取組の
具体化を継続的に進めるため、「新エネルギー導入加速化基金」を創設し、
当面5年間を集中期間として、60億円の施策を講じるとともに、将来にわたり
100億円規模の取組を行うこととしており、地域の特性に応じたエネルギーの
地産地消の取組を全道各地に広げていくとともに、さまざまな施策を活用し、
地域や企業の方々とともに、新エネルギーの導入拡大に取組んでまいる。
④ 省エネルギー・新エネルギー関連補助事業の今後について
これまで述べてきたように、省エネルギー・新エネルギー関連補助事業については、広く道民の期待を担うものであり、同時に北海道が、農業や観光と同じようにエネルギー大国として立っていくために欠かすことのできない政策であることは明白です。新エネルギー政策が目指す着地点を明らかにしながら、道民と共有し、自治体や事業者に理解を求めて、エネルギー産業の振興を実現していかなければなりません。
本事業の今後の継続と規模拡大の見込みについて、見解を伺います。
<答弁>
新エネルギーの導入促進への対応についてでありますが
○ エネルギーは暮らしと経済の基盤であり、身近な地域で自立的に確保できる
エネルギー資源を最大限に活用し、活力ある地域社会の実現に寄与していくことが重要。
○ 道では、これまで、新エネルギーの導入促進に向けて、エネルギーの地産地消など
市町村の取組に対し、構想や計画、事業化などさまざまな段階に応じた、
きめ細やかな支援を行い、徐々に取組が広がりつつあるところ。
○ 今後とも 新エネルギーの一層の導入拡大を図るため、新エネルギー導入加速化基金
の活用はもとより、地域や企業の皆様と連携しながら、地域の特性や資源を
効果的に活用する取組を支援してまいる。
この質問の趣旨は、北海道を中心として栄えたアイヌ文化を、今を生きる私たちや子供たちが、私たちの北海道の強みや誇りとして活用していかなければならないことを核として、委員会で議論させていただいたものです。
将来に渡って、北海道に多くの皆さんに訪れて頂かなければならない私たちは、これまでに拘り過ぎて、機会を失うことがあってはなりません。
この機会を通じて、私たちが遺す北海道の目指す姿の一つを明らかにしていきたいと考えています。
A,北海道アイヌ生活実態調査について
それでは、道が、前回委員会で公表した北海道アイヌ生活実態調査について伺っていきます。この件については、本定例会の一般質問で同僚議員が取り上げたところですが、この場において、更に背景に迫っていきたいと考えております。
この調査は、国が2020年の制定を目指していると報道されているアイヌ新法の参考資料とするために、予定を早めて昨年11月に行ったものと聞いています。
その結果は、前回委員会で配布されていることから詳しくは触れませんが、新聞等でも報道されているところです。総数が、63市町村に13,118人、5年前の調査時より3,668人、22%程度減少し、11年前となる前々回の調査時より10,664人、45%程度も減少していることになります。これは総数の動態調査の傾向として、特に注目すべき点であることは明白です。
その他にも、生活保護受給世帯の減少や、大学進学率の向上など、その実態の改善が数値として明らかになってきていることは、これまでの施策の効果の表れ、改善していると理解することができると考えています。
① アイヌの人口について
まず、アイヌの人口について伺います。
道は、人口の総数について、減っているわけではないと捉えているようですが、何を根拠にしているのでしょうか。
報道等によると、道は、個人情報保護の意識が高まり、調査協力を依頼した自治体が把握しにくくなっていることが背景にあるとされているようです。
もし、調査に表れた程に大きく変わっていないとするならば、個人情報保護による背景も少なくはないと思われますが、アイヌ文化振興法や新法制定に向けた機運の醸成の効果として生活向上の実現が果たされてきた、同時に、これまでの施策効果や新法効果には期待していないことの表れとして捉えることが出来ます。
それは、差別等によりアイヌであることを隠す必要があるからなのではなく、現代においてアイヌと名乗ることの必要やメリットを感じないようになった表れなのではないでしょうか。
よって、今回の生活実態調査を通じて見えてきたことは、アイヌの人たちの総数が事実として大幅に減ってしまったのではなく、アイヌの人たちの意識が大きく変化してきていると捉えることが妥当なのだと考えます。
とりわけ11年で45%ものアイヌの人たちの減少が確認できたという事態は、新法制定そのものに大きく影響させなければならないものであると考えることが自然の流れでもあります。
なお、アイヌの人たちの人口が減っていくことは否定できるものではありません。この先四半世紀、半世紀という単位で、その実数が激減することは明らかです。
改めて、総数の激減についてと、今後の見通しについての道の認識を伺います。
<答弁>
「アイヌ生活実態調査」の対象者数についてでありますが
〇 調査対象者数の減少については、調査に協力いただいている
アイヌ協会の会員が、高齢化などにより減少していることや、
地方から都市部への転出によりその後の動向把握が難しくなったこと、
また、個人情報保護に関する意識の高まりにより、
調査への協力者が減っていることなどが、
その要因と考えているところ。
〇 道としては、今後も同様の傾向が見込まれるものと考えているが、
今後の調査にあたっては、アイヌの人たちをはじめ、
関係市町村などに調査の趣旨を十分にご理解いただくとともに、
アイヌの人たちがおかれている現状やニーズを、
より正確に把握できるよう、国やアイヌ協会のご意見を
お聞きしながら、調査方法や内容などについて、検討してまいる。
② 差別意識の誤差について
次に、差別意識の誤差について伺います。
今回の調査では、生活保護受給者数や大学進学率で改善がみられたと報告がありました。この点のみを取り上げて改善が成し得たと判断するには早計でありますが、明らかに生活が向上していることの証左であると受け止めることが自然です。
そもそも格差とされている「差」は、誤差の範疇と判断できるものであって、日本におけるそれらの平均と許しがたい「差」があるとは読み取れません。それでも、道が、差があるとする分析からは、むしろ、そうしておかなければならない背景が透けて見えてくるのです。
また、その調査方法については、厚生労働省や道の補助を受けた市町村による生活館運営費等予算の中で雇用されて嘱託職員となる「生活相談員」などが調査にあたっているとお聞きしましたが、普段から近しく接している方々による調査であるのですから、むしろ個人情報保護の垣根を超えた如実な情報として捉えることが自然です。今の生活に不自由を感じていないことの表れと言えるのでしょう。
道が、それでも「いわれのない差別があるということが結果に表れている」と格差が今なお存在していると論ずる根拠はどこにあるのでしょうか、見解を伺います。
<答弁>
差別に対する認識についてでありますが
〇 今回の調査結果では、「差別を受けたことがある」と
「自分はないが、他人が受けたのを知っている」の割合を合計すると、
前回調査と比べ、3.3パーセント増の36.3パーセントとなっており、
約3人に1人が自分又は他人が差別を受けた経験を有していることが
明らかとなったところ。
〇 また、「差別を受けたことがある」と
「自分はないが他人が受けたのを知っている」と回答した方々に、
どのような場面で差別を受けたかを聞いたところ、
「学校」や「職場」、「結婚のこと」などで、
差別があったという回答が多かったところであり、
道としては、こうした結果からも、いまだ、
アイヌの人たちに対する差別は存在していると認識している。
<指摘>
私は、この質問で、表れている「差」は許容範囲だと申し上げています。その「差」とは、差別のことではありません。実態調査で明らかになった数値の「差」は、許容範囲であると申し上げているのです。
一方で、私たちの世界に差別が存在していい理由はどこにもありません。差別が存在するならば、無くす努力を止めることはできません。
しかし、残念ながら私たちの世界からは差別が無くならないことを知っておく必要があります。それが無い状態を目指す必要はありますが、それを無くすことができるものとして取り組むことには無理があります。
差別には、いろいろな差別が存在します。例を挙げることは憚りますが、この質問で取り上げているアイヌの人たちへの差別だけではないことは確かです。
誤解のないように付け加えておきますが、他の差別も存在しているのだから、アイヌの人たちの差別も致し方ないと断じているのではありません。
私たちは、差別の解消に努める必要がありますが、同時に、差別に甘えることがあってもならないのだと考えています。それは、私たち日本国民の道徳性や倫理性につながっていることでもあるのです。
私が、ここで指摘しておきたいことは、差別を無くす努力を続けると共に、文化振興によるアプローチで差別を無くしていく、減らしていくことが可能であると考えています。
民族共生象徴空間の設立が間近になってきた今だからこそ、道は、その機会を的確に活用していかなければならないのだと考えています。
道やアイヌの人たちにおいては、「差」や「差別」を理由にして生活向上策を混ぜ込んでおくことを優先させるのではなく、文化振興に比重を置いた施策の展開によって、地位の確保や元気で豊かな暮らしを実現させていただきたいと願っております。
③ 北海道アイヌ協会の対応について
次に、北海道アイヌ協会の対応について伺います。
報道によれば、道アイヌ協会の幹部が、今回の調査について「これでは実態調査とは言えない」と発言されています。
これは、いずれの立場からの発言であるのか理解に苦しむところでありますが、生活が改善していることを受け入れられないのか、または、総数の激減を受け入れられないのか、さまざまに推測することができます。都合が悪い調査は受け入れられないとすることは、未来志向の対応とは思えないのであります。
しかし、協会が掲げる「先住民族アイヌの尊厳を確立するため、人種・民族に基づくあらゆる障壁を克服し、その社会的地位の向上と文化の保存・伝承及び発展に寄与すること」とされている崇高な目的から俯瞰すると、調査結果が真の姿であるならば、道は、アイヌ文化振興法並びにアイヌ新法の本来の目的である「文化振興」に比重を置いた改正を実現させていくことが本筋であるともいえるのではないでしょうか。
道は、北海道アイヌ生活実態調査の結果について、北海道アイヌ協会と正しい認識を一にしなければならないと考えますが、道の見解を伺います。
<答弁>
アイヌ生活実態調査の結果についてですが
〇 今回の調査は、本道のアイヌの人たちの生活実態を把握し、
生活向上に関する推進方策を策定するため、
必要な基礎資料を得るとともに、
現在、国が進めているアイヌ政策の再構築に向けた
総合的な施策の検討にも協力するため、実施したところ。
〇 本調査の実施に当たっては、
アイヌの人たちの暮らしや仕事などに関する課題やニーズを
的確に把握できるよう、調査の準備段階から、国やアイヌ協会などと、
質問内容や実施方法などについて協議を行ってきたところ。
〇 道としては、国における新たな立法措置の検討に際し、
今回の道の実態調査の結果などを踏まえるとともに、
アイヌの人たちの十分な理解を得ながら進めていただくことが
重要と考えており、アイヌ協会の一部からの今回の発言についても、
その趣旨をお伺いするなど、アイヌ協会との間で
認識の共有を図りながら、国に働きかけてまいる考え。
④ 民族共生象徴空間について
次に、民族共生象徴空間について伺います。
今回の調査の中で、特に驚いた結果が表れていたのは、なにも総数だけではありません。象徴空間を「あまり知らない」や「知らない」と答えたアイヌの人たちが55%も居るという事実です。アイヌ文化の保存伝承を切望するアイヌの人たちの半分以上が、開設を2年後に控える民族共生象徴空間の認識の低さに驚いています。
アイヌ文化振興法に基づき様々な取組みが進められる中、アイヌ文化の保存伝承を実現させる権威として設置される本施設が、アイヌの皆さんの総意となっていないとも捉えることが可能となってしまいます。
これは、国や道をはじめとして、各自治体、そして北海道アイヌ協会等当事者の努力が足りていないことを示しているのではないでしょうか。
この実態調査結果を踏まえて、観光客誘致へ向けての努力と共に、アイヌの人たちへの目的の周知も充実させなければならないと考えます。道の見解を伺います。
<答弁>
民族共生象徴空間の周知についてでありますが
〇 象徴空間は、アイヌ文化の復興等に関する
ナショナルセンターとして整備されるものであり、
その運営に当たっては、
アイヌの人たちの主体的参画が重要と考える。
〇 このため、道では、一昨年立ち上げた「官民応援ネットワーク」に
北海道アイヌ協会にも参画をいただくとともに、
道における啓発事業の実施に当たっても、アイヌ協会をはじめ、
各地区のアイヌの人たちと連携しながら取り組んできているところ。
〇 また、アイヌ協会では、
本年10月に標津町で開催する「アイヌ民族文化祭」において、
象徴空間開設に向けた普及啓発事業を実施するとともに、
協会の会報誌に象徴空間に関する情報を掲載するなど、
アイヌの人たち自らによる周知も進められているところ。
〇 開設まで残すところ2年を切る中、
道としては、アイヌ協会のこうした取組と連携しながら、象徴空間が
「アイヌの人々による歴史・伝統・文化等の承継・創造の拠点」である
といった、設置意義や目的などについて、
アイヌの人たちへの周知を図るとともに、
様々なプロモーション活動を展開し、認知度の向上を図ってまいる。
⑤ アイヌ新法について
次に、アイヌ新法について伺います。
国は、2020年にアイヌ新法の制定を目指しているとされています。
道や道民は、これをきっかけとして、アイヌ文化の保存と継承、そして北海道の強み、宝として観光振興や文化振興に務めなければならないと議論してきたところです。
私は、アイヌ文化振興法の中において生活向上が取り扱われることに異議を唱えるものではありません。私は、より文化振興に重きを置いた施策を振興すべきであると考えているものです。それは、アイヌ新法によって、より効果的に展開される政策としてあるべきであると考えています。
今後も、生活向上の改善は進み、アイヌの人たちの総数が減り続けていくことは容易に想定できます。
道のアイヌ政策の再構築や新法の検討においては、これまでを引きずるものなのではなく、未来志向で文化振興を全面に押し出すことによって、アイヌの人たちのアイデンティティの尊重は勿論のこと、特に北海道の元気の源として、日本国民として誇りとすることができる文化振興に比重を置いたものとなるべきだと信じています。
道は、道の政策の再構築について、国のアイヌ政策検討を踏まえて平成32年度までに検討するとしています。アイヌの人たち等と同じくする志の下で、何を目指し、国へどのように働きかけているのでしょうか。見解を伺います。
<答弁>
今後のアイヌ政策についてでありますが
〇 我が国の先住民族政策の根拠となる総合的な法律の制定は、
アイヌの人たちにとって永年の悲願であり、
道としても、これまで、北海道アイヌ協会と連携し、
その制定に向け、国に要望を行ってきているところ。
〇 こうした中、先般の国の「アイヌ政策推進会議」において、
座長である菅官房長官からは、
「従来の文化政策や福祉政策から地域振興、
産業振興にも軸足を置いて、アイヌの皆さんの自立を図るための
立法措置を検討する」との方針が示されたところ。
〇 道としては、国における立法措置の検討に際し、
アイヌの人たちの意向が新たな施策に十分に反映されるよう、
引き続き、国に強く働きかけるとともに、
アイヌ文化の振興や理解促進をはじめとした、
道の各施策についても必要な見直しを行うなどして、
アイヌの人たちの民族としての誇りが尊重される社会の実現に向け、
しっかりと取り組んでまいる考え。
<指摘>
最後に指摘をさせていただきます。
この質問を通して明らかにしておきたいことは、これまでの政策について、どうのこうのと議論をしたいのではなく、これからのアイヌ政策に対して、道が、どのような立ち位置で取り組んでいくことによって、日本国民として、北海道民として、私たちの暮らしの元気につなげていくことができるのかという点に尽きると思うのです。
これまでの景気浮揚策なども相まって様々に施策を展開してきた結果として、アイヌの人たちの生活向上は果たされてきたことは確実ですし、今後も実現させられていくことでしょう。
しかし、それは、生活向上の観点からより手厚い保護を求めていくことは、逆差別を生み出す段階にまでに至っていて、期待した施策効果が表れていることは、今回の実態調査からも読み取ることができるのです。
それでもなお、アイヌ新法の制定を目指す理由は、アイヌ文化という北海道を中心として栄えた営みを私たちの強みとして、私たちの暮らしの元気につなげていく必要に迫られているからなのだと、私は考えています。
それは、アイヌの人たちのみのためではなく、私たち北海道民の、日本国民としての新たな法律であることを求めていくことが欠かせない構成要件だと考えているからなのであります。
環境生活部の皆さんには、これまでと、これからを意識できる立場を明確に示していただいて、多くの道民が誇りと思うことのできるように、アイヌ文化を活用した政策の展開を実現させていただきたいと強く願っていますし、アイヌの人たちにも、日々の生活を通して北海道の元気につながっていることが意識できるものとなるように、国の新法制定作業に対して関与して頂きたいと要請しておきます。
平成30年北海道議会第一回定例会で条例化された「北海道犯罪被害者等支援条例」が制定されたことをきっかけとして、「北海道犯罪被害を考える日」が設けられることとなりました。
この質問をきっかけとして、北海道民の皆さんに本条例趣旨を理解して頂くことは勿論ですが、「〇〇の日」という様々に設けられている、いわゆる「メモリアルデー」について議論したものです。
このような日を設けることやフォーラムを開催することに留まることなく、学校教育は勿論のこと、生涯学習等の「教育」という場において、倫理観や道徳観を養っていく必要があり、それぞれについて理解を求めていくことが必要であるという考えに基づいて、質問を構成しています。
この質問については、引き続き第二回定例会において、教育委員会と議論を深めてまいる所存です。
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A,犯罪被害者等支援対策について
犯罪被害者等の支援について、国としては平成16年に制定された「犯罪被害者等基本法」及び翌年制定された「犯罪被害者等基本計画」に基づき犯罪被害者等の支援を進めているところであり、道においても、国の計画を踏まえて、平成19年に「北海道犯罪被害者等支援基本計画」を制定し、取り組みを進めてきたところと承知しています。
また、先の平成30年第一回定例会において、「北海道犯罪被害者等支援条例」が制定されたところであり、新年度からは、本条例に基づき、適切かつ効果的な犯罪被害者等支援を推進し、施策を講じるとしております。そこで数点伺って参ります。
① 「北海道犯罪被害を考える日」について
本条例は、犯罪被害者等を社会全体で支え、安心して暮らすことが出来るように、犯罪被害者等の支援に関する基本理念を定めているところであります。この条例を踏まえて、道では、「犯罪被害を考える日」の制定を検討していると承知していますが、制定の経緯や考え方を伺います。
<答弁>
「北海道犯罪被害を考える日」についてでありますが
○ 道では、犯罪被害者が受けた被害の早期の回復又は
軽減を図るとともに、犯罪被害者等を社会全体で支え、
安心して暮らすことができる道民生活の実現を目指し、
今般、「北海道犯罪被害者等支援条例」を制定したところ。
○ 本条例の趣旨を広く道民に浸透させるためには、
効果的な啓発活動を展開することが必要であることから、
市長会や町村会のほか、弁護士会や交通事故被害者の会、
民間支援団体等で構成する犯罪被害者等支援懇談会から
御意見を伺い、犯罪被害に関し道民の理解を深めるための取組の一つとして、
国が定める「犯罪被害者週間」の初日である11月25日を
「北海道犯罪被害を考える日」として制定し、関係機関・団体等と連携した
広報・啓発活動に取り組むこととしたところ。
② 「北海道犯罪被害を考える日」の啓発について
次に、「犯罪被害を考える日」を制定するだけでは不十分で、犯罪被害者等を社会全体で支えていくためには、道内市町村だけではなく、広く、道民を初めとした事業者や民間支援団体等に浸透させていくことが重要と考えます。道では、具体的にどんな取組みを展開しようとしているのか、伺います。
<答弁>
犯罪被害に関わる啓発等についてでありますが
○ 犯罪被害者等を社会全体で支えていくためには、
条例の趣旨を広く浸透させ、犯罪に遭われた方の被害について考え、
必要な支援に取り組んでいく機運を醸成していくことが
重要であることから、条例の目的や基本理念、基本的施策等について、
リーフレットやホームページ等を活用し、市町村や関係機関・団体はもとより、
広く道民の皆様に対し周知を図ってまいる。
○ また、「犯罪被害を考える日」においては、
「犯罪被害者週間」と連動し、道警察、市町村等との連携・協力による街頭啓発や
パネル展を実施するほか、
犯罪被害者等への理解を促進するためのフォーラムの開催や、
北海道弁護士会連合会や北海道臨床心理士会と連携した
犯罪被害者のための無料相談会を実施するなど、
様々な啓発活動等に取り組むこととしている。
③ 真に必要な支援について
次に、或る意味で条例制定を根拠とした、行政手段としての「犯罪被害を考える日」の制定や目的を広く周知して頂くための行事やイベントを開催することでは、それらの目的を満足させることはできないのだと考えています。
これまで、全国犯罪被害者の会(通称あすの会 2018年6月3日解散予定)等がそれらの活動を通して、犯罪被害者等基本法の成立をはじめとして、公訴時効の廃止や犯罪被害者の権利の確立、被害者参加制度等の実現に寄与されています。しかし、これでも十分とは言えないのが実情です。私たちは、時すらも解決してくれない被害があることを知らなければなりません。このような法整備や計画、条例が必要となってしまった今の社会の現実を知らなければならないのです。
そのような中で、道、道内市町村や民間支援団体等が取り組むことの出来る、最も道民に近い取り組みとして、犯罪被害者等を社会全体で支えていくために、私たちの平素な暮らしの中に根付かせることができる体系的な「学校教育」や「生涯教育」を継続して施していかなければならないと考えています。
担当部局として、総務部学事課や教育委員会と連携協力し、犯罪被害者等支援について、さまざまな教育の機会を設けることが必要です。見解を伺います。
<答弁>
教育機会の充実についてでありますが
○ 犯罪被害者等が置かれている状況や、
犯罪被害者等が受けた被害の早期回復・軽減等を
図るための支援の重要性などについて、
道民の理解を深めていくためには、委員ご指摘のとおり、
学校や家庭、社会教育など様々な教育の場において、
命の大切さや人権を尊重する意識や態度を
育んでいくことが重要と考える。
○ 学校においては、これまでも、教育活動全体を通じ、
生命を大切にする心や思いやりの心など、
「豊かな心」を育む教育が展開されているほか、
地域においても、教育関係者等を対象とした研修会や
フォーラムの開催などよる人権教育が進められているところ。
○ 道としては、誰もが犯罪被害者となる可能性があることを
十分踏まえ、今後、道教委や道警察など関係機関と連携し、
広く道民に対し、犯罪被害者の権利や必要な支援等についての
理解が深まるよう、リーフレット等を活用しながら、
条例の趣旨等について周知を図り、
学校や家庭、地域における人権教育の推進に取り組むなど、
教育機会の充実に努めてまいる。
<指摘>
今回は「犯罪被害を考える日」をテーマとして議論させていただいておりますが、そもそも国や道、地方自治体によって制定された「〇〇の日」は多数存在しています。その中でも、道が独自に制定した日は、昭和59年に環境生活部が所管する「道民交通安全の日」をはじめとし、直近では、総合政策部が所管する「北海道みんなの日」に至るまで15程度を数えるまでになっているとお聞きしました。
私は、今回の質問についての意見交換を深める中で、先ほども申し上げましたが、行政による常套手段としての「〇〇の日」の制定や行事やイベントでは、その目的を果たすまでには至ることは叶わないと考えているのです。
これらは、個人の道徳観や倫理観が大きく影響するものであり、成長過程における教育や社会生活の中で繰り返し教育されることで養われる道民気質や地域性によるところだと考えています。
さきほど、学校教育や社会教育の場において、意識や態度を学ぶことが大切だと答弁して頂きましたが、これは「犯罪被害を考える日」に留まることなく、少なくとも道が独自に制定した日について、所管する部局が毎年その日に向けて用意した資料を基にし、段階に応じた教育機会を提供し、家庭内は勿論のこと、学校教育や社会教育が継続的に行われることが重要だと思うのです。
よって、この件につきましては、制定された目的を行政の責務として果たし切ることができるように、引き続き、教育委員会との議論を経ることで取り組んで参りたいと考えております。
特に、環境生活部におかれましては、15程度のうち7つが所管する日となっています。より自覚をもって実効性の高い教育機会の充実を実現させていただくように要望しておきます。
④ 今後の取組みについて
犯罪被害者等の支援は、犯罪そのものによるだけではなく、時に過剰な報道による被害なども手伝い、はからずも偏見と好奇の目に晒されることにより、住居や就業問題、法的支援、カウンセリング等の精神的なサポートなど多岐に渡るものと考えます。犯罪被害者等の抱えるこうした課題解決のためには、警察・法的機関や医療等、様々な機関との連携が必要です。また、犯罪被害者等が受けた被害の早期回復や軽減を図り、社会全体で犯罪被害者等を支えていくためには、道民全体に取組みの輪を広げていくことが必要です。条例の実効性をあるものとするためにも、犯罪被害者等への理解が道民に一層浸透させることができる、さきほど質問した「教育」以外でも取組みを進めることが必要と考えますが、今後の効果的な展開などについて、部長の決意を伺います。
<答弁>
今後の取組についてでありますが
○ 犯罪被害に遭われた方々が、様々な面で早期に被害から回復し、
安心して暮らしや仕事を営むことができるようにしていくためには、
全ての道民が、犯罪被害者が置かれている状況への理解を深め、
社会全体で支える環境づくりを進めていくことが重要と考える。
○ 道としては、条例の制定を契機として、
犯罪被害を考える日の制定や様々な啓発活動等を通じ、
道民や事業者等に対し、犯罪被害者への支援の必要性等について
理解を深めるとともに、道教委等と連携し、
学校教育や社会教育において、生命を尊重する心や
思いやりの心などを育む人権教育の充実等を図るほか、
国や市町村、民間支援団体等との連携による
きめ細やかな相談や情報の提供、日常生活への支援を行うなど、
条例の実効性が高められるよう、効果的な取組を展開してまいる。
昨日、第一回定例会予算特別委員会で「高齢者講習と認知機能検査について」を質問させていただきました。
この質問は、地域の皆さんに留まらず、普段から私に多く寄せられていた「道見君、運転免許更新時のなんとか検査、待ちが長くて堪らんわ!」という「皆さんの声」から議会質問に至ったものです。
高齢者の皆さんに、地域で元気にお暮しいただくために、行政が出来ることとして、より質の向上を実現させることが出来るように努めてまいります。
この課題に対しては、今後も北の元気玉のテーマとして取り上げて参ります。
A,高齢者講習と認知機能検査について
では、高齢者講習と認知機能検査について、質問させていただきます。
この問題については、これまで時々様々に議会議論が為されていると承知しているところです。
534万人とされる北海道の人口のうち、63%にあたる337万人程度が自動車運転免許を保有しているという実体から、更に、今なお、これからより超高齢化が進んでしまう北海道において、今回質問させていただく課題は避けることが出来ない事態であります。
① 高齢者講習と認知機能検査の現況について
最初に、昨今の状況を確認しておきたいと思います。
70歳以上のドライバーが自動車運転免許更新までに受講しなくてはいけない「高齢者講習」と、75歳以上のドライバーが自動車運転免許更新までに受検しなくてはいけない「認知機能検査」、そして特定された18の違反を犯すと受検しなければいけない「臨時認知機能検査」の状況について、ここ数年の実数と傾向を教えて下さい。
<答弁>
高齢者講習の受講者等の推移についてでありますが、
○ 高齢者講習または、これと同等の講習を受講された方は、
平成27年は115,332人、28年は113,200人、29年は106,429人であり、
ここ3年については、70歳以上のドライバーの増加に反して
減少しております。
なお、減少の要因としては、運転免許証の有効期間は、
個人によって3年、4年、または5年と異なるところ、
年によっては5年更新が多い年とそうでない年があるため、
27年、28年は、その割合が高い年に該当したのではないかと
考えております。
一方、認知機能検査を受検された方は、
平成27年は69,358人、28年は70,895人、29年は74,528人で、
増加傾向にあります。
○ また、昨年の改正道路交通法の施行により導入された
臨時認知機能検査を受検された方は、
平成29年は3,525人となっております。
② 受入体制の状況について
次に、講習及び検査を実施する受入体制となる自動車学校並びに指導員数の状況と経過を教えて下さい。
また、それらは講習及検査の対象となる者の増加に対して、また、地域事情に合ったものとなっているのか、見解を教えて下さい。
<答弁>
高齢者講習の受入体制の状況等についてでありますが、
○ 高齢者講習は、現在、自動車教習所など82の実施機関に、
認知機能検査は、83の実施機関に委託しております。
また、平成29年末時点における高齢者講習の指導員の数は、
全道で760人で、5年前と比較して約100人増加しました。
○ しかしながら、指導員の増加の程度は、
地域によって異なります。
加えて、元々実施機関の少ない地域、例えば、道東地域は、
他の地域と比較して受講待ち日数が長くなっています。
なお、全道を通じた一般的な傾向としましては、
実施機関の繁忙期では、
受講待ち日数が長くなるものと認識しております。
③ 受講や受検対象者並びに受入体制の推移について
次に、受入体制の推移についてお聞きします。
団塊の世代が75歳以上となる、いわゆる2025年問題などにみられるように、今後も受講や受検者数は増えてくるのです。
道警は、いつまで、どれくらい増え続けると把握されているのか、将来に渡る受入体制の計画をどのように把握されているのか、見解をお聞きします。
<答弁>
今後の受講・受検者数の推移等についてでありますが、
○ 高齢者講習の受講対象となる70歳以上の免許人口は、
年々増加しており、7年後の2025年には約61万人、
17年後のピーク時には現在の1.4倍に相当する約63万人
になるものと予測しております。
このうち、実際に高齢者講習を受講される方は、
最大で、7年後の2025年には約17万人、
17年後のピーク時には約18万人になるものと予測しております。
○ 一方、道警察では、高齢者講習の実施機関につきましては、
直ちには、増加が見込まれないものと認識しておりますので、
今後は、地域の実情や高齢者の免許人口の推移を勘案しながら、
受入れ体制の充実を図っていく必要があると考えております。
<指摘>
いま、受入体制の充実を図っていく必要があると答弁していただいたところではありますが、充実を実現させることは担保されたものと受け止めていますが、この質問では、受入体制の計画をお聞きしているのであって、道警におかれましては、具体的な数値に裏打ちされた計画を策定されますようにお願いしておきます。
この点に関しては、しばらくの後に再び質問させていただくことを申し添えておきます。
④ 受入体制の改善成果について
次に、受入体制の改善成果について、伺います。
受講又は受検の為の待ち日数が長くなっていることは、以前から指摘されていて、道警も過去の答弁で認めているところです。それらを改善していくために、関係先と協議や連携すると答弁されていて、それから2年が経過しようとしています。
どのような協議・連携を実現させて、どのような成果を挙げてきたのか、具体例を以って教えて下さい。
<答弁>
受講待ちの改善措置についてでありますが、
○ 道警察では、高齢者講習の受講待ちなどに対処するため、
委託先の自動車教習所に講習指導員の拡充を求める一方、
平成29年度からは、新たに5箇所の実施機関に委託し、
受講待ちの著しい地域の運転免許試験場において高齢者講習を実施するなど、
受入体制の強化を図ったところであります。
○ このような取り組みによって、2年前の平成27年末との比較では、
講習指導員は67人増えたところでありますが、
引き続き、改善措置を図っていく必要があると考えております。
<指摘>
この点においては、二年前の答弁にかかる成果としては、なかなか不十分なものであると言わざるを得ないことを認識して頂きたいと思います。
受講者や受検者とは勿論のこと、自動車学校などの受入体制側の皆さんとの定期的な意見交換の実施と、受入体制の充実にあたっては、(ここ大切なんですが…)くれぐれも徹底した民間活用の実現を推進していただけますように強く要望しておきます。
⑤ 講習及び検査のお知らせ方法について
次に、講習及び検査のお知らせ方法について、伺います。
先日、対象となる高齢者に送られてくる葉書を見せて戴きました。確かに、必要な情報が詰まっていました。しかし、私でも読み解くのには時間がかかりましたし、葉書の中には、混雑する場合があることや、すみやかに予約しなさいとの明記があるところです。
このように限られた書面の中で、最低限お伝えしなければいけないことを表現しきることは困難です。この点においては、未だ改善の余地は大きいものと考えています。
よって、現代にあっては、インターネットやスマートフォンの普及による必要情報の二次展開、例えばQRコードの活用やネット予約の実現等のデジタル的な活用が可能であることは明らかで、今後高齢者となられる方々にも、この点に対する慣れから検討の余地は大きいものと考えられます。
また、一方で町内会や老人クラブ等の地域コミュニティー内での口コミ等のアナログ的な活用も必要であると考えられます。
普段からの交通安全啓発活動と共に、この点の周知によって行政サービスの質の向上を果たすことは可能であると考えます。見解をお聞きします。
<答弁>
高齢者講習等の案内についてでありますが、
○ 道警察では現在、
免許証の有効期間満了日の約6箇月前に受講対象者全員に対して、
お知らせの通知書を発送しております。
○ また、道警ホームページにおいて、
高齢者講習などの最短予約日を実施機関別に掲載し、
早期の予約をお願いしているほか、
警察署単位では、高齢者を対象とした交通安全講話等の機会において、
管内における予約状況等について広報しているところであります。
○ 道警察では、引き続き、
受講対象者の利便性の向上にも配意しながら、
必要な情報の二次展開をも視野に入れ、
あらゆる媒体、機会を通じて高齢者講習等の早期の予約と
受講について積極的に広報して参りたいと考えております。
<指摘>
受講者及び受検者の長い待ち時間に対する不満は、非常に大きいものとなっているとこを、私たちはもっと自覚すべきなのです。先ほども対象者に6ヵ月前にはお知らせ葉書が届いていると教えて頂きましたが、そもそも6ヵ月前にお知らせしなければならないほどに混み合っている、6カ月近くお待ちいただかなければならないという現実がそこにあることを私たちは見過ごしてしまっているのかもしれません。
昨日、私の知り合いが札幌市南区の自動車学校で受講及び受検されたと教えられました。実に5か月待ちであったそうです。不満を口にされていたことは言うまでもありません。自動車学校や指導員の数が足りていると思われている札幌でさえ、このような状況であるのですから、自動車学校や指導員の数がそもそも足りていない地域においては、不満に拍車が掛かっているものと捉えるのが自然です。
ピーク時であると見込む17年後に、今の1.7倍の受講者を見込むのであれば、受入体制の拡大という視点のみに留まらず、民間知見の活用による根本的な体制の見直しも十分に検討されますように強く要望しておきます。
⑥ 在るべき姿について
これまでお聞きしたことから、受講や受検体制の在るべき姿や目指す姿を明らかにしたいと思います。
自動運転技術の向上や安全運転サポート技術の充実には目を見張るものがありますが、それらを以って全ての不幸な事故を未然に防ぐことはできません。
また、道民の皆さんからの声が議会に届いていることから、現在において何故混んでいるのか、何故待つことになってしまうのか、この矛盾の解決に取り組むことが行政サービスの質の向上に直結することは明らかです。
道警は、スムースな受講や受検体制の確立を目指さなければなりません。在るべき姿を明らかにして、その為に必要な方策を示してください。見解をお聞きします。
<答弁>
今後の受講・受検体制の確立方策についてでありますが、
○ 道警察では、高齢者の免許人口が増加する中、
高齢者講習や認知機能検査を、より円滑に実施するため、
指導員の数など、それぞれの地域における実施機関の実情や、
高齢者の免許人口の推移を勘案しながら、
引き続き、受入体制の充実・強化を図る必要があると
認識しております。
○ 道警察といたしましては、先ほど申し上げたとおり、
平成29年度から新たに5箇所の実施機関に委託したほか、本年4月から、
すべての離島において認知機能検査を実施することで、
道内の離島に居住する高齢者の利便性を図ることとしております。
⑦ 目指す姿について
最後に、私は、高齢者講習や認知機能検査については、止まらぬ超高齢化や、車が生活に欠かせないという地域事情の中にあって、特異な事例の対策として相対するのではなく、高齢者に寄り添った生活環境の変化にスムースに対応していくために設けられた制度と受け止めています。
一方、内閣府の意識調査によると、身体能力が低下したと感じたら、運転免許証を返納しようと考える人が、免許保有者の76.7%となっているそうです。返納制度に対する理解が広まっていると考えられます。
運転を続けたい方々にも、返納を希望する方々にも、それぞれにその選択に至る平時からの啓発活動が必要となってきます。
道警として、これまで伺ってきた内容を踏まえて、今後どのように本来の目的を満足させた目指す姿を明らかにしつつ、総合的に運用されていこうとしているのか見解を伺います。
<答弁>
今後の方針についてでありますが、
○ 高齢者講習や認知機能検査は、
高齢運転者に対して自己の認知機能の状況を自覚していただくほか、
引き続き安全な運転を継続していただけるよう支援することで、
高齢運転者による交通事故防止に寄与するものと認識しております。
○ 道警察といたしましては、
運転免許証の自主返納をしやすい環境作りに向けて
道をはじめとする関係機関・団体等に対し
働きかけを行っていくとともに、高齢運転者の方々に、
円滑な受講・受検を実感していただけるよう
実施機関等と連携するなどして、
講習体制の充実・強化を図ってまいる所存であります。
<指摘>
私が普段から接している地域の高齢者の皆さんは非常に闊達あり元気です。むしろ、地域が高齢者の皆さんに期待していることが多くなっているのが現実なのだと捉えてさえいます。
積極的に社会へ参画して頂く上で、短絡的に運転免許証の返納を勧めることは、それを阻害し、時に生き甲斐さえを奪うものとなってしまいます。
その手段として運転免許証が役立つのであれば、今回質問させて頂いている講習と検査は、社会や地域にとって高齢者に安心して運転して頂くことができる「安心パスポート」のようなものでもあることが重要なのだと考えています。
その役割を明確にして、広く道民の皆さんに理解を得ることができる行政サービスとして発展・機能させていただくことを要望しておきます。
ありがとうございました。
去る、平成30年2月19日(月)午後6時から、札幌サンプラザに於いて、道見やすのり連合後援会 平成30年 新春の集いを開催させて頂きました。
多くの支援者の皆さまにお越しいただくことができ、笑顔あふれる楽しいひと時を過ごすことが出来ました。
新春の集いは、道見やすのり連合後援会 青柳史匡会長のご挨拶から始まり、青見会 加藤欽也会長のご挨拶、前同議会議員 道見重信先生のご挨拶、道見やすのり道政報告、吉川睦子女性部幹事長の連合後援会年間行事計画報告と続けさせていただきました。
懇親会では、まず初めに、レイナニ・フラ・サークルの皆さまによる、華麗な、フラとタヒチアンダンスをご披露頂き、ご参加の皆さまは、大寒間もない本道の2月に真夏を味わっていただき、熱気あふれ大いに盛り上がっていただくことが出来ました。
その後、連合後援会顧問 鶴見一雄様による、乾杯のご発声により祝宴に移らせて頂きました。
懇親会の後半には、北の元気玉を象徴する、恒例の「ジャンケン大会」をさせていただき、ご参加の皆さまと大いに盛り上がることが出来ました。
ジャンケン大会の3回戦は、洋子夫人が務め、4回戦は、重信先生にお務め頂きました。
今年は、景品に趣向を凝らし、細やかではありましたが、お米やお菓子屋、果物詰合せを数多くご用意させて頂き、多くの方にお持ち帰りをいただくことが出来ました。
会の結びには、連合後援会笹浪圭吾幹事長から、激励のお言葉を頂き、盛大に三本締めを以って閉式とさせていただきました。
当日ご参加頂きました皆さま、お手伝いを頂きました皆さま、日頃よりご支援・ご声援・ご指導頂いております皆さまに、心より御礼申し上げます。
道見やすのり事務所 スタッフ
昨日、環境生活委員会で質問させて頂きました。
この質問は、一年前に同じタイトルで質問させて頂いたところです。
しかし、一年経過しても、その状況は大きく前進することなく、二年前となったこのタイミングで、問題点を明らかにし、道として取り組むべきことを議論させて頂きました。
「民族共生象徴空間」は国立の博物館であり、その運営主体が別に存在する環境の中で、100万人を達成していくことが、引いては北海道や地域にとって大きな地域振興(元気)に資することは明らかです。
道として、傍観者でいる訳にはいきません。
再び、三ヵ月後、半年後と同じ質問を繰り返しながら、関係者と力を合わせて来場者数100万人の実現を成し遂げなければいけません。
北の元気玉、このテーマに対して全力で取り組んで参ります(‘◇’)ゞ
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A,民族共生象徴空間の年間来場者数100万人の実現について
私は、以前に民族共生象徴空間の年間来場者数100万人の実現についての質問をさせていただいたところではありますが、今回は、平成28年11月の委員会質問での質疑答弁を前提とし、その後さまざまな環境が整いつつあるこの時点で、改めて100万人実現へ向けた課題や論点を整理しつつ質問させていただきたいと思います。
この象徴空間は、平成21年7月の有識者懇談会で提言され、関係省庁連絡会議において基本構想が取りまとめられ、平成26年6月に整備及び管理運営に関する基本方針が閣議決定された上で、2020年東京オリンピック・パラリンピックに合わせて、平成32年4月24日に一般公開される運びとなりました。
平成27年7月に文化庁が、平成28年4月には国土交通省が基本計画を策定し、象徴空間の博物館及び公園の開設へ向けた準備が進んでいることと承知しております。
そのような中で、菅官房長官が推進会議で年間来場者数の目標を100万人と提案され、作業部会が50万人としていた目標数を引き上げられた経緯があります。今回改めて菅官房長官の発言を見返してみますと「20年の東京オリパラの効果を見込めば100万人の達成も可能」と提案されていて、この見方によりますと恒常的に100万人の実現を強いたものではないとも受け取れます。
また、昨年6月に公益財団法人アイヌ文化振興・研究推進機構が、象徴空間の運営主体として閣議決定され、1000日前記念カウントダウンセレモニーが催されるなど機運醸成を進めている最中であることを承知しております。
① 年間来場者数100万人について
最初に、その100万人へ向けた実現の責務がどこにあるのか伺います。
道は、以前の質問に、あくまでも主体は国であると答弁されています。道は、この責務がどこに帰属されていると捉えているのでしょうか。
また、その為に必要な体制として「民族共生象徴空間交流促進官民応援ネットワーク」を設立されたと答弁されていますが、昨年新たに「民族共生象徴空間開設準備支援プロジェクトチーム」を設置されています。これらの道の認識とそれぞれの関係性、更には各所がどのように実現の責務や情報を共有されているのか伺います。
<答弁>
年間来場者数100万人の実現についてでありますが
○ 国では、平成27年10月開催の「アイヌ政策推進会議」において、
民族共生象徴空間への年間来場者数を100万人とする目標を掲げたところであり、
国及び道、北海道アイヌ協会など、関係者の協力のもと、
その実現に向けた様々な取組が進められるものと認識。
○ また、昨年12月には、平成30年度の政府予算案を閣議決定し、
象徴空間の開業準備経費を盛り込んでいることから、
新年度より、国と、運営主体となるアイヌ文化財団が、情報発信や
プロモーションなども含めた準備を進めていくものと承知。
○ 道としても、来場者目標100万人の実現に向け、
一昨年11月に官民をあげた応援ネットワーク組織を立ち上げ、
ポスターやPR動画の作成、ポータルサイトの開設など情報発信に取り組んできている。
○ また、昨年7月には、国や民間企業等との連携による
開設準備を支援するプロジェクトチームを設置し、誘客促進策や道内各地との連携、
魅力的な演出などの検討を行っているところであり、今後とも、
国やアイヌ協会、アイヌ文化財団、地元白老町などと一体となって、
開設機運の醸成や誘客促進の取組を進めてまいる。
② 実現へ向けた計画の策定について
道は、100万人の実現へむけた諸計画をどのように把握されているのでしょうか。
道には、100万人の実現へ向けた計画の策定に関与する必要があります。
その計画には、2020年の東京オリパラの誘客効果への期待を含めた初年度に100万人実現を目指すものと、その後の継続的な実現へ向けたものの二種類が考えられます。
また、私は、その計画が何を期待してのものであるのか、言わば100万人の実現がもたらす効果と、そのために必要な熱量が明確になっていないと考えています。
道は、菅官房長官によって示された100万人という目標を、象徴空間開設初年度にあたる2020年度にのみ適用されているとしているのか、更に2021年度以降の来場者数についてどのように捉えているのか、それらの計画は誰が策定し、どのようなものであるのか伺います。
<答弁>
実現へ向けた計画についてでありますが
○ 平成26年6月に国が策定した「民族共生象徴空間の整備
及び管理運営に関する基本方針」では、象徴空間全体の円滑な運営を図るため、
関係者による象徴空間運営協議会を設置し、
象徴空間の一般公開までに、運営協議会を活用しつつ、
象徴空間の運営方針の策定、運営主体の業務実績の評価、
その他の象徴空間の適切かつ効率的な
運営を確保するために必要な仕組みを構築することとしている。
○ 運営主体に決定されたアイヌ文化財団では、
今後策定予定の運営方針等に基づき、象徴空間の管理運営業務を担うこととなることから、
道としては、開業準備活動を円滑に進めるためにも、国に対し、
早期に運営協議会を設置し、年度ごとの年間来場者目標なども盛り込んだ
運営方針等の早期策定を行うよう、求めてまいる。
③ 民族共生を満足させる運営について
次に、民族共生に足る運営の姿について伺います。
「面白くなければ博物館じゃない」 これは、1月22日からの当委員会の道外視察に参加させていただき、九州国立博物館を訪れた際に知った印象的なキャッチフレーズの一つです。
平成17年に開館され、年間来館者120万人程度を有するこの博物館は、年間1000万人が訪れる太宰府天満宮と隣接する好立地に支えられています。福岡県域圏200万人では足りない環境の中で、集客を維持していくための絶え間ない努力を解説して頂くことができました。
敢えて言うならば、あの太宰府天満宮を抱えた好立地でさえ、来館者が年間120万人程度であることを知るならば、白老町に立地する民族共生象徴空間で100万人を実現させていくために、どれほどの努力を積み重ねなければならないことであるのかは、想像を超えるものとなるに違いありません。
民族共生象徴空間に年間来場者100万人を継続して実現させていくためには、アイヌ文化のみのコンテンツには限りがあることは明白であり、構成要素である「国民」「北海道民」「地域住民」そして「アイヌの方々」による民族共生であることを意識して、工夫を凝らした運営方針や展示方針が必要であることを理解したところです。
しかし、これまでの施設設置の経緯等を見返すと、むしろ民族共生の一方を重く取り上げた内容となっていて、来場者数100万人を実現させていくための力としては、足りていないことが考えられます。
来場者100万人を実現させていくためには「面白くある民族共生象徴空間」であらなければならず、民族共生である以上は、先に述べた構成要素を十分に意識した運営となるように、道は、国や運営主体に働き掛けていくことが必要です。見解を伺います。
<答弁>
象徴空間の運営についてでありますが
○ 象徴空間の整備や運営に際しては、
展示機能はもとより、文化伝承、体験交流メニューの充実や
ハワイのポリネシア・カルチャー・センターのような
来場者に楽しんでいただける魅力ある事業展開も必要と考える。
○ 国立アイヌ民族博物館基本計画においては、
国内外の博物館や研究機関、伝承活動を行う団体の協力を得ながら、
アイヌの歴史や文化に関する正しい知識を提供するための展示を
行うこととしており、常設展以外の特別展にも力を入れ、
他の国立博物館で開催される企画展の誘致など、
誘客効果を高める多様な取組が検討されているところ。
○ 道においても、開設準備支援プロジェクトチームを設置して、
国とともに象徴空間における民族共生の理解が深まるような
体験交流メニューの充実や、魅力的な展示、演出などについて企画検討を進めており、
その結果を象徴空間における事業展開に反映させるなど、
国内外の多様な人々をひきつける魅力づくりに取り組んでまいる。
④ 100万人を数える範囲について
次に、どの範囲に来場される方々を数えて100万人としているのか質問します。
平成28年7月に推進会議が策定した基本構想によると、象徴空間は、1,中核施設 2,慰霊施設 3,関連区域 4,広域関連区域 の4つの区域によって構成されています。
4,広域関連区域に至っては、白老町以外の区域で中核地域と連携し、文化伝承活動等を実施する地域と定義されています。更に、3,関連区域には、白老町内の仙台藩陣屋地区や白老港地区にまで範囲は拡大され、象徴空間を来場者が訪れる範囲が広域なものとなっていることは、100万人を定義する上で不確定な要素となっていることが考えられます。
道は、国や運営主体と連携して、年間来場者100万人を数える範囲をどのように定めていて、その情報はどの範囲で共有され、どのように公開されることになるのか、見解を伺います。
<答弁>
100万人を数える範囲についてでありますが
○ 民族共生象徴空間基本構想では、象徴空間は、国立アイヌ民族博物館及び
国立民族共生公園で構成する「中核区域」と、遺骨等の慰霊及び管理のための「慰霊施設」、
豊かな自然を活用して、文化伝承活動、体験交流活動等の取組を実施する「関連区域」、
白老町以外の地域で、中核区域と連携して文化伝承活動等を実施する「広域関連区域」の
4つの区域で構成するとされている。
○ 象徴空間への来場者数については、
他の国立博物館と同様に、各種の広報媒体を通じて公表され、
国やアイヌ文化財団はもとより、道、白老町、アイヌ協会など、
今後設置が予定されている象徴空間運営協議会の構成員にも共有され、
象徴空間の運営の検討に資することになると考えるが、
象徴空間への来場者数を把握する区域の範囲及び
公表時期などについては、本施設のアイヌ文化の復興等や
国民理解の促進を図るという目的に即して、
運営方針等において示されるよう、国に求めてまいる。
⑤ 目標達成の方法について
次に、これらの目標達成の方法について伺います。
この目標は、発表すれば、掲げれば達成できるものではありません、それは、言うに及ばず仕掛け作りが必要です。100万人の目標達成に必要な熱量に応じて、視点を変えた、視点を重ねた方法が求められています。開設まで2年となった今、そのために残された時間は多くはありません。
国と運営主体、道と自治体、そして地域住民とそれぞれに果たすべき役割は多くあります。
道は、道自身が果たすべき役割を明確にしつつ、関与するそれぞれに果たしていただかなければならない役割を確認し、実行していただかなければならない立場にあるものと考えています。
道が見込んだ仕掛け作りは十分なものであるのか、また、道は、必要な予算や施策をどのように目論んでいるのでしょうか。道の見解を伺います。
<答弁>
目標達成の方法についてでありますが
○ 来場者目標100万人の実現のためには、
展示機能はもとより体験交流メニューの充実など魅力ある事業展開、
周辺の交通アクセスの充実、商業施設等受入環境の整備、
道内各地のアイヌ文化や観光資源との連携に加え、
国内外に向けた効果的・効率的な誘客の促進が必要と認識。
○ このため道では、開設準備支援プロジェクトチームを設置し、
今年度、実施している国の調査事業を活用して
象徴空間への来訪者像を整理した上で、国籍別や個人・団体などの旅行形態に応じた
効果的なプロモーションの展開方策などの検討を進めているところ。
○ また、今年度から、象徴空間の一般公開に向けた
アイヌ文化発信事業として、約4,200万円の予算を計上し、
平取町、札幌市、釧路市など道内各地でイベントを行うとともに、
東京都や先住民族文化を振興する台湾、ハワイにおいて、
古式舞踊の披露などを通じたPR活動など、道内外及び海外へのアイヌ文化の情報発信、
象徴空間のPR活動に取り組んできたところであり、
こうした事業に参画された方々からいただいた課題やニーズを踏まえながら、
今後、国やアイヌ協会、運営主体、地元白老町などとも
しっかりと連携を強め、より効果的な取組を進めてまいる考え。
⑥ 共同運営について
先の九州国立博物館の視察で教えて頂いた運営方法は、国と県、そして地域住民による共同運営という方法でした。組織体や予算付けは複数に渡るものの、そのメリットを活かすことで自らの役割を明確にして、積極的な博物館の運営を実現させているものと教えて頂きました。
国と運営主体が、既に基本計画等で示された目的を表す場として象徴空間を活用し、道や自治体、地域住民が民族共生の構成要素を満足させるための目的を表す場として活用することができるならば、それぞれが協働し、多くの方々にお越しいただくことのできる空間を提供することが出来るのではないでしょうか。
九州国立博物館が総合博物館ならば、民族共生象徴空間は単科博物館です。
太宰府天満宮に匹敵する強力なコンテンツが隣接している訳ではありません。
コンテンツが狭い分を深く展示したとしても、対象範囲を広げることができたとしても、来場者100万人という高い目標を実現するには並大抵の努力の積み重ねでは足りることはありません。
そして、開設2年前となった今にあっても、その具体的な計画でさえ見通すことが出来ていない状況は、決して歓迎できる環境ではないことが明らかです。
道と自治体、地域住民の皆さんには、この空間を使って「共生」を実現させ、北海道の元気を、地域の活力を生み出していかなければならないのだと考えています。
道には、これまで状況を客観視するのではなく、共同運営という使命と責任を共有できる環境を関係者に提案し、果実としての「稼ぎ」を実現させていくことが必要です。共同運営体制の確立について、道の見解を伺います。
<答弁>
運営体制の確立についてでありますが
○ 九州国立博物館は、独立行政法人国立文化財機構が運営する「博物館」と、
福岡県が運営する「県立アジア文化交流センター」が併設され、
一体として管理運営が行われているものと承知。
○ 一方、象徴空間は、アイヌ文化の復興等に関する
ナショナルセンターとして国が整備するものであり、
その運営は、アイヌ文化財団が担うこととされているところ。
○ 道では、国内外から多くの方々に象徴空間を訪れていただくため、
機運の醸成や誘客促進に取り組むとともに、地元白老町と連携し、交通アクセスの改善や
商工観光ゾーンの整備など、受入体制の充実に取り組んでいるところ。
○ 今後、国とアイヌ文化財団などが一体となって、開設準備を進めることとなるが、
象徴空間の安定した管理運営体制の構築が図られるよう、
道としても、運営協議会の場などを通じて、国に必要な提案や協力を行うとともに、
道における支援体制や事業の充実強化を図るなど、積極的に役割を果たしてまいる考え。
⑦ 道の決意について
最後に、来場者目標100万人の実現へ向けて、道として、今後どのように考えて取り組んでいくのか伺います。
<答弁>
今後の取組についてでありますが
○ 象徴空間は、我が国が誇るべきアイヌ文化を国内外の多様な人々へ発信することを通じ、
アイヌ文化の復興等に寄与するとともに、
道内各地域のアイヌ文化の振興や観光をはじめとした
本道の活性化につながるものであり、その開設効果を
全道各地へと広げていくことが重要と考えているところ。
○ このため、道では、官民応援ネットワークによる機運の醸成や誘客促進のほか、
開設準備支援プロジェクトチームによる、魅力的な演出や
道内各地との連携方策の検討などを進めるとともに、
開設1000日前カウントダウンセレモニーや道内をはじめ首都圏、海外において
アイヌ文化発信イベントを開催するなどの取組を進めてきたところ。
○ 新年度には、アイヌ文化財団とアイヌ民族博物館が合併し、
開設準備が本格化するところであり、
道としても、象徴空間の開設を千載一遇の機会と捉え、
国内外からたくさんのお客様に北海道を訪れていただくことで、
アイヌ文化の復興や創造発展、さらには道内経済の活性化、
地域創生の好循環へとつなげていけるよう、
道としても全庁的な体制や事業の充実・強化に取り組んでまいる。
<指摘>
言うまでもなく、良い展示があれば、必要な来場者の確保が実現できるわけではありません。あくまでも、良い展示は手段でしかないのです。
では、100万人の来場を実現することが目的なのでしょうか。それも違います。100万人の来場者を実現できた暁には、この地域、ひいては北海道の観光客等への優良な観光コンテンツの提供が実現し、地域経済やインフラ整備に直結することとなり、その地域や北海道民の暮らしやすさや元気につなげていくことが目的となるのだと考えています。更には、国や道が進めるアイヌ政策の国民理解の促進をはじめとするアイヌ文化の復興を実現させる大きな機会であることは明らかです。
私は、民族共生象徴空間の開設だけではなく、100万人という大きな目標の設定によって、それを実現させる過程で生み出される官民が一丸となった「その先の、道へ」進む北海道の熱量、元気に直結させることが出来ると確信しています。
私は、年間来場種数100万人という目標が設定されてから1年以上が経過した今、その達成へ向けた努力の積み重ねが明らかに感じることが出来ていない今を憂いています。
道は、国や関係各所と協力し、その為に必要な努力を積み重ねることを怠らず、北海道民に、その道の先に輝く北海道の姿の一端を示していただきたいと願っています。
以前の私からの質問でもお示したように、知事を筆頭とした関係各部職員の皆さんが実体となった必要とされる努力の積み重ねを期待してこの質問を終わります。
ありがとうございました。
去る1月21日、道見やすのり事務所に於いて、連合後援会女性部主催による「平成30年鏡開き」を昨年に引き続き、今年も午前と午後の2部制で開催させて頂きました。
庵跡女性部会長のご挨拶から始めさせていただき、青柳連合後援会会長のご挨拶、吉川女性部幹事長の乾杯続き、笹浪連合後援会幹事長による締めのご挨拶を頂きました。
<庵跡女性部会長ご挨拶>
<青柳連合後援会会長ご挨拶>
<吉川女性部幹事長 乾杯ご発声>
<笹浪連合後援会幹事長ご挨拶>
参加頂いた皆さまからはお漬物、お菓子、お飲み物などを持ち寄っていただき、事務所からは女性部の皆さまがお汁粉をご用意いただきました。
短い時間ではありましたが皆さま親しく楽しく懇談いただきました.
これまでの「北の元気玉」としての働きを振り返り、残り一年に向けて「北海道の元気を取り戻すため」、「北海道を強くする」為に、全力で取り組んで参ります。
道見やすのり事務所スタッフ
D,税外諸収入の債権回収について
次に、税外諸収入の債権回収についてであります。
道が債権を持つ税以外の収入金については、現在、多額の未収金が発生しており、効率的な回収による未収金残高の縮減が大きな課題となっています。このため、道では、債権者として行うべき債権回収の手続きや債権管理に資する情報の共有、更には、債権放棄の手続きなどを債権管理条例として整理し、債権管理の一層の適正化と効率化を図ろうとしています。
先日の総務委員会で示された条例の素案によれば、督促をはじめ強制執行等といった司法的な債権回収措置はもとよりね債務者所在不明などで回収困難な場合の徴収停止や債権放棄などについて規定するとされていますが、貴重な道民の税金が原資となっている延滞債権の回収努力を尽くすためには、司法の力を用いた強制執行等のほかに、各部の枠を超えて延滞債権を一定規模にまとめて民間の債権回収業者、いわゆるサービサーに回収業務を委託する必要があると考えますが、見解を伺います。
<答弁>
税外諸収入の未収金対策についてでありますが、
〇道では、多額となっている未収金の縮減を図るため、徴収強化期間の設定や
回収業務の民間委託、実務担当職員の研修会などに取り組んでいるところ。
〇このような中、現在検討を進めている、(仮称)債権管理条例においては、
債務者情報を関係部署間で利用することを可能とするなど、なお一層の効果的・
効率的な債権管理を目指しているところ。
〇道としては、条例の制定により把握できた、複数の債権を滞納している債務者の
状況や、回収の手法による費用対効果なども検証し、これらの債権を合わせた催告
や訴訟といった手続きをはじめ、複数債権の効率的なサービサー等への委託も含め、
新たな徴収対策を検討してまいる考え。
C,科学技術の振興について
次に、科学技術の振興についてであります。
平成20年に制定した北海道科学技術振興条例では、本道の経済の活性化や道民生活向上に科学技術が重要な役割を果たすとの理念の下で、科学技術の振興に努めるとする基本的な考えが示されており、道では現在、関連施設の総合的、計画的な推進を図るため新たな基本計画の検討を行っていると伺っています。
近年の科学技術の進歩は著しく、ビッグデータを活用した人工知能の研究や、人工衛星の位置情報を用いた自動運転技術、人の身体的負担軽減に結びつくパワーアシスト技術の開発など、我々の日常生活や経済活動を大きく変える可能性を秘めた技術の開発研究が国内外で活発になっています。
道が、今後、大学や道総研等と連携し、科学技術の振興を図る際には、道内各地域で大きな問題となっている人口減少や建設・介護・農林水産業などの現場で深刻化している人手不足への対応、道内生産の80%近くを占めるサービス産業の生産性の向上、さらには地球規模で進む気候変動の影響で今後も繰り返される可能性の高い災害への対応など、本道が今直面している様々な課題の解決に結びつく科学技術分野に重点化を図る必要があると考えます。
道は、新たな科学技術振興計画の中で、どのような点に重点を置いて科学技術振興の取り組みを強化していく考えなのか、伺います。
<答弁>
時期科学技術振興計画についてでありますが、
〇道では、これまで大学等と連携し、本道の有する資源の活用や優位性
の発揮が期待される食・健康・医療や環境・エネルギー分野の研究開発
などを進めることにより、機能性食品や医薬品・化粧品の開発、
再生医療技術の実用化のほか、バイオマス資源の活用などにつなげてきたところ。
〇経済・社会を取り巻く情勢が大きく変化する中、多様化する地域課題
の解決に向け、科学技術の重要性はますます高まっており、
道としては、これまでの取り組みに加えて、AIやIoTなどの先進技術の
利活用を図りながら、農水産業の生産性向上や医療・介護サービスの
省力化・事業化を進めるとともに、こうした取組の基盤となる産学官連携体制
の構築や、人材の育成・確保などに、関係機関と連携し、本土の抱える
さまざまな課題の解決に結びつけ、未来や世界に発信できるように、
重点的に取り組んでまいる考え。
B,台湾からの観光客の拡大について
次に、台湾からの観光客増加に向けた取り組みについて質問します。
道が取り組む外国人観光客500万人プロジェクトについては、平成28年度に230万人を突破し、順調に伸びをみせていると言えます。2020年度の達成を目指して、更に必要とされる政策の追加が求められるところだと考えています。
その数を国別で見渡すと、平成26年度には、台湾から47万2千人、その他を合わせて154万1千人となっていて、平成28年度には、台湾から52万9千人、その他を合わせて230万1千人となっています。
今回の質問では、平成26年度まで来訪観光客数で第1位となっていた、台湾からの来訪観光客数について質問したいと思います。
台湾は、人口2355万人を有する親日国の一つと認識されていて、北海道をこよなく愛していただいている地域であって、先に述べた来訪観光客数52万9千人というデータからも、それを裏付け出来ることとなっています。
また、道内各地には22もの日台友好団体が存在し、台北駐日経済文化代表所札幌分所が設置されていることからも、政府間並びに民間交流の活発さを疑うところではありません。
現在では、台湾における販路拡大や情報発信等の地域の取組みを支援するために、台中市にマーケティングと情報の発信を総合的に展開することを目的に、北海道貿易物産振興会が主体となった「北海道チャレンジショップ」を10月16日から三か月程度の予定で開設されていると伺っています。
① 台湾からの観光客の拡大について
そこで、まずは、台湾からの観光客の拡大について伺います。
これまでの来訪観光客数からみても、既に台湾は成熟した地域と判断することが出来ます。私たちは、先ほど述べた台中市の「北海道チャレンジショップ」を試みとして、シンガポール等に設置している「どさんこプラザ」の台湾設置、そして様々なプロモーションの取り組みを通して、更なる来訪観光客の上積みを実現していかなければなりません。
道は、これまで、直行便の誘致等を含めて台湾に向けたどのような取り組みを展開してきたのか、今後、成熟した地域である台湾に向けてどのような取り組みを展開していくのか、また、それはどのくらいの上積みを目標としているのか、そして、それらの見込まれる取り組みはその目標に見合うものとなっているのか、それぞれに見解を伺います。
<答弁>
台湾からの誘客の取組などについてでありますが、
〇道では、これまで、台湾の航空会社などに対する道内地方空港への就航
も含めた増便の提案や、台湾で開催される旅行博への出展を通じた誘客に
努めるとともに、個人旅行客やリピーターの多様化するニーズに対応するため、
旅行会社やメディアの招聘による道内各地の魅力やイベントなどの情報発信、
台湾で人気があるサイクリングやマラソンといったスポーツツーリズムの
プロモーションなどに取り組んできたところ。
〇台湾からの来道観光客は平成28年度で約53万人となったものの、
来道外国人観光客500万人という目標に向けては、倍増させていく必要が
あると考えていることから、道としては、誘客促進の取組の拡充・加速化を図り、
台湾の皆様の旅行意欲を一層喚起するなど、目標の達成に向け、
積極的に取り組んでまいる考え。
<指摘>
そして、先ほど紹介した台中市の「北海道チャレンジショップ」については、更なる改善が必要であるとも現地でお聞きしているところであり、「チャレンジ」が示す通りに道内企業が安心して海外市場へ挑戦できる環境づくりが必要であることも承知はしていますが、北海道側による自己満足に留まることなく、そもそもの命題である観光客の増加に向けた要素も手落ちなく配していただけますように要望しておきます。
② 北海道からの往訪客の拡大について
次に、北海道からの往訪客の拡大について伺います。
北海道から台湾へ訪問している観光客数は、台湾から北海道に訪問して頂いている観光客数と比べて、かなりの差がついているのが現実とお聞きしています。
私は、先月、台湾の外交部を訪ね、張淑玲(ちょう しゅくれい)秘書長と面談することができました。更なる人的・経済的交流を振興する必要性と、その具体的な政策について議論することができました。中でも、日本から、北海道からの観光客数を伸ばすことについては強い要請があったところであり、その責任を痛感することとなりました。
道が、台湾からの観光客数を拡大させていこうとする時に、一方的なプロモーションの効果には自ずと限界があって、相互的な往来の増加を実現させていかなければならないと考えています。
例えば、台湾への教育旅行の促進の拡大や台湾でのちょっと暮らしの推進等も、特色ある政策の一つとなることでしょう。
そこで、台湾との交流人口の増加へ向けた協力は、どのような取り組みがあるのでしょうか。また、北海道からどのくらいの観光客が台湾を訪れることを想定して取り組んできているのか、伺います。
<答弁>
北海道から台湾への訪問客についてでありますが、
〇本道と台湾を結ぶ航空路線は、エバー航空、チャイナエアライン、
タイガーエア台湾、スクートの4社に加え、国内の航空会社では今年9月に
ピーチ・アビエーションが週3便の運航を始めたところ。
〇航空会社によると、本道から台湾への乗客数は、台湾からの乗客数に比べ
少ない状況で推移していると伺っており、安定的に航空路線を発展させて
いくためにも、アウトバウンドとインバウンドの双方向での交流が重要と認識。
〇道では、航空会社や旅行会社、経済界などと連携して、海外教育旅行支援事業
などのメニューを活用し、平成25年度から高校生や大学生を中心に台湾への
渡航に要する経費に対して支援を行ってきたところであり、
今後とも、関係者とともに、より多くの道民の皆様が台湾を訪れることが
できるよう、積極的に取り組んでまいる。
③ 台湾フェアの実施について
次に、台湾フェアの実施について伺います。
来年7月に台湾新聞主催による「台湾フェア」が、道庁赤れんが前の北3条広場で開催されることになっているとの情報を得ています。
この取り組みについて、その後の継続開催は、北海道からの観光客の拡大にとって大いに有益であるに違いありません。
道民に、台湾を知っていただくことや体験していただくことは大切な情報提供となり、単純に台湾に行って欲しいとアピールしても実現は難しく、体験を通して興味を持っていただく上で、この「台湾フェア」は期待されるところが大きいものと考えています。
道は、このフェアのことを承知しているのでしょうか。また、道として、この取り組みに支援や参加を検討することは出来ないのでしょうか、更に、今後の継続的な支援について、それぞれに見解を伺います。
<答弁>
台湾フェアについてでありますが、
〇このフェアは、台湾新聞社が台湾の食文化などの魅力を発信し、
北海道から台湾への誘客を促進することを目的として
来年7月に札幌で開催する「日本台湾祭りin Hokkaido」
というイベントと承知。
〇道としては、アウトバウンドの増加がインバウンドの拡大の促進にも
つながると考えることから、今後とも、観光振興機構や機構が友好提携を
締結している台湾観光協会など北海道と台湾の関係機関と連携するなどして、
こうしたイベントなどの活用も含め、
相互交流の深化に継続して努めてまいる考え。
④ 高橋知事の台湾訪問について
最後に、高橋知事の台湾訪問について伺います。
高橋知事は、平成23年10月に台湾を訪問されています。
今回、私が台湾を訪問した際にも、非公式ではありますが、高橋知事の台湾訪問を熱望されていることを台湾政府から伝えられたところであります。
高橋知事が、多くの台湾の皆さんへ向けて、北海道へお越しいただくことができるように
直接に要請することは、北海道を愛していただいている台湾の皆さんのこころに大きな影響を与えることができるものと確信しています。
高橋知事自身が、今任期中に台湾を訪れるお考えはあるのでしょうか。見解を伺います。
<答弁>
台湾訪問についてでありますが、
〇私は、平成23年10月、台北市立動物園主催のタンチョウ展示
オープニングセレモニーにお招きいただき、
ご挨拶の中で、その年の3月に発生した東日本大震災に際して、
台湾の皆さんから、いち早く、多くの温かいご支援をいただいたことに
感謝を申し上げたところ。
〇また、台湾からは毎年、「さっぽろ雪まつり」や「よさこいソーラン祭」
に参加いただき、北海道からは毎年、「ランタンフェスティバル」や
「タッチ・ザ・ジャパン」等の旅行博に参加しているほか、
道内各地において日台親善協会が設立されるなど、台湾との結びつきは、
広がりを見せているものと認識。
〇平成28年度の台湾からのお客様は約53万人に達し、来道された
外国人観光客230万人の4分の1を占めるなど、多くの皆様に北海道観光を
楽しんでいただいているが、私としては、本道と台湾の交流がますます
盛んになるよう、より一層の取組に努めてまいる考え。
私たちが、台湾からの観光客の更なる増加を見込む時に、これまで通りのアプローチで目標の上積みを実現していくことは、難しい取り組みであることを知らなければなりません。
私たちは、観光立国を実現していく為に「気候」「自然」「文化」「食事」という四条件を満たしながら、私たち自身を磨き上げていかなければならないことは勿論でありますが、過ぎる観光客数の偏った実態が、更なる成長を阻む要素となりえることを、真摯に受け止めなくてはならないのではないでしょうか。
人口減少と少子高齢化による人手不足の最中にあったとしても、外国人観光客500万人の実現へ向けて、更にその先を目指さなければならない私たちは、北海道と台湾の間における互恵関係の構築を急ぎ、共に繁栄を成し遂げなければならないのだと信じています。
高橋知事の台湾訪問をきっかけとして、相互理解と相互交流の促進が実現されるように要望して、この質問を終わります。
A,新エネルギー導入の加速化について
まず、新エネルギー導入の加速化について伺います。
道では、平成12年9月に「北海道省エネルギー・新エネルギー促進条例」を制定し、平成28年3月に「北海道省エネルギー・新エネルギー促進行動計画(第Ⅱ期)」を策定して、 省エネルギーの促進や新エネルギーの開発・導入を加速させるための施策を展開していると承知しています。
新エネルギーに関しては、太陽光や風力などの導入が進んでいるものと、地熱やバイオマスなど導入の拡大が期待される状況にあるもの、更に発電のみに留まらず熱エネルギーやエネルギー発生時の副産物も含めて地域内循環を目指した新エネルギーの導入拡大の取り組みが重要です。
私たちは、脱原発の視点に立ち、道内における自立的に確保できる新しいエネルギーの利用拡大を定めた前出の促進条例に基づいて、新エネルギー王国を早期のうちに実現させなければなりません。
北海道電力による平成25年6月と平成26年11月の二度に渡る電気料金の値上げによって、さらに北海道全体で約530億円にのぼる電力賦課金を支払わされていることが加わることは、中小企業・小規模事業者の収益を圧迫するばかりではなく、直接的に道民の暮らしに打撃を与えることになっているのであり、地域から資金を流出させるのではなく、地域に資金を循環させるエネルギーの地産地消の取組みを進めることが重要です。
① 北海道内の新エネルギーの導入について
最初に、北海道内の新エネルギーの導入について伺います。
現在、今年で3年目になる国によるエネルギー基本計画の見直しが行われていると伺っております。新たなマスタープランが出来上がることになります。
その中でも、大震災を契機とした原子力発電の新たな取り組みや、地球温暖化防止の観点からの化石燃料による火力発電への依存縮小などによって、再生可能エネルギーの取り扱いが注目されています。
いまだ発展途上にある再生可能エネルギーについては、政策の助けもあって活用が進んではいるものの、再生可能エネルギー固定価格買取制度、いわゆるFIT制度の買取価格が下がる局面に入っていて、議論がされているものと承知しています。そのFIT制度について、一般木質バイオマス向けの買取価格に入札制度を導入することについて大筋で一致したと報道されていました。
そのような中で、道は、北海道内の太陽光・風力・地熱・バイオマス等の様々な可能性を含んだ新エネルギーの導入状況についてどのように把握しているのか、それらについての将来の目標を数値化できているのか、伺います。
<答弁>
新エネルギーの導入状況などについてでありますが
○本道における平成27年度の新エネルギーの導入状況は、発電設備容量は、
244万9,000キロワット、発電電力量は、67億7,500万キロワットアワー、
熱利用量は、1万3,979テラジュールとなっている。
○道では、「省エネ・新エネ促進条例」に基づき、行動計画を策定し、
新エネルギーの導入拡大に向けた取組を進めているところであり、
行動計画において、エネルギーの地産地消や大型プロジェクトの実現などにより、
平成32年度までに導入を目指す新エネルギーの数値目標を設定するとともに、
送電インフラの整備や、開発が長期にわたる地熱開発に関する地域の
合意形成などの条件整備を進めることにより達成すべき目標を掲げ、
その実現に取り組んでいるところ。
② 再生可能エネルギー資源の賦存量について
次に、再生可能エネルギー資源の賦存量について伺います。
高橋知事は、常々に「北海道は再生可能エネルギーの宝庫です。新エネルギー関係で道外の企業に協力いただくと同時に、地産地消を推進していきます。北海道電力にも理解を求めていきます。」と明言されています。私も、この点は全くの同感であり、更なる導入加速化を実現していかなければならないと考えています。
では、道は、どこまで導入・推進していくことができるのかを把握しているのでしょうか。
太陽光や風、更に地熱源、バイオマスに至っては、家畜糞尿、木質資源、廃棄物等々と新エネルギーを生み出すための原材料の範囲は多岐に渡ります。
これまで、道が頼ってきた賦存量の認識に対して、現存する可能な限り正しい賦存量の把握が必要となります。正しい賦存量に対して、道が目指す目標を導入し、それに見合う政策を早期のうちに示すべきです。
高橋知事が、再生可能エネルギーの宝庫と表現する私たちの北海道に、一体それぞれにどれくらいの賦存量があるのかを明らかにしたことはあるのでしょうか、また、その内のどれ位を利活用していこうとしているのでしょうか、そして、正しい賦存量の可能性を十分に活かしきることが出来るようにどのような政策を実行してきたのでしょうか、伺います。
<答弁>
新エネルギーの賦存量などについてでありますが
○国では、現時点での科学的知見をもとに地域ごとの賦存量を示しており、
道では、この調査をもとに、本道に賦存する新エネルギーの量を
「省エネ・新エネ促進行動計画」の中で示すとともに、利用可能なポテンシャルを
最大限に活かすことにより達成すべき導入目標をエネルギー種別ごとに掲げ、
新エネルギーが主要なエネルギー源の一つとなるよう道民理解の促進や取組の
推進を担う人材の育成、段階に応じた支援など、新エネルギーの導入拡大に
向け取り組んできたところ。
○道としては、現在の行動計画の計画期間が平成32年度までであることから、
本道の新エネルギー資源を取り巻く状況をしっかりと把握しながら、
「行動計画」の見直しを行う必要があると考えている。
③ 木質資源の利活用について
次に、再生可能エネルギーの活用の中でも木質資源の利活用について伺います。
私は、第三回定例会の予算特別委員会で「林業・木材産業の成長産業化について」の質問をさせていただきました。その中で、私たちの北海道が、土地面積の約7割が森林に覆われており、国内の森林面積の約1/4を占めるなど、広大な森林を有していること、この森林資源を有効に活用し、林業・木材産業の成長化を図ることを確認し、競争力の強化を図ることで成長産業化を急がなければならないと共有できたものと承知しています。
なかでも、木質チップの需要は相変わらず高く、輸入木質チップに頼らざるを得ない現状は決して望ましいことではありません。
木質チップが不足している現状は深刻です。木質チップが不足しているという現状は、非常に偏った環境であると言えると考えています。
そこには、森林を育むために種苗を植える人、樹木を日々管理し切り出す人から始まり、それを使った製材や間伐材などの未利用材の活用など木材産業に携わる方々、これらを運搬する方々に至るまでの様々な課題が存在していることが明らかになっています。
そのような中で、林業・木材産業関連団体からは、利用促進策として、林地未利用材の効率的な集荷・チップ等への加工、木質バイオマスエネルギー利用施設等の整備に対する支援強化、更に林地未利用材の搬出・運搬経費に対する支援強化など具体的に陳情が寄せられています。
北海道が、再生可能エネルギー大国を目指す時に、近年盛んになってきている木質バイオマス発電の振興を実現させていくための政策が必要になってきます。
特に発電事業について伺いますが、現在の木質チップの供給状況はどのようになっているのでしょうか、北海道内で生産し得る木質チップの賦存量をどのように把握し、林業・木材産業の成長化を実現させた上で、どこまで供給可能量の拡大を目指しているのか、その将来の目標は明確になっているのでしょうか、伺います。
<答弁>
木質チップの供給量などについてでありますが
○本道において、紙の製造に利用されないチップや、森林内に残された未利用の
木材など木質バイオマスは、平成28年度では、発電施設の燃料などに
44万立方メートルが供給されている。
○道内の森林では、間伐などに伴い、毎年、100万立方メートルを超える未利用の
木材の発生が見込まれていることから、本年3月に策定した森林づくり基本計画に
おいて、38年度に、木質バイオマスエネルギーの原料として未利用の木材を
69万立方メートル供給することとしている。
○道としては、こうした本道に賦存する豊富な森林資源を最大限に活用するため、
森林内の路網整備や高性能林業機械の導入を促進するなど、木質バイオマスの
安定供給を通じた林業・木材産業の成長産業化に取り組んでまいる考え。
④ 下川町の木質バイオマス活用について
次に、下川町の木質バイオマス活用について伺います。
下川町における木質バイオマスの利活用は、全道はもとより、全国的にも注目される取り組みとなっていて、地産地消を理念とする姿勢は評価に値するものと考えています。
先の報道によりますと、町が来年度に着工を目指していた官民による木質バイオマス熱電併給事業計画を断念することになったと承知しています。事業規模の大きさや町外からの原料調達が懸念されたことが理由とのことであります。下川町長は、町の木質バイオマス事業は拡充させていく方針に変わりなく、改めて事業計画を策定し、地域活性化を目指したいとの趣旨のコメントを出されております。
このポイントは、地産地消と事業規模であると考えています。単純に北海道と下川町を並列して比較や検討することはできませんが、新エネルギーを導入し加速化させ、地域の活性化を実現させていかなければならない時に、その理念を置き忘れることは許されず、自らの状況を冷静に診断し、可能性を見極めて、将来に渡っての道筋を明らかにすることは、官民が連携して取り組む事業の公共性と、最大限の活力を生み出すことが出来る施策であると思うのです。
道は、先の促進行動計画の中で、課題の一つとして、地域での取り組みを加速させるために足腰の強い事業主体の育成が不可欠であると表していますが、それこそが道の役割であると私は考えています。
また、知事は、本定例会の我が会派の代表格質問でエネルギー政策について質問されたことに対して、地域の特性や資源を効果的に活用した取組を支援することや、エネルギーの地産地消の取組を全道各地に広げ、暮らしの豊かさの実現や経済の活性化につなげていくと答弁されているのです。
知事は、これらの取り組みをどのように捉えた上で、北海道の新エネルギー導入の加速化をどのように実現させていこうとされているのか、その為にこれまで質問させていただいたような必要とされる施策をどのように加速化させていくことを考えているのか、見解を伺います。
<答弁>
新エネルギーの導入拡大についてでありますが
○エネルギーは暮らしと経済の基盤であり、身近な地域で自立的に確保できる
さまざまなエネルギー資源を最大限に活用し、活力ある地域社会の実現に
寄与していくことが重要。
○道としては、エネルギーの地産地消の促進や地熱、風力といった資源の活用を
進めることにより、新エネルギーの導入を一層促進していくことが必要と考えており、
「新エネルギー導入加速化基金」を活用し、先駆的な地産地消のモデルづくりを
支援するとともに、その成果を活用した取組を全道各地に広げるほか、
市町村などの取組の段階に応じたきめ細やかな支援を行うなど地域や企業の
皆様と連携しながら、道内に豊富に賦存する新エネルギーのポテンシャルが
最大限に発揮されるよう取組を進め、地域経済の活性化につなげてまいる。
M,いじめ防止基本方針について
次に、いじめ防止基本方針についてですが、今年の第1回定例会のわが会派の代表質問で、いじめの防止などに向けての今後の取組について伺ったところ、教育長から、本年度「いじめ防止基本方針の改定を行う」旨の答弁がありました。
いじめは、いじめを受けた児童生徒の教育を受ける権利を侵害し、その心身の健全な成長や人格の形成に重大な影響を与えるだけでなく、生命・身体に重大な影響を及ぼすおそれがあり、決して許されるものではありません。いじめ防止基本方針は、本道におけるいじめ防止等対策の基本的な方向や具体的な対策を示すものであり、学校や家庭、地域住民、行政その他の関係者の相互の連携協力の下、社会全体でいじめ問題を克服していくための重要な方針であると考えておりますので、以下何点か伺ってまいります。
① 道内におけるいじめの現状について
最初に、道内におけるいじめの現状についてですが、全国的に見てもいじめの認知件数は増加しておりますが、道内におけるいじめの現状はどのようになっているのか、伺います。
<答弁>
道内におけるいじめの現状についてでありますが、
○ 昨年実施した国の「平成27年度児童生徒の問題行動等
生徒指導上の諸問題に関する調査」では、
道内の公立学校のいじめの認知件数は、
全ての校種を合わせて5,537件で、
前年度の3,132件に比べ、2,405件増加しており、
1,000人当たりの認知件数は、11.2件で、
前年度の6.2件に比べ、5.0件の増加となっている。
また、いじめの解消率については、96.9%で、
前年度の95.1%に比べ、1.8ポイント上昇している状況である。
○ 昨年度の調査におけるいじめの認知件数の増加は、
全国的な傾向となっており、その要因としては、
各学校において、初期段階のいじめであっても、
いじめを把握し、解消につなげることが重要であるとの認識のもと、
各学校が積極的な認知に努めた結果と捉えているところ。
② いじめ防止基本方針改定骨子案について
先般、「いじめ防止基本方針」改定骨子案が示され、いじめの理解や、学校いじめ防止基本方針に盛り込む内容、特に配慮が必要な児童生徒に対する支援、児童生徒が発信したSOSのへの対応、重大事態への対処などが新たに追加する内容とされておりましたが、どのようなで視点で検討作業が行われているのか、伺います。
<答弁>
いじめ防止基本方針の改定の視点についてでありますが、
○ 道教委としては、改定に当たっては、
国の「いじめの防止等のための基本的な方針」の
改定内容を参酌するとともに、本道におけるいじめの防止等に関する条例施行後の
教育委員会や学校、地域における
いじめ防止等の取組状況の点検・評価の結果等を踏まえながら、
・基本方針に定めるいじめの防止等の対策が十分に機能しているか
・いじめの重大事態への対応が適切に行われているか
という2つの視点を基本として検討を進めることとしている。
③ いじめ防止等対策における課題と対応について
基本方針の改定に当たって作業を進めている中で、これまでのいじめ防止等対策においてどのような課題が明らかになり、その対応をどのように基本方針の改定に反映させようと考えているのか、伺います。
<答弁>
いじめ防止等対策における課題と対応についてでありますが、
○ 道教委としては、
いじめ防止等の取組の実態を把握するために実施したアンケート調査や、
これまでのいじめに関する国や道の独自調査の結果などから、
・市町村におけるいじめ防止基本方針の策定率が全国平均と比べて低いこと
・学校におけるいじめ防止基本方針の内容や、
いじめ対策組織の活動について児童生徒や保護者への周知が不十分であること
などが主な課題であると認識しているところ。
○ 今後、こうした課題に対応するため、
・市町村のいじめ防止基本方針の策定に向けて支援すること
・「学校いじめ防止基本方針」の内容を入学時や各年度の開始時に必ず
児童生徒、保護者、関係機関等に説明すること
・学校いじめ対策組織が、被害児童生徒を徹底して守り通すことを児童生徒から
認識されるよう取り組むこと
などを新たに基本方針に明記するなどして、道内のいじめの防止等対策が
より一層実効性を伴うものとなるよう努めてまいる考え。
④ いじめの重大事態に対する対応について
今年7月に見直された国の「自殺総合対策大綱」では、若年層の死因に占める自殺の割合が極めて高いことから、「いじめを苦にした子どもの自殺の予防や、SOSの出し方に関する教育の推進の取組]が当面の重点施策として新たに掲げられております。
全国的にもいじめを苦にしたと見られる自殺が発生しており、こうしたいじめの重大事態に係る教育委員会や学校の対応に対し、保護者等に大きな不信感を抱かせるような事案についての報道が相次いでおります。 いじめの重大事態が発生した場合には、被害児童生徒や保護者等に寄り添い、適切に対応していく必要があると考えますが、道教委として、いじめの重大事態の対応について、どのように基本方針に示していこうと考えているのか、伺います。
<答弁>
いじめの重大事態に対する対応についてでありますが、
○ 道教委では、いじめの重大事態が発生しているにもかかわらず、
不適切な対応などにより、児童生徒に深刻な被害を与えたり、
保護者等に不信感を与えたりするような事案が
発生することがあってはならないことから、
これまでも、本年3月に国が策定した
「いじめの重大事態の調査に関するガイドライン」を踏まえた
対応について、市町村教育委員会や学校を指導してきているところ。
○ 道教委としては、今回改定する道の基本方針に改めて、
国のガイドラインに沿って、
・児童生徒や保護者から申立があった時には、重大事態があったものとして
報告・調査に当たることや、
・被害児童生徒や保護者の意向を的確に把握した上で調査を進めることなど
を明記するとともに、各種会議や研修会等の様々な機会を捉え、
周知徹底を図るなどして、国のガイドラインや道の基本方針を踏まえた対応が、
より適切に行われるよう、引き続き指導してまいる考え。
⑤ 今後の進め方について
最初にも申し上げましたが、全国的にもいじめの認知件数は増加しており、陰湿ないじめを苦にしたと見られる自殺などの報道も相次いでおります。
このような状況も踏まえ、道教委では、今後、いじめ防止基本方針の改定に向けて、どのように取組を進めていこうとしているのか、伺います。
<答弁>
今後の進め方についてでありますが、
○ 道教委では、現在、本年9月に策定した改定骨子案に基づき、
素案の検討を行っているところであるが、
今後においては、10月に全道14管内で開催する
「どさんこ☆子ども全道サミット」において、児童生徒や保護者から
いじめについての思いやいじめ防止対策などについて意見を聞き、
素案に反映させるほか、
素案策定後は、道議会で御議論をいただくとともに、
パブリックコメントの実施や関係機関等からの意見聴取などを経て、
年度内には、北海道いじめ防止基本方針を改定する予定。
○ 道教委としては、改定の検討状況を、適宜、学校に情報提供するなどして、
「学校いじめ防止基本方針」の点検・見直しが進むよう
働きかけるとともに、改定後には、新たな基本方針の内容などを掲載した
リーフレットの作成・配布などを通して、児童生徒や保護者などにも
改定の趣旨を広く周知するなどして、
本道におけるいじめ防止等の取組が一層充実するよう努めてまいる。
L,幼児教育の振興について
次に、幼児教育の振興についてですが、先の我が会派の代表質問で幼児教育について伺いましたが、幼児教育の質の向上の取組などについて、もう少し掘り下げて伺ってまいります。
① 幼稚園教育要領の改訂について
本年3月に、幼稚園教育要領や幼保連携型認定こども園教育・保育要領、さらには保育所保育指針が改訂され、同様に改訂された小中学校などの学習指導要領に先行して来年度から実施されることになりましたが、改めて、幼稚園教育要領が改訂された趣旨について伺います。
<答弁>
幼稚園教育要領の改訂についてでありますが、
○ 現行の要領では、幼児の「遊び」を中心とした生活を通して、
一人一人に応じた総合的な指導を行ってきたところであるが、
社会状況の変化等による幼児の生活体験の不足等から、
基本的な技能が身についていなかったり、幼稚園と小学校の接続が
十分ではないといった課題が指摘されるとともに、
平成27年度から「子ども・子育て支援新制度」が実施され、
質の高い幼児教育を提供することが一層求められてきたこと等を踏まえ、
今般の改訂が行われたものと認識。
○ こうした状況を踏まえ、新しい要領では、
「健康な心と体」「自立心」や「道徳性・規範意識の芽生え」など
「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」を明確化するとともに、
幼児教育施設と小学校の教員がその姿を共有することにより、
幼児教育と小学校教育との接続の一層の強化を図ることを目指しているものと承知。
② 質の向上への対応について
改定の趣旨を踏まえると、幼稚園、保育所、認定こども園を含むすべての幼児教育施設で教育の質を高めていくことが重要です。幼児期の子どもたちが「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」に向けて成長し、小学校教育に円滑に繋がることが求められますが、道教委は、幼児教育の質の向上に向けてどのように対応しているのか、伺います。
<答弁>
幼児教育の質の向上についてでありますが、
○ 道教委では、平成28年度からの3年間、
国の「幼児教育の推進体制構築事業」を活用し、幼稚園をはじめとする
すべての幼児教育施設において質の高い教育が受けられるよう
幼稚園教員や保育士等の研修の仕組みや教育内容や指導方法等に
対する指導・助言体制の充実などについて調査研究を行っているところ。
○ このような中、公私立の幼稚園、保育所、認定こども園の関係者、
並びに市町村や学識経験者などで構成する「北海道幼児教育研究協議会」を設置し、
地域の実情や現場のニーズなどについて御議論いただいており、道教委としては、
こうした様々な意見を参考にしながら、教育の質の向上に向けた施策や
体制整備の在り方について検討を進めてまいる考え。
③ 調査研究事業について
国のモデル事業を活用して、幼児教育の推進体制を構築するための調査研究が行われておりますが、この調査研究事業を通じて、幼児教育の質の向上のために現在進められている具体的な取り組み、特に、教員や保育士の資質向上などの取り組みについてはどのようなものがあるのか、伺います。
<答弁>
教員や保育士の資質能力の向上についてでありますが、
○ 幼児教育の充実のためには、幼稚園はもとより、保育所、認定こども園など全ての
幼児教育施設において、質の高い教育を受けられるようにすることが重要である。
○ このため、道教委では、全ての幼児教育施設の職員等を対象に、
昨年度から試行的に「幼児教育を語る会」を実施し、
今年度は小学校の教員も対象に全管内で開催するなど
幼稚園教育要領等の改訂について理解の促進を図るほか
幼保小の教員が情報共有し、幼児教育について意見交流する場を設けている。
○ また、要請のあった幼児教育施設に
「北海道幼児教育相談員」として委嘱した専門家を派遣し、
要領の改訂等を踏まえた教育課程の見直しや
特別な配慮を要する乳幼児へのかかわりなどについて
助言を行う取組を進めているところ。
④ 小学校との連携について
今回の要領等の改訂では、幼児教育施設だけでなく、その後の受入施設となる小学校にも、幼児と児童との交流や障害のある幼児児童との共同学習の機会を積極的に設けるなど、両施設間の連携や協力が求められており、教員等がその趣旨をしっかりと理解し、幼児教育等と小学校教育の円滑な接続を図っていく必要があります。道教委は、このことについてどのように取り組んでいく考えなのか、伺います。
<答弁>
幼児教育施設と小学校との連携についてでありますが、
〇 小学校低学年は、
幼児教育を通じて身に付けたことを生かしながら教科等の学びにつなぎ、
児童の資質・能力を伸ばしていく時期であることから、
幼児教育と小学校教育を円滑に接続することが極めて重要と認識。
〇 このため、道教委では、各小学校が、幼児教育を通して育まれた資質・能力を
更に伸ばしていくことができるよう、それぞれの地域において
・特別な配慮を要する幼児へのかかわり方など
幼保小の情報交換や引継ぎ体制の構築
・教育内容の相互理解を図るための研修の実施など
一層の連携が大切であると考えている。
〇こうしたことから、来年3月に策定予定の新しい教育計画において、
幼保小合同の研修会や
小学校におけるスタートカリキュラムの作成を目標として設定するなど
幼児教育と小学校教育との円滑な接続のための取組を進めてまいる。
⑤ 基本方針の策定の進め方について
広大な本道においては、幼児教育施設は保育所だけという地域もあり、道内どこに住んでいても質の高い幼児教育を受けられる環境が必要です。教育長は代表質問で、「幼児教育内容の充実や人材育成をはじめとする各種施策を北海道全体で推進するための「仮称・北海道幼児教育振興基本方針」の策定について、知事部局と緊密に連携しながら検討を進める」と答弁されており、今後、基本方針の策定等により教育の質を担保していくことになると考えておりますが、方針の策定について、どのように検討を進めていこうとしているのか、道教委の考えを伺います。
<答弁>
基本方針の策定についてでありますが、
〇子どもたちの健やかな成長のためには、
幼稚園や保育所など全ての幼児教育施設において
質の高い教育が受けられ、さらに
小学校教育へと円滑に接続されることが重要であり、
そのため、
・教員や保育士の資質能力の向上
・幼稚園教育要領等の趣旨に基づく教育・保育の実施
・幼児教育施設と小学校等との連携
・家庭・地域との連携
などがこれまで以上に重要であると認識。
〇道教委としては、こうした考え方の下で、
広域分散といった本道の特性を踏まえた幼児教育の充実について
各部横断の連絡会議において議論を行うなど、
知事部局と緊密に連携するとともに、
「北海道幼児教育研究協議会」における議論も参考にしながら
教育内容の充実や人材育成をはじめとする各種施策について
オール北海道で推進するための基本方針の策定に向けて
検討を進めてまいる。
K,新しい教育計画について
始めに、教育計画についてですが、新しい教育計画の素案が示され、現在パブリックコメントが実施されておりますが、本道教育の現状と認識では、「人口減少と少子高齢化の進展」や「グローバル化と高度情報化の進展」、「子どもの貧困など社会経済的課題」、「学習指導要領の改訂や高大接続改革など教育改革の大きな流れ」といった社会状況などが挙げられており、このような中で本道教育のこれからの5年間の方向性を示す教育計画は重要なものであります。
計画では、「社会で活きる力」や「豊かな人間性」、「学びを支える家庭・地域」など5つの目標が掲げられ、それぞれに個別・具体的な政策が設定されておりますので、その中から、何点か伺ってまいります。
① 国際理解教育の充実について
最初に国際理解教育の充実についてですが、本道でもグローバル化が急速に進展する中、子どもたちが国際社会において主体的に行動できる資質・能力を育成するためには国際理解教育の充実が重要です。
そのためには、授業等で身につけた語学力を、子どもたちが授業以外の場で実際に試すことのできる機会が必要と考えておりますが、道教委は、子どもたちと外国の方々とのコミュニケーションを図る機会の充実に、どのように取り組んでいく考えなのか、伺います。
<答弁>
外国人とのコミュニケーションを図る機会の拡充についてでありますが、
〇 道教委としては、グローバル化が進展する社会において、
本道の未来を担う子どもたちに、豊かな国際感覚や
積極的にコミュニケーションを図る態度などを身に付けさせるためにも、
外国の方々とのコミュニケーションを図る機会を充実させることが
大切であると考えている。
〇 このため、道教委では、中学生が、
日常生活で使用する英語を用いて、
身近な地域で英会話に挑戦する「Englishトライアル」を実施するほか、
英語の活用場面を想定した学習プログラムを開発する
「高校生英語力向上事業」を実施し、指定校では、
外国人旅行者への案内や外国企業への道産商品の紹介、
海外の大学と連携した語学研修などの取組が行われているところ。
さらに、ICTを活用して海外の高校生と英語で直接交流する事業や
イングリッシュキャンプなども行ってきている。
〇 今後においては、ALTを活用するなどして、こうした取組を一層充実させ、
その成果を普及するとともに、知事部局とも連携を図りながら、
児童生徒が外国の方々と直接英語で交流する機会を拡充し、
国際理解教育の充実に努めてまいる考え。
② 情報教育の充実について
急速に情報化が進展する中で、ICTは社会インフラともいわれる時代になっており、子どもたちに、発達段階に応じて情報や情報技術を活用し、問題の発見・解決や、自分の考えを形成していくための必要な資質・能力を身につけさせることが重要です。
また、教員が分かりやすい授業づくりを進める上で、ICTを効果的に活用し、子どもたちが学習への興味・関心を高め、主体的に対話に加わるなど、深い学びに繋げることが求められております。
このような情報教育の充実に、道教委は、どう取り組む考えなのか、伺います。
<答弁>
情報教育の充実についてでありますが、
○ ICTの活用は、子どもたちの学習への興味や関心を高めるなど、
教育の質の向上や「分かる授業づくり」を実現する上で
極めて有効であるとともに、広域分散型の本道においては、
遠隔授業や遠隔研修など、より効果が期待できるものと考えている。
○ このため、道教委では、年内を目途に、
本道における教育の情報化の目指す姿として、
新たに「北海道における教育の情報化推進指針」を策定するほか、
子どもたちにICTを身近な道具として体験させたり、技能を深めさせるための
先進的な取組をまとめた実践事例集を作成するとともに、
道立教育研究所における研修等を通じ、
教員のICT活用指導力の向上を図るなど、
本道における情報教育の充実に取り組んでまいる考え。
③ 産業教育の充実について
道が策定を進めている総合教育大綱の素案では、本道の現状と展望の中に「2025年から2035年の間に、日本の労働人口の約49%の人が就いている仕事が、AIとロボットによって代替可能と予想され、仕事や働き方なども含め、社会システム自体が大きく変わることが予想される」と記載されているように、これからの子どもたちが社会に出て働く時には、今とは状況が大きく変化しております。
本道の将来の産業を担う人材が、このような高度化した時代に対応できる資質・能力を身に付けるため、産業教育の一層の充実が求められますが、道教委は、時代の変化を踏まえた産業教育の充実にどのように取り組んでいく考えなのか、伺います。
<答弁>
産業教育の充実についてでありますが、
○ 道教委としては、経済社会の変化やグローバル化の急速な進展、
本格的な人口減少社会の到来の中で、
本道産業の将来を担う人材の育成に向け、
専門的な知識や技術の習得はもとより、産業技術の高度化や
多様な課題に対応できる能力などを育むことが重要と考えている。
○ 道教委では、これまで、職業に関する教科において、
産業や科学技術などの変化に対応した学習内容を
充実させることはもとより、
地域の大学や企業等と連携して先進的な実践研究を行う
「専門高校プログレッシブプロジェクト推進事業」や、
技術革新に対応した教員の指導力の向上を図る
「高等学校産業教育長期実技研修」等を実施するなどして、
産業教育の充実に取り組んできている。
○ 今後は、こうした取組の成果を踏まえ、専門高校において、
学んでいる専門的な知識・技術と地域の課題解決とを
関連付けた「課題研究」の実践や、企業で用いられている
最先端技術等に触れる体験的な学習機会の確保、
農業生産工程管理などの国際基準に対応する取組などを
推進するとともに、産業界や知事部局等とも一層連携して、
社会の変化に対応した産業教育の充実を図ってまいる考え。
④ 読書活動の推進について
読書は、言葉を学ぶとともに、感性を磨き、表現力を高め、創造力を豊かなものにするなど、人生をより深く生きる力を身に付ける上で大切なものです。
道教委では現在、読書活動の推進に向けて、子どもの読書活動推進計画の改定を進めているということですが、どのような方針で計画づくりを進めているのか、伺います。
<答弁>
子どもの読書活動推進計画の改定についてでありますが、
○ 読書活動は、子どもの豊かな感性や表現力、創造力を育成するなど、
健やかな成長に不可欠なものであり、
社会全体でその推進を図ることが重要であると認識。
○ このため、道教委では、
平成15年度に「北海道子どもの読書活動推進計画」を策定し、
その後5年ごとに必要な改定を行ってきており、
現在は、平成29年度までを計画期間とする第三次計画により、
様々な施策を推進しているところ。
○ 現在、策定中の第四次計画については、
現計画における成果や課題はもとより、
学校図書館の整備・充実などに係る国の動向なども踏まえながら、
乳幼児期からの発達段階に応じた読書活動の推進や、
学校図書館をはじめとする読書環境の整備など、
北海道のすべての子どもが望ましい読書習慣を身に付け、
様々な機会を活用して自主的に読書活動を行うことを、
学校・家庭・地域が、より一層連携し積極的に推進される
計画となるよう取組んでまいる考え。
⑤ 学校と地域の連携・協働の推進について
平成27年に策定された道の総合教育大綱では、コミュニティー・スクールを全道に広めるなど、地域全体で子どもたちの学びを支援する取組として重点的に取り組むこととしており、国においても導入を推進していることから、道教委と知事部局が連携して市町村に働きかけた結果、コミュニティー・スクールの導入が進んできております。
道教委は、学校と地域の連携・協働を一層推進するため、これまでの成果を踏まえ、コミュニティー・スクールの導入促進に、どのように取り組んでいく考えなのか、伺います。
<答弁>
コミュニティ・スクールについてでありますが、
〇 地域住民が学校運営に参画し、
学校と地域が力を合わせて子どもの成長を支える仕組みである
コミュニティ・スクールを、道内の全ての地域で推進するため、
道教委では、これまで、制度を周知するための研修会や
全国的なフォーラムを開催するなどしながら、
導入の促進に努めてきており、
本道においては、コミュニティ・スクールを導入する学校が
着実に増えてきている。
〇 既に導入した地域においては、
学校に対する保護者や地域住民の理解が深まったことをはじめ、
学校と家庭・地域の役割分担が明確になり
教職員の子どもと向き合う時間が確保された、
などの成果が見られているところであり、
今後、こうした成果を道内の各地域や学校に普及・啓発するとともに、
各地域の取組について交流する場を充実させるなど、
本道のすべての地域において、学校と家庭、地域が連携・協働する
コミュニティ・スクールの導入促進や充実に向けた取組を
強化してまいる。
この質問は、北の元気玉が2年半前に当選させて頂いて以来、一貫して取り組んでいる課題に対しての議論になります。
世界の経済環境は、刻々と否応なく進化を続けていきます。
世界の北海道を自負する私たちが、高度経済成長等の「これまで」に固執して、「これから」を見誤る訳にはいきません。
世界と、アジアと対峙して、私たちが変化を拒むことが出来るほど、私たちが先を歩んでいる訳ではありません。
もはや、私たちには、世界をアジアを猛烈に追い上げるほどの成果が必要になっています。
汗することを厭わず、現地と力強く繋がりながら、北海道の元気のために働いて参ります。
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J,海外への販路拡大戦略について
我が会派の代表質問で、人口減少問題に対峙していくためや食産業の持続的な発展を図るために、拡大する海外市場に販路を切り拓くことが必要であると質問しています。
食イベントや商談会の実施、北海道ASEAN事務所や台湾チャレンジショップの設置等によって拡大を目指さなければならず、食の好みや食習慣を踏まえた商品開発や品揃えを充実させていく上で、海外のどさんこプラザの展開や役割は重要であるとしています。
一昨年、海外初のどさんこプラザをシンガポールに設置したことは好評を得ているとお聞きしていて、その拡大に期待が膨らむところです。
また、その代表質問に対する知事は、来年の10月にタイのバンコクに2つ目のどさんこプラザを設置し、食と観光が一体となった取り組みを強化していくと明言し、成長するASEANをはじめとする海外需要を一層開拓し、輸出や外国人観光客の拡大を図ることが重要と答弁されていて、道と議会が取り組む方向性に違いはないと判断しています。
① 道民等との方向性の共有について
最初に、これらの取組みに対する道民等の理解について伺います。
道と議会が、幾ら同調していたとしても、それを実行するのは道民や企業の皆さんであります。また、道と議会が、幾ら道民や企業の皆さんと一緒になって道産食品を売り込んだとしても、それを手にして口にするのは海外の消費者であることは言うまでもありません。
私がこの機会に確認しておきたいことは、生産する側と売る側の立場と、特に買う側の立場が置き去りにされてはいないかということなのです。
道は、何が売れるのかをマーケティング調査などを駆使しながら、何が求められているのかを把握しようとしています。
しかし、北海道内で生産されているものを、在る物を売ることは大切なことですが、同時に求められるものを生産する、売るという着眼の転換を図り、道民や企業の皆さんに情報の提供し、私たちは、将来に渡って成長することのできる視点を共有することが必要なのだと考えています。しばらくの間は、私たちの自慢の産物と求められる商品とを両建てで生産・販売していかなければならないのです。
私の下にも、「海外輸出云々言う前に、私たちの日々の食卓に安心で安全な食品を提供することが先だ」というご意見が寄せられています。日本の食料自給率の低さ等を嘆き、そのようなお考えになられるものと承知しています。
しかし、冒頭でも述べたように、人口減少や少子高齢化に真っ只中で、失われていく北海道の元気を補っていくためには、避けられない取り組みであるということをお示ししていかなければなりません。
そのためには、まずは道民や生産者そして企業の皆さんの理解が必要です。常に情報の共有が必要です。そして、私たちが目指す姿を今まで以上に明確にしていく必要があります。
道は、これまでのマーケティング調査で、これらの視点を加えた調査を実施してきていたのか、また、道民や企業の皆さんとの情報共有をはじめとした総意としての取り組みを実現するために、どのような施策を積み重ねてきたのか伺います。
<答弁>
これまでの現地ニーズの把握などについてでありますが、
〇人口減少が進み、国内マーケットの縮小が懸念される中、
道内経済を維持していくためには、
ASEANをはじめとする海外需要の獲得が重要であることから、
道では、シンガポール、タイなどにおいて商談会を実施するとともに、
道内においても、海外バイヤーを招聘した商談会や現地視察を
実施してきたところ。
〇また、「北海道ASEAN事務所」や「どさんこプラザシンガポール店」、
バンコクの「北海道マーケット」を活用した
消費者ニーズの把握にも取り組むなど、
様々な機会を活用し、現地の市場動向の確認に努めてきたところ。
〇このような取組で得た情報と合わせて道の輸出戦略などについて、
JETROをはじめとする関係機関と連携したセミナーや
道のHPなどを通して、
経済団体や企業、消費者などに幅広く周知するとともに、
事業者に対する助言やフォローアップを行っているところ。
<指摘>
私は、これまで道が取り組んできた諸施策を否定するつもりはありません。しかし、これまでの取り組みに加えて、道民や生産者、そして企業の皆さんに広く理解と協力を頂きながら、国内販売の延長にある海外輸出の段階から、国外から北海道を俯瞰した私たちの未来像に向けて、私たちが変化していくことを恐れてはいけないのだと思うのです。
経済部におかれては、関係各部と連携をより強化して、私たちが何故道産食品輸出額を伸ばしていかなければならないのかの目的を伝わりやすく磨き上げて、強いメッセージとして道民の皆さんと共有することが出来るように手段を講じて頂きたいと要請しておきます。
② 障壁について
次に、輸出の拡大を目指す上での障壁について伺います。
輸出の拡大を目指す前提として、道が行ったマーケティング調査などから、売る側と買う側にとって、それぞれにどのような課題が存在していると受け止めているのか、何が障壁となっていると考えているのか、道の見解を伺います。
<答弁>
道産食品の輸出拡大に係る課題についてでありますが、
〇平成28年度の食関連企業経営意識調査などによると、
輸出に取り組む事業者からは、
現地ニーズにあわせた商品開発や物流コストの圧縮などが
課題とされている一方、
どさんこプラザのシンガポール店などにおいては、
現地の消費者からは、新鮮で品質の高い、
豊富な種類の道産品が人気となっており、
道産食品の輸出拡大に向けては、輸出先国の需要に応じた商品開発や
輸出品目の多様化、効率的な物流体制と一体となった販路開拓に加え、
輸出先国の検疫等の規制への対応などが課題であると認識。
〇このため、道としては、商品開発に向けた技術支援や海外における
テスト販売、鮮度保持技術等の実証実験と商談会の一体実施国際基準に
対応した輸出関連施設の整備の促進などの取組を実施してきたところ。
<指摘>
私たちにとっての障壁が何であるのかは、認識できているとのことでした。
しかし、その課題が、部をまたがって存在している場合に、途端に歩みが止まってしまったり、打ち出した結果が「帯に短しタスキに長し」の状態に陥ってしまっている恐れはないでしょうか。
道産食品輸出額の拡大は、未来の道民の皆さんにとって欠かすことのできない北海道の元気の柱の一つであると断言できます。
実は、部をまたがる取組みが、より課題を成長させることが出来なくなってしまう障壁の一つになっていることを自省して頂いて、内輪のことで将来への可能性の芽を摘まむことがないように、高橋知事のリーダーシップの下でタイミングよく取り組んで下さい。
③ 国への陳情について
例えば、生牡蠣は欧州からシンガポールへ輸出されています。
北海道には、厚岸や佐呂間など生牡蠣のナショナルブランドは多く存在しています。それらは、欧州の生牡蠣と比べても味が劣るものではありません。むしろ、欧州の生牡蠣にはない美味しさがあると胸を張ってお勧めすることができる食材です。
しかし、日本からは輸出が出来ない現状は、全く以って残念なことであります。シンガポール国内の企業が、様々に検証しながら、僅かに冷凍牡蠣が輸入されているに留まっています。
このような検疫上の諸課題については国家間交渉事項であり、残念ながら、道として直接関与できるものではありませんでした。
道は、これまでどのように国へ陳情し、どのような情報を得ているのか、今後どのように取り組んでいこうとしているのか、伺います。
<答弁>
検疫上の諸課題に対する道の対応についてでありますが、
〇食の輸出を拡大していくにあたっては、
輸出に取り組む事業者にとって非関税障壁となる検疫条件などの輸出に
関する規制等の緩和、撤廃とともに、道産品の品質の高さ、
安全性に対する理解を深めていくことが重要。
〇道としては、これまで、一次産品の輸出事業者などの声をお聞きしながら
検疫面での輸出規制の緩和に向けた国家間交渉の推進について
国に対し要望を行うとともに、随時、JETROなどと連携し、
検疫をめぐる関連情報の把握に努めてきたところ。
〇今後も引き続き、情報収集に努めるとともに、
海外商談会やテスト販売等を通じて把握した市場の評価や国際認証等
の取得などにより、安全・安心な道産品の品質の高さも示しつつ、
引き続き、検疫条件等の輸出障壁の緩和、撤廃に向けて国への要請や
働きかけを行ってまいりたい。
<指摘>
正式ルートでの国への陳情においては見えない限界があったとしても、北海道の食材であれば何でも欲しいと求められている事実があるのです。これは、直接シンガポールで接した企業の皆さんからお伝えいただくことのできる嬉しい感想です。
ならば、道としてシンガポール国内の、ASEAN各国における環境整備を先行して行っていくことは十分に可能なのではないでしょうか?
農産品、水産品、そして加工品と各々に関係省庁へ働き掛けなければならない今は、余りに不自由・不効率です。国に陳情を重ね、相手国との間で一日も早い実現を目指す為にも、現地で道自身による取組みとしての下準備が不可欠となります。
早速にでも、戦略戦術を組んで取り組んでいただけますように要望しておきます。
④ 物流上の課題について
次に、物流上の課題について伺います。
食材や食文化による来訪促進プロモーションは、拡大に向けた大きな動機付けになり得ます。これまでよりも更に踏み込んだ来訪客や輸出の拡大を早期に実現させていくための戦略と戦術が必要な段階にあると言えるのです。
そのような中で、新千歳空港とチャンギ国際空港を結ぶスクートの就航から11カ月が経ちますが、搭乗率も順調に推移しているとお聞きしています。
更に本年11月からは直行便の就航も加わり、毎日一往復となって一層の拡大効果が期待されるところです。そこで注目されるのが、物流の環境が大きく改善してくることです。
例えば、生帆立を航空便で運ぶ場合に一枚当たりの価格に占める航空運賃は60%近くとなっていて、航空運賃の低減が企業の利益と消費者への安価な提供につながってきます。
食の輸出拡大を目論む私たちにとって、どうしても避けることの出来ない課題でもあります。
中小企業向けの小口ロッド輸送については、HOP1など様々に取り組まれてきましたが、更に大胆な取り組みが必要です。
道とシンガポール政府の協力の下で、航空会社に協力を求めて定量の輸送枠を確保して、安価な物流環境を整えることは出来ないでしょうか。道の見解を伺います。
<答弁>
物流の拡大に向けた取組についてでありますが、
〇道としては、人やモノの交流を促進するため、
経済界などとも連携しながら、
国際航空路線や海上輸送手段の誘致や拡充に取り組んできたところであり、
特に、航空機による直行便の就航は、鮮度の保持や商品の高付加価値化に
貢献しているところ。
〇近年は、国際航空路線において、一定の物流スペースを有する大型機材の
就航が進んでおり、航空会社からは、
安定的に収益を得ながら路線を維持していく上で、
道内の企業や生産団体などに利用拡大を期待する声があるところ。
〇道としては、引き続き、流通関係事業者や相手国の関係者との情報共有や
連携を深めながら、一層の輸送拡大に取り組んでまいる。
この点に関する質問は、今後、総合政策部に向けて深堀りさせていただこうと考えています。
⑤ 北海道ASEAN事務所の拡大について
次に、北海道ASEAN事務所について伺います。
昨年1月、北海道ASEAN事務所が7年振りに再設置されました。現地に赴任した職員、現地採用された職員、民間企業から出向されている職員、各々に大活躍されていて、シンガポール政府は勿論のことASEAN各国との橋渡し役として、北海道から輸出を考えている道内企業の皆さんにとって、心強い相談役として、支援先として、その満足度は高いものとお聞きしています。道は、その効果をどう評価しているのでしょうか。
以前の私からの一般質問でも提案させていただいたところですが、更なる体制の強化と継承、そして幅広い活動を支える予算付けが必要です。見解を伺います。
<答弁>
ASEAN事務所についてでありますが、
〇昨年1月の開設以降、金融機関からの職員派遣により体制を強化しながら、
道内企業の活動支援や情報交換など、
これまで2,000件を超える案件に対応してきたほか、
現地における北海道フェアや商談会の開催などに積極的に取り組んできた。
〇こうした活動を通じ、北海道ブランドが浸透し、
本道への理解や関心が高まる中、道内企業による新たな拠点の開設に加え、
一次産品や加工食品の取引の拡大といった動きが着実に広がってきている。
〇今後、政府やジェトロなど関係機関はもとより、道内からの進出企業や、
小売、流通といった地元企業とのネットワークをさらに広げるなどして、
事務所の機能の強化を図り、企業の海外展開が
一層促進されるよう努めてまいる。
<指摘>
今回の質問にあたり様々にお聞きする中で、北海道ASEAN事務所の中長期計画が策定されていない事を知りました。
業務の安定的な継続や継承をはじめとする中長期計画の策定は、私たちが目指す姿の実現に不可欠なものであります。
早速策定に向けての議論を開始して頂けるように要望するとともに、この課題については議会議論の場で取り上げて参りたいと思います。
また北海道ASEAN事務所で果たさなければならない役割が、本庁の延長にある必要は無いのです。現地でダイナミックに、中長期計画によって明確にされた目的に向かって果敢に取り組んで頂きたいのです。
私たちが北海道ASEAN事務所に期待すべき点が何なのかを授け、手厚い予算に裏打ちされる結果が必須であることは言うまでもありませんが、縦横無尽に活躍することが出来る道自身による体制強化と、活動を支える予算付けを重ねて要望しておきます。
⑥ 未来の北海道民を支える販路拡大政策であるために
高橋はるみ知事が掲げた「外国人観光客500万人プロジェクト」と「道産食品輸出額1500億円プロジェクト」は、必ずや北海道の未来への一歩に欠かせない政策だったと評価されるに違いありませんし、後の為政者たちによって更なる上乗せを実現させ、北海道の元気を取り戻していくための足掛かりとなるに違いないのです。
だからこそ、道庁が取り組んだことに満足するのではなく、道民や企業の皆さんと一緒になって、観光大国と農林水産畜産大国として北海道の経済を支えていくことのできる政策として、「稼ぐ」意味の大切さを広く理解して頂く必要があるのだと確信しています。
最後に、海外への販路拡大の戦略について、「その先の、道」をお示しいただき、決意をお聞かせください。
<答弁>
海外への販路拡大についてでありますが、
〇人口減少による国内市場の縮小が懸念される中、
外国人観光客の誘致や道産食品の輸出を促進し、
世界の成長力を取り込むことは、
本道経済の発展にとって極めて重要と認識。
〇このため、道の海外拠点などを活用して収集した現地の食習慣や嗜好などの
市場環境を道内の関係者と共有し、
新たに輸出に取り組もうとする事業者の拡大や、
LCCの活用を通じ商流と物流が一体となった
販路開拓などに取り組むとともに、
外国人観光客への道産品の販売ノウハウを道の駅に伝えるなど、
地域の幅広い事業者による海外需要の獲得に向けた
取組を進めてまいる考え。
〇こうした取組を通じ、世界に売り込む視点を事業者をはじめ
道民の皆様と共有しながら、
海外展開に挑戦する機運を道内各地に広げるとともに、
本道の強みである食と観光が一体となりオール北海道で
販路拡大に努めるなどして、海外の成長力を積極的に取り込んでまいる。
I,畜産経営安定法の見直しについて
次に、畜産経営安定法の見直しについてですが、先の我が会派の同僚議員の一般質問でも伺っておりますが、畜産経営安定法及び農畜産業振興機構法の改正による加工原料乳の生産者補給金などの制度見直しに関して示された、省令案などについて何点か伺ってまいります。
① 法の制度設計について
本年6月に畜産経営安定法及び農畜産業振興機構法の一部を改正する法律が成立し、その後、具体的な制度設計に向けて、国は、道や農業団体との意見交換を行ってきたと聞いておりますが、国に対しては、どのような提案を行ってきたのか、伺います。
<答弁>
国への提案についてでありますが、
○現行の指定生乳生産者団体制度が果たしている
「飲用向けと乳製品向けの調整」や「条件不利地域の集乳」、
「輸送コストの削減」、「乳価交渉力の確保」といった機能は、
本道の酪農経営の安定と乳業など関連産業の発展を図る上で
大変重要であると考えている。
○このため、道としては、
政省令等における具体的な制度設計に当たり、
国に対し、こうした機能が引き続き適正に発揮されるよう、
飲用牛乳の不需要期のみに余った生乳を加工用に仕向けるなどの
場当たり的な対応が排除されることや、
新たに創設される集送乳調整金の交付対象となる事業者について、
遠隔地や小規模酪農家に対して不当に安い乳価を提示したり、
貯乳タンク等の新たな施設整備を強要するなど、
実質的に生産者から契約を断らせるような事業者や、
集乳に必要なタンクローリーを確保していない、
あるいは、運送業者との契約が締結されていないといった
十分な集乳能力を持たない事業者が
指定されることのない制度となるよう、
適切な要件の設定を繰り返し求めてきたところ。
② 省令案について
今後とも、生乳の需給調整や条件不利地域における集乳など、現行の指定団体制度が果たしてきた機能の維持が求められるところですが、今回示された政省令案からは、こうした機能が維持されるような内容となっているのか、伺います。
<答弁>
政省令案についてでありますが、
○今回公表された政省令案では、
加工原料乳の生産者補給金等の交付要件である
年間販売計画の基準をはじめ、集送乳調整金の交付要件や、
指定事業者が生乳取引を拒否できる正当な理由などが定められており、
これまで、道が国に対して求めてきた、場当たり的な対応の排除や、
集送乳調整金の交付対象事業者の要件などについては、
おおむね確保されていると受け止めているところ。
○なお、年間販売計画の基準や記載項目、
事業者が生乳取引を拒否できる正当な理由の具体例など、
より詳細な内容については、
今後通知される運用等によって示されると聞いているところ。
③ 今後のスケジュールについて
国が現在パブリックコメントを求めている政省令案への意見や情報の受付は、10月5日で締め切られますが、来年4月からの新たなスタートに向けて、関係者への周知期間なども必要になりますが、道は今後、どのようなスケジュールで、どのように進めていく考えなのか、伺います。
<答弁>
今後のスケジュールなどについてでありますが、
○政省令等の公布については、
現在行われているパブリックコメントが10月5日に終了した後、
10月下旬にも行われていると聞いている。
○改正法の下では、生産者補給交付金等の交付を受けようとする事業者は、
年間を通じた用途別の需要に基づく年間販売計画を策定した上で、
年明けにも国に提出する必要があり、
さらに、集送乳調整金の交付対象者の指定も
受けようとする事業者は、法令で定める基準に即した定款や業務規程などを添えて、
都道府県に申請することが必要。
○また、来年4月の改正法の施行に向けて
事業者がこれらの事務を年度内に完了するためには、
それ以前に生産者等との契約締結をはじめ、
定款や業務規程の変更手続などを行っておかなければならない。
○このため、道としては、政省令等の公布後、
速やかに、国と連携しながら、説明会の開催や
具体的な事例集などによる制度の周知徹底を図り、
生産者や生産者団体、乳業者などの関係者が、
必要な手続を円滑に進められるよう丁寧に対応してまいる考え。
④ 道としての対応について
本道の酪農にとって、指定生乳生産者団体制度は重要な仕組みであり、今後ともその機能を維持しながら、本道の実態に即した制度にしていく必要があると考えますが、そのために、道としては、どのような対応を行っていく考えなのか、伺います。
<答弁>
道の対応についてでありますが、
○畜産経営の安定に関する法律の見直しについては、
来年4月の改正法施行後、
本道の酪農経営の実態に即して制度が運用されることが
極めて重要であると考えている。
○このため、道では、速やかな集送乳調整金の交付対象事業者の指定をはじめ、
毎月、乳業工場ごとに生乳の処理実績の検証や突合、都府県との調整などを行い、
正確かつ迅速に、加工原料乳向け生乳の数量を認定し、
国や農畜産業振興機構へ報告するなどの業務を
進めていく必要がある。
○さらに、新たに生産者補給金等の交付対象者となる事業者に向けては、
これらの手続が円滑に進むよう、
生乳処理や乳製品製造の実績報告書の記載方法や
留意点の説明など、より丁寧な対応が求められるところ。
○道としては、こうした状況を踏まえ、対象事業者や乳業工場等に対する
報告徴収や立入検査などの業務を適正に進め、
現行の指定団体制度が果たしてきた機能が引き続き発揮され、
生乳の安定取引の確保と酪農経営の安定が図られるよう努めてまいる考え。
H,地理的表示について
GI、地理的表示は、ご存知のように、地域で育まれた伝統と特性を有する農林水産物食品のうち、品質等の特性が産地と結びついており、その結び付きを特定できるような名称、これを地理的表示と言いますが、これが付されたものを知的財産として保護し、生産業者の利益の増進と需要者の信頼の保護を図ることを目的として、平成26年6月に「特定農林水産物等の名称の保護に関する法律」に定められたものです。
地理的表示は、国際的にも広く認知されておりますが、先般の日EU・EPA交渉でも対象となり、関心が高まっておりますことから、以下、何点か伺ってまいります。
① 地理的表示制度の認識等について
本道農業の特性や潜在力などから、ブランド力の高い地理的表示の活用は、本道農業の発展に欠かせない、極めて有用な制度であると考えております。
国内では9月15日までに42件が登録され、道内では、最初の登録の平成27年12月に「夕張メロン」が、その翌年の10月に「十勝川西長いも」が登録されておりますが、道としては、この制度をどのように認識し、道産品の登録状況をどう考えているのか、伺います。
<答弁>
地理的表示制度に関する認識などについてでありますが
○地理的表示制度、いわゆるGI制度は、
地域で育まれた伝統と特性を有する農林水産物や
食品などの産品のうち、品質等の特性が産地と結び付いており、
その結び付きを特定できるような名称が付されているものについて、
国に登録することができる制度である。
○本道においては、現在、「夕張メロン」と「十勝川西長いも」の
2品目が登録されているが、GIは、
登録された産品にマークを付すことにより、
国内外において知的財産として保護され、
高い水準のブランドとして認められる制度であり、
我が国最大の食料供給地域である本道としては、
今後、さらに登録数を増加させていくことが必要と考えているところ。
② 登録について
地理的表示の登録を拡大していくためには、何よりも制度の周知が重要です。登録の要件はどのようになっているのか、登録までにどの程度の時間がかかるものなのか、伺います。
<答弁>
GI制度の登録要件などについてでありますが
○この制度においては、
地域と結び付いた名称の使用実績があり、
生産者の所在する地域の範囲が特定されていること、
生産方法が定められ、遵守されているとともに、
概ね25年以上の生産実績があること、
さらに、外観や食味、栄養価などに、
類似の産品と比較して特徴があり、
社会的に高い評価を受けているとともに、
生産地の気候や風土などの自然的な特性や
伝統的な製法などの人的な特性と結び付いていることなどが
登録の要件となっている。
〇また、申請から登録までの期間については、
「夕張メロン」で約6ヵ月、「十勝川西長いも」で
約9ヵ月を要しているところ。
③ 登録上の課題について
道内の登録が2件にとどまっている現状を見ますと、登録のためのハードルは相当高いと感じますが、対象となる道産品はまだまだあると考えるのは、私だけではないと思います。登録に当たって、どのような課題があるのか、伺います。
<答弁>
登録に当たっての課題についてでありますが
○GI制度は、概ね25年間という長期間にわたり、
一定の基準に基づく生産実績が求められるなど、
高い水準の要件が設定されている。
○また、国内では、地域団体商標など
食に関する様々な表示制度があり、
道内においても多くの地域で取り組まれてきているが、
GI制度は、運用されて2年余りの新たな制度で、
そのメリットや仕組みの理解が十分ではない状況にあり、
道としては、制度の一層の周知が必要と認識。
④ これまでの取組について
登録に当たって、クリアすべき課題が相当あるということは、制度が目指している目的の性格上、当然のことではありますが、道はこれまで、課題解決のための取組をどのように進めてきたのか、伺います。
<答弁>
これまでの取組についてでありますが
○道では、GI制度の普及を進めるため、国と連携し、
各種会議において制度の周知に努めてきているほか、
地域への普及状況などについて、
国が委嘱したGIの登録申請に係る専門知識を有するアドバイザーと
意見交換を行ってきたところ。
○また、振興局や農業改良普及センターなどに対し、
GI制度の周知を図り、新たな産品の掘り起こしや登録の拡大に向け、
随時、相談に対応できる体制づくりを進めてきているところ。
⑤ 今後の対応について
地理的表示については、生産者の利益を守るだけでなく、道が進めている輸出拡大にとっても重要な制度であり、特に、巨大経済圏を形成するEUとの経済連携協定発効に向けて、積極的に登録を進める必要があると考えます。
道は今後、どのように取組を進める考えなのか、伺います。
<答弁>
今後の対応についてでありますが
○GI制度は、登録された産品について、
国内外での不正使用を国が取り締まることを通じて保護し、
他の産品との差別化や品質の保証などを図るものであり、
道産農畜産物のブランド力の強化や輸出など
販路の拡大を推進する上で、重要な取組と考えている。
○道としては、引き続き、国や関係団体などと連携し、
今後、道内各地で開催されるGI制度に関する説明会等を通じ、
制度の具体的なメリットや仕組みなどについて、
生産者などへの一層の普及を進めるとともに、
新たな産品の登録の可能性がある産地に対し、
GIアドバイザーとも連携して、働きかけを強め、
登録の拡大を図ってまいる考え。
G,スマート農業について
現在、我が国では、本格的な人口減少時代を迎え、どの産業においても現場での労働力不足が顕在化しており、本道の農業地帯でも、担い手の減少や高齢化が急速に進み、労働力不足が年々深刻な状況となっています。
このため、国では、ロボット技術やICTを活用した超省力生産や高品質生産を実現する農業の姿を「スマート農業」と位置づけて推進を図っており、道内の生産現場では、全国に先駆けて、人工衛星からの位置情報を基に作業経路を表示するGPSガイダンスシステムの導入が進むなど、先端技術が現場で活用される例が増えてきております。
こうしたスマート農業導入の流れは、若者が農業にチャレンジし定着するところまでを含めると大変大きなものがあり、来年4月の準天頂衛星「みちびき」の運用によるGPSガイダンスシステムの高精度化などにより、農業関係者から一層注目されているとのことであります。
道においても、こうした新技術の登場に合わせ、取組の強化を図ることを検討しているものと考えておりますが、以下、伺ってまいります。
① スマート農業の現状について
先端技術を活用したスマート農業に対する農業関係者の期待は大変大きなものがありますが、道内のスマート農業の現状について伺います。
<答弁>
スマート農業の現状についてでありますが
○道内では、大規模な畑作経営や水田経営を中心に、
人工衛星からの信号をもとに正確な作業経路を表示する
GPSガイダンスシステムや作業経路の保持を自動で行う
自動操舵装置の導入が急速に進み、
28年度までに、GPSガイダンスが7000台、
自動操舵装置が2840台導入されており、
全国に占める割合も8割以上となっている状況。
○また、酪農経営では、搾乳作業の自動化を実現した搾乳ロボットが
今年の2月現在、191戸で312台が稼働しているほか、
ほ乳ロボットも78台導入されている。
〇このほか、自動的に高度な環境制御を行う園芸施設、
作業記録や労務管理を効率化する経営管理ソフトなど
幅広い技術が活用されているところ。
② これまでの取組と今後の課題について
昨年の第1回定例会予算特別委員会や、その後の農政委員会で我が会派の委員から伺っておりますが、既に1年以上が経過しておりますので、スマート農業導入促進に向けたその後の取組と、そこから明らかになった成果や課題にはどのようなものがあるのか、伺います。
<答弁>
最近の取組とその成果や課題についてでありますが
〇昨年度、道では新たに、個人や団体、企業を問わず参画できる
「北海道スマート農業推進協議体」を設置し、
新技術の活用事例や技術情報の共有を図るとともに、
道立農業大学校では、JAや市町村の職員等を対象にした
「実践研修」を新設し、地域の人材育成を進めてきたところ。
○また、11月30日から12月1日には、
札幌で「北海道スマート農業フェア」を開催し、
技術セミナーのほか、企業や大学など61社の幅広い技術を展示し、
5千人の来場者に直接、先端技術に触れる機会を提供したところ。
○これら実践研修やフェアの来場者アンケートなどから、現場では、
GPSガイダンスやリモートセンシングなどに関心が高いものの、
地域の営農体系にどう取り入れて活用していくか
具体的な検討が必要との声が多く、こうした検討に役立つ先行事例や
活用方法などの情報を全道に普及していくことの重要性が
改めて確認できたところ。
③ 今後の推進について
本道は、先進的な経営への取組が数多く進められている、我が国最大の農業地域であります。本道農業は、その規模や形態から、革新的技術の開発や導入を推進する上で一定の役割が求められ、農業の新たな可能性としてその成果を示していく立場にあると考えております。
「ICTやGPS、ロボット技術などの最先端技術を活かし、超省力化や高品質生産を可能にするスマート農業の取組を推進する」との知事公約を力強く進めていくため、これまでの成果や課題を踏まえ、道は、若者へのアプローチなど、どのように取組を進めていこうと考えているのか、伺います。
<答弁>
スマート農業の今後の取組についてでありますが
○道では今年度から、
新技術の導入や活用に向けた各地域の検討を支援するため、
新たに農業団体と連携・協力して、
各地に出向くセミナーや展示を行っているところ。
○30年度に向けては、こうした取組を強化するほか、
準天頂衛星やリモートセンシングなど、
新たな技術の活用を進めるとともに、経験の浅い後継者など
若い世代にも高いレベルの営農が可能となるよう
道立農業大学校の教育機能を一層活用して、
若い担い手や地域リーダーの育成強化に取り組む考え。
○さらに、全道シンポジウムの実施や地域主体の勉強会への支援、
ホームページやメールマガジン等を通じた情報共有など、
地域を主役に据えた総合的な取組を着実に進め、
本道農業の新たな可能性を引き出すスマート農業を
積極的に推進してまいる。
F,企業連携・農業法人化に向けた取組について
道では、本道の農業を支える多様な担い手の育成・確保を推進するため、農業参入を希望する道内外の企業へのPRや参入相談、企業との連携を希望する地域とのマッチングなどを行うための相談窓口、「企業連携・農業法人化サポートデスク」を昨年4月に開設し、農業法人化などの取組を進めておりますが、開設後既に1年半が経過することから、これまでの取組状況などについて、伺ってまいります。
① 相談件数などについて
まず、これまでの相談件数はどのようになっているのか。相談内容と併せて伺います。
<答弁>
企業連携・農業法人化サポートデスクへの相談件数などに
ついてでありますが、
〇サポートデスクの設置から本年9月20日までの相談件数は211件で、
そのうち、企業からは、75社から118件、農業者からは28件、
その他、農業関係機関・団体等からは65件となっているところ。
○また、主な内容としては、企業からは、法人設立要件の照会や、
検討している事業に対する意見照会、地域との連携を図るための
方策についての相談多く、
農業者からは、新規作物の導入や6次産業化を契機とした法人の設立、
補助事業・資金に関する相談など、
関係機関・団体等からは、サポートデスクの取組内容の照会などが
あったところ。
② サポートデスクの取組について
これまで、サポートデスクへの相談を通して、企業との連携や農業法人化に向けて、どのような取組が具体的に進められてきたのか。また、これから進めようとしているのか、伺います。
<答弁>
サポートデスクの取組についてでありますが、
○サポートデスクでは、企業や地域からの相談に対応するとともに、
その内容に応じて、関連部局と情報共有を図りながら、
合同で意向確認のための企業訪問などを行ってきた。
○また、こうした情報を市町村やJA等に提供するとともに、
地域の意向を踏まえた上で、企業による現地調査の実施や
意見交換の場の設定など、双方のマッチングを図ってきたところ。
○このような中、昨年度、サポートデスクが調整した
企業と地域とのマッチング件数は、6社13件となっており、
具体例としては、トヨタ自動車(株)が有する改善ノウハウの農業への
導入支援をきっかけとした、同社との連携協定の締結や、
フランスの老舗ワイナリー、モンティーユ社の意向を踏まえて、
関係機関との協議・調整を経て実現した、同社の函館市への参入などがある。
○今後とも、企業や地域の抱える課題にきめ細かく対応しながら、
相互理解の促進や、機運の醸成などを通じ、双方のマッチングを
進めてまいる考え。
③ 評価について
約1年半が経過するわけですが、改めて、道は、サポートデスクの役割をどのように認識し、これまでの取組をどう評価しているのか、伺います。
<答弁>
サポートデスクの役割と評価についてでありますが、
○農家戸数の減少や高齢化が進行する中、
サポートデスクは、農業経営の法人化や企業と地域農業との
連携支援などを通じ、地域農業・農村の活性化に寄与するなど、
重要な役割を担っているものと認識。
○このような中、サポートデスクに対するこれまでの相談件数が
200件を超えるなど、企業や地域からの期待は大変大きく、
トヨタとの連携協定締結や、モンティーユ社の
函館市への参入の実現など、着実に成果が上がっているものと
考えているところ。
〇道としては、今後も地域と企業双方からの期待に応えられるよう、
サポートデスクによる取組を着実に進めてまいる考え。
④ 今後の対応について
家族経営が主体の農業では、経営規模の拡大や高齢化への対応に課題があり、若者が参画しやすい環境づくりなども含め、農業法人化などの取組が益々重要になってくると考えます。本道農業を支える多様な担い手の育成・確保を推進するため、道は、今後、どのように取組を進める考えなのか、伺います。
<答弁>
多様な担い手の育成・確保についてでありますが、
○本道の農業・農村が持続的に発展していくためには、
家族経営の後継者や農外からの就農促進に加え、
農業経営の法人化や企業との連携などにより、
多様な担い手を育成・確保していくことが重要と認識。
○このため、道としては、農業大学校における実践的な研修教育や
農業改良普及センターによる技術・経営指導はもとより、
民間企業の有するノウハウや資金・人材等が地域農業の活性化に
効果的に活用されるよう、サポートデスクを設置し、
企業と地域とのマッチングを進めてきたところ。
○今後は、こうした取組とともに、高校生や大学生など
若者の就農意欲の喚起や、経営の法人化等にチャレンジする
若手農業者を対象とした研修を実施するほか、
企業連携に係る地域段階の推進体制の整備などに積極的に取り組み、
本道農業を支える担い手の育成・確保に一層努めてまいる考え。
E,林業大学校など人材育成機関の設立について
本道では、森林づくりを担う人材の育成・確保が喫緊の課題となっており、道議会においても第一回定例会以降、様々な角度から林業大学校などの設立に向けた議論を展開してきたところであります。
こうした中、本定例会の我が会派の代表質問に対し、知事から、「総合的な知識や技術を有し、即戦力となる人材の育成に向けて、年内を目途に基本的な考え方を取りまとめる」との答弁がありました。
今求められているのは、豊富な知識と技術を身につけ、自ら考え行動できる即戦力となり得る人材であるとの認識は一致しているところですが、今後の検討に向けて、以下何点か伺ってまいります。
① 地域ニーズの把握について
道では、他府県の取組状況の調査と平行して、地域のニーズを把握することを目的に、素材生産や造林の林業事業体などを対象とした調査を実施しているものと承知しておりますが、調査結果はどのようなものであったのか、伺います。
<答弁>
調査結果についてでありますが
○ 道では、素材生産や造林、種苗生産、木材加工など
全道1,184の企業や事業体を対象として、
・人材確保の状況
・今後の雇用の予定や雇用したい人材
・就業者の知識や技術習得の必要性
などを把握するためのアンケート調査を7月に実施し、
これまでに、521の企業等から回答があったところ。
○ 調査結果では、新たに雇用を予定していると回答した
企業等の割合が70%となっている一方で、
必要とする人材が確保できていないとの回答が49%を占めている。
○ また、現場や工場で即戦力となる人材や、作業を統括できる
人材を雇用したいとの回答が60%となっているほか、
就業前に知識や技術を習得できる機関が必要との回答が
88%となっている。
② 育成すべき人材像について
先の代表質問では、「育成すべき人材像やカリキュラム、運営体制や地域との連携のあり方について検討を進める」との答弁がありましたが、新しい人材育成機関を設立するに当たり、大変重要な視点であると考えております。
それぞれの視点について、もう少し具体的に伺いたいと思いますが、初めに、育成すべき人材像について、現時点では、どのような人材像をイメージしているのか、伺います。
<答弁>
育成すべき人材像についてでありますが
○ アンケート調査の結果、企業等から、
現場での作業を行う労働者の確保に加え、作業を統括し、
現場を管理することのできる人材を求める声が多かったことなどを踏まえ、
道としては、総合的な知識や技術の習得により、
林業・木材産業の現場における様々な作業の実施はもとより、
将来、企業経営などの中核を担うことができる
人材を育成することを基本として、
今後、有識者会議などにおける議論を重ねながら
検討を進めてまいる考え。
③ 実践的な教育について
次に、即戦力として現場で活躍できる人材を育成するためには、基礎教育に加え、実践的な教育が不可欠と考えておりますが、その点についてはどのように考えているのか、伺います。
<答弁>
実践的な教育についてでありますが
○ 即戦力となる人材を育成するためには、
人材育成機関において、基礎的な知識や技術を
現場で活用することができる実践的な教育を実施し、
企業等のニーズに応えていくことが必要である。
○ このため、道としては、森林の整備や木材の加工などに関する
一般的な知識のほか、森林計画の作成に向けた調査手法、
伐採・植林などを安全かつ効率的に進める知識や技術、
これらの作業に必要な機械操作の習得などの基礎的な教育とともに、
こうした知識や技術を実践の場で身に付け、
様々な場面で応用することができるよう、
伐採作業の現場における研修の実施などが必要と考えている。
④ 教育体制について
次に、教育体制についてですが、基礎教育に加え、実践的な教育を行っていくためには、専門分野に精通した講師を確保していかなければなりません。講師の確保についてはどのように考えているのか、伺います。
<答弁>
教育体制についてでありますが
○ 人材育成機関において、林業・木材産業の基礎的な教育に加え、
現場での実践的な教育を行うためには、
高性能林業機械や最先端の木材加工施設などを導入し、
安全性の確保に努め、伐採や造林、木材加工など
それぞれの業務に精通している企業等の
技術的な指導などの協力が不可欠と考えており、
道としては、今後、他府県での取組状況などを参考としながら、
基礎教育、実践教育を行うためのカリキュラムと併せ、
企業等の協力による教育体制のあり方について
検討を進めてまいる考え。
⑤ 施設・フィールドについて
次に、施設やフィールドについてですが、広大な本道では、地域により樹種や供給する木材、さらには、木材加工の状況が異なるなど、地域によって様々な状況があります。
人材育成機関では、こうした地域の特色を十分に踏まえた取組も必要であると考えますが、市町村や地域などとの連携も含め、道の考えを伺います。
<答弁>
施設・フィールドについてでありますが
○ 本道では、全道に分布するトドマツをはじめ、
主に道東地域に広く分布するカラマツ、
道南地域に分布するスギ、さらには、上川管内の広葉樹など
地域の資源を活用した林業生産活動が各地で展開されている。
○ こうした中、道としては、人材育成機関において、即戦力となり、
企業等の中核となる人材を育成するためには、
本道の林業・木材産業を幅広く体験し、
実践を積み重ねることができる体制づくりが必要と考えており、
今後、市町村や企業等との連携による施設のあり方や、
道有林、市町村有林など、地域の特色ある森林の活用などについて
検討を進める考え。
⑥ 今後の取組について
新たな人材育成機関の設立に関しては、市町村や関係業界から大きな期待が寄せられております。最後に、基本的な考え方の取りまとめなど、今後、どのように取り組んでいく考えなのか、部長に伺います。
<答弁>
今後の取り組みについてでありますが
○ 本道では、今後、トドマツなどを主体として
森林資源の一層の充実が見込まれることから、
林業・木材産業を支える人材の育成と確保を図り、
市町村や企業等のニーズにしっかりと応えていくことが必要と認識。
○ このため、道としては、森林面積、木材生産量とも
全国一を誇る本道にふさわしい林業大学校など
人材育成機関の設立に向けて、
即戦力となり、企業等の中核を担う人材育成を基本として、
地域の特色ある森林を活用した実践的な教育や、
市町村等との連携と協力のあり方などと併せ、
道内外に魅力ある発信ができる機関となるよう検討を進め、
教育課程、運営体制や施設のあり方など
基本的な考え方を年内を目途に取りまとめてまいる考え。
この質問は、9月29日に行ったものです。
とあるキッカケで造林事業に関わることになった経験から、北海道のおける林業の成長産業化を目指す政策を知ることとなり、より効果的・効率的に実施されるために必要な諸施策について議論させていただきました。
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D,林業・木材産業の成長産業化について
私たちの北海道は、土地面積の約7割が森林に覆われており、国内の森林面積の約1/4を占めるなど、広大な森林を有しています。この森林資源を有効に活用し、林業・木材産業の成長化を図ることは、山村地域の活性にもつながるものと認識しています。
先般、改正された北海道森林づくり基本計画において、今後、道産木材供給量を増やしていくこととしていますが、森林の有する多面的機能を持続的に発揮していくためには、森林資源の循環利用を推進していくことが必要です。特に「植える」の確保が重要と考えていて、そのためには、計画的な伐採・植栽の推進とそれを維持していくための体制づくりが必要と考えています。
そこで、以下について伺います。
① 道内の森林資源の現状について
まずは、道内の森林の現状について伺います。道内の森林はどのように区分されていて、区分毎の面積等はどうなっているのでしょうか、伺います。
<答弁>
道内の森林資源の現状についてでありますが
○ 平成28年4月現在、本道の森林面積は554万ヘクタールで、
これを森林の種類毎に区分するとカラマツ、トドマツなどの人工林は、
149万ヘクタール、全体の27パーセントを占めており、
自然力の下で生育した天然林などは、
405万ヘクタール、全体に占める割合は73パーセントとなっている。
○ また、森林の所有区分では、
国有林が306万ヘクタール、民有林が248万ヘクタールで、
全体に占める割合は、それぞれ55パーセント、
45パーセントとなっている。
② 伐採が見込まれる森林について
今後、伐採が見込まれる人工林の面積と材積はどのようになっているのでしょうか、伺います。
<答弁>
伐採が見込まれる森林についてでありますが
○ 森林法に基づき、市町村が策定する森林整備計画では、
樹種毎の成長の特性や利用方法などを勘案し、
伐採の目安となる樹木の年齢が示されており、
人工林については、カラマツは留萌、宗谷地域では35年、
それ以外の地域では30年とされているほか、
トドマツは40年、エゾマツは60年、
スギは50年などと定められている。
○ この考え方に基づき試算すると、
今後、伐採の対象となる人工林の面積は、
総面積149万ヘクタールの59パーセントにあたる
88万ヘクタール、
材積は、総材積2億6千万立方メートルの75パーセントにあたる
2億立方メートルと見込まれるところ。
<指摘>
ここでは、人工林について伺ったのですが、その面積の比から考えても天然林の活用を議論の範疇に加えるべきところであります。
細かな議論は後に持ち越すこととして、次の質問に移ります。
③ 造林の実績と今後の見込みについて
伐採が見込まれる森林においては、伐ったら植えるという循環を確保しなくては、林業・木材産業の成長産業化は一過性のものとなってしまうに違いありません。そこで、これまでの民有林における造林事業の面積、年度毎の決算額の推移と今後の見込みについて伺います。
<答弁>
民有林における造林事業についてでありますが
○ 本道の民有林における年間の造林面積は、
平成27年度までの過去10カ年では、
約6,500ヘクタールから6,900ヘクタールの間で推移しており、
造林面積の増減に伴い、事業の実施に必要な国費の執行額も
20億円前後で推移している。
〇 道としては、今年3月に策定した森林づくり基本計画に基づき、
伐採後の着実な造林を進めるとともに、木材の安定供給を図るため、
計画の最終年度である平成48年度には、
平成27年度の造林面積約6,800ヘクタールを大幅に上回る
年間10,000ヘクタール以上の造林を
民有林において推進することが必要と考えており、
今後とも、必要な国費予算の確保に努めながら、
計画的に造林事業を推進してまいる考え。
<指摘>
いま教えて頂いたところによると、道内の造林事業の予算総額は40億円程度と推定することが出来ます。国内の森林面積の1/4を有する北海道として、また成長産業化としていく為の推進力とするための財源としては、少なすぎると捉えています。
ただ造林の量を増やせば良いのではありませんが、未来の北海道の元気となり得るだけの熱量を生み出すことができる絶対量を確保していくことが大切です。
造林事業の拡大については、確実に政策に折り込んでいただきたいと思います。
④ 森林整備事業のバランスについて
また、そのバランスは健全なものとなっているのでしょうか。伐採と植林の不均衡は、循環の継続を妨げます。しかも、森林整備事業は、期間の長い、息の長い事業であって、一時的な事業の縮小であっても、30年後、40年後の林業・木材産業の不安要素の起因となってしまいます。数年前に実施できなかった分を、後に追加して造林したとしても、それは帳尻が合うものではありません。日々年々到来する伐採期に対しての事業のスピード感は、30~40年サイクルで生産され続けていく、成長産業化させていく根幹であるのです。
さきほどの質問でこれまでの実績と今後の見込みについて答弁していただいておりますが、これらのバランスは健全なものとなっているのでしょうか、見解を伺います。
<答弁>
森林整備事業のバランスについてでありますが
○ 民有林において、利用時期に達した人工林の
平成27年度の伐採面積は、7,375ヘクタールとなっており、
造林面積の6,821ヘクタールを上回っている状況にある。
○ この要因としては、自然力のもとで樹木の生育が可能であり、
伐採後の造林を行う必要がなかったことのほか、
・ 造林の実施にあたり、森林所有者の負担が発生すること
・ 森林整備に意欲のない森林所有者が存在すること
・ 造林作業を担う労働者が不足していること
などにより、一部の森林において、造林が実施されて
いないものと考えている。
<指摘>
ここで言うバランスとは、単に植林と伐採のバランスだけを表しているのではなく、人工林や天然林、樹木種、就労人口等、言い換えると、生産力や加工力、商品力、販売競争力、そして消費力、このバランスを健全化させなければならないと考えています。
⑤ 伐採・造林作業を担う人材の確保について
次に、担い手不足について伺います。
我が会派の代表質問でも、林業大学校など人材育成機関について森林づくりを担う人材の育成・確保が喫緊の課題であると質問し、知事は、地域ニーズの詳細な把握に努め、設立に向けたスケジュールを検討するとし、年内に設立に関しての基本的な考え方を取りまとめると答弁されています。
伐ったら植えるという循環を確保していくためには、予算の確保も必要ですが、伐採や造林作業を担う人材を確保できなければ、必要な事業を計画的に実施するのは難しいと考えています。これまでの林業労働者数の推移と今後新たに必要となる労働者数の見込みについて伺います。
<答弁>
林業労働者数の推移などについてでありますが、
○ 道が2年に一度実施している林業労働実態調査では、
伐採、造林、苗木の生産などを担う林業労働者数は、
平成17年度の3,785人を底に緩やかに増加しており、
平成27年度には4,272人となっているところ。
〇 道では、森林づくり基本計画などで示した、
森林資源を適切に維持・管理するための造林面積や
道産木材の利用量の目標達成に向けて、
平成29年度から平成38年度までの10年間で
新たに1,600人の労働者の確保が必要と見込んでいるところであり、
通年雇用化の促進や、経験年数に応じた研修、
さらには、林業に興味を持った方の就業体験の実施など、
森林づくりを支える人材の育成と確保に向けた取組を
一層進めることが必要と考えている。
⑥ 道産木材の競争力強化に向けた今後の対策について
道内の森林資源の充実に伴って、森林からの木材供給力が増している中、伐採された木材を無駄なく有効に活用し、成長産業化につなげていくことが必要だと考えていて、品質・性能が確かな木製品を安定的に供給するなど、木材産業の競争力の強化が必要と考えています。
また、伐採が進み、道産木材の供給量が増加すると、その影響は少なくないものと想定できます。海外から安価な木材が流通する中で、道産木材の供給をどのように見込んでいるのか、道産木材の競争力をどのように評価し、競争力強化を実現させるために取り組んでいるのか伺います。
<答弁>
道産木材の競争力強化についてでありますが、
○ 本道では、トドマツなどの人工林資源が充実しつつある一方で、
ヨーロッパなどから住宅用の製材などが輸入されていることから、
森林づくり基本計画で設定した平成48年度の道産木材の供給量を
現在の1.5倍となる600万立方メートルとする目標に向けて、
生産規模の拡大やコストの低減による安定供給体制の構築や、
建築材など付加価値の高い利用の促進が必要と考えている。
○ このため、道では、国の「合板・製材生産性強化対策事業」
などを活用し、路網整備や間伐の実施、高性能林業機械の導入、
さらには、建築用の製材、集成材を加工する施設整備などを支援する
とともに、関係団体と連携し、品質や性能が確かな道産木材を使用した
建築事例の普及・PRに努めるなど、
道産木材の競争力の強化に取り組んでいるところ。
<指摘>
道内に留まることなく国内において木質チップの需要は、相変わらず高いものとお聞きしています。
しかし、道内において、その供給力は十分なものとは言えず、過去には様々に取り組まれたと説明を受けたところではありますが、コスト面での不採算性も手伝って改善しきれていないのが現状なのです。
自然再生エネルギーに対する取り組みが勢いを留めぬこれからにあっては、この点における研究や政策的な後押しも必要だと考えています。
⑦ 今後の取り組みについて
最後に、これまで見込みについて伺ってきましたが、道内の人工林資源が利用期を迎え、今後、伐採量の増加が見込まれる中で、木材の安定供給と公益的機能を図るためには、伐採後の遅滞のない着実な造林の確保が大切であると考えています。林業・木材産業の成長産業化を力強く推進するため、道は、どのように取り組んでいくのか、部長の見解を伺います。
<答弁>
今後の取組についてでありますが
○ 本道において、林業・木材産業の成長産業化を
より確かなものとしていくためには、資源の維持・管理を図りながら、
木材生産や災害の防止などの機能を発揮する
森林づくりを適切に進めていくことが必要である。
○ このため、道としては、引き続き、市町村・森林組合などと連携し、
所有者の森林経営計画の作成を支援するとともに、
森林整備事業や、道の「未来につなぐ森づくり推進事業」の
予算の確保と活用により、所有者の負担軽減などを図り、
伐採後の計画的な造林を推進してまいる考え。
○ また、関係団体と連携した研修や就業体験の実施など、
森林づくりを担う人材の育成・確保に取り組むとともに、
木材の生産コストの低減や付加価値を高めた加工体制の整備を進め、
道産木材の競争力強化を図るなど、林業・木材産業の成長産業化の
実現に向けて着実に取り組んでまいる考え。
この質問は、9月29日に質問したものです。
これまでは、一般質問や環境生活常任委員会の場で、全般に渡って質問を重ねて参りましたが、今回は建設部へ道有施設の除去計画等について具体に議論させていただきました。
在ることは公開していても、「飛散していない」ことを理由に除去を先延ばししていることは放置できません。
しかし、一度に全てを除去することも出来ないことは、道の財政難な現状から鑑みても理解できるのです。
ならば、せめて、道民の皆さんに除去計画を明示して、それが例え長期に渡る計画になったとしても、確実に遂行していくことが必要であることを共有できたと考えています。
あとは、行動あるのみです。与えられた任期の限り、しっかりとチェックしていきたいと考えています。
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C,アスベスト問題の対応について
北海道におけるアスベスト対策については、我が会派並びに他会派によって、議会議論や委員会議論が続けられてきました。また、道においても、関係各部で対応が取られていることを承知しています。
特に、平成26年6月に2つのアスベスト規制法案が改正施行されたことが分水嶺となって、建物所有者である各自治体や企業、民間の責任が直接的に問われていることは明らかです。
また、屋内型・屋外型・環境型と、それぞれの訴訟では、国や企業の賠償責任を認める内容となってきていることは、もはや他人事ではありません。
道自身が、当事者としてその責任を問われることがあってはなりません。道民の健康で安心な暮らしを想定した対策と対応が急がれていると考えています。
道内に存在するアスベスト建材の仕様が確認された道有施設は975箇所とされていますが、それぞれに点検と対策が施されていて、飛散のおそれなしと診断されてはいるのですが、肝心なのことは、点検や対策を実施した時点ではそのように判断されていたとしても、いつ何時劣化が発見されて、緊急の対応をとらなければならないことになるのかは、誰にも分らないことなのであります。
道は、現況に基づいて、その建築物の対応年数、更には昨今、施設の長寿命化が図られていることを鑑みて、アスベスト対策について道民に対する十二分な配慮が求められているのです。
これまで環境生活部に質問してきたところですが、今回は建設部が保全業務を担当している建築物について質問させて頂くこととします。
① 吹付けアスベスト対策の計画策定について
最初は、吹付けアスベスト対策の計画策定についてです。
知事部局及び各振興局等が管理し、建設部が保全業務を所管する建築物のうち、レベル1のアスベスト施工が確認されている建築物は16箇所あるとお聞きしています。
それらの周辺環境を調べてみますと…、
・市街地に建つ建築物が8施設あって、うち7施設が使用中です。
これらは建築後概ね24~50年程度経過しています。
・住宅地に建つ建築物が2施設あって、うち1施設が使用中です。
これらは建築後33年経過しています。
・近隣に住宅地がない建築物は、6施設あって、うち2施設が使用中です。
これらは建築後34~38年経過しています。
それぞれに職員や点検業者によって点検されていて、飛散の恐れなしとはお聞きしていますが、16施設のうち…、
・6施設は、大規模改修時の除去計画が必要です。
・4施設は、囲い込みや封じ込めは済んでいるようですが、それでも解体時の除去計画は必要です。
これらについての除去計画の策定状況はどのようになっているのか伺います。
<答弁>
吹付けアスベストの除去についてでありますが
○ 道有施設において使用されている吹付けアスベストについては、
環境生活部が平成19年に改訂した
「道有施設の吹付けアスベスト対策の考え方」に基づき、
吹付けアスベストの残る16施設のうち、
現在、使用している10施設では、薬剤で固める「封じ込め」処理や
建材で覆う「囲い込み」処理を行っているほか、
定期的な点検により、現時点で飛散の恐れがないことを
確認しており、使用していない6施設については、
立ち入りを制限しているところ。
○ これらの施設については、
施設管理者が、使用形態や老朽化の状況などから、
工事の緊急性などを検討して改修や解体の計画を作成し、
建設部に対し施行依頼を行い、
アスベストの除去を進めることとしているところ。
② 煙突部の対策について
次に、使用が確認されているアスベストのうち、レベル2、特にボイラー室などに設置されている煙突部については、昨年末には札幌市の給食施設におけるアスベストの劣化が露呈し、札幌市による緊急の対応が報道されたところでもあります。
建築部が担当している道有施設で、煙突部にアスベストが使用されている施設数は148施設、224本の煙突があるとお聞きしています。
これらの除去計画はどのようになっているのか伺います。
<答弁>
アスベストを含む煙突用断熱材の除去についてでありますが
○ 平成26年に改正された国の石綿障害予防規則により、
アスベストを含む煙突用断熱材等の規制が強化され、
環境生活部では、平成28年に
「道有施設における石綿含有保温材等点検マニュアル」を作成し、
アスベストを含む煙突用断熱材等を
適切に点検・管理することとしたところ。
○ 施設管理者は、本マニュアルに基づき、1年に1回点検を行い、
劣化・損傷が確認された場合は、早急に除去するとともに、
劣化・損傷が確認されない施設については、
計画的な改修工事の実施などに合わせて
除去工事を行うこととなっているところ。
③ アスベスト除去の予算規模について
これまでお聞きしてきた164施設に見込まれる予算の確保が必要となります。施設の規模や数から推定しても、その費用が少なくないものであることは容易に想定できます。まさにその時に用意すれば良い予算とは異なります。見解を伺います。
<答弁>
アスベスト除去の費用についてでありますが
○ これまでの事例によると、
平成22年度に真駒内屋内競技場において実施した
約4,600㎡の吹付けアスベストの除去では、1億5千万円程度、
平成27年度に浦河保健所において実施した
高さ15メートルの煙突のアスベストを含む煙突用断熱材の
除去では、900万円程度となっているところ。
○ 吹付アスベストやアスベストを含む煙突用断熱材の除去費用は、
施設の規模や使用状況、使用部位の形状や煙突の高さのほか、
合わせて実施する改修工事の内容などの条件により
大きく異なるため、予算規模の算出は困難でありますが、
道有施設に使用されているアスベストを全て除去するためには、
かなりの費用が掛かることが見込まれるところ。
④ 除去計画と予算計画について
今回の質問で答弁していただいたところではありますが、改めて提案させていただくならば、一度には勿論のこと、劣化が発覚してから対応するのでは、緊急扱いとなってしまいます。前出の札幌市の例では、施工業者の担い手不足は常態化していて、思うように施工が進まなかったようですし、緊急であるからには、その予算も余計に掛かってしまっていることと思われます。
劣化が発見され、飛散した後に対応することを想定しているのでは無意味でしかありません。
今もなお、財政難の局面にある道が、これらを率先して対応していくことのハードルは高いものの、しかし、アスベスト規制法の改正によって、待ったなしの状況に置かれていることも忘れてはいけません。例え20年掛かったとしても、道民の皆さんに理解を求め、計画を策定し、特に施工業者の皆さんと共有しながら地道に除去し続けていくことが必要です。
今一度、道有施設における施設管理者に対して、一日でも早い除去計画の策定と、予算想定を推進すべきであると考えています。
最後に、建設部として真正面からアスベスト対策に向き合っていく覚悟と決意をお聞かせください。
<答弁>
アスベスト対策についてでありますが
○ 多くの道民の方々が利用する道有施設については、
施設管理者がアスベスト対策の必要性を十分に認識し、
定期的に点検を行い、必要に応じ適切に除去等の措置を講じるなど
施設利用者の安全・安心を確保する観点から、
アスベスト対策を着実に進めていくことが
重要であると認識しているところ。
○ 建設部では、これまでも、
施設管理者がアスベストに関する知識を取得するため、
定期点検に関する研修会の開催や
適切な工法などの技術情報を提供するとともに、
本年8月には、各施設管理者に対し、
長期保全計画に定める施設の改修時期に合わせて
アスベスト除去を計画するよう、強く要請したところであり、
施設管理者における、計画の策定と所要額の把握が進められ、
道有施設におけるアスベスト除去工事が着実に実施されるよう、
今後とも、環境生活部と連携し、取組を強化してまいる。
<指摘>
さきほど、答弁の中で「かなりの費用」と表現されていました。
例え、推定金額であったとしても、答弁して頂けない事情は理解できます。
私は、この「かなりの費用」について、緊急を要する事態になってはじめて用意するのか、例え、長期計画となったとても積み増していくのかを問うていることをご承知いただきたいのです。
また、このアスベスト対策は、劣化し、飛散が確認されたら除去するとされている訳では無いのです。
一方で、道の多岐に渡る行政範囲、更にしばらく続く財政難の局面にあっては、右から左に用意できる単位のものでないことは明らかです。
しかも、除去計画や所要額を確保するのは、この場に居ない施設管理者である各部自身なのです。
アスベスト対策については、先延ばししたからと言って決して免れるものではありません。幸いにも劣化せずに、飛散が確認されずに使用し続けられたとしても、解体時には所要額は必要となります。
部長から各部に強く要請したと答弁頂いたのですが、それに留まることなく除去計画や所要額の把握について、一日も早くに着手するように重ねて要求して頂きたいと強く要請しておきます。
B,自転車の安全走行環境づくりについて
自転車活用推進法が本年5月に施行され、自転車の活用を総合的・計画的に推進されることとなりました。
その上で、地方公共団体には、国と適切に役割を分担し、実情に応じた施策を実施する責務を有するとされています。
その基本方針の中で、自転車専用道路等の整備をはじめとして14の具体的方針を示し、国土交通省内に設置された自転車活用推進本部によって計画的に取り組まれる事となりました。
道においては、議員提案による自転車活用推進条例が検討されていると承知しています。
① 道内の自転車事故の推移について
最初に自転車事故の実態と推移についてお聞きします。
道内における歩行者と自転車の接触による交通事故そして死亡事故の発生件数、更に自動車と自転車の接触による交通事故そして死亡事故の発生件数を、過去分を含めて教えて下さい。
<答弁>
自転車事故の推移についてでありますが、
○ 北海道警察の資料によりますと、全道における
歩行者と自転車による交通事故件数は、平成26年が32件、
平成27年が29件、平成28年は28件となっており、
この間における死亡事故は発生していないところ。
○ また、自動車と自転車による交通事故件数は、
平成26年が1,833件、平成27年が1,721件、
平成28年は1,474件であり、この内、死亡事故件数は、
平成26年が7件、平成27年が9件、平成28年が8件
となっているところ。
② 車道混在型の道路について
札幌市内で試験的に行われた自転車と自動車を混在とする道路、いわゆるブルーレーン等の車道混在型の路面標示が設置された箇所について、それぞれの道路管理者によって設置されしばらく経ちますが、それらの効果及び道の見解を伺います。
<答弁>
ブルーレーン等の効果についてでありますが、
○ 国や札幌市が行ってきた実証実験では、
自転車の通行位置を明示するブルーレーン等は、
自転車の車道利用への転換が進むとともに、
自転車と歩行者の錯綜が減少し、
自動車ドライバーの注意意識が向上するなど、
安全性向上の効果が確認された一方で
ブルーレーン上に駐停車している車両への対応などの課題も
多いと報告されているところ。
○ このようなことから、道としては、実証実験の結果を踏まえ、
ブルーレーン等の設置に向けた検討を進めてまいる。
現行の道路交通法では、基本的に自転車は歩道の走行を禁じられていて、歩道よりの車道を走行することとなり、危険が付きまとうことになってしまっています。よって、どうしても路肩に寄りがちな走行になってしまうのが現状だと考えられます。
また、国民・道民の意識の中で、これらの走行ルールが複雑となっている定めの下で、今日にあっても自転車を運転する方々のマナーを含めて混乱していることが容易に想像できるのです。
道は、今日より安心安全な走行環境を整えて提供する必要があるのです。
議員提案による条例制定が視野に入っていて、道においても推進計画が策定される見込みであり、これらによる体系的な取り組みについては、後の議会議論に委ねるとして、ここでは私の下に寄せられた道民の声を基に、幾つか提案しておきたいと思います。
③ 路肩の幅員について
その一つ目の具体的な提案は、路肩を許す限り広く、今より広げることに尽きています。
元々積雪期対策として、全国と比較しても広く設置されている路肩ですが、例えば、今より50cm程度は広く設置されることで、自転車が安全に走行できる環境を向上させることが可能です。道の見解を伺います。
<答弁>
路肩の幅員についてでありますが、
○ 道では、
道路の構造の技術基準等を定めた条例に基づき、
全国的に標準とされる75cmに、
雪の影響を考慮し、50cmを加えた125cmを標準として
整備を行っているところ。
○ しかしながら、過去に整備された箇所においては
路肩が狭い区間もあることから、自転車の交通量が多い箇所については、
安全な走行が可能となるよう、地域の実情を踏まえ自転車通行空間
の確保について検討してまいる。
④ 路肩の排水桝について
二つ目は、排水桝についてです。ほとんどの路肩には排水桝が設置されています。自転車が走行することを前提とした段差解消とグレーチングの向きの設定は、直ぐにでも取り組むことが出来るのではないでしょうか。道の見解を伺います。
<答弁>
路肩における段差などについてでありますが、
○ 排水桝は、路面への雨水や融雪水を排水するため、
道路の路肩部などに設置するものであり、
自動車走行や冬期の除雪作業に支障がないよう、
平坦性を考慮して整備しているが、
補修が必要な段差や破損が確認された場合は、
随時、対応しているところ。
○ 道ではこうした対応に加え、今後とも自転車の通行に配慮するよう
国の「安全で快適な自転車利用環境創出ガイドライン」などを
参考にしながら、自転車の走行の妨げとなる段差の解消方法や
タイヤの「はまり込み」を抑制する
グレーチングの格子形状の工夫などについて検討してまいる。
⑤ 実現へ向けて想定される課題について
これら二つの取り組みは、新たな予算確保を必要としない取り組みでもあります。予定される更新時期に合わせて、道が取り組む新たなルールの下で、順次施工し直していけば良いのではないでしょうか。
実現させることは十分に可能であると考えていますが、では、どんな課題が想定できるのか、道の見解を伺います。
<答弁>
課題についてでありますが、
○ 一つ目の路肩の幅員を広げるにあたっては、
車道幅員は道路構造令の規定により縮小することが出来ないことから、
歩道の縮小や、路肩拡幅に伴う新たな用地の確保などが
課題となるところ。
〇 また、二つ目の排水桝については、
自転車の走行に考慮し、路面と同じ高さに設置することにより
除雪車の除雪板が排水桝に接触する恐れや
自転車のタイヤの「はまり込み」を抑制するために、
グレーチングの向きを変更することで、
横滑りにより転倒する恐れなどの課題が想定される。
⑥ 安心安全な走行環境の提供について
道道における道路管理者は道であり、特に都市部において、これらの果たすことのできる効果は非常に大きいものであると考えています。
また、国道における北海道開発局、更に市町村道における各自治体との連携による相乗効果によって、道民への走行ルールの浸透は大きなものになるのではないでしょうか。
また、多くの国内・海外から私たちの北海道へサイクルツーリズムを満喫しにお越しになる訪問客の皆さんに安心安全な走行環境を提供することは、満足度向上や再訪の機会創出につながることに違いありません。
白線の引き方一つで、より安全な走行環境を提供することで、救うことのできる命があることを、私たちは知らなければなりません。
まずは、路肩の幅と排水桝について試験的に取り組むことが必要です。最後に、検討の開始の是非やその時期を含めて、安全な自転車の通行が出来るように今後どのように取り組んでいくのか、見解を伺います。
<答弁>
安心安全な走行環境についてでありますが、
○ 自転車は、買い物や通勤、通学など、
日常生活における身近な移動手段として
多くの人々に利用されており、健康志向の高まりや、
クリーンな交通手段としても、その利用ニーズが、
高まっていると認識しているところ。
○ 道としては、
これまでに道内で行われてきた実証実験の結果や、
国のガイドラインを参考にしながら、議会でのご議論を踏まえ、
路肩を広げるなどの自転車通行空間の確保に向けた検討を行い、
自転車が安全で快適に通行できる利用環境の創出に向け、
取り組んでまいる考え。
平成29年9月29日から始まりました予算特別委員会で質問させていただいた内容を、順次投稿させていただきます。
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今回の予算特別委員会では、知事部局並びに教育委員会に12問の質問を行いました。
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公共土木施設と聞かされても、一体何のこと?と感じられるのかもしれません。
高度成長期に急速に投資されてきた公共インフラが、安定的に更新または維持管理されてはじめて、私たちの暮らしを快適に維持できるのです。
この質問では、その現状と今後について議論させていただいたものです。
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A,公共土木施設の維持管理について
台風による大雨災害などを未然に防止し、道民の安全安心を確保するとともに経済活動の基盤となる農地や交通路網を保全するためには、堤防や道路などの公共土木施設を適切に維持管理していくことがますます重要になってくると考えます。
以下、公共土木施設の維持管理に関し、順次伺ってまいります。
① 公共土木施設の現状について
広大な本道における道民生活の維持向上などのため、これまで様々な公共土木施設が整備され、特に高度経済成長期に集中的な整備が進められた結果、社会資本としての蓄積が一定程度進んでいるものと考えますが、現在の公共土木施設の現状はどのようになっているのか伺います
<答弁>
道が管理する公共土木施設の現状についてでありますが、
○ 平成27年度末現在、道路延長が約1万1千700kmで、
橋梁が約5,300橋あり、河川延長が約1万2千300kmで、
樋門・樋管が約5,200基となっており、そのほかにも、ダムや砂防施設、
海岸など、多くの施設を有しているところ。
○ これらの施設の多くは、高度経済成長期に集中して整備され、
今後一斉に更新時期を迎えることから、
施設の老朽化が大きな課題となっているところ。
② 維持管理費の予算について
公共土木施設の整備に多額の予算を要することは当然ですが、整備された施設を適切に維持管理するためにも相応の予算が必要です。維持管理費はどのように確保されているのか伺います。
<答弁>
維持管理の予算についてでありますが、
○ 道が管理する橋梁やトンネル、樋門・樋管などの修繕については、
交付金事業や起債事業である特別対策事業により対応を行っている一方、
道路や河川などの草刈りや清掃などを行うために必要な維持管理費については、
道の単独費である公共関連単独事業により対応を行っているところ。
③ 維持管理費の推移について
道財政が厳しい中、道単独予算が削減されてきたところでありますが、維持管理費についてピーク時を含むこれまでの推移について伺います。
<答弁>
維持管理費の推移についてでありますが、
○ ピークとなった平成10年度の当初予算は約146億円で、その後減少し
平成25年度から平成27年度までの当初予算は約64億円
平成29年度の当初予算は約74億円であり、ここ2年間では約10億円
の増額となっているが、ピーク時の約半分となっているところ。
④ 維持管理の状況について
予算の確保が十分でなければ、適切な維持管理も困難になると考えます。近年予算は増加傾向にあると伺っていますが、道の管理する公共土木施設の管理の水準はどのようになっているのか伺います。
<答弁>
公共土木施設の管理の水準についてでありますが、
○ 道路や河川などの維持管理については、限られた予算の中、
施設の利用状況や地域の意向などを踏まえ、行ってきたところ。
○ 平成27年度以降、予算は増加傾向にありますが
近年、老朽化施設の増加に加え、労務単価や諸経費率の上昇などもあり、
地域からの要望に対し、年々十分な対応が困難な状況となってきているところ。
⑤ 維持管理に関する苦情等について
維持管理を要する公共土木施設が多く存在するにもかかわらず、厳しい予算制約がある現状では、適切な管理が行き届かない施設も出てきているのではないかと考えます。私の地元でも、冬季間に痛んだ路面の補修や道路わきの草刈りの遅れなどを指摘する声をしばしば耳にします。公共土木施設の維持管理に関して寄せられる苦情などの状況は、どのようになっているのか伺います。
<答弁>
維持管理に関する苦情等の状況についてでありますが、
○ 北海道が管理する公共土木施設の維持管理に関する苦情件数は、
集計を開始した平成21年度で約6,200件、
平成28年度で約9,300件となっており、
苦情の内訳としては、路面の修繕や草刈りなど道路に関するものが最も多く、
平成21年度で約4,400件、平成28年度で約7,000件となっているところ。
⑥ 老朽化対策について
道が管理する公共土木施設の多くが、高度経済成長期に整備されたものが多く、老朽化が進んでいるとのことです。老朽化対策を進めるためには、まず点検による現状の把握が重要であります。道路付属物の点検に関する我が会派同僚議員の質問に対し、道からは、昨年度に試行を行い、今後定期的な点検を実施する旨の答弁がありましたが、現在の取り組み状況について伺います。
<答弁>
道路付属物の点検についてでありますが、
○ 道が管理する、大型標識、道路照明施設、道路情報提供施設、防雪柵、
鋼製大型スノーポールは、約20万箇所あり、
これらの施設が老朽化し、点検、診断、修繕時期が集中すると、
十分な措置が出来なくなる恐れがあることから、
平成28年3月に策定した定期点検要領に基づき、
昨年度の一部区間での試行に引き続き、
今年度より、全区間において10年に一度の頻度での
近接目視による詳細な点検を実施しているところ。
⑦ 今後の対応について
道財政は引き続き厳しい状況が予想されますが、一方で、日常的な管理や老朽化対策が求められる公共土木施設も多く、どのように適切に維持管理していくかは、大きな課題であると考えます。今後、どのように取り組んでいく考えか伺います。
<答弁>
維持管理の今後の対応についてでありますが、
○ 道では、平成27年6月に「北海道インフラ長寿命化計画」を策定し
老朽化対策に取り組むとともに、昨年の台風被害等を受け、
本年3月に「公共土木施設の維持管理基本方針」の見直しを行い、
予防保全などの考え方を取り入れるなど内容の充実を図り、
効率的・効果的な維持管理に努めてきたところ。
○ 今後も、維持管理に必要な費用の増加が見込まれることから、
維持管理に活用できる交付金制度の創設を
国に要望するとともに、必要な予算の確保に努め、
道民の安全で安心な暮らしが守られるよう、
基本方針に基づき、適切な維持管理に取り組んでまいる。
<総括へ>
公共施設の維持管理に必要な財源の確保については、長期的な視点に立ってしっかり取り組む必要があると考えます。そうした点について知事のお考えを伺いたいので、委員長お取り計らいのほどを、よろしくお願いいたします。
去る9月7日(木曜日)、当別町のスウェーデンヒルズゴルフ倶楽部にて、青見会主催による北の元気玉杯親睦ゴルフ大会が行われました。
当日は、9月に入ったとはいえ日差しが強く蒸し暑い日でしたが、皆さまけがもなく楽しくプレーされていました。
プレー終了後は、表彰式が行われ、盛会のうちに終了させていただくことができました。これも皆さまのご協力のお蔭様と感謝いたしております。
『青見会』は、企業・支援団体の皆さまにより道見泰憲道議を支援していただくために設立された会です。
一年に一度、会員の皆様の親睦と交流を図ろうとゴルフ大会を開催させていただいております。
至らぬ点も多かったと思われますが、次回にむけて更にお楽しみいただけるよう努めて参ります。
これからも変わらぬご支援・ご協力の程、よろしくお願いいたします。
道見やすのり事務所スタッフ
本日開催された環境生活委員会で質問させていただきました。
早速皆様に広く報告させていただきます。
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A,第五期エゾシカ管理計画の実現について
先頃、新聞報道でもありましたように、道は、本年3月にとりまとめた第五期エゾシカ管理計画において、鳥獣保護区や国立公園などでエゾシカの本格的な捕獲に乗り出すと発表されています。
これまでの管理計画では、エゾシカの生息数を適正な水準に減少させ、その生息地を適正な範囲に縮小させることを目的として、特に平成22年度からは、毎年10万頭を超えるエゾシカを狩猟や許可による捕獲によって管理してきています。
しかし、継続的に実施されてきた捕獲の影響からか、鳥獣保護区や国立公園内に逃げ込んで生息するエゾシカも多くなり、第五期エゾシカ管理計画においては、保護区内での捕獲も本格化させることによって、目指す管理目標数へ近づけていくこととしていることを承知しています。
具体的には、第四期エゾシカ管理計画で推定生息数の目標を38万頭としていましたが、16年度時点で、東部西部地域の推定生息数が45万頭となっていて、7万頭上回っているとのことです。
第五期エゾシカ管理計画では、推定生息数の目標を30万頭以下と掲げており、今回発表されている鳥獣保護区や国立公園などでの本格的な捕獲によって、その効果が発揮されることが期待されるところです。
わたくしが、この質問をさせて頂く主な理由としては、限りなく実態に近似したエゾシカの推定生息数の把握が必要となっていて、その推定生息数の推移が本道の施策や方針に与える影響が余りに大きいからなのであります。
北海道の歴史上、エゾシカの生息数は大きく変化を遂げてきました。特に、明治期の大雪と乱獲による絶滅の危機やその後の保護政策、更に農林業への被害額の拡大によるエゾシカ管理計画の策定の経緯、そして、生物多様性が重んじられるようになった頃からは有効的な利活用を促進することも重要な課題となってきたのであります。
今を生きる私たちは、北海道が有する自然の豊かさを以って、未来の北海道の強さに直結させることが出来るように、時に慎重に、時に大胆に、エゾシカ管理計画を推進させていかなければなりません。
そこで幾つか具体的に質問させて頂きます。
1,エゾシカの地域別推定生息数と捕獲数の推移について
では、最初に、推定生息数の変化について確認をしておきたいと思います。東部・西部・南部、それぞれに推定生息数と捕獲数の推移を教えてください。また、この観点からそれぞれに道として、エゾシカ管理計画の施策効果についての見解も伺います。
<答弁>
エゾシカの推定生息数などについてでありますが
〇 エゾシカは、生息状況や人間の活動とのあつれきの度合いなどが地域で差があることから、道内を東部・西部・南部の3地域に区分し、それぞれ管理に努めている。
〇 東部地域の推定生息数は、平成22年度に過去最高の34万頭に達したが、平成23年度に7万2千頭を捕獲した結果、生息数は減少に転じ、それ以降も6万頭から7万頭を捕獲し、平成28年度は19万頭と推定している。
〇 西部地域の推定生息数は、平成23年度に過去最高の34万頭に達したが、平成23年度に6万4千頭を捕獲した結果、生息数は減少に転じ、それ以降も5万頭から6万頭を捕獲し、平成28年度は26万頭と推定している。
〇 南部地域では、他地域に比べ生息数や農林業被害が少ないことや毎年の捕獲数が数百頭程度であったことから、従前は実態が把握されていなかったが、平成23年度から実施した、夜間に懐中電灯を照らして頭数などを確認するライトセンサス調査や、平成27年度に行ったヘリコプターから目視で生息数を把握する調査の結果などから、2~10万頭が生息するものと推定したところであり、平成26年度の捕獲数も2千頭まで増加している。
〇 エゾシカ管理計画の施策効果については、平成22年度からの26年度までの5年間を緊急対策期間と設定し狩猟規制の緩和や市町村の捕獲対策に対する財政支援など、各般の施策を講じ、生息数を減少傾向に転じさせ、東部地域で約4割、西部地域で約2割減少しており、一定の成果はあったものと考えている。
この後の質問でも触れることになりますが、平成23年度に生息数等関連の数値が増加しているという特異な例がみられるのですが、道が、この状態をどのように把握してたのかが今後の施策に大きく影響してくると考えています。
事前の意見交換などでは、道から21年度前後の捕獲数が増加数に追い付いていないとのコメントもいただいたところですが、対策が不十分であったことを認識した上で、今後の施策に反映させなければいけないと考えています。
また、道内自治体が講じている鳥獣被害防止対策等への支援が事足りているのかについては、年々変化を伴う状況なだけに、丁寧な意向の把握を続けられるようにお願いしておきます。
2,エゾシカによる農林業被害の推移について
次に、農林業被害について確認しておきたいと思います。東部・西部・南部、それぞれに被害金額の推移を教えてください。また、この観点からそれぞれに道としてエゾシカ管理計画の施策効果についての見解も伺います。
<答弁>
農林業被害額についてでありますが
〇 東部地域の農林業被害額は、平成24年度の41億6百万円をピークに、平成27年度は28億8千5百万円に減少している。
〇 西部地域の農林業被害額は、平成23年度の23億5千3百万円をピークに、平成27年度は12億9千3百万円に減少している。
〇 また、南部地域の農林業被害額は、東部や西部地域に比べ、少ないものの平成21年度の4千4百万円から平成27年度は過去最高となる7千7百万円に増加している。
〇 エゾシカ管理計画の施策効果については、平成22年度からの緊急対策期間において狩猟や市町村の捕獲対策を強化したことにより、生息数が減少し、農林業被害額の減少に繋がったものと認識しているところ。
3,エゾシカが関係する事故発生の推移について
次に、事故の発生状況について確認しておきたいと思います。交通事故やJR列車への支障について、東部・西部・南部、それぞれに発生状況の推移を教えてください。
また、それぞれにエゾシカ侵入防止策整備の実績について教えていただくと共に、エゾシカが関係する交通事故防止への効果についての見解を伺います。
また、この観点からそれぞれに道としてエゾシカ管理計画の施策効果についての見解も伺います。
<答弁>
事故の発生状況等についてでありますが
〇 東部地域の交通事故の発生件数は平成23年の1,213件をピークに、平成28年は819件まで減少しており、また、JRの列車運行に支障の出た件数は平成24年度の1,434件をピークに、平成27年度は1,219件と減少している。
〇 西部地域の交通事故は平成23年の1,039件をピークに、平成28年は1,009件とやや減少し、また、列車の支障件数も同様に平成23年度の1,395件をピークに、平成27年度は1,300件とやや減少したが、いずれも高水準で推移している。
〇 南部地域の交通事故は増加傾向にあったが、平成27年の110件から平成28年は108件となっており、また、列車の支障件数は、増加の傾向がみられ、平成27年度は205件とこれまでの発生件数の中で最も高い値となっている。
〇 なお、交通事故は、平成23年が突出して多くなっているが、道警察や研究機関においても、その明確な要因をつかむことは難しいとしているが、釧路・根室地区では、侵入防止柵等の設置と注意喚起の道路標識の事故対策により、一定の効果が上がっていることから、こうした対策を地域のエゾシカ対策協議会で共有し、関係者と連携しながら事故防止を図っていく考え。
これまで質問や答弁していただいたことからも、私たちが自然を相手にエゾシカの生息数をコントロールしきることで出来ないことは明白です。しかし、私たちの生活と密着する形で自然が存在し、折り合いをつけながらも共存共生を図る使命を担う私たち北海道民として、実態を把握し続けることや目指す在り方に近づけていく努力を怠ることは出来ません。
では、出来得る限りに実態を把握することが出来るようにするために、エゾシカ管理計画の成果を確保し続けていくために、幾つかの質問をさせていただきます。
4,南部地域における施策反映の実態について
まず、南部地域における施策反映の実態について伺います。
道が、これまでに公表してきた推定生息数をはじめとした地域分類には、東部・西部、そして南部と三地域がありますが、東部・西部と比較して、南部の把握については随分と根拠をはじめとした脆弱さが認められるところです。
道は、これまで南部地域についてどのように認識してきたのか、何故現在でも別物として取り扱うこととなっているのか、先に質問させて頂いている通りに、推定生息数の推移が道の施策や方針に与える影響が余りに大きいことから、南部についても限りなく実態に近似したエゾシカの推定生息数の把握が急務であるに違いないのです。南部地域における推定生息数の把握を、東部・西部並みに精度を高めていく見込であるのか、その実現時期を含めて見解を伺います。
<答弁>
南部地域の推定生息数の把握などについてでありますが
〇 南部地域は、他地域に比べ農林業被害が少なく、生息数も少ないものと考えていたが一部の市町村で農林業被害が顕在化したため、平成23年度から南部地域においても離島を除いた全ての市町村でライトセンサス調査を開始したところ。
〇 この調査によると、1頭のエゾシカも確認されない市町村も多いことから、南部地域全体としては、まだ生息密度は低いものと考えられるが、函館市の恵山地区など高密度な地区もあり、平成27年度に、電波発信機によるエゾシカの行動範囲の把握や、ヘリコプター調査を行い、この度、第5期エゾシカ管理計画において、南部地域の推定生息数を明らかにしたところ。
〇 エゾシカは、自然繁殖で毎年20パーセント程度生息数が増加することが知られており、南部地域では、毎年の捕獲数を数百頭程度から、平成26年度以降、2千頭以上捕獲しているにもかかわらず、ライトセンサス調査の確認数が増加傾向にあるため、自然繁殖数を減少させたことが確認できず、生息数の母数を推定することができないため、精度の高い推定は難しい状況にある。
〇 このため、南部地域において、農林業被害の減少はもとより推定生息数の精度を早期に上げるためにも、捕獲数の大幅な増加を図ることが必要であることから、狩猟や市町村の行う有害鳥獣駆除、さらに道自らが行う指定管理鳥獣捕獲等事業など、様々な捕獲を行うことにより、南部地域においてエゾシカが急激に増加し、人とエゾシカの軋轢が大きくならないよう、今年度から一層の対策の強化に取り組む考え。
答弁の中で、今年度から一層の対策を強化するとありましたが、くれぐれも推定生息数の把握の精度の向上と、増やしてから捕獲するのではなく、今のうちに、今以上増やさない、むしろ最低限に留める対策の強化を実施して下さい。その両方の意味でお約束頂けたと受け止めさせていただきます。
次に、認定鳥獣捕獲等事業者制度について伺います。
環境省では、道内ではエゾシカのように生息数が増加し、生息域が拡大している鳥獣と共生していくためには、積極的な捕獲を進めて、生息数や生息分布を適正に管理していかなければならないとしています。
環境省と農林水産省では、平成25年12月に策定した「抜本的な鳥獣捕獲強化対策」において、平成35年までに半減させることを当面の捕獲目標として、抜本的な捕獲強化に向けた対策を推進することとなりました。
その中で、平成26年には鳥獣の管理に向けた新たな仕組みとして、指定管理鳥獣捕獲等事業や認定鳥獣捕獲等事業者に関する制度を導入したと承知しています。
一方で、道内におけるハンターの高齢化や絶対数の減少は、エゾシカに限らず道内の鳥獣保護や被害縮小の観点からも看過できない状態であることは周知のことと承知しています。
そのような環境にあって、環境省による認定鳥獣捕獲等事業者制度の取り組みは、①捕獲事業強化のための事業と、②捕獲の担い手の育成・確保の為の事業が打ち出されていて、道においても平成29年度に8400万円の事業費を充てた捕獲事業が展開されると承知しています。
5,狩猟免許交付状況について
まず、道内における狩猟免許の交付状況について伺います。
道内における狩猟免許所有者の現状を教えてください。また、その年齢別や更新状況、地域分布等の推移についても教えてください。
ハンターさんの不足が表面化してから久しいのですが、道はどのように認識し対策を講じてきたのか、またエゾシカ管理計画の達成に向けたその必要数をどのように捉えているのか、見解を伺います。更に、必要な量と質の確保に向けてどのように今後の施策を展開されていくのかも伺います。
<答弁>
狩猟免許の交付状況などについてでありますが
〇 道内の狩猟免許所有者は、銃猟・網猟・わな猟を合わせ、昭和54年度の約1万9千人から徐々に減少し、平成22年度からは、横ばいから微増で推移し、平成27年度は約1万1千人となっている。
〇 年齢別で見ますと、43%が60才以上となっており、次に50代が約18%、40代が約16%となっており、免許は3年に一度の更新が必要となるが、過去3カ年で、新規に免許を取得した者が年間9百人程度いる一方、年間7百人程度が更新を行っていない状況にある。
〇 また、地域ごとの交付者数は、東部地域で約3千6百人、西部地域で約6千2百人、南部地域で約1千2百人であり、いずれも5年前と比べて横ばいから微増となっているところ。
〇 道としては、現状以上の狩猟者の確保に向け、狩猟免許試験の受験機会の拡大、狩猟フォーラムの開催や出前教室を開催してきたところであり、今後、こうした取組により、狩猟者の一層の増加を図るとともに、経験の浅いハンターを対象とした講習会を開催するなど、新規狩猟免許取得者の拡大と質の向上に取り組んでまいる。
6,認定鳥獣捕獲等事業者制度について
次に、認定鳥獣捕獲等事業者について伺います。
認定鳥獣捕獲等事業者とは、鳥獣の捕獲について、安全性を確保し適切且つ効果的に実施できる事業者と位置付けられています。
狩猟免許を保有するハンターさんの中でも、認定鳥獣捕獲等事業者として従事されている方はどの位いらっしゃるのでしょうか。事業者及び登録されているハンターさんの数を教えてください。
道では、高齢化や地域偏在の解消へ向けて、認定鳥獣捕獲等事業者の充実へ向けてどのような施策をとられていくのでしょうか。見解を伺います。
<答弁>
認定鳥獣捕獲等事業者についてでありますが
〇 平成27年5月に鳥獣保護管理法において新設された認定鳥獣捕獲等事業者制度において、現在、道内で17の法人が認定を受けているところであり、捕獲に従事する狩猟者数は、376名となっているところ。
〇 認定法人は、新規に設立した経営基盤が脆弱な事業者が多いため、認定鳥獣捕獲等事業者の充実に向けては、安定した事業機会の創出が必要と考えている。
〇 このため、道では、指定管理鳥獣捕獲等事業の発注において、これらの事業者を受注資格の要件とすることや、今年度実施予定である捕獲従事者育成事業において、事業の委託先として活用するなど、地域における狩猟者の確保・育成を支援してまいる。
ハンターの増加や育成を実現する施策と、認定鳥獣捕獲等事業者の充実を図る施策は同じではありません。道は、各地域に根ざした体制の構築をどのように実現していくのかが問われています。
また、認定鳥獣捕獲等事業者制度は始まったばかりの制度であり、その充実が急務となっています。道として、国と連携しながら何が出来るのか、同僚議員から質問されていた「狩りガール」も有効な手段であることは明らかです。具体策を以って取り組んでいただくようにお願いします。
なお、各地域の実情に合わせた各施策を早期のうちに展開されるようにお願いするとともに、ハンターさんは基より、認定鳥獣捕獲等事業者、更には取得志望者または予備層への丁寧な情報提供を強く要望しておきます。
7,今後の捕獲事業規模について
次に、道が行う今後の捕獲事業について伺います。
第五期エゾシカ管理計画の達成へ向けては、認定鳥獣捕獲等事業者、引いてはハンターの育成に捕獲事業の資する役割は大きいものと考えられます。将来に渡る事業規模の見通しをお示しすることが、認定鳥獣捕獲等事業者並びにハンターの育成に寄与するつながるものと確信しています。
国の事業と連動するものである以上、将来に渡って確約できるものではないことは明記しつつ、今後の捕獲事業の見通しについて明らかにしていくことは出来ないでしょうか。
また、最低制限価格を導入せずに行われている捕獲事業等の入札においては低価格入札が見受けられていて、目指す捕獲の実施や次世代のハンター育成を目的とする上では適正さを欠ける例もあると承知しています。
道の見解を伺います。
<答弁>
指定管理鳥獣捕獲等事業についてでありますが
〇 エゾシカの捕獲等に専門性を有し、安全を確保しながら適正かつ効率的に実施できる認定鳥獣捕獲等事業者の育成が重要と考えているところ。
〇 これらの事業者は、道が行っている指定管理鳥獣捕獲事業の担い手となり、捕獲等技術の向上にも取り組んでいるところであり、道としては、本事業を一定の事業量規模で継続的に実施していくことが事業者の育成に望ましいと考えているところ。
〇 また、今年度から、捕獲事業の委託先の選定に当たっては、価格競争によらず地域の実情や事業者の創意工夫を重視する企画提案型の公募型プロポーザル方式を採用するなど、より効果的な捕獲に取り組む事業者の育成を促すこととしている。
8,第五期エゾシカ管理計画の実現へ向けて
834万haという広大な面積のうち67%を森林で覆われる私たちの北海道において、エゾシカをはじめとする野生鳥獣と共生していくために、時にそれらの生態に積極的な関わり方を行わなければ軋轢が避けられないことは、これまでの歴史が示してくれているものと承知しています。
その為にも、より踏み込んだ施策による認定鳥獣捕獲等事業者制度をはじめとしたハンターの確保と育成が求められています。捕獲事業等の拡大による機会の創出と効果的な利活用の促進は、北海道における特色ある地方創生策の好例であることは言うまでもありません。
しかも、全道的な生態の把握を進めた上でのエゾシカ管理計画の達成こそが、結果として北海道が誇ることのできる特色ある強みとして打ち出していくことが可能となるのです。
最後に、環境生活部長に一連の見解を伺いまして、質問を終わります。
<答弁>
エゾシカ管理計画の目標の達成についてでありますが
〇 エゾシカの推定生息数はピーク時から減少傾向にあるが、農林業被害や交通事故などは依然として高い水準にあり、特に、南部地域では生息数が増加傾向にあることから、推定生息数の精度の向上を図るとともに、農林業被害等が拡大する前に効果的な捕獲対策に取り組むことが必要と考える。
〇 このため、市町村が行っている有害鳥獣駆除に加え、道自らも指定管理鳥獣捕獲等事業を、一層、効果的に展開するなどして、捕獲機会の拡大と地域におけるハンターの確保・育成に取り組んでまいる。
〇 一方、捕獲個体の有効活用については、国の成長戦略においても、「ジビエの利活用の促進」が新たに掲げられたところであり、地域の産業・雇用の創出などにも寄与するものと認識。
〇 道では、これまで、「エゾシカ肉処理施設認証制度」の創設により、安全・安心なエゾシカ肉の供給拡大とブランド化に取り組むとともに、捕獲から有効活用までの効率化を図るモデル事業を通じ、エゾシカ肉の活用に取り組んでいるところ。
〇 今後とも、道内外のホテル・レストランを対象としたセミナーの開催や給食における利用拡大を図りながら、エゾシカ肉の栄養特性や環境価値とあわせ、認証制度に対する理解を深めるなど、本道固有の地域資源であるエゾシカのより一層の活用を促進してまいる。
〇 道としては、エゾシカ管理計画の目標達成に向け、こうした取組を着実に進め、
捕獲対策の一層の効率化を図るとともに、適切な保護管理と、地域資源としての有効活用を含めた総合的なエゾシカ対策を推進し、本道らしい地方創生につなげてまいる。
今回の質問では、エゾシカの推定生息数を中心に議論させていただいたところですが、この施策の着地点としては、あくまでもエゾシカの有効利活用を向上させていくことなのです。
東部、西部、そして南部の脆弱さを強化した上で、推定生息数の精度を高めた調査を継続させながら、共生を図り、地域の実態に則した捕獲事業を展開し、管理目標数を達成する中で、どれ位の捕獲を実施するのか、そして捕獲したエゾシカの有効利活用をどのように高めて定着させていくのかを明確に示し続けることが出来るように各施策を推進してください。
これで質問を終わります。ありがとうございました。
道見やすのり道議は、平成29年夏、北区の各地域で開催された、夏祭り&盆踊りに参加をさせて頂きました。
開会式でご挨拶をさせて頂き、その後地域の皆さまと北海道の短い夏のひと時を楽しませて頂きました。
各連合町内会及び単位町内会、それぞれに地域の皆さんや子供たちが「地域の絆」を育むきっかけとなり得る
趣向を凝らしたとても素晴らしいお祭りが開催されておりました。
お祭りの企画、準備、運営、撤収、また、当日お祭り会場周辺で参加された皆様の安全、非行や犯罪防止に努められた皆さまのご努力によって楽しい夏祭りが開催されたことと実行委員の皆さま初め関係された皆さまに心から敬意と感謝を申し上げます。
今後も「北の元気玉 道見やすのり」にご支援ご声援賜りますようによろしくお願い申し上げます。誠にありがとうございました。
道見やすのり事務所スタッフ
去る7月20日(木)第8回「悠和会」を開催させていただきました。
今回のテーマは「明るく年齢を重ねるには~介護保険の賢い上手な使い方~」と題しまして、地元の居宅支援事業所あったかサポートセンター ケアマネジャー伏木康弘氏 にお話しを頂きました。
この度の勉強会は、ご自身やご家族が年齢を重ねることによる生活への不安を、介護保険の申請から実際の利用、介護予防の視点、医療保険と介護保険の違いなどについて幅広くご説明頂きました。
参加者頂いた多くの皆さまからは、多くの質問が寄せられ、メモを取りながら真剣に耳を傾けておられ、身近なこととして大きな関心がある、内容であったと感じました。
その後、皆さまから、身近なことながら、なかなか十分な理解できなかった内容を判り易く説明を受けることが出来て良く理解できたなどの感想をお寄せ頂きました。
中でも、身近な保険制度でありながら「健康保険」と「介護保険」を混合して利用できないという「はじめの一歩」を混同されている方も多くいらっしゃっていて、なお丁寧な説明を続けていかなければいけないと認識したところです。
引き続き、道見道議の道政報告が行われ、勉強会終了後には会場を移して懇親会を開催し、講師と参加者の皆さま相互に親しく懇談しておられました。
道見やすのり事務所スタッフ
去る7月29日(土曜日)、茨戸パークゴルフ場にて「第三回 北の元気玉杯 道見やすのり後援会 親睦パークゴルフ大会」を開催させていただきました。
当日は素晴らしい天候のもと、多くのの皆さまにご参加頂き、短い北海道の夏を楽しむこととなりました。
青柳史匡実行委員長(道見やすのり連合後援会会長)のご挨拶から始まり、道見やすのり道議のナイスプレー宣言?もそこそこにプレーをスタートさせていただきました。
プレー終了後は、表彰式をさせていただきました。当日は、日射し強く、暑い日でしたが、体調を崩された方もなく、皆さまと楽しくプレーできました事をなによりも嬉しく思っております。
本大会をお支えいただいた実行委員の皆さま、北区パークゴルフ協会佐藤会長をはじめとする運営にお手伝いいただきました協会員の皆さま、そして何よりもご参加いただきました皆さまに心からの感謝を申し上げさせていただきます。本当にありがとうございました。
今年の経験を生かし、来年の大会へ向け、よりお楽しみいただけるよう努めて参りたいと考えております。
今後も「北の元気玉 道見やすのり」にご支援ご声援賜りますようによろしくお願い申し上げます。誠にありがとうございました。
道見やすのり事務所スタッフ
最近、世間ではブームとなっている「ふるさと納税」
因みに、元気玉ん家は経験がありません。
この質問を通して、北海道に寄せて頂く「ふるさと納税」が極端に少ないこと、更に道庁として、道内の自治体に配慮した本政策に対する対応を取っていたことを知るに至り、絶大な知名度と魅力を有する「北海道」が全力で本政策に取り組まないことの方が不自然であると考えたのです。
北海道庁と道内自治体が力を合わせて成果を目指したならば、必ずや大きな果実となって、本来の方の趣旨に則った経済効果をもたらすことになるでしょう。
本件につきましては、引き続き取り組んで参りたいと思います。
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D,ふるさと納税について
1, 市町村のふるさと納税について
次に、ふるさと納税についてであります。
最初に、市町村のふるさと納税について伺います。
この制度は、ふるさとや地方団体の取り組みを応援する気持ちを形にする仕組みとして平成20年に創設されて以来、自治体財源の偏在是正や地域振興、地域の経済の活性化などに大きな効果を上げて参りましたが、最近は、この制度を利用して寄付を行った方々への返礼品が高額であったり、あるいは換金性の高い商品が送られるなど制度の趣旨を逸脱したものもみられるところであります。
こうしたことから、さる4月に総務省から制度の趣旨に沿った責任と良識ある対応を求める文書が発出されたところであり、このことによって、この制度の意義を改めて考える良い機会になったと受け止めています。
ふるさと納税を通じて各自治体が地域の個性を競い合い、切磋琢磨することは財源の偏在是正にとどまらず、市町村の独自の取り組みを促して、地域の活性化に結びつくなど様々な効果が期待でき、今後とも、それぞれの地域が創意工夫を凝らし、国民にも幅広く受け入れられる取り組みとして発展させていくことが重要と考えます。
この度の国の通知を契機として高額な返礼品で多額の寄付を集めた事例ばかりが耳目を集めておりますが、例えば、上川管内ではふるさと納税で寄付を行った方を特別町民として認定し、町内のふるさと交流センターに優待価格で宿泊できるなど、地域づくりにつなげようとしている市町村もみられます。一方で、この制度を活用した政策展開に工夫の余地があると考えられる市町村も少なくありません。
道は、このようなふるさと納税に関する道内の状況をどのように認識し、市町村をどのように応援していく考えなのか、伺います。
<答弁>
市町村のふるさと納税についてでありますが
◯ 道内の多くの市町村では、本制度を通して得られた寄附を
地域経済の振興や子育て支援、移住や交流人口の増の取組の
財源とするなど、効果的に活用しているが、PR不足など
寄附額が伸びていない市町村も一部あり、
道としては、こうした市町村に対し、情報提供など有効活用に
向けた取組を積極的に支援していく必要があると考える。
〇 このため、セミナーを開催し、ふるさと納税を活用した優良事例や
効果的なPR方法などについて、情報共有を図るとともに、
道のホームページの活用のほか、
道内市町村における取組の強化に協力することで、
より多くの地域住民が都市の居住者との結びつきを深めることや
地域の活性化に寄与し、道全体に好影響が及ぶよう
取り組んでまいる。
2, 道のふるさと納税について
次に、道のふるさと納税について伺います。
ふるさと納税による道への寄付は、平成25年度から27年度までの累計で370件にとどまっています。北海道自体の認知度が全国的にも非常に高いことを考慮すれば、この制度を利用した方々を道内各地のイベントに招き交流人口の拡大につなげるなど、この制度をより効果的に活用していく工夫が求められます。
昨年度からは新たに地方創生応援税制、いわゆる企業版ふるさと納税がスタートし、制度の一層の充実が図られています。
道は、こうしたふるさと納税をめぐる状況をどのように認識し、これらの制度をどう活用していく考えなのか、伺います。
<答弁>
道のふるさと納税についてでありますが
〇 これまでの主に個人を対象とした寄附に加え、昨年度からは、
企業版ふるさと納税が創設されたところであり、それぞれの特性を
生かしながら、活用の取組を進めていくことが重要。
〇 このため、企業版ふるさと納税については、
北海道150年事業や未来チャレンジ基金事業など
意義を伝えやすい取組を中心に、本道とゆかりがあるなど
賛同いただける企業の拡大に努めてまいる考え。
〇 また、ふるさと納税に関しては、秋から民間のサイトを活用して、
北海道の知名度を生かした取組を実施するほか、
新たにクラウドファンディングによる取組も検討するなど、
寄附をいただいた方々の思いが、
豊かな地域づくりにつながるよう、取り組んでまいる考え。